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2008年08月26日

新種のエイ、新種のイルカを発見

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 二つの新種のニュースが、届きました。一つは魚類で、もう一つは哺乳類です。

 魚類のほうは、エイの新種です。通称「マンタ」と呼ばれるエイを、御存知ですか? 正式な日本語名では、オニイトマキエイという種です。この種が、二種に分かれるらしいことが、判明しました。新しい種名は、まだ、付いていません。
 これまで、「オニイトマキエイ」とされていたものには、大きさや、生態が違うグループが、二つあるようです。小さいほうのグループは、沿岸の海に棲みます。一年中、同じ海域にいます。ダイバーが出会うのは、ほとんどが、こちらのグループです。
 大きいほうのグループは、主に、外洋に棲むようです。広い海域を、回遊していると見られます。こちらのグループは、これまで、存在が知られませんでした。
 この研究成果により、「オニイトマキエイ」という種名は、なくなるかも知れません。少なくとも、新しい種名が、一つは、できるでしょう。

 哺乳類の新種は、カワイルカの一種です。南米のボリビアで、発見されました。
 以前から、ボリビアには、カワイルカ(淡水のイルカ)がいることが、知られました。それは、「アマゾンカワイルカ」だと思われていました。アマゾンカワイルカは、ブラジル、ペルー、コロンビア、ベネズエラなどに分布します。
 ところが、ボリビアのカワイルカは、「アマゾンカワイルカとは、別種らしい」と、判明しました。体色や、歯の数などが、他の水域のアマゾンカワイルカとは、違うそうです。
 ボリビアのカワイルカには、新たな種名が付けられました。ラテン語の学名を、Inia boliviensisといいます。日本語名は、「ボリビアカワイルカ」のようです。

 前記のように、今まで一つの種だと思われたものが、二つ以上の種に、分かれることがあります。新種の発見には、このような場合も、多いです。自然は、まだまだ多くの神秘を、人間から隠しているのでしょう。

 新種のエイのニュースと、新種のカワイルカのニュースは、以下にあります。
 マンタの新種が発見される(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/07/31)
 ボリビアのカワイルカは新種と判明(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/08/20) 



図鑑↓↓↓↓↓には、五十種以上の魚類と、八十種以上の哺乳類が掲載されています。
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2008年08月11日

ネムリブカは、眠るサメ?

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 サメ(鮫)といえば、恐ろしい魚の代名詞ですね。けれども、ヒトを襲うサメは、そう多くありません。ホホジロザメなど、ごく一部の種だけです。
 大部分のサメは、ヒトを、食べ物にしません。近年、ようやく、それが知られてきました。逆に、一部では、サメに人気が出ています。観賞用として、です。
 例えば、ネムリブカなどは、ダイビングをする人に、人気があります。
 ネムリブカは、サンゴ礁の海に、普通にいるサメです。体がスマートで、いかにも「サメらしい」姿です。大きさも、1mをゆうに越えます。迫力がありますね。
 それでいて、性質は、おとなしいです。そのうえ、平凡なサメなので、出会いやすいです。「実際に、近くで見られるサメ」として、ダイバーに喜ばれます。
 ネムリブカがおとなしいのは、夜行性だからです。普通、ダイバーが潜るのは、昼間ですね。ネムリブカが、休む時間帯です。肉食の生き物でも、休息中は、おとなしいものです。昼のネムリブカは、じっとしているか、のんびりと動くだけです。
 しかし、夜のネムリブカは、違います。夜は、活発です。他の魚などを、襲って食べます。夜にダイビングをする時には、近づかないようにしましょう。
 昼のネムリブカも、いたずらしてはいけません。ヒトだって、眠りを邪魔されれば、怒りますよね。サメも同じです。そっと、観察しましょう。
 「眠り」と書きましたが、ネムリブカの「眠り」=休息については、わからないことが多いです。ヒトと違い、完全に意識を失って眠ることは、ないようです。
 「サメは、ずっと泳ぎ続けていないと、死ぬ」という話を、聞いたことがありませんか? 「サメは、泳ぎ続けないと、呼吸ができない。だから、眠らない(休息しない)」というものです。この話は、誇張されたものです。そのようなサメは、ほとんどいません。
 多くのサメは、泳ぎ続けなくても、ちゃんと呼吸ができます。ネムリブカも、そうです。鰓蓋【えらぶた】を動かして、水を、鰓【えら】に通す仕組みがあります。
 サメには、いろいろ「伝説」が付きものです。でも、本当の姿は、まだ、謎です。 


図鑑↓↓↓↓↓には、ネムリブカや、同じメジロザメ目の、オグロメジロザメが掲載されています。
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 過去の記事でも、サメの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も、御覧下さい。
 「希少なサメ(鮫)、メガマウスの撮影に成功(2007/06/12)
 人食いザメより、サメ食い人のほうが多い?(2007/05/31)
 定置網に「ウバザメ」!! 茨城県日立沖(2007/04/25)
 ラブカはなぜ「生きている化石」か?(2007/01/27)
 ホオジロザメ(ホホジロザメ)は、本当にヒトを食うか?(2005/11/25)
などです。
 


2008年07月28日

気分はアマゾン探検隊? 大アマゾン展




 夏休み、全開ですね。各地で、生き物関係の催しが、開かれています。そのような催しの一つに、行ってまいりました。「大アマゾン展」です。
 展示されているのは、南米のアマゾン河に棲む魚たちです。ナマズ(鯰)の仲間が多いですね。「日本初公開」という種も、何種も展示されています。
 同じナマズでも、種ごとに、姿が違います。鎧【よろい】のようにいかつい鱗【うろこ】の種が、何種かいました。スマートで縞模様が美しい種や、銀色に輝く種もいました。
 すべてのナマズに共通なのは、ひげがあることです。大型のナマズは、ひげも長いです。どんなに長いひげでも、器用に動かすことができます。
 ナマズ以外の魚も、展示されています。ヨツメウオ、ピラニア、デンキウナギ(電気鰻)、アロワナ、淡水カレイ、淡水エイなどです。どれも、日本の川にはいない種です。
 ヨツメウオ(四つ眼魚)は、実際には、二つの眼しか持ちません。ですが、一つの眼を、二つの眼のように使います。眼の上半分を水上に出して、空中を視ます。同時に、眼の下半分で、水中を視ます。「二つの眼を四つ分使うから、ヨツメウオ」というわけです。
 ピラニアは、顎が発達して、獰猛【どうもう】そうに見えます。でも、ヒトを襲うことは、まず、ありません。獰猛な印象は、誇張されたものです。
 デンキウナギの展示個体は、とても大型でした。胴回りが太くて、迫力があります。日本で見られるデンキウナギとしては、最大級ではないでしょうか。
 アロワナは、ピラルクと同じ水槽に入っていました。どちらの種も、鱗の一枚一枚が大きいです。独特の色合いがあります。アロワナは、プラチナ色にきらめいていました。
 カレイやエイは、普通、海にしか棲めません。それが、アマゾンでは、淡水にいます。なぜそうなったのかは、わかっていません。淡水エイは水玉模様で、かわいいです。
 魚以外に、カエルが二種、展示されていました。ピパという種と、ベルツノガエルという種です。ピパは、まるで踏んづけられたように平たく、個性的な姿です。
 熱帯魚が好きなら、必見の展覧会です。会期が短いので、お早めに。


 「大アマゾン展」の公式ページは、以下にあります。
 大アマゾン展(玉川高島屋ショッピングセンター)
 


図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、アマゾンの魚は載っていません。そのかわり、日本の魚が、50種以上、掲載されています。
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 過去の記事で、他の夏休みイベントを紹介しています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 箱根で自然と芸術にひたる、花と美術の展覧会(2008/06/17)
 生物学を楽しく学べる? ダーウィン展(2008/03/20) ※現在は、大阪会場で開催中(~2008/09/21迄)
 「ファーブルにまなぶ」、虫の声の聴き方?(2007/10/11)
※現在は、滋賀県立琵琶湖博物館で開催中(~2008/08/31迄)


2008年06月23日

食中毒に注意、バラフエダイ

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 食中毒の季節ですね。生き物には、毒を持つものも多いですから、中毒は付きものです。今回は、「食中毒を防ぐ方法」の一端を、伝えますね。
 バラフエダイという魚がいます。主に、サンゴ礁の海に棲みます。日本近海では、南日本以南に分布します。全長1mに達する、大型の魚です。
 この魚は、釣り人に人気があります。大型で、引きが強いので、面白いのでしょう。
 ところが、食用にされることは、少ないです。「当たる」ことが多いからです。
 同じバラフエダイを食べても、当たることと、当たらないことがあります。地域によっては、普通に、バラフエダイを食べます。いっぽう、「中毒する」と恐れられて、食べられない地域もあります。なぜ、こんな違いがあるのでしょう?
 バラフエダイは、毒を持つ時と、持たない時があるのです。このようになる理由は、バラフエダイの毒が、「シガテラ毒」だからです。
 シガテラ毒とは、熱帯の海産物に、よくある毒です。バラフエダイ以外にも、たくさんの海生生物が、シガテラ毒を持ちます。この毒を持つのは、魚に限りません。
 最初に、シガテラ毒を作るのは、海のプランクトンです。渦鞭毛藻【うずべんもうそう】と呼ばれる生き物です。暖かい海に多いです。小さすぎるため、肉眼では見えません。
 生き物が、有毒の渦鞭毛藻を食べると、体に毒がたまります。その生き物が、別の生き物に食べられると、食べた生き物に、毒が移行します。
 こうして、海の生き物に、どんどん、シガテラ毒が広まります。ある海域に、有毒の渦鞭毛藻が発生すれば、その海域の生き物は、みな、毒化する可能性があります。同じ種の生き物でも、有毒の渦鞭毛藻がいなければ、シガテラ毒は、現われません。
 バラフエダイは、シガテラ毒を、体にためやすいのですね。その理由は、バラフエダイが、強い肉食の魚だからです。毒を持つ生き物を、たくさん食べて、体に毒を濃縮させてしまいます。体の大きなバラフエダイほど、毒化している可能性が高いです。
 バラフエダイらしき魚は、口に入れないほうが、安全ですね。



図鑑↓↓↓↓↓には、バラフエダイが掲載されています。
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 過去の記事でも、サンゴ礁の海にいる生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 鼈甲【べっこう】になるだけじゃない、タイマイ
 シマダコは、縞ダコか島ダコか?(2008/03/03)
 国際サンゴ礁年とは、どんなもの?(2007/12/24)
 死滅回遊魚【しめつかいゆうぎょ】とは、どんな魚?(2007/11/05)
 海中の一角獣【いっかくじゅう】? テングハギ(2007/07/23)
などです。

2008年06月13日

睨みを利かせるお父さん? オヤニラミ

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 二〇〇八年の父の日は、六月十五日です。これにちなんで、今回は、「子育てをするお父さん」の話をしましょう。ヒト以外の生き物の話です。
 生き物の世界では、子育てをするものは、少数派です。例えば、大部分の魚は、母親ですら、子育てをしません。「子育てをする魚」は、まれな存在です。
 オヤニラミは、「子育て魚」の一種です。日本の淡水に棲みます。河川の中流などの、流れの緩やかなところが、生息域です。水中に、障害物が多い場所を、好みます。ヨシなどの植物が生えたり、大きめの石が転がっていたりする場所です。
 障害物が多い場所を好むのには、理由があります。オヤニラミは、ヨシの茎などに、卵を産みつけるからです。安全に子育てできる場所を、選ぶのでしょう。
 卵は、むろん、雌(メス)が産みます。しかし、卵の世話は、雄(オス)が行ないます。
 雄は、卵のそばに、いつも付いています。口や胸びれで、卵へと、新鮮な水を送ります。敵から卵を守ります。近づくものがあると、雄は激しく攻撃します。
 卵が孵化【ふか】しても、「お父さん」の仕事は、終わりません。生まれたての稚魚【ちぎょ】たちは、数日間、「お父さん」に守られます。
 オヤニラミは、スズキ目スズキ科に属します。スズキ目ケツギョ科に分類する学説もあります。どちらにせよ、日本のスズキ目では、唯一、純淡水に棲む種です。
 他のスズキ目でも、汽水域【きすいいき】(淡水が混じる海水域)に来るものはいます。アカメ、スズキなどがそうです。けれども、一生を淡水で過ごすのは、日本では、オヤニラミだけです。貴重な種ですね。なのに、ずいぶん減ってしまいました。
 原因は、主に、河川の護岸工事だといわれます。コンクリートで固められたら、川岸には、植物が生えませんね。石も、取り除かれます。そんな単調な水中では、オヤニラミは、繁殖できません。稚魚が隠れる場所すら、ありませんよね。
 最近では、生き物に配慮した護岸工事も、行なわれるようになりました。そういうものは、ぜひ、広めてもらいたいです。魚もヒトも、安心して、子育てしたいですよね。


 過去の記事でも、生き物の世界の「子育てをするお父さん」を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 育児には父親も参加、オオゴキブリ(2007/06/15)
 子育てに張り切るお父さん、タマシギ(2006/06/17)
 コオイムシの雄は子煩悩【こぼんのう】?(2006/05/05)
 クマノミの親子関係(2005/10/31)



図鑑↓↓↓↓↓には、オヤニラミや同じスズキ目のスズキや、アカメが掲載されています。
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2008年05月16日

ガーナの宝冠:西アフリカの希少な生き物たち




 今、横浜市が、アフリカに染まっています。第四回アフリカ開発会議が、横浜で開かれるからです。このブログも、便乗しますね(笑) アフリカの生物を、紹介しましょう。
 昨年(二〇〇七年)十二月に、西アフリカのガーナから、「多くの新種がいる」と発表されました。新種の発見場所は、アテワ自然保護区です。新種ばかりでは、ありません。これまで知られている種でも、希少なものの生息が、確認されました。
 例えば、カエルです。ラテン語の学名を、Conraua derooiという種がいます。日本語名は、ありません。アカガエル科ゴリアテガエル(ゴライアスガエル)属に属します。
 Conraua derooiは、「世界で最も絶滅に近いカエル」といわれます。今後、生き残る可能性があるのは、アテワに棲むものだけだ、と考えられています。
 鳥類では、モモグロサイチョウや、リベリアクロヒタキなどの生息が、確認されました。モモグロサイチョウは、サイチョウ科ナキサイチョウ属の鳥です。リベリアクロヒタキは、ヒタキ科クロヒタキ属に属します。どちらも、数が少ない種です。
 哺乳類では、霊長類(サルの仲間)で、絶滅に近い種が、確認されました。オリーブコロブスや、ラテン語の学名をColobus vellerosusという種(日本語名なし)などです。
 昆虫では、八種の新種が発見されました。すべて、キリギリスの仲間です。アテワでしか、生息が確認されていません。また、希少なチョウ(蝶)も、確認されました。ラテン語の学名を、Mylothris atewaという種です。日本語名は、ありません。シロチョウ科シロチョウ亜科に属します。モンシロチョウの類縁ですね。
 昆虫以外の節足動物でも、新種が発見されました。クモ綱【こう】クツコムシ目【もく】クツコムシ科の種です。クモとダニの中間のような姿をしています。ラテン語の学名を、Ricinoides atewaと名づけられたようです。
 魚類や植物でも、珍しい種が、確認されています。中でも、シダ植物のCyathea manniana(ラテン語の学名、日本語名はなし)は、興味深いです。この種は、ヘゴ科ヘゴ属に属します。木生シダといって、樹木になるシダです。Cyathea mannianaと似た種は、ブラジルとマダガスカルにしか、分布していないそうです。
 たった一つの自然保護区で、この様子です。アフリカ全体では、どれほどの生き物がいるのでしょう? この多様性を、保ち続けたいですね。


 西アフリカのガーナで発見/確認された生き物については、以下に載っています。
 ガーナの熱帯林で、キリギリスや節足動物など9種の新種、 希少な生物種を発見(コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 2007/12/06)
 ガーナで、新種、希少種、絶滅危惧種【ぜつめつきぐしゅ】などを発見(コンサベーション・インターナショナル 2007/12/06) ※英語の解説です。
 新種動物をガーナで発見(OCCULuTION 2007/12/08) ※新種の節足動物(クツコムシ)などの写真が載っています。


 前記の、発見/確認された生き物の情報や、写真は、以下にもあります。
 最も絶滅に近いカエル、Conraua derooiの写真(Arkive) ※解説は英語です。
 アフリカ最大の蝶といわれるドルーリーオオアゲハの写真(ぷてろんワールド)
 シロチョウの一種Mylothris atewaの写真(ガーナの蝶たち) ※解説は英語です。

 クツコムシ目の解説(Wikipedia日本語版)

 シダ植物のCyathea mannianaの写真、全体像(metafro)
 シダ植物のCyathea mannianaの写真、ゼンマイ状の若葉(metafro)
 シダ植物のCyathea mannianaの写真、葉(metafro)

 横浜の、第四回アフリカ開発会議のサイト
 横浜の「アフリカ月間」の案内

2008年05月03日

ブラジルで、14もの新種を発見

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 またもや、新種発見のニュースです。今度の舞台は、南米のブラジルです。なんと、一挙に、十四種が発見されました。
 種の内訳は、魚類が八種、両生類が一種、爬虫類が三種、鳥類が一種、哺乳類が一種です。うち、いくつかの種を、紹介しましょう。
 爬虫類三種のうちの一種は、脚【あし】がないトカゲです。ピグミーテグー科バキア【Bachia】属の一種、と考えられています。この仲間は、日本には分布しません。
 「脚がないトカゲとは、ヘビ(蛇)ではないのか?」と思う方がいるでしょう。トカゲとヘビの違いは、脚の有無だけではありません。他に、いくつもの違いがあります。
 大きな差の一つは、トカゲには、瞼【まぶた】があることです。ヘビには、瞼がありません。ですから、ヘビは、まばたきをしません。
 今回の新種「脚がないトカゲ」にも、瞼があります。バキア属の特徴として、透明な瞼を持つはずです。このため、バキア属のトカゲは、目を閉じても、見ることができます。
 鳥類の新種は、とても小さなキツツキです。キツツキ科ヒメキツツキ属の一種、とされています。ヒメキツツキの仲間も、日本には分布しません。
 両生類の新種は、一見、ヒキガエルに似ています。英語名を、「角のあるヒキガエルhorned toad」というほどです。けれども、ヒキガエル科ではありません。ユビナガガエル科ツノガエルモドキ属の一種、とされます。ツノガエルモドキも、日本には、分布しません。
 これらの種が発見されたのは、ブラジルのセラードと呼ばれる地域です。ここは、自然の宝庫です。前記の新種以外にも、たくさんの貴重な種がいます。
 例えば、鳥類のスミレコンゴウインコや、クロアイサや、マメシギダチョウ、および、哺乳類のアメリカヌマジカや、ミツオビアルマジロなどです。みな、絶滅の危機にある種です。彼らにとって、セラードは、最後の楽園かも知れません。
 残念ながら、この楽園が、おびやかされています。人間による開発が、進んでいるからです。何とか、この野生の王国を、残したいですね。


 ブラジルの新種のニュースは、以下に載っています。
 新種一度に14種 バイオ燃料開発で危機 ブラジルの草原で発見(西日本新聞 2008/04/30)
 ブラジルの草原で、「脚がないトカゲ」などの新種が発見される(コンサベーション・インターナショナル 2008/04/29) ※英語の解説です。
 ブラジルの草原で発見された新種たちの写真(コンサベーション・インターナショナル、2008/04/29) ※英語ですが、写真集ですので、観るだけで楽しめます。


 過去の記事でも、新種の発見を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 両生類は、肺がなくても生きられる?(2008/05/01)
 タンザニアで、新種の哺乳類を発見!(2008/04/16)
 再発見! オキナワトゲネズミ(2008/03/07)
 インドネシアのパプアで、新種の哺乳類を発見(2007/12/19)
 霊長類【れいちょうるい】が絶滅の危機に?(2007/11/01)
 ベトナムで、新種の発見ラッシュ(2007/09/27)
 新種のクシクラゲ? 発見(2007/6/13)
などです。


2008年04月25日

ちょっと待って! メダカの放流

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 メダカは、春の小川に似合う魚ですね。かつては、日本中、どこでも見られました。
 ところが、近年、メダカが、絶滅危惧種【ぜつめつきぐしゅ】に指定されました。これは、日本人に、衝撃を与えました。最も平凡だった魚が、絶滅しそうなのですから。
 メダカの危機は、広く報道されました。このため、各地で、保護活動が盛り上がりました。メダカが棲める水場が整備されたり、メダカが飼育されて増やされたりしました。
 保護活動が盛んになるのは、良いことです。けれども、中には、問題のある保護活動もありました。保護するつもりが、逆効果になることも、あります。
 例えば、メダカの放流です。一時期、各地で流行しました。現在でも、よく行なわれますね。過去にメダカがいたのに、絶滅した場所へ、再びメダカを放つことです。
 このような放流には、とても注意が必要です。下手なやり方をすると、自然を荒らしてしまいます。なぜでしょう?
 メダカには、地域個体群【ちいきこたいぐん】があるからです。地域個体群とは、地域ごとの、特徴のある群れのことです。同じ種でも、地域によって、特徴が違うのですね。
 地域個体群は、地域ごとの財産です。違う地域のものと、混ぜてはいけません。それは、その地域本来の自然とは、違うものですね。混ぜたら、自然破壊です。
 以前は、地域個体群のことが、あまり知られていませんでした。そのために、「本来とは違う地域の個体群が、放流される」といった事故が、起こりました。
 誤りを防ぐには、どうしたらいいでしょう?
 まず、やたらに放流しないことです。確実に、その地域の個体群だとわかるまで、放流は控えましょう。専門知識のある人に、訊いてからにすべきです。
 特に、ペットショップや、人家で飼われているものを、そのまま放流してはいけません。そのようなメダカは、人間が作った品種であることが多いです。人工的な品種は、野外に放つべきではありません。放流する前に、メダカの素性を、きちんと調べましょう。
 正しい知識を広めることが、本当に、メダカの保護につながります。


 近年、メダカの地域個体群について、さまざまなニュースがあります。詳しくは、以下のページなどを御覧下さい。
  蘇るメダカ(湘南新聞 2005/07/09)
 藤沢メダカの学校をつくる会
などです。


 過去の記事でも、メダカと同じ日本の淡水魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 土用の丑【うし】には何を食べる?(2007/07/27)
 貝に卵を産む? 不思議な魚たち(2007/03/30)
 秋に美味しい鰍【かじか】(2006/11/13)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、メダカが掲載されています。
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2008年02月29日

シラウオ、シロウオ、どちらが本当?

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 寒さの中にも、春の便りが聞かれますね。春が旬【しゅん】の食べ物も、出回ってきました。春の味覚といえば、皆さんは、何を思い浮かべるでしょうか?
 シラウオ(白魚)は、春の味覚として、有名なものの一つですね。以前は、サケ目シラウオ科に属する魚とされていました。現在は、キュウリウオ目シラウオ科とされることが多いです。サケ目の多くの種が、新設のキュウリウオ目へと、移されました。
 生き物の分類が変わることは、よくあります。学問は、常に、進歩しているからです。
 生きているシラウオは、透明です。ガラス細工のような美しさです。白魚という名は、死んだ時の色から、付けられました。死ぬと、透明感が消え、白い体色になります。
 シラウオは、川の下流域、汽水【きすい】湖、沿岸の海などで、漁獲されます。汽水域(淡水と海水が混じるところ)が、彼らのすみかのようです。「ようです」というのは、彼らの生態が、はっきりわかっていないからです。
 以前、シラウオは、産卵のため、川をさかのぼるといわれました。けれども、それが本当かどうか、今は疑問が持たれています。
 シラウオは、徳川家康の好物だったと伝えられます。そんなに昔から食べられているのに、基本的な生態が、わかっていないのですね。生き物の生態を知るのは、難しいことです。水中の生物は、特に難しいのですね。直接の観察が、しにくいからです。
 ややこしいことに、シラウオには、とても似た別種の魚がいます。その名も、シロウオ(素魚)といいます。名前だけでなく、外見もそっくりです。生きている時は透明で、ガラス細工のようです。やはり食用になります。旬が春なのも、シラウオと同じです。おまけに、川の下流域や、沿岸の海に棲むことまで、同じです。
 ここまで似れば、当然、混同されますね。昔から、両種は混同されてきました。地方により、シラウオをシロウオと呼んだり、シロウオをシラウオと呼んだりします。
 しかし、シロウオは、シラウオとは縁が遠いです。スズキ目ハゼ科に属します。ハゼの一種なのですね。「他人の空似」も、ここまで来れば、感心してしまいます。


 過去の記事でも、キュウリウオ目(サケ目)や、スズキ目ハゼ科の魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ミナミトビハゼ(2007/09/06)
 ミナミトビハゼ(2007/05/27)
 日本を代表する美魚、アユ(2006/06/09)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、シロウオ(素魚)は載っていませんが、シラウオ(白魚)が掲載されています。
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2008年02月21日

チンアナゴ

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 チンアナゴ 画像
和名:チンアナゴ
学名:Heteroconger hassi
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沖縄  沖縄美ら海水族館  【2008.02.01】


2008年02月19日

メガネモチノウオ【別名:ナポレオンフィッシュ】

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 メガネモチノウオ【別名:ナポレオンフィッシュ】 画像
和名:メガネモチノウオ【別名:ナポレオンフィッシュ】
学名:Cheilinus undulatus
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沖縄  沖縄美ら海水族館  【2008.02.01】


2008年01月26日

オヤビッチャ

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 ブセナ・ケープ(岬)海中展望塔より。しつこいですが、水族館ではありません(笑)。入場料を払って、海中を見学します。ちょっと(かなり)ピンが甘いですね。ご愛敬ということで失礼いたします。オヤビッチャ 画像。
和名:オヤビッチャ
学名:Abudefduf vaigiensis
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沖縄 名護 【2008.01.12】


2008年01月25日

本当にあった不思議なカレイの話




 奇跡としか言いようのないニュースが、飛び込んできました。千葉県銚子市【ちょうしし】の沖で捕れた魚に、人が書いた手紙が付いていた、というのです。その手紙は、十五年も前に、小学生の女の子が、風船に付けて飛ばしたものでした。
 驚くことに、その手紙の文字は、ちゃんと読める状態でした。おかげで、手紙を書いた人の身元が、判明しました。小学生だった女の子は、現在、大学生で、健在だそうです。当時、神奈川県川崎市内の小学校から、手紙を飛ばしたとのことです。
 報道によれば、手紙を運んだのは、サメガレイという魚です。カレイ(鰈)の一種です。あの、目が片側に寄った、平たい魚の仲間ですね。食用になることで、有名です。
 サメガレイも、食用になる魚です。今回、見つかったものも、食べるために漁獲されました。漁師さんが、魚の仕分け中に、手紙が付いているのに気づいたそうです。
 カレイの中でも、サメガレイは、深い海に棲みます。主に、クモヒトデを食べているようです。クモヒトデは、深海に多い生物だからでしょう。「郵便屋さん」になったカレイは、おそらく、水深千m付近にいたはず、といいます。
 手紙の保存状態が良かったのも、奇跡ですね。他の魚でなく、サメガレイだからこそ、こんなことが起こった、と推測できます。
 サメガレイには、「鱗【うろこ】がない」という特徴があります。そのかわり、表側の皮膚が、ざらざらしています。鮫肌【さめはだ】だから、サメガレイと名づけられました。この鮫肌は、たっぷりの粘液に覆われています。
 たぶん、手紙は、サメガレイの鮫肌に、うまく引っかかったのでしょう。そのうえ、粘液に覆われれば、保護されますね。長い間、海中にあったのに、きれいに保存されたのは、このためだと思われます。
 人間の活動は、深海にまで、影響しているのですね。今回の事件で、改めて、わかりました。例えば、うっかり毒物を流したら、深海魚が絶滅するかも知れません。
 今回のように、小学生の手紙ならば、微笑ましくて、いいですね。


 手紙を運んだカレイのニュースは、以下にあります。
 <手紙>風船で飛ばして15年…カレイが届ける?(毎日新聞 2008/01/24)
 14年前の風船手紙、底引き網漁で水揚げのカレイがお届け(読売新聞 2008/01/24)



図鑑↓↓↓↓↓には、
残念ながら、サメガレイは載っていませんが、同じカレイの仲間のメイタガレイが掲載されています。
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2008年01月23日

ツノハタタテダイ

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 ブセナ・ケープ(岬)海中展望塔より。ツノハタタテダイ 後ろハマフエフキ画像。
和名:ツノハタタテダイ
学名:Heniochus varius
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

沖縄 名護 【2008.01.12】


2008年01月16日

ハマフエフキ

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 ブセナ・ケープ(岬)海中展望塔より。水族館ではありません。ハマフエフキ 画像。
和名:ハマフエフキ
学名:Lethrinus nebulosus
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

沖縄 名護 【2008.01.12】


2008年01月04日

おめでタイ!にも、いろいろいます

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 新しい年がやってきました。新年らしく、おめでたい生き物を取り上げましょう。
 タイ(鯛)は、日本で、縁起が良い生き物の代表ですね。タイと名が付く魚は、とても多いです。単にタイといえば、普通は、マダイ(真鯛)という種を指します。あの、きれいな赤い体色の魚です。普通の人が思い浮かべる「タイ」ですね。
 マダイにそっくりなのに、種が違うタイもいます。キダイ(黄鯛)やチダイ(血鯛)などです。マダイと同じく、赤っぽくて、左右に平たい体型をした魚です。素人には、区別が付けにくいですね。キダイやチダイは、マダイの代わりに、お祝い事に使われることもあります。見た目も味もそんなに変わりませんから、不当ではないでしょう。
 他にも、たくさんの「何とかダイ」がいます。有名なのは、クロダイ、イシダイ、キンメダイ、アコウダイなどですね。フエダイ、ニザダイ、スズメダイ、キンチャクダイなどもいます。これらの「タイ」は、みな同じ仲間でしょうか?
 違います。同じ「タイ」の名が付いても、異なるグループの種が多いです。
 例えば、マダイは、スズキ目タイ科に属します。キダイ、チダイ、クロダイは、同じスズキ目タイ科です。一般的には、これらスズキ目タイ科の種が、「本当のタイ」とされます。
 他のタイは、どうでしょう? イシダイは、スズキ目イシダイ科です。フエダイは、スズキ目フエダイ科に属します。スズメダイとキンチャクダイも、スズキ目のスズメダイ科、キンチャクダイ科に属します。ニザダイも、スズキ目のニザダイ科です。
 スズキ目以外の「タイ」も多いです。例えば、キンメダイは、キンメダイ目キンメダイ科に属します。アコウダイは、カサゴ目フサカサゴ科に属します。
 タイという名は、「平たい」に由来するようです。日本人は、マダイのように、「平たくて、赤っぽい魚」を尊ぶのですね。そのような魚に、みな「~ダイ」という名を付けました。分類に関係なく、タイと名が付く魚は、二百種以上もいるそうです。
 このために、分類学的には、ややこしくなってしまいました。日本人は、「タイ」に愛着があるのでしょう。「幸せになりタイ」願いがこもっているのかも知れません。


 過去の記事でも、「~ダイ」と名が付く魚を取り上げています。また、「○○ダイ科」の魚も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 死滅回遊魚【しめつかいゆうぎょ】とは、どんな魚?(2007/11/05)
 海中の一角獣?テングハギ(2007/07/23) ※テングハギはニザダイ科
 房総では良く釣れる魚の花鯛(ハナダイ)は…(2006/05/01)
 クマノミの親子関係(2005/10/31) ※クマノミはスズメダイ科
 ニモのお父さんはお母さんだった?(2005/10/28)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、タイ科の「タイ」は載っていません。かわりに、キンチャクダイ科、スズメダイ科、ニザダイ科、フエダイ科の魚が掲載されています。
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2007年11月26日

カサゴ(笠子)は、似たもの同士の一族

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 カサゴは、磯釣りの対象になる魚ですね。岩場にいる魚らしく、ごつごつした姿をしています。海中では、海藻の生えた岩にそっくりです。
 じつは、カサゴと呼ばれる魚は、一種ではありません。いくつもの種が含まれます。アヤメカサゴ、フサカサゴ、ユメカサゴ、イズカサゴなどです。ややこしいことに、単に「カサゴ」という種名の魚もいます。おおむね、フサカサゴ科フサカサゴ亜科に属する種が、まとめてカサゴと呼ばれます。
 カサゴの仲間は、どれもよく似ています。種によって、分布する海域や、生息する深度が、少しずつ違います。そうやって、棲み分けているのですね。
 例えば、フサカサゴは、本州中部以南の暖かい海に分布します。普通の「カサゴ」は、もう少し寒い海にもいます。北海道南部以南に分布します。
 棲み分けているとはいえ、カサゴの仲間は、似た種が、同じような場所に棲むことが多いです。しかも、同じ種でも、体色などに幅があります。真っ赤に見えるものと、真っ黒に見えるものとが、まったく同じ種、ということもあります。
 おかげで、カサゴの仲間は、分類が難しいです。「うっかりすると、カサゴに間違うくらい似ている」ために、ウッカリカサゴと名づけられた種がいるくらいです。冗談みたいですが、「ウッカリカサゴ」が正式な種名です。
 「カサゴ一族」が似ているのは、みな、似た生活をするからです。海底の岩礁域で、あまり動きません。エビや小魚などの獲物を、待ち伏せて捕らえます。待ち伏せるのに、目立っては困りますね。だから、「カサゴ一族」は、全員、海底の岩に似ています。
 カサゴの仲間は、食用魚としても知られます。どれも、白身の魚ですね。白身なのは、生態と関係しています。魚の白い筋肉は、瞬発力に優れた筋肉です。「じーっと待ち伏せていて、獲物が近づいたら、すばやく捕らえる」という動きに適しています。
 だいたい、秋から冬にかけてが、カサゴの仲間の旬【しゅん】です。ちょうど、これからの季節ですね。煮つけや鍋物が美味しいです。どうぞ、御賞味下さい。


 過去の記事でも、秋から冬に美味しい魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ハマチはブリの子か?(2007/1/19)
 秋に美味しい鰍【かじか】(2006/11/13) 
 アンコウは釣りの名手(2006/1/27) などです。
 


図鑑↓↓↓↓↓には、カサゴとオニカサゴも掲載されています。
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2007年11月15日

シーラカンスの新種?発見

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 生きている化石のシーラカンスは、話題に事欠きませんね。近年、「インドネシアのスラウェシ島近海で、シーラカンスの新種が見つかった」というニュースがありました。
 それまで、「シーラカンスは、アフリカ南東部のコモロ諸島近海にしかいない」と考えられていました。ラテン語の学名を、ラティメリア・カルムナエLatimeria chalumnaeという種です。インドネシアのシーラカンスは、これとは違う新種だと判断されました。ラティメリア・メナドエンシスLatimeria menadoensisという学名が付いています。
 最近、さらに、第三の生息域が発見されました。東アフリカのタンザニア沖です。ここで、続々とシーラカンスが捕獲されました。漁師さんたちが、普通の魚を捕ろうとしていたのに、シーラカンスが捕れてしまった、といいます。
 はじめ、タンザニアのシーラカンスは、「本来の生息域であるコモロ近海から、流されてきたのでは?」と考えられました。けれども、二〇〇七年に行なわれた調査により、「タンザニア沖に、シーラカンスの生息域がある」と確認されました。なんと、日本の調査隊による成果です。福島県にある水族館「アクアマリンふくしま」の調査隊でした。
 タンザニアのシーラカンスは、第三の種なのでしょうか? これは、まだわかっていません。現在までの調査では、新種の可能性があるようです。
 新種でなくとも、新しい生息域が判明したのは、嬉しいですね。しかし、喜んでばかりはいられません。判明した理由が、問題だからです。なぜ、今になって、タンザニア沖で、シーラカンスが捕れるようになったのでしょうか?
 その理由は、タンザニア沿岸の海で、魚が減ったためです。漁師さんたちは、困ってしまいました。魚を求めて、より沖の海へ行ったのですね。そこが、シーラカンスの生息域でした。漁業資源の枯渇という、深刻な問題が、根底にあります。
 このままでは、シーラカンスの生存も、危うくなりかねません。海全体が健全でないのに、一種だけ無事なことは、あり得ないからです。シーラカンスを含めた魚も、漁師さんたちも、豊かに暮らせる海にしたいですね。


 タンザニア沖シーラカンスのニュースは、以下にあります。
 【科学】生きた化石シーラカンスの謎を追え(Yahoo!ニュース・産経新聞 2007/11/05)
 シーラカンス続々捕獲/タンザニア沖で30匹以上(東奥日報 2007/09/21)


 タンザニア沖で、シーラカンスの撮影に成功した「アクアマリンふくしま」のウェブサイトは、以下にあります。また、東京工業大学、国立科学博物館などでも、シーラカンスの研究が進められています。
 アクアマリンふくしま(日本語トップページ)
 東京工業大学 岡田研究室(右上にシーラカンスのページ入口があります)
 国立科学博物館(トップページ)



 二〇〇七年の11月24日(土)に、シーラカンスのシンポジウムが開かれます。会場は、福島県にある「 いわき明星大学」です。一般の人でも、参加費を払えば、参加できるようです。興味がおありの方は、以下のページを御覧下さい。
 ザ・シーラカンス シーラカンスの謎に迫る!2007(アクアマリンふくしまのサイト内ページ)


 過去の記事でも、シーラカンスを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 えっ シーラカンスを捕まえた?!(2007/5/22)
 シーラカンスの動画撮影に成功! その後は?(2007/1/20)
 シーラカンスはなぜ「生きている化石」か?(2006/6/1)

などです。


2007年11月08日

琵琶湖で発見された「エンツイ」とは、どんな魚?

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 また、悲しいニュースがありました。「琵琶湖で、新たな外来種の魚が発見された」と報道されましたね。「エンツイ」と呼ばれる魚です。
 「エンツイ」とは、魚の原産地の、中国での名です。日本語の名は、ありません。日本には、本来、分布しないからですね。
 もとの中国語からすれば、「エンツイ」とは、だいぶ「なまった」発音です。「エンツュイ」、「エンツユイ」、「エンチュイ」などとも呼ばれます。
 より正確には、「イェン・ツー・ユイ」という感じに発音します。漢字で書けば、「臙脂魚」です。まれに、成魚が臙脂【えんじ】色になるため、このように名づけられたのでしょう。ラテン語の学名を、Myxocyprinus asiaticusといいます。
 エンツイ改めイェンツーユイは、コイ目に属します。広い意味では、コイの仲間ですね。けれども、コイと違って、コイ科ではありません。コイ目サッカー科に属します。サッカーとは、球技のサッカーsoccerではありませんよ(笑)サッカーsuckerという名の魚がいるのです。主に、北米に分布する魚のグループです。
 イェンツーユイは、中国の長江流域に分布します。サッカー科の中で、唯一、北米以外に分布する種です。なぜ、一種だけこんなに離れているのかは、わかっていません。
 今回見つかったイェンツーユイを、写真で見ると、奇妙な形をしていますね。背中が高く盛り上がっています。そこに、大きな背びれが付いています。これは、幼魚の姿です。成魚は、スマートな形です。普通の魚と変わりません。
 イェンツーユイは、観賞魚として、日本に輸入されています。確かに、幼魚の形は、面白いですね。しかし、成魚が、1mを越えるほど大きくなることを、忘れてはいけません。「それほどの大型魚を飼う」と覚悟ができなければ、飼うべきではありません。
 外来種自身には、罪はありません。いつも、ここのブログに書いているとおりですね。ペットを売る人、買う人、管理する人など、みんなの責任が、問われています。


 琵琶湖で発見された「エンツイ」改め「イェンツーユイ」のニュースは、以下にあります。
 琵琶湖で中国産外来魚を捕獲 「エンツイ」を初確認(京都新聞 2007/11/05)


 「エンツイ」こと「イェンツーユイ」のニュースは、他にも、以下のようなものがあります。レコードチャイナの写真を見ますと、「臙脂魚」(臙脂【えんじ】色の魚)や「美人魚」の名が納得できますね。
 獅子顔の巨大怪魚、出現―四川省ろう中市(レコードチャイナ 2007/05/08)
 安徽:15万尾の「臙脂魚」を長江に放流(livedoorニュース 2007/04/23)
 漁師が長江で未知の魚を捕獲、俗称は「アジア美人魚」―重慶市(レコードチャイナ 2006/12/13)


 過去の記事でも、外来種について取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ワニに見えてもワニじゃない、ガーパイク(2006/09/16)
 オオトカゲは危険生物?(2006/08/22)
 飼う前によく考えましょう、カミツキガメとワニガメ(2006/04/5)
 ミドリガメ(アカミミガメ)から病気がうつるのは本当?(2006/03/13)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、コイ、タナゴ、ドジョウなど、コイ目の魚が十種以上掲載されています。
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2007年11月05日

死滅回遊魚【しめつかいゆうぎょ】とは、どんな魚?

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 だんだん寒くなってきましたね。季節は、海の中にもめぐります。
 例えば、伊豆の海を見てみましょう。伊豆は、ダイビングスポットとして人気です。おかげで、たくさんの種の魚が、ダイバーに観察されています。
 初夏から初冬にかけて、伊豆では、きれいな魚がたくさん見られます。クマノミ、ハマクマノミ、ツノダシ、タテジマキンチャクダイなどです。これらの多くは、サンゴ礁に棲む魚です。本来、もっと南の海にいるものたちです。
 温かいとはいえ、伊豆の海は、サンゴ礁ができるほどではありません。なぜ、サンゴ礁の魚が、伊豆にいるのでしょうか?
 彼らは、南の海からやってきます。海流に乗ってくるのです。伊豆の場合なら、黒潮ですね。日本の太平洋岸を通る暖流です。
 伊豆の海でも、初夏から初冬にかけては、かなり温かいです。南の海の魚が、普通に暮らせます。ところが、温度が下がってくると、そうはいきません。南海生まれの魚たちは、大部分が、冬に死んでしまいます。春に