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2010年3月 8日

害魚が益魚に? うろこの秘密

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 二〇〇八年のことですが、興味深いニュースがありました。ある種の魚の鱗【うろこ】が、防弾チョッキの開発に役立つかも知れないというのです。
 防弾チョッキというと軍事技術ですね。「そんな恐ろしいものの話は、聞きたくない」方もいるでしょう。でも、待って下さい。このような技術は、平和利用できます。
 今回のニュースになったのは、ポリプテルス・セネガルスという魚です。アフリカに分布します。日本にはいません。けれども、熱帯魚としてペット屋で売られています。
 ポリプテルスの仲間は、特殊な鱗を持ちます。「ガノイン鱗」と呼ばれるものです。この鱗は、とても丈夫です。これのために、ポリプテルスの仲間は、怪我や病気をしにくいと考えられています。
実際、ポリプテルスの仲間は、長生きすることが知られます。
 この鱗を調べたところ、厚みがないのに『防御能力が非常に際だっている』ことがわかりました。この構造を真似れば、軽くて丈夫な「衝撃防止服」を作れそうです。
 「衝撃防止服」は、防弾チョッキとは限らないでしょう。例えば、建築現場など、危険な場所で作業する人の服にぴったりです。スポーツ選手のユニフォームにも、良さそうです。万が一、事故があっても、服のおかげで、命が助かるかも知れません。
 ガノイン鱗を持つ魚は、ポリプテルスだけではありません。ガーパイクの仲間も、ガノイン鱗を持ちます。ガーパイクの仲間は、北米から中米に分布します。
 同じガノイン鱗でも、ポリプテルスのものとガーパイクのものとでは構造が違います。しかし、丈夫なことは同じです。ガーパイクの鱗も、研究する価値はあるでしょう。
 ガーパイクの仲間は、多くが、「熱帯魚」ではありません。温帯に棲みます。この点が、ポリプテルスと違います。つまり、日本の普通の気候に適応しやすいわけです。
 これは、飼いやすさにつながります。飼いやすい生き物は、研究しやすいですね。
 今の日本で、ガーパイクの仲間は、外来魚として問題になっています。もしも駆除するならば、ただ殺すのではなくて、研究材料にしたらどうでしょうか? 手近な自然に学べることは、たくさんあると思います。


図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、ポリプテルスや、ガーパイクは載っていません。そのかわり、日本の魚が五十種以上が掲載されています。
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「ポリプテルスと防弾チョッキ」のニュースは、以下に載っています。
西アフリカ原産の魚のウロコ、未来の防弾チョッキのモデルに 米研究(AFPBBニュース 2008/07/28)
 過去の記事でも、ガーパイクなど、日本の外来魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
琵琶湖で発見された「エンツイ」とは、どんな魚?(2007/11/08)
ワニに見えてもワニじゃない、ガーパイク(2006/09/16)
などです。

2010年2月 8日

天然記念物なのに、絶滅しそうなのは、なぜ?

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 天然記念物という言葉を聞いたことがおありでしょう。貴重な動物や植物、鉱物が指定されます。有名なものには、ツシマヤマネコ、ヤンバルクイナなどがいます。
 天然記念物に指定されると捕獲・採集などが禁止されます。保護されるわけですね。
 ここで、不思議に思った人はいませんか? 保護されているのなら、なぜ、ツシマヤマネコやヤンバルクイナは「絶滅しそうだ」と騒がれるのでしょうか?
 じつは、日本の「天然記念物」という制度には不備が多いのです。できた時代が、古いためです。もちろん、良いところもありますが。
 天然記念物には、国が指定するものと地方自治体が指定するものとがあります。ここでは、国が指定するものについて説明します。
 天然記念物は「文化財保護法」という法律に基づく制度です。法律の名に、注目して下さい。「文化財」です。「生き物」や「動植物」ではありません。
 「文化財」とは、人間が手を入れたものですね。そもそも、この法律は「人間が手を入れたものを保護する」のが目的です。自然の生き物を保護する目的にはそぐいません。
 この法律ができたのは、一九五〇年です。この法律の前身となる法律が、一九一九年にできています。じつに、大正九年のことです。この頃の古い考えを法律は引きずっています。現在の考えでは「天然」とは言いがたいものが、天然記念物に含まれます。
 例えば、「日本犬」が天然記念物に指定されています。普通にいる柴犬も天然記念物です。捕獲禁止のはずの天然記念物が、飼われているなんてびっくりですね。
 昔は、家畜であろうと野生動物であろうと「生き物」は、一くくりにされたのでしょう。家畜は家畜で、保護するべきだと思います。けれども、野生動物と家畜とを同じ基準で保護するのは無理がありますね。今のままの法律では不自由です。
 法律を変えるのは、大変なことです。国民の同意がなければ、変えてはいけないものでしょう。でも、良い方向へ変えるなら、国民の同意が得られるのではないでしょうか。


図鑑↓↓↓↓↓には、ツシマヤマネコ、ヤンバルクイナなどたくさんの天然記念物が掲載されています。
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 過去の記事で、天然記念物に指定された生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
カメの腹筋? セマルハコガメ(2009/09/28)
貝に卵を産む? 不思議な魚たち(2007/03/30)※国指定の天然記念物のミヤコタナゴを取り上げています。
ヤンバルクイナは絶滅寸前?(2006/10/2)
天然記念物というものはどういうものですか?(2006/03/28)
などです。

2010年1月25日

ハリセンボンに、毒はあるか?

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 ふぐ料理が美味しい季節ですね。日本人は、昔からフグを食べてきました。毒があるとわかっているのに、です。フグには、すべて、毒があるのでしょうか?
 この答えは、フグの定義によって、違ってきます。フグ目【もく】フグ科に属する種は、ほとんどが、何らかの形で、毒を持つようです。
 フグ目でも、フグ科以外に属する種には、毒がないものが多いです。例えば、ハリセンボン科や、マンボウ科―マンボウもフグ目です―の種には、毒はありません。
 ハリセンボン(針千本)という名は、よく知られますね。名に反して、ハリセンボンには、千本の針はありません。せいぜい、四百本くらいだそうです。
 ハリセンボンとは、フグ目ハリセンボン科に属する種の総称です。この仲間の外見は、普通のフグに似ます。ただし、それは、膨らんでいない状態の時です。膨らむと、「いがぐり」のように、棘だらけになります。
 この棘が、ハリセンボンが毒を持たない理由でしょう。棘で防御していれば、毒を持つ必要はありませんね。興味深いことに、マンボウも、幼魚のうちは棘を持ちます。マンボウの場合、成魚は非常に大きいので、棘で身を守る必要がないのでしょう。
 どうせなら、ハリセンボンは、棘に加えて毒もあれば、もっと強そうですよね。フグの仲間なのに、なぜ、そうならなかったのでしょう? それは、自然界には、「なるべく無駄なことをしない」という法則が働くからです。
 棘を作ったり、毒を持ったりするには、エネルギーがかかります。防御手段を持ちすぎると、敵にやられなくても、食べ物が足りなくて、死んでしまうかも知れません。このために、「棘と毒」のような、何重もの防御手段を持つ種は、少ないです。
 ところが、ハリセンボンには、棘が利かない敵がいます。そう、ヒトですね。
 沖縄などの地方では、ハリセンボンを食べます。棘だらけの皮をむけば、美味しく食べられます。旬【しゅん】は、フグと同じく、冬だそうです。
 ハリセンボンが、ヒトに対抗するには、進化の時間が足りなかったようですね。


図鑑↓↓↓↓↓には、ハリセンボン科の一種ヒトヅラハリセンボンが掲載されています。
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過去の記事でも、フグ目【もく】に属する種(マンボウ)を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
「翻車魚」と書くのは、どんな魚?(2009/07/13)

2009年12月21日

カジカ(鰍)の迷宮

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 鍋【なべ】の季節ですね。鍋料理は、日本が誇る文化の一つだと思います。地方ごとに、いろいろな食材の鍋料理がありますね。
 道南(北海道の南部)では、『かじか』という魚の鍋料理に人気があります。本州以南でいう「カジカ」と北海道でいう『かじか』とは、同じ種でしょうか?
 違います。正式な種名を「カジカ」という魚は、本州以南にしか分布しません。では、北海道の『かじか』は、正式な種名を何というのでしょう?
 じつは、北海道の『かじか』には、複数の種が混じります。ケムシカジカ、オクカジカ、トゲカジカ、シモフリカジカ、ニジカジカなどをまとめて『かじか』と呼んでいます。これらの種は、すべて海の魚です。正式種名カジカは、淡水の魚です。
 前記の種のうち、ケムシカジカやトゲカジカは美味しい魚として知られます。ケムシカジカ、オクカジカ、トゲカジカなどの種には、ナベコワシ(鍋壊し)という別名があります。「美味しさのあまり、鍋の底までつついて壊してしまう」からだそうです。
 「○○カジカ」という種名の魚は、たくさんいます。先に挙げたのはその一部です。これらの「○○カジカ」は、みな近縁なのでしょうか?
 そうとは限りません。多くの「○○カジカ」は、カサゴ目カジカ科に属します。けれども、例えばケムシカジカは、カサゴ目ケムシカジカ科に属します。細かい分類には関係なく、カサゴ目のうちで、正式種名カジカに似るものを「○○カジカ」としています。
 「○○カジカ」には、美味しい魚が多いです。このため、それぞれの地方で漁獲され、方言名が付けられました。これが、事態をややこしくしています。
 例えば、ケムシカジカには、トウベツカジカという方言名があります。トゲカジカには、ホンカジカ、マカジカ、オキカジカ、ヤリカジカなどの別名があります。こんなに「○○カジカ」だらけでは、普通の人には、何が何だかわかりませんね。
 研究者の間でも、「○○カジカ」の分類は、混乱しているようです。昔から食べられているのに、種名さえ定かでないわけです。自然界には、研究の余地がありますね。


図鑑↓↓↓↓↓には、正式種名カジカが掲載されています。
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 過去の記事で、正式種名カジカを取り上げています。また、カジカガエルというカエルの一種も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
カジカガエルは、河の鹿(シカ)?(2009/06/05)
秋に美味しい鰍【かじか】(2006/11/13)

2009年12月13日

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コイ 画像
和名:コイ
学名:Cyprinus carpio
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

東京都 新宿区【2009.11.18】

図鑑↓↓↓↓↓には、スコイが掲載されています。
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2009年11月 6日

味が良いから、アジ(鯵)?

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 アジは、食用魚として日本人に知られますね。「味が良いから、アジという名が付いた」と説があるほどです。ただし、名の由来には異説もあります。
 アジと呼ばれる魚には、複数の種が含まれます。シマアジ、マアジ、マルアジ、ムロアジ、メアジなどです。これらの種はみなスズキ目【もく】アジ科に含まれます。地方によりますが、単に「アジ」というとマアジ(真鯵)を指すことが多いです。
 アジ科の種には、互いに似たものが多いです。アジ科で特徴的なのは、「ぜいご」とか「ぜんご」などと呼ばれる鱗【うろこ】ですね。尾の付け根から頭にかけて、大きめのぎざぎざした鱗が通っています。これが「ぜいご」です。
 アジ科の魚に、すべて「ぜいご」があるわけではありません。例えば、カンパチ、ヒラマサ、ブリなどには「ぜいご」はありません。カンパチやブリもアジ科に属します。
 「ぜいご」や「ぜんご」とは通称です。正式には、稜鱗【りょうりん】と呼ばれます。盾状鱗【たてじょうりん】、楯鱗【じゅんりん】などと呼ばれることもあります。が、楯鱗【じゅんりん】とは、普通はサメの鱗を指す言葉です。「ぜいご」とは違います。
 アジ科のうち、アジ亜科に含まれる種に、稜鱗【りょうりん】があります。何のためにあるのでしょう? 詳しくは、わかっていません。「側線【そくせん】という感覚器官と、何らかの関係がある」と考えられています。
 側線とは、水の動きを探知する器官です。ヒトで言えば、耳のようなものです。耳は、空気の振動を、音として感じますね。アジは、側線に沿って、稜鱗が付いています。
 稜鱗のおかげで、アジの仲間は、すぐにそれとわかります。けれども、仲間うちでは、種の見分けが難しいです。地球の裏側にいるアジにも、マアジとよく似た種がいます。
 例えば、南米の太平洋岸には、チリマアジという種がいます。地中海には、ニシマアジがいます。ニュージーランドの近海には、ニュージーランドマアジが分布します。
 これらのアジは、日本に輸入されています。日本古来のアジのようでも、輸入ものの場合があります。日本の食卓を満たすには、もはや、輸入に頼らざるを得ないのですね。


図鑑↓↓↓↓↓には、マアジが掲載されています。
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 過去の記事でも、食用になる魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
知られざる美味? 寒鯔【かんぼら】(2009/01/19)
カサゴ(笠子)は、似たもの同士の一族(2007/11/26)
マグロ(鮪)は温血魚?(2006/10/18)
などです。

2009年9月30日

アオスジアゲハ【ハイスピード撮影】

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アオスジアゲハのハイスピード撮影。210fpsで撮影しました。アオスジアゲハ 動画
和名:アオスジアゲハ 
学名:Graphium sarpedon nipponum

東京都 港区【2009.09.28】

図鑑↓↓↓↓↓には、アオスジアゲハが掲載されています。
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2009年8月26日

海の妖怪ジェニー・ハニヴァー、その正体は?

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 夏休み、水族館に出かけた方はいませんか? 最近は、水族館に、大きな水槽があることが増えましたね。おかげで、大型の魚が、生きた姿で、見られます。
 例えば、エイの仲間には、大型になるものが多いです。水族館では、あの独特なエイの姿を、じっくり見ることができます。一度、エイを腹側から見てみて下さい。
 腹側からエイを見ると、面白い形をしています。まるで、ヒトの顔のようです。眼が二つ、口が一つあるように見えます。
 もちろん「ヒトの顔」と見るのは錯覚です。口は、確かにエイの口ですが、眼に見える部分はエイの眼ではありません。鼻の穴です。本当のエイの眼は背の側にあります。
 昔の人も、エイのこのような姿を、面白いと感じたのでしょう。エイの干物で、お土産物が作られるようになりました。カリブ海の沿岸などにあると聞きます。ジェニー・ハニヴァーJenny Haniverというものです。
 ジェニー・ハニヴァーは、「悪魔の魚」や「海の妖怪」のミイラなどといわれます。土地ごとに、さまざまな伝説があります。伝説には、民俗学的な価値があるでしょう。けれども、ジェニー・ハニヴァーそのものは、エイの干物を加工しただけです。
 どこの国の人も、エイには、不気味さを感じるのでしょうか。日本にも、エイを「妖怪の一種」とする伝承があります。「赤えい」という妖怪です。
 妖怪の赤えいは、とてつもなく大きな魚です。あまりにも大きいため、島と間違えられるといわれます。このような巨大魚の伝説は、世界各地にありますね。アラビアン・ナイトにも登場します。日本の場合、なぜかそれが「赤えい」だとされました。
 アカエイというエイの一種は、実在します。が、むろん、実物のアカエイは島ほど大きくはなりません。長い尾を入れても、せいぜい2m以内です。妖怪の「赤えい」と実在するアカエイとがなぜ同じ名なのかはわかりません。
 実在するアカエイは、日本近海では平凡な魚です。水族館でもよく飼われています。ぜひ、生きているジェニー・ハニヴァー(笑)の姿を確かめて下さい。



図鑑↓↓↓↓↓には、実在する魚のアカエイは掲載されています。
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 過去の記事でも、エイや、エイに似た魚を取り上げています。また、「人魚のミイラ」など、妖怪とされる生き物も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
チュパカブラ? ニホンオオカミ? 謎の生物の正体は(2009/03/30)
カスザメは、海中の天使?(2008/12/01)
新種のエイ、新種のイルカを発見(2008/08/26)
人魚のミイラが実在する?(2007/04/01)
「かすべ」と言う魚を(2005/11/10)
などです。

2009年8月20日

地球と宇宙の環境科学展、お知らせ

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 夏休みの催しを、また一つ、見に行ってきました。『消えた生き物の謎と秘密』というものです。『地球と宇宙の環境科学展』という副題が付いています。東京のお台場近くの、日本科学未来館で、開催中です。
 この展覧会は、まず、地球の歴史をざっと振り返ります。その過程で、これまで地球に繁栄した生き物をいくつか紹介しています。
 古いところでは、今から六億年ほども昔の生物が解説されています。エディアカラ生物群と呼ばれる生物たちです。これの少し後に、有名なバージェス動物群が登場します。カンブリア紀(約五億四千五百万年前~約五億五百万年前)最強の動物とされるアノマロカリスが、巨大なロボットになって再現されています。
 その後には、海にしかいなかった生物が陸に上がったことが解説されています。そして、恐竜の登場と絶滅です。恐竜の代表として、ヴェロキラプトルとティラノサウルスのロボットが、迫力ある姿を見せてくれます。触れる化石もあります。
 現代に生きる生物たちも、たくさん紹介されています。アマミノクロウサギやツシマヤマネコの剥製【はくせい】標本があります。これらは、生きた姿を見るのが難しいですね。標本でも見られるのは幸運です。
 会場には、たくさんの解説板があります。すべての解説を読むと、かなり時間がかかります。解説をじっくり読みたい方は、時間に余裕を持って行きましょう。
 また、会場では、映像も多用されています。どれも興味深いので、つい、足を止めてしまいます。でも、これらの映像は、一つ一つが長いです。こちらも、うっかりすると時間が足りなくなります。「解説は苦手、映像だけ見たい」という方も、やはり時間には余裕を持ちましょう。
 個人的には、ヒトが滅ぼした生物の紹介に心を打たれました。「もう、彼らには会えないのか」と思うと、悲しくなります。絶滅鳥のドードーの模型など、よくできているだけに悲劇が際立ちます。「こんな悲劇を繰り返してはいけない」と、考えさせられました。

 展覧会『消えた生き物の謎と秘密』は、以下に公式サイトがあります。
~地球と宇宙の環境科学展~ 消えた生き物の謎と秘密

 過去の記事でも、夏休みのイベントを紹介しています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
写真展、昆虫4億年の旅(2009/07/22)

図鑑↓↓↓↓↓には、日本の生き物が、千八百種以上掲載されています。
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2009年7月13日

「翻車魚」と書くのは、どんな魚?

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 題名の「翻車魚」は、何と読むのか、おわかりでしょうか? 答えは「まんぼう」です。あの巨大な魚です。後半身が切れたような、独特の姿ですね。
 「翻車魚」という漢字は、どう見ても、当て字ですね。魚の中でも、難読名として知られます。なぜ、こんな漢字名が付いたのでしょうか? 
 正確なところは、わかっていません。一説では、「マンボウが日光浴をする様子が、大きな車輪のように見えたのではないか」といわれます。
 マンボウは、時おり、海面近くで、「日光浴」らしき行動をします。その時には、体を横倒しにします。あの体型は、横から見ると、円い輪郭ですね。車輪のように、見えないこともありません。だから、「車が翻【ひるがえ】る魚」なのでしょうか。
 マンボウが、なぜ、「日光浴」をするのかも、わかっていません。「日光浴ではなく、海鳥に、体の寄生虫を食べてもらうための行動だ」という説もあります。
 マンボウの生態は、謎だらけです。少なくとも、「のんびりと海を漂うだけ」では、ありません。見た目以上に、遊泳力があります。生息域は、深海にまで及びます。
 以前、マンボウは、「クラゲなど、遊泳力の弱いプランクトンばかりを食べる」と思われた時期がありました。「積極的に餌を追うほど、遊泳力がない」と思われたからです。これは、間違いだとわかりました。マンボウは、エビなども食べます。
 最近、マンボウは、水族館で飼われることが増えましたね。飼育されていても、わからないことが多いです。いっぽうで、マンボウは、古くから食用にされています。
 マンボウには、いくつもの方言名があります。ウキ、ウキキ、クイザメなどです。古くから知られなければ、豊かな方言名は、生まれないでしょう。昔の人は、あんな大きい魚を、どうやって捕ったのでしょうか? 小型の個体だけを、狙ったのかも知れません。
 ウキやウキキという方言名は、「浮き」や「浮き木」という意味のようです。前記の「日光浴」の様子から付けられた、と考えられます。では、「クイザメ」は? 「体の半分を、サメに食いちぎられたようだから」だそうです。発想は、昔の人も同じですね(笑)



図鑑↓↓↓↓↓には、マンボウが掲載されています。
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 過去の記事でも、大型の魚や、珍しい魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
最小の脊椎動物?が発見される(2009/02/14)
複数の科が、一つの科に? 魚の分類が変わる(2009/01/29)
新種のエイ、新種のイルカを発見(2008/08/26)
希少なサメ(鮫)、メガマウスの撮影に成功(2007/06/12)などです。

2009年6月26日

横縞なのに、タテジマキンチャクダイ?

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 魚の名前を知って、不思議に思ったことがありませんか?
 例えば、タテジマキンチャクダイです。名前に「タテジマ(縦縞)」と付いていますね。当然、縦縞【たてじま】模様の魚だろうと考えます。けれども、タテジマキンチャクダイの実物は、どう見ても、横縞【よこじま】模様です。
 タテジマヤッコという魚も、同じです。横縞なのに、「タテジマ」ヤッコです??
 魚を、普通に泳いでいる姿勢ではなく、頭を上にして、見て下さい。タテジマキンチャクダイや、タテジマヤッコの縞模様は、縦に見えますよね。
 魚の縞模様は、頭を上にした状態で、判断されるようです。なぜ、こうなったのかは、わかりません。「紛らわしいことをしないでくれ」と思いますよね(笑)
 では、普通に見て、縦縞模様の魚には、「ヨコジマ」と付いているのでしょうか?
 そのとおりです。ヨコジマアイゴ、ヨコシマクロダイ(幼魚)、ヨコシマサワラなどの魚は、普通の姿勢で見ると、縦縞模様です。頭を上にすると、横縞になります。
 ところが、ヨコシマタマガシラという魚がいます。普通の姿勢で見て、横縞模様です。「タテジマ」ヤッコと同じ方向の縞模様なのに、「ヨコシマ」タマガシラです。
 そのうえ、タテスジハタという魚を知ると、混乱が増します。「タテスジ(縦筋)」なのに、頭を上にすると、横縞模様なのです。つまり、普通の状態で、縦縞です。
 スジ(筋)とシマ(縞)とで、模様を呼び分けているわけでもないのですね。ヨコスジイシモチ、ヨコスジクロゲンゲ、ヨコスジカジカなどは、「ヨコスジ(横筋)」なのに、普通の姿勢だと、縦縞です。タテスジハタと、同じ方向の縞模様です。
 さらに、混乱することがあります。ヨコスジフエダイという魚がいるからです。
 この魚は、普通の姿勢で見て、横に一本、筋があります。頭を上にすれば、縦筋のはずですが、名前は、「ヨコスジ」フエダイです。
 結局、スジ(筋)と呼ぼうが、シマ(縞)と呼ぼうが、模様を見る方向は、統一されていません。これでは、魚に詳しくない人は、大混乱ですよね。私もそうです(笑)



図鑑↓↓↓↓↓には、タテジマキンチャクダイが掲載されています。
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 過去の記事でも、たくさんの魚を取り上げています。ここで書いたキンチャクダイの仲間や、カジカの仲間や、フエダイの仲間も、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
食中毒に注意、バラフエダイ(2008/06/23)
死滅回遊魚【しめつかいゆうぎょ】とは、どんな魚?(2007/11/05)
秋に美味しい鰍【かじか】(2006/11/13)などです。

2009年4月17日

キュウリウオは、キュウリの香り?

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 春たけなわですね。今回は、春の味覚を紹介しましょう。キュウリウオです。
 キュウリウオは、魚の一種です。サケのように、川で生まれて、海で育ちます。サケと同じく北方系の魚です。ロシアや、カナダの沿岸に多いです。
 日本では、北海道で漁獲されます。食用にするためです。旬【しゅん】は春です。
 でも、本州以南では、あまり馴染みがありませんね。シシャモと混同されることが多いようです。シシャモに近縁で、姿が似ているためでしょう。
 キュウリウオは、キュウリウオ目【もく】キュウリウオ科キュウリウオ属に属します。シシャモは、キュウリウオ目キュウリウオ科シシャモ属です。科のレベルまで同じなのは、近縁といえます。キュウリウオのほうが、下顎【したあご】が大きく、受け口です。
 以前、キュウリウオなどのキュウリウオ科の魚は、サケ目【もく】に分類されていました。それが、最近、キュウリウオ目として、サケ目から独立しました。
 元・サケ目で、現・キュウリウオ目の魚には、食用魚として有名なものが多いです。シシャモや、キュウリウオ以外に、アユや、ワカサギも、キュウリウオ目に属します。
 キュウリウオとは、面白い名ですね。漢字で書けば、「胡瓜魚」です。獲れたてのキュウリウオに、キュウリの香りがあることから、付けられました。
 アイヌ民族も、この魚を食用にします。アイヌ語では、フラルイチェプなどと呼ばれるそうです。フラルイチェプとは、「においの強い魚」という意味です。
 キュウリウオは、春、産卵のために、川へ上ります。この時を狙って、漁獲されます。
 サケは、川で産卵した後、死んでしまいますね。けれども、キュウリウオは、産卵後、死ぬとは限りません。一生のうちに、何回か、産卵を繰り返すようです。
 昔から食用にされているのに、キュウリウオの生態は、未解明のことが多いです。日本近海のキュウリウオは、寿命がどのくらいなのか、何年で成熟するのか、など、わからないことだらけです。ただ、「肉は白身で、低脂肪、高たんぱく」とわかっています。
 せっかくの春の味覚です。魚屋で見かけたら、美味しくいただきたいですね。



図鑑↓↓↓↓↓には、キュウリウオ掲載されています。
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 過去の記事でも、キュウリウオ目の魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ワカサギは、キュウリウオ目? サケ目?(2009/03/02)
 シラウオ、シロウオ、どちらが本当?(2008/02/29)
 日本を代表する美魚、アユ(2006/06/09)


2009年3月 2日

ワカサギは、キュウリウオ目? サケ目?

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 ワカサギの穴釣りは日本の冬の風物詩ですね。でも、ワカサギは穴釣りでばかり捕られるわけではありません。普通の釣りや刺し網などでも捕られます。
 穴釣りの印象が強いためか、ワカサギは純粋な淡水魚だと誤解されることがあります。中には海に棲むワカサギもいます。サケのように海に下るものがいるのです。
 とはいえ、沿岸から離れることはありません。海では内湾に棲みます。
 本来のワカサギの生態は、海と川を行き来するものだったと考えられています。「川で生まれ、海で育ち、産卵のために再び川へ」というサイクルです。サケと同じですね。
 ところが、何らかの原因で、海へ行かないワカサギがいます。「閉ざされた湖に放流された」といった場合です。物理的に海へ下れなくなるわけですね。けれども、海へと下る道があっても必ず下るとは限りません。
 大ざっぱに分けるとワカサギには、「海へ下るもの」「海の代わりに、川から湖へ下るもの」「一生、湖にいるもの」がいます。同じ湖で暮らすワカサギ同士でも、海へ下るものとそうでないものがいたりします。なぜ、こうなるのかはまだ不明です。
 海と川を行き来する習性はサケに似ますね。このため以前、ワカサギはサケと同じサケ目【もく】に分類されていました。今でも、そう書くところもあります。
 しかし近年は、キュウリウオ目【もく】に分類されることが、多くなりました。キュウリウオ目には、アユやシラウオなども属します。アユもシラウオも旧サケ目です。サケ目から、多くの種が新設のキュウリウオ目に移されました。
 ワカサギの分類については他にも確定していないことがあります。日本のワカサギが、独立した種なのかどうかわかっていません。北米に分布するもの(ラテン語の学名で Hypomeus transpacificus)と同種かも知れないといわれます。
 北米のものと同種とする説では、日本のワカサギの学名は Hypomeus transpacificus nipponensis となります。北米のものの亜種という扱いです。独立種とする説では Hypomeus nipponensis という学名です。いろいろあってややこしいですね。
  


図鑑↓↓↓↓↓には、ワカサギが掲載されています。
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 過去の記事でも、キュウリウオ目【もく】(サケ目【もく】)の魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 シラウオ、シロウオ、どちらが本当?(2008/02/29)
 日本を代表する美魚、アユ(2006/06/09) 
 

2009年2月15日

メガネモチノウオ

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 メガネモチノウオ 画像
和名:メガネモチノウオ
別名:ナポレオンフィッシュ
学名:Cheilinus undulatus
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

沖縄 国頭郡  【2009.01.31】
  

2009年2月14日

最小の脊椎動物?が発見される

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 新種発見のニュースです。五種の魚類が、発見されました。どれも、タツノオトシゴの仲間です。トゲウオ目【もく】ヨウジウオ科タツノオトシゴ属に属します。
 五種とも、たいへん小さい種です。成長しても、体の長さは2.5cm未満です。脊椎動物の中では、ほぼ、最小の生き物といえるでしょう。
 このような極小のタツノオトシゴは、通称、ピグミーシーホースと呼ばれます。英語での通称、pygmy seahorseを、そのまま読んだものですね。
 正式な学名は、ラテン語で付けられます。日本語名は、どの種も、まだ、付いていません。以下に、ラテン語の学名を、紹介しますね。
 Hippocampus severnsiは、標準的な体長が、1.5cmしかありません。severnsiという名は、ダイバーのMike Severnsさんの名にちなんで、付けられました。Severnsさんが、この種の発見や調査に、貢献したからです。
 Hippocampus pontohiは、標準的な体長が、1.7cmです。pontohi という名も、Hence Pontohさんというダイバーにちなんで、付けられました。
 Hippocampus satomiaeは、標準的な体長が、1.4cmです。satomiaeという名は、日本人の大西サトミさんにちなんで、付けられました。大西さんも、ダイバーです。
 Hippocampus waleananusは、前の三種と違って、地名から名づけられました。waleananusという名は、インドネシアの小さな島、ワレア島にちなんでいます。
 Hippocampus debeliusは、やはり、ダイバーの名にちなんで、名づけられた種です。その名誉を受けたのは、Helmut Debeliusさんという方です。
 これら五種のうち、最後のH. debeliusだけが、紅海に分布します。あとの四種は、インドネシアの海に分布します。
 こんな小さな種が、次々に発見されるなんて、素敵ですね。一般のダイバーの協力により、発見や調査がされたのが、素晴らしいです。「普通の人でも、科学の発見に関われる」と証明したからです。こんなダイバーが、増えて欲しいですね。

 新種のピグミーシーホース(極小のタツノオトシゴ)のニュースは、以下に載っています。
 世界最小の脊椎動物、新種5種を発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/02/05)
 新種のピグミーシーホースに日本人名(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/02/05)
 紅海で発見、新種のピグミーシーホース(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/2/5)
 H. severnsiと、H. pontohiおよびH. satomiaeの詳しい解説は、以下にあります。解説は英語です。
 Three new pygmy seahorses described from Indonesia(practical fishkeepingのサイト内)
 今回の発見に関わった日本人ダイバー大西サトミさんは、インドネシアのバリ島で、ダイビングショップを開いてらっしゃいます。興味がある方は、以下のサイトを御覧下さい。日本語で読めます。
 SARI Dive & cottage



図鑑↓↓↓↓↓には、タツノオトシゴと同じトゲウオ目【もく】の魚、アオヤガラヘラヤガラが掲載されています。
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2009年2月10日

クマノミの危機、タナゴの復活

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 魚類に関するニュースが二つありました。良いニュースと悪いニュースです。
 先に、悪いニュースを、やっつけてしまいましょう。熱帯の海の魚が、危機になるかも知れません。大気のCO2(二酸化炭素)が増加すると、魚の鼻が利かなくなるというのです。映画『ファインディング・ニモ』で有名な、クマノミの仲間で実験されました。
 この仕組みは、以下のとおりです。大気のCO2が増えると、海中のCO2も増えます。そうなった海中では、クマノミの嗅覚が障害を起こします。匂いがわからなくなるのですね。これは、野生の生き物には致命的なことです。危険を察知できないからです。
 CO2の増加による地球温暖化説には、異論もあります。けれども、CO2の増えすぎが良くないことは、確かですね。私たちには、ある程度、地球環境に対する責任があります。
 CO2でニモもピンチに?海水酸性化、嗅覚損なう(共同通信 2009/02/03)
 次は、良いニュースです。日本固有種の魚に復活の兆しがあります。
 日本の淡水魚には、固有種が多いです。代表として、タナゴの仲間があります。コイ科タナゴ亜科に属する種をタナゴと総称します。ややこしいことに、この中に、単に「タナゴ」という種名の魚もいます。日本には、元来、十七種ほどが分布していました。
 近年、タナゴの仲間は、激減しました。環境汚染と、外来種の移入のためです。
 特に、外来種の移入は、深刻です。外来魚は、タナゴ類のすみかを奪ったり、直接、彼らを食べたりするからです。ブラックバスと、ブルーギルが、有名な外来魚ですね。
 タナゴ類の敵は、日本にもともといました。そこへ、新しい敵が増えてしまったわけです。ブラックバスやブルーギルは、肉食魚です。どんどん、タナゴ類を食べてしまいました。新しい敵への対処は、そう簡単には、できません。
 琵琶湖など、固有種が多い水域では、外来魚の駆除が始まっています。その成果を確かめるため、二〇〇八年の十一月、滋賀県の野田沼で、魚類調査が行なわれました。
 この調査で、日本の固有種が増えていると、確認されました。イチモンジタナゴ、カネヒラ、ヤリタナゴなどです。外来魚の駆除は、固有種の保護に、とても効果があるとわかりました。このような成果は、全国に広がって欲しいですね。
 絶滅危機のイチモンジタナゴ復活 湖北の野田沼 外来魚駆除が効果(京都新聞 2009/02/03)


図鑑↓↓↓↓↓には、クマノミ、ハマクマノミ、正式種名タナゴ、ニッポンバラタナゴ、ミヤコタナゴなどが掲載されています。

 過去の記事でも、クマノミや、タナゴの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 死滅回遊魚【しめつかいゆうぎょ】とは、どんな魚?(2007/11/05)
 貝に卵を産む? 不思議な魚たち(2007/03/30)
 クマノミの親子関係(2005/10/31)
 ニモのお父さんはお母さんだった?(2005/10/28)
などです。


2009年1月29日

複数の科が、一つの科に? 魚の分類が変わる

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 先日、深海魚に関して、興味深いニュースがありました。これまで、違うグループに分類されていた魚が、同じグループだと判明したのです。
 それは、クジラウオ目【もく】と呼ばれるグループの魚たちです。クジラウオ目は、カンムリキンメダイ目【もく】とも呼ばれます。このグループは、いま、分類が見直されている最中です。今回は、目【もく】の下の、科【か】という分類単位が、変わりました。
 クジラウオ目には、いくつかの科が含まれます。中に、クジラウオ科、ソコクジラウオ科、リボンイワシ科という三つの科がありました。リボンイワシ科は、トクビレイワシ科とも呼ばれます。この三つの科が、一つの科にまとめられると、判明しました。
 たとえて言えば、これは、「ネコとイヌが、同種の雄と雌でした」という感じです。ネコとイヌとは、同じ食肉目【しょくにくもく】に属します。けれども、科のレベルでは、ネコは食肉目のネコ科に、イヌは食肉目のイヌ科に属します。
 深海魚は、研究が進んでいません。このような分類の見直しは、これからもありそうです。詳しい経緯は、以下のリンク先記事をお読み下さい。
 深海魚の3科、実は1つだった=DNA解析で判明・国際チーム(時事ドットコム2009/0/26)
 前記と似た別のニュースも、ありました。こちらは、魚類の新種のニュースです。
 南米のベネズエラで、ナマズの新種が、発見されました。ラテン語の学名を、Lithogenes wahariと付けられています。日本語名は、ありません。
 ナマズというのは、ナマズ目【もく】に属する魚の総称です。ナマズ目の中には、たくさんの科が含まれます。今回の新種は、ナマズ目のうちの、二つの科の特徴を持ちます。アストロブレプス科と、ロリカリア科です。
 この二つの科も、一つの科になるのでしょうか? そうなるかも知れませんし、ならないかも知れません。今回の新種のため、新しい科ができる可能性もあります。
 もともと、アストロブレプス科と、ロリカリア科とは、近縁だといわれてきました。今回の新種は、その証拠といえます。この二つの科の、共通の祖先の姿を残しているのではないか、と推測されています。詳しくは、以下のリンク先記事をお読み下さい。
 岩に登る奇妙なナマズ、新種に認定(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/01/22)
  


図鑑↓↓↓↓↓には、日本のナマズ四種を含む魚類が、五十種以上掲載されています。
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  過去の記事でも、深海魚や、ナマズの仲間を取り上げています。今回のニュースにあるように、雄と雌とが極端に違う深海魚のチョウチンアンコウも、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 超深海でも活発なのは、シンカイクサウオ?(2008/11/11)
 鮟鱇(アンコウ)鍋にはならないチョウチンアンコウ(2006/02/03)
 しゃべるナマズがいる?(2006/08/11)


2009年1月19日

知られざる美味? 寒鯔【かんぼら】

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 寒い季節は、海の幸【さち】が美味しいですね。鮟鱇【あんこう】、寒鰤【かんぶり】などが、有名です。中に、寒ボラというものがあることを、御存知ですか?
 寒ボラとは、寒い季節に捕れるボラのことです。ボラは、日本沿岸の海にいる魚ですね。昔から、食用に漁獲されています。趣味の釣りの対象にもされます。
 ボラが、一番美味しいのが、冬です。この時期のボラは、最も脂がのるからです。
 けれども、現在、食用としては、ボラは人気がありません。「臭【くさ】い」と言われることが、多いですね。こうなったのは、人間のせいです。
 ボラは、沿岸の海に棲みます。沿岸の海は、人間によって、汚染されやすいです。汚染された海のボラは、身が臭くなります。幸か不幸か、ボラは、汚染に強いのですね。
 きれいな海の寒ボラは、本当に美味しい、と聞きます。美味をなくしたのは、人間自身です。こんなふうにしておいて、グルメブームなんて、おかしいですね。
 近年は、一時期ほど、海の汚染が、ひどくなくなりました。ボラがいなかった海に戻ってきたり、臭くないボラが捕れたりということが、増えたようです。
 「ボラの群れが、川を上った」というニュースが、流れることがありますね。ボラは、本来、海に棲む魚です。しかし、時おり、群れで川へ上ります。淡水域へ入るのは、若いボラのようです。なぜ、このように川を上るのかは、わかっていません。
 海がきれいだった時代、ボラは、もっと人間に親しい魚でした。沿岸で、大量に捕れるからです。ありがたい食べ物だったのでしょう。美味しいので、高級魚とされた地域もありました。「出世魚」なのは、その名残でしょう。
 出世魚とは、成長につれて、呼び名が変わる魚ですね。成長段階が同じでも、地方により、呼び名が違います。例えば、関東では、イナ→ボラ→トド、などと呼んだようです。
 私は、海水浴の最中、ボラに会ったことがあります。大きな眼が、印象的でした。すぐ近くまで来たのに、驚きました。ボラは、あまりヒトを恐れないようです。
 ボラとヒトが、一緒に泳げる海を、後世に残したいですね。



図鑑↓↓↓↓↓には、ボラが掲載されています。
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 過去の記事でも、冬に美味しい魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ハコベという植物は、ない?(2009/01/05) 
 ギンブナ(銀鮒)の種名は、大混乱中(2008/10/27) 
 カサゴ(笠子)は、似たもの同士の一族(2007/11/26)
ハマチはブリの子か?(2007/01/19)  
 秋に美味しい鰍【かじか】(2006/11/13)



などです。

2008年12月10日

ブリ

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 手持ちの古い切手はもうごく僅かです。寒ブリが美味い季節になってまいりましたので、ブリの切手をご紹介いたします。
 この切手は、1966-67年に、魚介シリーズで発行されたものです。この魚介シリーズは、有名な日本画家に依頼して12種類の切手としてだされたものです。 ブリ 切手画像
和名:ブリ
学名:Seriola guinqueradiata
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

日本切手 奥村土牛/画 【1967年2月10日 魚介シリーズ】


その他の魚介シリーズ
 サザエ(2008/01/29)





2008年12月 6日

忙中に「食」と「農」あり、博物館へ

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 師走ですね。誰もが忙しそうです。こんな時だからこそ心を養うことを忘れたくありませんね。そう思って、博物館へ行ってまいりました。
 行ったのは、東京農業大学の付属博物館です。「食と農」の博物館という名です。
 お酒や食べ物が好きな方は、行って損はありません。全国の日本酒の蔵元のうち、多くが東京農大の卒業生が経営するところだそうです。
 ニワトリの資料も充実しています。日本在来品種のニワトリは今では珍しいですね。それらの立派な剥製【はくせい】標本が多くあります。
 死んだ標本が苦手な方は、博物館の隣のバイオリウムがお勧めです。バイオリウムとは、生きた動植物がたくさん見られる温室です。
 ここの目玉は、何といってもキツネザルでしょう。原猿類【げんえんるい】という、原始的なサルの仲間です。ラテン語の学名で、レムールlemurとも呼ばれます。
 生きたレムールが見られるところは、動物園でも、少ないです。ここでは、何十頭ものレムールが、元気に跳ね回るのを見られます。
 爬虫類のマダガスカルヒルヤモリや、ケヅメリクガメも、見られます。ヒルヤモリは、レムールと同じく、アフリカ沖の島国マダガスカルに棲むヤモリです。ケヅメリクガメは、アフリカ大陸の、陸上に棲むカメです。
 植物も、熱帯の珍しい種が、いろいろ見られます。熱帯の中でも、乾燥地の種が多いですね。サボテンや、アロエの仲間などです。バオバブの木もあります。小さいながらも、幹が太い特徴が、よく現われています。
 他に、熱帯魚のベタなどもいます。熱帯魚は、売っていますので、家に連れて帰れます。
 嬉しいことに、ここは、入場無料です。手軽なお出かけに、いかがでしょうか。
 場所がちょっとわかりにくいのが、欠点ですね。住宅街の中に、埋もれるようにあります。入口の、大きなニワトリの置物が、目印になります。
 開館時間は、季節により変わります。博物館のウェブサイトで、お調べ下さい。


 東京農業大学「食と農」の博物館のウェブサイトは、以下にあります。
 東京農業大学「食と農」の博物館



図鑑↓↓↓↓↓には、動物、植物、合わせて1800種以上が掲載されています。
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 過去の記事でも、お出かけにぴったりな博物館を紹介しています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 動物? 植物? 「菌類のふしぎ」がわかる(2008/10/22)
馬肥ゆる秋に、馬の博物館へ(2007/10/6 
などです。


2008年12月 1日

カスザメは、海中の天使?

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 十二月、日本では、にわかキリスト教徒が増えますね(笑) 今回は、クリスマスにちなんで、海に棲む「天使」の話をしましょう。
 英語で、angel sharkと呼ばれるサメ(鮫)がいます。直訳すれば、「天使ザメ」ですね。これは、日本語名を、カスザメ(糟鮫)というサメの仲間です。
 なぜ、カスザメは、「天使ザメ」なのでしょうか? 理由は、カスザメの姿にあります。
 カスザメは、普通のサメとは、まったく違う姿です。上下に平たい形です。サメというより、エイにそっくりです。けれども、よく見れば、エイとは違います。
 大きな違いは、ひれの形と、鰓穴【えらあな】の位置にあります。
 エイは、上から見ると、円い体に、細長い尾が付いていますね。いわば、フライパン型です。胸びれと体とは、一体化していて、区別できません。
 対して、カスザメは、上から見ると、菱型【ひしがた】に見えます。胸びれが、大きく横に張り出しているからです。胸びれと体とは、はっきり区別できます。この胸びれを、「天使の翼」に見立てて、「天使ザメ」になったようです。
 もう一つ、エイとカスザメとの大きな差は、鰓穴です。エイの鰓穴は、体の下側(腹側)にあります。カスザメの鰓穴は、体の横側(首の脇)にあります。
 姿が似ていても、エイとカスザメとは、縁が遠いです。エイとは、軟骨魚綱【なんこつぎょこう】のうちの、シビレエイ目【もく】、ノコギリエイ目、ガンギエイ目、トビエイ目に属する種の総称です。カスザメのほうは、軟骨魚綱のうち、カスザメ目【もく】に属する種の総称です。カスザメ目の中に、カスザメという種名の魚もいます。
 カスザメという日本語名は、何に由来するのでしょうか? これは、わかっていません。そのかわり、カスザメには、わかりやすい別名が、いくつかあります。
 例えば、インバネス、トンビ、マントなどという別名です。これらは、むろん、洋服の名前から来ています。「天使ザメ」もいいですが、これらの名前も、素敵ですね。マントをひるがえすヒーローみたいだ、と思います。



図鑑↓↓↓↓↓には、カスザメ目【もく】の代表、種名カスザメ掲載されています。
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 過去の記事でも、サメの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ネムリブカは、眠るサメ?(2008/08/11) 
 希少なサメ(鮫)、メガマウスの撮影に成功(2007/06/12) 
 定置網に「ウバザメ」!! 茨城県日立沖(2007/04/25)
 などです。



2008年11月20日

ミナミトビハゼ

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 キュート。ミナミトビハゼ 画像
和名:ミナミトビハゼ
学名:Periophthalmus argentilineatus
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

沖縄 東村  【2008.11.15】
  

2008年11月11日

超深海でも活発なのは、シンカイクサウオ?

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 二〇〇八年の十月、日本のそばの海で、新たな発見がありました。水深が約7700mもある超深海で、活発に動く魚の姿が撮影されました。場所は、日本の茨城県沖です。日本海溝【にほんかいこう】という、世界中でもきわだって深い海です。
 撮影されたのは、シンカイクサウオという魚だろうといわれます。正確な種名は、わかりません。もしかしたら、シンカイクサウオに似た別種かも知れません。
 このニュースで、驚くべきことはいくつかあります。まず、約7700mもの超深海で、生きた魚の動画が撮れたことです。もう一つは、これほどの深海に、17尾もの魚が集まってきたことです。さらに、超深海の魚が意外に活発なことです。
 深海の中でも、6000mを越える海は、特に変わった世界です。この深さでは、水圧が600気圧を越えます。こんな圧力のもとでは、普通の生き物の細胞は壊れてしまいます。細胞どころか、それを作る蛋白質【たんぱくしつ】自体が壊れます。
 シンカイクサウオは、そんな超深海で生きられる数少ない魚です。今のところ「世界で最も深い海に棲む魚」の一種です。8000m近い海に棲めます。同じくらいの深さに棲めるのは、ヨミノアシロ、カイコウビクニンなどごく限られた種の魚です。
 ちなみに、甲殻類(エビやカニの仲間)などは一万mの深さにも棲んでいます。
 シンカイクサウオは、6000mより浅い海に現われることはないそうです。完全に、超深海に適応しているのでしょう。蛋白質さえ壊れる世界に、どのように適応しているのかはよくわかっていません。鰾【うきぶくろ】がないのは知られています。
 一部で、シンカイクサウオはカサゴの一種と報道されています。これは、間違いとは言いきれませんが正確とも言えません。広い意味では、シンカイクサウオはカサゴの仲間です。カサゴ目【もく】クサウオ科に属するからです。
 けれども、シンカイクサウオは、食用魚のカサゴとはずいぶん違います。超深海に適応しているからです。カサゴの一種というよりは、クサウオ科の一種としたほうがよいでしょう。こういう特殊な生き物は、どのように説明したらいいのか悩みます。



 約7700mの超深海で撮影された魚のニュースは、以下にあります。
 超深海で生きた魚類の撮影に成功(産経ニュース 2008/10/21) 
 



図鑑↓↓↓↓↓には、今回、撮影されたのと同じカサゴ目【もく】の魚が何種か掲載されています。
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 過去の記事でも、深海の生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 タスマニア沖で、二百以上の新種を発見(2008/10/14) 
 ウミユリ(海百合)は、海底に咲く花?(2008/08/25)
本当にあった不思議なカレイの話(2008/01/25) 
 新種のクシクラゲ?発見(2007/06/13)
などです。



2008年10月27日

ギンブナ(銀鮒)の種名は、大混乱中

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 フナ(鮒)は、日本人に馴染みが深い淡水魚ですね。住宅街の池などにも、よくいます。
 フナとは、コイ科フナ属に属する種の総称です。単に「フナ」といえば、キンブナ(金鮒)という種か、ギンブナ(銀鮒)という種を指すのが、普通ですね。他のフナ属の種は、「○○ブナ」と、正式な種名で呼ばれることが、多いです。
 フナ属の種は、分類が難しいことで、知られます。どの種も、姿が似ているからです。フナ属の分類は、研究者の間でも、意見が分かれています。
 例えば、「ギンブナ」は、正式な日本語名です。ところが、「ギンブナ」を調べると、本やウェブサイトにより、ラテン語の学名が、違います。私が調べた範囲では、以下の三つの学名がありました。
Carassius langsdorfi
Carassius auratus langsdorfi
Carassius gibelio langsdorfi
 こうなるのは、研究者によって、ギンブナの分類が、違うからです。
 Carassiusとは、「フナ属」を指すラテン語の学名です。Carassius langsdorfiの場合は、「フナ属の中の、langsdorfiという独立種」を表わします。
 Carassius auratus langsdorfiなら、「フナ属のauratusという種の中の、langsdorfiという亜種」を示します。Carassius gibelio langsdorfiなら、「フナ属のgibelioという種の中の、langsdorfiという亜種」を示します。
 亜種とは、「種を分けるほどではないけれども、違いがある」グループを指します。つまり、「ギンブナ」は、独立した種なのか、それとも、他の独立種の中の亜種なのかさえ、はっきりしません。「フナ」の中の、ギンブナだけでも、これだけ混乱しています。
 ナガブナや、キンブナにいたっては、いまだに、ラテン語の学名が、付いていません。調査が進んでいないため、分類ができないのですね。
 フナ属の種は、朝鮮半島や、中国にも分布します。しかし、朝鮮半島や中国の「フナ」が、日本のものと同種なのかどうか、不明です。こんな状況では、無理もありませんね。



図鑑↓↓↓↓↓には、ギンブナが掲載されています。
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 過去の記事でも、分類の紛らわしい生き物を、取り上げています。また、ラテン語の学名についても、解説があります。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 サクラソウとプリムラは、同じ? 違う?(2008/04/07)
 シロアリとアリとは、どう違う?(2007/06/11)
 梅にウグイス? いえメジロです(2007/03/12)
 コウイカとヤリイカはどう違う?(2006/11/10)
 学名ってなんですか?(2005/09/30)
などです。


2008年10月14日

タスマニア沖で、二百以上の新種を発見




 またまた、オーストラリアから大量に新種発見のニュースです。タスマニア島の沖の海で、274もの新種が発見されました。そこは、水深2000mの深海です。
 これらの新種には、以下のグループに属するものがいます。魚類、棘皮動物【きょくひどうぶつ】、節足動物【せっそくどうぶつ】、刺胞動物【しほうどうぶつ】、海綿動物【かいめんどうぶつ】などです。魚類の他は、無脊椎動物ですね。
 発見された中には、ヒトデや、クモヒトデの仲間が、多いようです。ヒトデとクモヒトデは、棘皮動物に含まれます。ヒトデは、棘皮動物門【きょくひどうぶつもん】ヒトデ綱【こう】に属します。クモヒトデは、棘皮動物門クモヒトデ綱【こう】に属します。
 ヒトデ綱では、Marginaster属の新種などが見つかっています。Marginasterとは、ラテン語の学名です。一部で、Marginastersea属とされているのは、つづり間違いです。
 クモヒトデ綱では、トゲナガクモヒトデ科の新種やOphiomitrella属の新種、Amphioplus属の新種などが見つかりました。OphiomitrellaやAmphioplusというのも、ラテン語の学名です。日本語名がないグループが多いですね。
 節足動物では、カニやエビの新種が発見されました。カニでは、クリガニ科のTrichopeltarion属の新種などが見つかっています。日本の駿河湾などにいる、オオツノクリガニの近縁種です。Trichopeltarionという名もラテン語の学名です。
 エビでは、タラバエビ科ジンケンエビ属の新種などが見つかりました。ジンケンエビ属は、日本付近の浅い海にも多くいます。ハクセンエビや、エリマキエビなどです。
 刺胞動物では、サンゴの新種などが発見されました。なんと、二千年前から生きているサンゴの群体があるようです。このサンゴが、こんなに長生きなのは、深海に棲むためとされます。冷たい深海では、生き物の成長速度が遅くなるのです。
 オーストラリアの領海は、調査されていない海域のほうが広いそうです。調べれば、もっと多くの新種が発見されるでしょう。私たちが知る地球は、ほんの一部分でしかありません。そう思えば、謙虚になれますね。


 今回、発見された新種のニュースは、以下にあります。
 タスマニア島沖で、新種の海洋生物274種類を発見(AFPBBニュース 2008/10/09) 
 海洋生物の新種多数、再び豪近海で発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/10/09) 
 深海底に潜んでいた新種のカニ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/10/09)
 深海のサンゴに生息する新種のヒトデ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/10/09) 
 海の山に生息する新種のヒトデ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/10/09) 
 新種のトゲナガクモヒトデ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/10/09)
 などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、日本周辺に分布するヒトデ、カニ、エビ、サンゴなどが掲載されています。
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 過去の記事でも、オーストラリア周辺での新種発見を、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 百種を越える魚類が発見される(2008/09/30) 
 オーストラリアのサンゴ礁で、数百の新種を発見(2008/09/25) 

2008年10月 5日

サケ

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 1966-67年に、魚介シリーズで発行されました。この魚介シリーズは、有名な日本画家に依頼して12種の切手がだされました。 サケ 切手画像
和名:サケ
学名:Oncorhynchus keta
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

日本切手 森田沙伊/画 【1966年12月01日 魚介シリーズ】


その他の魚介シリーズ
 





図鑑↓↓↓↓↓には、サケが掲載されています。

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2008年10月 2日

ハラボソトンボ

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 ハラボソトンボ 画像
和名:ハラボソトンボ
学名:Orthetrum sabina sabina
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

沖縄 南城  【2008.09.06】
  

2008年9月30日

百種を越える魚類が発見される

 魚類について、びっくりニュースです。一度に113種もの新種が、発見されました。すべて、サメやエイの仲間です。軟骨魚類と呼ばれるグループです。
 先日、「百種以上の無脊椎動物が発見された」ニュースがあったばかりですね。( オーストラリアのサンゴ礁で、数百の新種を発見(2008/09/25)) 今回も、どこかの海域が調査されて、このような発見がされたのでしょうか?
 そうではありません。博物館を調査することにより、今回の発見がされました。
 博物館「による」調査でなく、博物館「を」調査したことに御注目下さい。「博物館の標本」を、調べたのです。複数の博物館の標本が、調査されました。オーストラリア、ニュージーランド、および、ヨーロッパの博物館です。
 どこの博物館にも、膨大な標本があるものです。それら全部が、詳しく調べられているとは限りません。調査が進まないままの標本が、多いものです。
 そうなる原因はいくつかあります。主な原因は、お金と人手が足りないことでしょう。
 今回の調査には、お金と人手が付いたのですね。おかげで、たくさんの標本を調べることができました。一年半をかけて、DNAの分析が行なわれたそうです。
 この「DNA分析」も、今回の調査で、注目すべきことです。百種以上もの新種を発見できたのは、これのおかげです。
 生物の種には、似たもの同士が少なくありません。外見だけでは、区別が難しいものが多いです。DNA(遺伝子)を分析すれば、似た種同士を区別できます。
 今回の調査では、「これまで一種だと思われていたものが、五種に分かれた」例が、あったといいます。外見がそっくりなため、そうなっていたのですね。このような例は、きっと、他にもたくさんあるでしょう。
 世界中の博物館には、まだまだ貴重な標本が眠っています。これから、「博物館で、新種発見」というニュースが、増えるかも知れませんね。そうなって欲しいです。標本を知ることは、今、生きているものを知ることにつながるからです。



 「113種の新種魚類」のニュースは、以下にあります。
 サメとエイの新種113種を認定(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/21)
 数億年泳ぎ続けていた新種のガンギエイ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/19)
 ノコギリザメの新種(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/19)
 豪最大の淡水動物オトメエイも新種(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/19)  
 新種のガルパーシャークは絶滅寸前(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/19)
 新種のスピアトゥースシャーク(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/09/19)



図鑑↓↓↓↓↓には、日本周辺に分布するサメとエイが、四種掲載されています。
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2008年9月12日

ヒラメとカレイとシタビラメ、どう違う?

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 ヒラメ(鮃)とカレイ(鰈)とは、よく似ていますね。どうやって区別するのでしょうか? 「左ヒラメに右カレイ」という言葉は、本当でしょうか?
 この問題は、難しいです。「ヒラメ」や「カレイ」が、どんな魚を指すのか、場合によって違うからです。例えば、正式な種名と、魚屋での呼び名とは、違います。
 「ヒラメ」は、普通には、正式な種名をヒラメという魚を指します。高級魚とされるのは、このヒラメです。カレイ目ヒラメ科に属する種です。眼が、体の左側にあります。
 ヒラメ科には、正式な種名「ヒラメ」以外に、多くの種がいます。それらの種をまとめて、「ヒラメ」と呼ぶこともあります。ヒラメ科の種は、みな、体の左に眼があります。
 「左ヒラメ」は、正しいのですね。ところが、「右カレイ」は、そうとは限りません。
 「カレイ」と呼ばれる魚には、たくさんの種が含まれます。魚屋などでは、カレイ目カレイ科に属する種を、まとめて「カレイ」と呼ぶことが多いです。それ以外に、カレイ目ダルマガレイ科、カレイ目ボウズガレイ科などの種に、「○○ガレイ」という種名が付いています。全部合わせると、百種以上の「○○ガレイ」がいます。
 カレイ科の種には、右に眼があるものが多いです。けれども、左に眼がある種もいます。他にも、例えば、ダルマガレイ科の種は、みな、左に眼があります。ボウズガレイ科の種は、同じ種の中でも、眼が右にあるものと、左にあるものとがいます。
 ダルマガレイ科の種は、正式な種名が「○○ガレイ」なのに、「ヒラメ」と呼ばれることがあります。眼が左にあるからです。ややこしいですね。
 では、シタビラメ(舌鮃)は? 「シタビラメ」にも、たくさんの種が含まれます。カレイ目の中の、ウシノシタ科と、ササウシノシタ科に属する種を、まとめて「シタビラメ」と呼びます。正式な種名は、「○○ウシノシタ(牛の舌)」というものが、多いです。眼の位置は、ウシノシタ科の種が左、ササウシノシタ科の種が右です。
 食用魚などでは、このような混乱が、よくあります。人間と関係が深いため、通称や方言名が、多いのですね。通称などと、正式な種名とは、分けて考えることが必要です。
  


図鑑↓↓↓↓↓には、正式な種名ヒラメと、メイタガレイが掲載されています。
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 過去の記事でも、ヒラメやカレイの仲間を取り上げています。また、生き物の名前に関する記事もあります。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 トンビやオケラは、存在しない? 生き物の名前の話(2008/04/11)
 本当にあった不思議なカレイの話(2008/01/25)
 新しい名前で出ています――魚類の改名(2007/02/02)
などです。


2008年8月29日

孵化【ふか】と羽化【うか】とは、どう違う?

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 夏休みも、終わりですね。宿題に励む方々が、多いでしょう。そこで今回は、生き物の、間違えやすい用語について、解説しますね。
 孵化【ふか】という言葉がありますね。似た言葉で、羽化【うか】というのも、あります。この二つは、よく混同されます。新聞などでも、時おり、間違えています。
 孵化とは、「卵から、子どもが生まれること」です。この言葉は、ほぼ、どんな生き物に対しても、使われます。例えば、以下のようなものです。
 「チョウ(蝶)の卵から、ケムシ(毛虫)が生まれる」、「メダカの卵から、稚魚【ちぎょ】が生まれる」、「カエルの卵から、オタマジャクシが生まれる」、「ニワトリの卵から、雛【ひな】が生まれる」、これらすべてが「孵化」です。羽化ではありません。
 羽化のほうは、主に、昆虫に使われる言葉です。「昆虫が、最後の脱皮をして、成虫になること」を、「羽化」といいます。成虫になると、昆虫は、脱皮しません。
 ところが、ややこしいことが、あります。昆虫は、種によって、成長の仕方に、違いがあるのです。例えば、トンボとチョウとでは、以下のとおり、異なります。
 トンボは、「卵→幼虫(ヤゴ)→成虫」という具合に、成長します。チョウは、「卵→幼虫(イモムシなど)→蛹【さなぎ】→成虫」という具合です。違いますよね?
 トンボには、蛹という段階が、ありません。トンボ以外では、カゲロウや、セミなどが、同じように成長します。蛹の段階がなく、幼虫から、直接、成虫になります。
 蛹から成虫になる場合でも、幼虫から成虫になる場合でも、「羽化」です。つまり、「チョウの蛹から、チョウの成虫が出てくる」ことも、「トンボの幼虫が、脱皮して、成虫になる」ことも、「羽化」と呼びます。孵化ではありません。
 昆虫には、もっと別の成長の仕方をするものも、います。孵化や羽化という段階を、持たない場合も、あります。例えば、「成虫が、卵を産まずに、幼虫を産む」種がいます。これなどは、「孵化」の段階がないわけです。
 生物の用語は、辞書を引いてから使ったほうが、確実ですね。
 


図鑑↓↓↓↓↓には、400種の昆虫が掲載されています。それぞれの種に、成長段階の解説が、付いています。
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 過去の記事でも、孵化【ふか】や、羽化【うか】に関することを、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
●孵化【ふか】に関連する記事
 【魚類】睨みを利かせるお父さん? オヤニラミ(2008/06/13)
 【無脊椎動物】田んぼの生きている化石、カブトエビ(2007/06/08)
 【鳥類】郭公(カッコウ)はずるい鳥か?(2007/05/25)
 【爬虫類】雌(メス)しかいないトカゲがいる?(2007/03/06)
 【両生類】樹上に卵を産むモリアオガエル(2006/07/10)
 【昆虫】子どもの揺籠【ゆりかご】を作る虫、オトシブミ(2006/06/12)
●羽化【うか】に関連する記事【すべて昆虫】
 アブラゼミの羽化直後の観察(2007/07/18)
 とんぼの眼鏡は水色めがね? シオカラトンボ(2007/05/04)
 はかないようでしぶとい? カゲロウ(2006/09/04)
などです。


2008年8月26日

新種のエイ、新種のイルカを発見

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 二つの新種のニュースが、届きました。一つは魚類で、もう一つは哺乳類です。

 魚類のほうは、エイの新種です。通称「マンタ」と呼ばれるエイを、御存知ですか? 正式な日本語名では、オニイトマキエイという種です。この種が、二種に分かれるらしいことが、判明しました。新しい種名は、まだ、付いていません。
 これまで、「オニイトマキエイ」とされていたものには、大きさや、生態が違うグループが、二つあるようです。小さいほうのグループは、沿岸の海に棲みます。一年中、同じ海域にいます。ダイバーが出会うのは、ほとんどが、こちらのグループです。
 大きいほうのグループは、主に、外洋に棲むようです。広い海域を、回遊していると見られます。こちらのグループは、これまで、存在が知られませんでした。
 この研究成果により、「オニイトマキエイ」という種名は、なくなるかも知れません。少なくとも、新しい種名が、一つは、できるでしょう。

 哺乳類の新種は、カワイルカの一種です。南米のボリビアで、発見されました。
 以前から、ボリビアには、カワイルカ(淡水のイルカ)がいることが、知られました。それは、「アマゾンカワイルカ」だと思われていました。アマゾンカワイルカは、ブラジル、ペルー、コロンビア、ベネズエラなどに分布します。
 ところが、ボリビアのカワイルカは、「アマゾンカワイルカとは、別種らしい」と、判明しました。体色や、歯の数などが、他の水域のアマゾンカワイルカとは、違うそうです。
 ボリビアのカワイルカには、新たな種名が付けられました。ラテン語の学名を、Inia boliviensisといいます。日本語名は、「ボリビアカワイルカ」のようです。

 前記のように、今まで一つの種だと思われたものが、二つ以上の種に、分かれることがあります。新種の発見には、このような場合も、多いです。自然は、まだまだ多くの神秘を、人間から隠しているのでしょう。

 新種のエイのニュースと、新種のカワイルカのニュースは、以下にあります。
 マンタの新種が発見される(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/07/31)
 ボリビアのカワイルカは新種と判明(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/08/20) 



図鑑↓↓↓↓↓には、五十種以上の魚類と、八十種以上の哺乳類が掲載されています。
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2008年8月11日

ネムリブカは、眠るサメ?

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 サメ(鮫)といえば、恐ろしい魚の代名詞ですね。けれども、ヒトを襲うサメは、そう多くありません。ホホジロザメなど、ごく一部の種だけです。
 大部分のサメは、ヒトを、食べ物にしません。近年、ようやく、それが知られてきました。逆に、一部では、サメに人気が出ています。観賞用として、です。
 例えば、ネムリブカなどは、ダイビングをする人に、人気があります。
 ネムリブカは、サンゴ礁の海に、普通にいるサメです。体がスマートで、いかにも「サメらしい」姿です。大きさも、1mをゆうに越えます。迫力がありますね。
 それでいて、性質は、おとなしいです。そのうえ、平凡なサメなので、出会いやすいです。「実際に、近くで見られるサメ」として、ダイバーに喜ばれます。
 ネムリブカがおとなしいのは、夜行性だからです。普通、ダイバーが潜るのは、昼間ですね。ネムリブカが、休む時間帯です。肉食の生き物でも、休息中は、おとなしいものです。昼のネムリブカは、じっとしているか、のんびりと動くだけです。
 しかし、夜のネムリブカは、違います。夜は、活発です。他の魚などを、襲って食べます。夜にダイビングをする時には、近づかないようにしましょう。
 昼のネムリブカも、いたずらしてはいけません。ヒトだって、眠りを邪魔されれば、怒りますよね。サメも同じです。そっと、観察しましょう。
 「眠り」と書きましたが、ネムリブカの「眠り」=休息については、わからないことが多いです。ヒトと違い、完全に意識を失って眠ることは、ないようです。
 「サメは、ずっと泳ぎ続けていないと、死ぬ」という話を、聞いたことがありませんか? 「サメは、泳ぎ続けないと、呼吸ができない。だから、眠らない(休息しない)」というものです。この話は、誇張されたものです。そのようなサメは、ほとんどいません。
 多くのサメは、泳ぎ続けなくても、ちゃんと呼吸ができます。ネムリブカも、そうです。鰓蓋【えらぶた】を動かして、水を、鰓【えら】に通す仕組みがあります。
 サメには、いろいろ「伝説」が付きものです。でも、本当の姿は、まだ、謎です。 


図鑑↓↓↓↓↓には、ネムリブカや、同じメジロザメ目の、オグロメジロザメが掲載されています。
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 過去の記事でも、サメの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も、御覧下さい。
 「希少なサメ(鮫)、メガマウスの撮影に成功(2007/06/12)
 人食いザメより、サメ食い人のほうが多い?(2007/05/31)
 定置網に「ウバザメ」!! 茨城県日立沖(2007/04/25)
 ラブカはなぜ「生きている化石」か?(2007/01/27)
 ホオジロザメ(ホホジロザメ)は、本当にヒトを食うか?(2005/11/25)
などです。
 


2008年7月28日

気分はアマゾン探検隊? 大アマゾン展




 夏休み、全開ですね。各地で、生き物関係の催しが、開かれています。そのような催しの一つに、行ってまいりました。「大アマゾン展」です。
 展示されているのは、南米のアマゾン河に棲む魚たちです。ナマズ(鯰)の仲間が多いですね。「日本初公開」という種も、何種も展示されています。
 同じナマズでも、種ごとに、姿が違います。鎧【よろい】のようにいかつい鱗【うろこ】の種が、何種かいました。スマートで縞模様が美しい種や、銀色に輝く種もいました。
 すべてのナマズに共通なのは、ひげがあることです。大型のナマズは、ひげも長いです。どんなに長いひげでも、器用に動かすことができます。
 ナマズ以外の魚も、展示されています。ヨツメウオ、ピラニア、デンキウナギ(電気鰻)、アロワナ、淡水カレイ、淡水エイなどです。どれも、日本の川にはいない種です。
 ヨツメウオ(四つ眼魚)は、実際には、二つの眼しか持ちません。ですが、一つの眼を、二つの眼のように使います。眼の上半分を水上に出して、空中を視ます。同時に、眼の下半分で、水中を視ます。「二つの眼を四つ分使うから、ヨツメウオ」というわけです。
 ピラニアは、顎が発達して、獰猛【どうもう】そうに見えます。でも、ヒトを襲うことは、まず、ありません。獰猛な印象は、誇張されたものです。
 デンキウナギの展示個体は、とても大型でした。胴回りが太くて、迫力があります。日本で見られるデンキウナギとしては、最大級ではないでしょうか。
 アロワナは、ピラルクと同じ水槽に入っていました。どちらの種も、鱗の一枚一枚が大きいです。独特の色合いがあります。アロワナは、プラチナ色にきらめいていました。
 カレイやエイは、普通、海にしか棲めません。それが、アマゾンでは、淡水にいます。なぜそうなったのかは、わかっていません。淡水エイは水玉模様で、かわいいです。
 魚以外に、カエルが二種、展示されていました。ピパという種と、ベルツノガエルという種です。ピパは、まるで踏んづけられたように平たく、個性的な姿です。
 熱帯魚が好きなら、必見の展覧会です。会期が短いので、お早めに。


 「大アマゾン展」の公式ページは、以下にあります。
 大アマゾン展(玉川高島屋ショッピングセンター)
 


図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、アマゾンの魚は載っていません。そのかわり、日本の魚が、50種以上、掲載されています。
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 過去の記事で、他の夏休みイベントを紹介しています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 箱根で自然と芸術にひたる、花と美術の展覧会(2008/06/17)
 生物学を楽しく学べる? ダーウィン展(2008/03/20) ※現在は、大阪会場で開催中(~2008/09/21迄)
 「ファーブルにまなぶ」、虫の声の聴き方?(2007/10/11)
※現在は、滋賀県立琵琶湖博物館で開催中(~2008/08/31迄)


2008年6月23日

食中毒に注意、バラフエダイ

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 食中毒の季節ですね。生き物には、毒を持つものも多いですから、中毒は付きものです。今回は、「食中毒を防ぐ方法」の一端を、伝えますね。
 バラフエダイという魚がいます。主に、サンゴ礁の海に棲みます。日本近海では、南日本以南に分布します。全長1mに達する、大型の魚です。
 この魚は、釣り人に人気があります。大型で、引きが強いので、面白いのでしょう。
 ところが、食用にされることは、少ないです。「当たる」ことが多いからです。
 同じバラフエダイを食べても、当たることと、当たらないことがあります。地域によっては、普通に、バラフエダイを食べます。いっぽう、「中毒する」と恐れられて、食べられない地域もあります。なぜ、こんな違いがあるのでしょう?
 バラフエダイは、毒を持つ時と、持たない時があるのです。このようになる理由は、バラフエダイの毒が、「シガテラ毒」だからです。
 シガテラ毒とは、熱帯の海産物に、よくある毒です。バラフエダイ以外にも、たくさんの海生生物が、シガテラ毒を持ちます。この毒を持つのは、魚に限りません。
 最初に、シガテラ毒を作るのは、海のプランクトンです。渦鞭毛藻【うずべんもうそう】と呼ばれる生き物です。暖かい海に多いです。小さすぎるため、肉眼では見えません。
 生き物が、有毒の渦鞭毛藻を食べると、体に毒がたまります。その生き物が、別の生き物に食べられると、食べた生き物に、毒が移行します。
 こうして、海の生き物に、どんどん、シガテラ毒が広まります。ある海域に、有毒の渦鞭毛藻が発生すれば、その海域の生き物は、みな、毒化する可能性があります。同じ種の生き物でも、有毒の渦鞭毛藻がいなければ、シガテラ毒は、現われません。
 バラフエダイは、シガテラ毒を、体にためやすいのですね。その理由は、バラフエダイが、強い肉食の魚だからです。毒を持つ生き物を、たくさん食べて、体に毒を濃縮させてしまいます。体の大きなバラフエダイほど、毒化している可能性が高いです。
 バラフエダイらしき魚は、口に入れないほうが、安全ですね。



図鑑↓↓↓↓↓には、バラフエダイが掲載されています。
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 過去の記事でも、サンゴ礁の海にいる生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 鼈甲【べっこう】になるだけじゃない、タイマイ
 シマダコは、縞ダコか島ダコか?(2008/03/03)
 国際サンゴ礁年とは、どんなもの?(2007/12/24)
 死滅回遊魚【しめつかいゆうぎょ】とは、どんな魚?(2007/11/05)
 海中の一角獣【いっかくじゅう】? テングハギ(2007/07/23)
などです。

2008年6月13日

睨みを利かせるお父さん? オヤニラミ

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 二〇〇八年の父の日は、六月十五日です。これにちなんで、今回は、「子育てをするお父さん」の話をしましょう。ヒト以外の生き物の話です。
 生き物の世界では、子育てをするものは、少数派です。例えば、大部分の魚は、母親ですら、子育てをしません。「子育てをする魚」は、まれな存在です。
 オヤニラミは、「子育て魚」の一種です。日本の淡水に棲みます。河川の中流などの、流れの緩やかなところが、生息域です。水中に、障害物が多い場所を、好みます。ヨシなどの植物が生えたり、大きめの石が転がっていたりする場所です。
 障害物が多い場所を好むのには、理由があります。オヤニラミは、ヨシの茎などに、卵を産みつけるからです。安全に子育てできる場所を、選ぶのでしょう。
 卵は、むろん、雌(メス)が産みます。しかし、卵の世話は、雄(オス)が行ないます。
 雄は、卵のそばに、いつも付いています。口や胸びれで、卵へと、新鮮な水を送ります。敵から卵を守ります。近づくものがあると、雄は激しく攻撃します。
 卵が孵化【ふか】しても、「お父さん」の仕事は、終わりません。生まれたての稚魚【ちぎょ】たちは、数日間、「お父さん」に守られます。
 オヤニラミは、スズキ目スズキ科に属します。スズキ目ケツギョ科に分類する学説もあります。どちらにせよ、日本のスズキ目では、唯一、純淡水に棲む種です。
 他のスズキ目でも、汽水域【きすいいき】(淡水が混じる海水域)に来るものはいます。アカメ、スズキなどがそうです。けれども、一生を淡水で過ごすのは、日本では、オヤニラミだけです。貴重な種ですね。なのに、ずいぶん減ってしまいました。
 原因は、主に、河川の護岸工事だといわれます。コンクリートで固められたら、川岸には、植物が生えませんね。石も、取り除かれます。そんな単調な水中では、オヤニラミは、繁殖できません。稚魚が隠れる場所すら、ありませんよね。
 最近では、生き物に配慮した護岸工事も、行なわれるようになりました。そういうものは、ぜひ、広めてもらいたいです。魚もヒトも、安心して、子育てしたいですよね。


 過去の記事でも、生き物の世界の「子育てをするお父さん」を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 育児には父親も参加、オオゴキブリ(2007/06/15)
 子育てに張り切るお父さん、タマシギ(2006/06/17)
 コオイムシの雄は子煩悩【こぼんのう】?(2006/05/05)
 クマノミの親子関係(2005/10/31)



図鑑↓↓↓↓↓には、オヤニラミや同じスズキ目のスズキや、アカメが掲載されています。
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2008年5月16日

ガーナの宝冠:西アフリカの希少な生き物たち




 今、横浜市が、アフリカに染まっています。第四回アフリカ開発会議が、横浜で開かれるからです。このブログも、便乗しますね(笑) アフリカの生物を、紹介しましょう。
 昨年(二〇〇七年)十二月に、西アフリカのガーナから、「多くの新種がいる」と発表されました。新種の発見場所は、アテワ自然保護区です。新種ばかりでは、ありません。これまで知られている種でも、希少なものの生息が、確認されました。
 例えば、カエルです。ラテン語の学名を、Conraua derooiという種がいます。日本語名は、ありません。アカガエル科ゴリアテガエル(ゴライアスガエル)属に属します。
 Conraua derooiは、「世界で最も絶滅に近いカエル」といわれます。今後、生き残る可能性があるのは、アテワに棲むものだけだ、と考えられています。
 鳥類では、モモグロサイチョウや、リベリアクロヒタキなどの生息が、確認されました。モモグロサイチョウは、サイチョウ科ナキサイチョウ属の鳥です。リベリアクロヒタキは、ヒタキ科クロヒタキ属に属します。どちらも、数が少ない種です。
 哺乳類では、霊長類(サルの仲間)で、絶滅に近い種が、確認されました。オリーブコロブスや、ラテン語の学名をColobus vellerosusという種(日本語名なし)などです。
 昆虫では、八種の新種が発見されました。すべて、キリギリスの仲間です。アテワでしか、生息が確認されていません。また、希少なチョウ(蝶)も、確認されました。ラテン語の学名を、Mylothris atewaという種です。日本語名は、ありません。シロチョウ科シロチョウ亜科に属します。モンシロチョウの類縁ですね。
 昆虫以外の節足動物でも、新種が発見されました。クモ綱【こう】クツコムシ目【もく】クツコムシ科の種です。クモとダニの中間のような姿をしています。ラテン語の学名を、Ricinoides atewaと名づけられたようです。
 魚類や植物でも、珍しい種が、確認されています。中でも、シダ植物のCyathea manniana(ラテン語の学名、日本語名はなし)は、興味深いです。この種は、ヘゴ科ヘゴ属に属します。木生シダといって、樹木になるシダです。Cyathea mannianaと似た種は、ブラジルとマダガスカルにしか、分布していないそうです。
 たった一つの自然保護区で、この様子です。アフリカ全体では、どれほどの生き物がいるのでしょう? この多様性を、保ち続けたいですね。


 西アフリカのガーナで発見/確認された生き物については、以下に載っています。
 ガーナの熱帯林で、キリギリスや節足動物など9種の新種、 希少な生物種を発見(コンサベーション・インターナショナル・ジャパン 2007/12/06)
 ガーナで、新種、希少種、絶滅危惧種【ぜつめつきぐしゅ】などを発見(コンサベーション・インターナショナル 2007/12/06) ※英語の解説です。
 新種動物をガーナで発見(OCCULuTION 2007/12/08) ※新種の節足動物(クツコムシ)などの写真が載っています。


 前記の、発見/確認された生き物の情報や、写真は、以下にもあります。
 最も絶滅に近いカエル、Conraua derooiの写真(Arkive) ※解説は英語です。
 アフリカ最大の蝶といわれるドルーリーオオアゲハの写真(ぷてろんワールド)
 シロチョウの一種Mylothris atewaの写真(ガーナの蝶たち) ※解説は英語です。

 クツコムシ目の解説(Wikipedia日本語版)

 シダ植物のCyathea mannianaの写真、全体像(metafro)
 シダ植物のCyathea mannianaの写真、ゼンマイ状の若葉(metafro)
 シダ植物のCyathea mannianaの写真、葉(metafro)

 横浜の、第四回アフリカ開発会議のサイト
 横浜の「アフリカ月間」の案内

2008年5月 3日

ブラジルで、14もの新種を発見

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 またもや、新種発見のニュースです。今度の舞台は、南米のブラジルです。なんと、一挙に、十四種が発見されました。
 種の内訳は、魚類が八種、両生類が一種、爬虫類が三種、鳥類が一種、哺乳類が一種です。うち、いくつかの種を、紹介しましょう。
 爬虫類三種のうちの一種は、脚【あし】がないトカゲです。ピグミーテグー科バキア【Bachia】属の一種、と考えられています。この仲間は、日本には分布しません。
 「脚がないトカゲとは、ヘビ(蛇)ではないのか?」と思う方がいるでしょう。トカゲとヘビの違いは、脚の有無だけではありません。他に、いくつもの違いがあります。
 大きな差の一つは、トカゲには、瞼【まぶた】があることです。ヘビには、瞼がありません。ですから、ヘビは、まばたきをしません。
 今回の新種「脚がないトカゲ」にも、瞼があります。バキア属の特徴として、透明な瞼を持つはずです。このため、バキア属のトカゲは、目を閉じても、見ることができます。
 鳥類の新種は、とても小さなキツツキです。キツツキ科ヒメキツツキ属の一種、とされています。ヒメキツツキの仲間も、日本には分布しません。
 両生類の新種は、一見、ヒキガエルに似ています。英語名を、「角のあるヒキガエルhorned toad」というほどです。けれども、ヒキガエル科ではありません。ユビナガガエル科ツノガエルモドキ属の一種、とされます。ツノガエルモドキも、日本には、分布しません。
 これらの種が発見されたのは、ブラジルのセラードと呼ばれる地域です。ここは、自然の宝庫です。前記の新種以外にも、たくさんの貴重な種がいます。
 例えば、鳥類のスミレコンゴウインコや、クロアイサや、マメシギダチョウ、および、哺乳類のアメリカヌマジカや、ミツオビアルマジロなどです。みな、絶滅の危機にある種です。彼らにとって、セラードは、最後の楽園かも知れません。
 残念ながら、この楽園が、おびやかされています。人間による開発が、進んでいるからです。何とか、この野生の王国を、残したいですね。


 ブラジルの新種のニュースは、以下に載っています。
 ブラジルの草原で、「脚がないトカゲ」などの新種が発見される(コンサベーション・インターナショナル 2008/04/29) ※英語の解説です。
 ブラジルの草原で発見された新種たちの写真(コンサベーション・インターナショナル、2008/04/29) ※英語ですが、写真集ですので、観るだけで楽しめます。


 過去の記事でも、新種の発見を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 両生類は、肺がなくても生きられる?(2008/05/01)
 タンザニアで、新種の哺乳類を発見!(2008/04/16)
 再発見! オキナワトゲネズミ(2008/03/07)
 インドネシアのパプアで、新種の哺乳類を発見(2007/12/19)
 霊長類【れいちょうるい】が絶滅の危機に?(2007/11/01)
 ベトナムで、新種の発見ラッシュ(2007/09/27)
 新種のクシクラゲ? 発見(2007/6/13)
などです。


2008年4月25日

ちょっと待って! メダカの放流

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 メダカは、春の小川に似合う魚ですね。かつては、日本中、どこでも見られました。
 ところが、近年、メダカが、絶滅危惧種【ぜつめつきぐしゅ】に指定されました。これは、日本人に、衝撃を与えました。最も平凡だった魚が、絶滅しそうなのですから。
 メダカの危機は、広く報道されました。このため、各地で、保護活動が盛り上がりました。メダカが棲める水場が整備されたり、メダカが飼育されて増やされたりしました。
 保護活動が盛んになるのは、良いことです。けれども、中には、問題のある保護活動もありました。保護するつもりが、逆効果になることも、あります。
 例えば、メダカの放流です。一時期、各地で流行しました。現在でも、よく行なわれますね。過去にメダカがいたのに、絶滅した場所へ、再びメダカを放つことです。
 このような放流には、とても注意が必要です。下手なやり方をすると、自然を荒らしてしまいます。なぜでしょう?
 メダカには、地域個体群【ちいきこたいぐん】があるからです。地域個体群とは、地域ごとの、特徴のある群れのことです。同じ種でも、地域によって、特徴が違うのですね。
 地域個体群は、地域ごとの財産です。違う地域のものと、混ぜてはいけません。それは、その地域本来の自然とは、違うものですね。混ぜたら、自然破壊です。
 以前は、地域個体群のことが、あまり知られていませんでした。そのために、「本来とは違う地域の個体群が、放流される」といった事故が、起こりました。
 誤りを防ぐには、どうしたらいいでしょう?
 まず、やたらに放流しないことです。確実に、その地域の個体群だとわかるまで、放流は控えましょう。専門知識のある人に、訊いてからにすべきです。
 特に、ペットショップや、人家で飼われているものを、そのまま放流してはいけません。そのようなメダカは、人間が作った品種であることが多いです。人工的な品種は、野外に放つべきではありません。放流する前に、メダカの素性を、きちんと調べましょう。
 正しい知識を広めることが、本当に、メダカの保護につながります。


 近年、メダカの地域個体群について、さまざまなニュースがあります。詳しくは、以下のページなどを御覧下さい。
  蘇るメダカ(湘南新聞 2005/07/09)
 藤沢メダカの学校をつくる会
などです。


 過去の記事でも、メダカと同じ日本の淡水魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 土用の丑【うし】には何を食べる?(2007/07/27)
 貝に卵を産む? 不思議な魚たち(2007/03/30)
 秋に美味しい鰍【かじか】(2006/11/13)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、メダカが掲載されています。
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2008年2月29日

シラウオ、シロウオ、どちらが本当?

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 寒さの中にも、春の便りが聞かれますね。春が旬【しゅん】の食べ物も、出回ってきました。春の味覚といえば、皆さんは、何を思い浮かべるでしょうか?
 シラウオ(白魚)は、春の味覚として、有名なものの一つですね。以前は、サケ目シラウオ科に属する魚とされていました。現在は、キュウリウオ目シラウオ科とされることが多いです。サケ目の多くの種が、新設のキュウリウオ目へと、移されました。
 生き物の分類が変わることは、よくあります。学問は、常に、進歩しているからです。
 生きているシラウオは、透明です。ガラス細工のような美しさです。白魚という名は、死んだ時の色から、付けられました。死ぬと、透明感が消え、白い体色になります。
 シラウオは、川の下流域、汽水【きすい】湖、沿岸の海などで、漁獲されます。汽水域(淡水と海水が混じるところ)が、彼らのすみかのようです。「ようです」というのは、彼らの生態が、はっきりわかっていないからです。
 以前、シラウオは、産卵のため、川をさかのぼるといわれました。けれども、それが本当かどうか、今は疑問が持たれています。
 シラウオは、徳川家康の好物だったと伝えられます。そんなに昔から食べられているのに、基本的な生態が、わかっていないのですね。生き物の生態を知るのは、難しいことです。水中の生物は、特に難しいのですね。直接の観察が、しにくいからです。
 ややこしいことに、シラウオには、とても似た別種の魚がいます。その名も、シロウオ(素魚)といいます。名前だけでなく、外見もそっくりです。生きている時は透明で、ガラス細工のようです。やはり食用になります。旬が春なのも、シラウオと同じです。おまけに、川の下流域や、沿岸の海に棲むことまで、同じです。
 ここまで似れば、当然、混同されますね。昔から、両種は混同されてきました。地方により、シラウオをシロウオと呼んだり、シロウオをシラウオと呼んだりします。
 しかし、シロウオは、シラウオとは縁が遠いです。スズキ目ハゼ科に属します。ハゼの一種なのですね。「他人の空似」も、ここまで来れば、感心してしまいます。


 過去の記事でも、キュウリウオ目(サケ目)や、スズキ目ハゼ科の魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ミナミトビハゼ(2007/09/06)
 ミナミトビハゼ(2007/05/27)
 日本を代表する美魚、アユ(2006/06/09)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、シロウオ(素魚)は載っていませんが、シラウオ(白魚)が掲載されています。
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2008年2月21日

チンアナゴ

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 チンアナゴ 画像
和名:チンアナゴ
学名:Heteroconger hassi
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沖縄  沖縄美ら海水族館  【2008.02.01】


2008年2月19日

メガネモチノウオ【別名:ナポレオンフィッシュ】

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 メガネモチノウオ【別名:ナポレオンフィッシュ】 画像
和名:メガネモチノウオ【別名:ナポレオンフィッシュ】
学名:Cheilinus undulatus
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沖縄  沖縄美ら海水族館  【2008.02.01】


2008年1月26日

オヤビッチャ

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 ブセナ・ケープ(岬)海中展望塔より。しつこいですが、水族館ではありません(笑)。入場料を払って、海中を見学します。ちょっと(かなり)ピンが甘いですね。ご愛敬ということで失礼いたします。オヤビッチャ 画像。
和名:オヤビッチャ
学名:Abudefduf vaigiensis
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沖縄 名護 【2008.01.12】


2008年1月25日

本当にあった不思議なカレイの話




 奇跡としか言いようのないニュースが、飛び込んできました。千葉県銚子市【ちょうしし】の沖で捕れた魚に、人が書いた手紙が付いていた、というのです。その手紙は、十五年も前に、小学生の女の子が、風船に付けて飛ばしたものでした。
 驚くことに、その手紙の文字は、ちゃんと読める状態でした。おかげで、手紙を書いた人の身元が、判明しました。小学生だった女の子は、現在、大学生で、健在だそうです。当時、神奈川県川崎市内の小学校から、手紙を飛ばしたとのことです。
 報道によれば、手紙を運んだのは、サメガレイという魚です。カレイ(鰈)の一種です。あの、目が片側に寄った、平たい魚の仲間ですね。食用になることで、有名です。
 サメガレイも、食用になる魚です。今回、見つかったものも、食べるために漁獲されました。漁師さんが、魚の仕分け中に、手紙が付いているのに気づいたそうです。
 カレイの中でも、サメガレイは、深い海に棲みます。主に、クモヒトデを食べているようです。クモヒトデは、深海に多い生物だからでしょう。「郵便屋さん」になったカレイは、おそらく、水深千m付近にいたはず、といいます。
 手紙の保存状態が良かったのも、奇跡ですね。他の魚でなく、サメガレイだからこそ、こんなことが起こった、と推測できます。
 サメガレイには、「鱗【うろこ】がない」という特徴があります。そのかわり、表側の皮膚が、ざらざらしています。鮫肌【さめはだ】だから、サメガレイと名づけられました。この鮫肌は、たっぷりの粘液に覆われています。
 たぶん、手紙は、サメガレイの鮫肌に、うまく引っかかったのでしょう。そのうえ、粘液に覆われれば、保護されますね。長い間、海中にあったのに、きれいに保存されたのは、このためだと思われます。
 人間の活動は、深海にまで、影響しているのですね。今回の事件で、改めて、わかりました。例えば、うっかり毒物を流したら、深海魚が絶滅するかも知れません。
 今回のように、小学生の手紙ならば、微笑ましくて、いいですね。


 手紙を運んだカレイのニュースは、以下にあります。
 <手紙>風船で飛ばして15年…カレイが届ける?(毎日新聞 2008/01/24)
 14年前の風船手紙、底引き網漁で水揚げのカレイがお届け(読売新聞 2008/01/24)



図鑑↓↓↓↓↓には、
残念ながら、サメガレイは載っていませんが、同じカレイの仲間のメイタガレイが掲載されています。
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2008年1月23日

ツノハタタテダイ

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 ブセナ・ケープ(岬)海中展望塔より。ツノハタタテダイ 後ろハマフエフキ画像。
和名:ツノハタタテダイ
学名:Heniochus varius
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沖縄 名護 【2008.01.12】


2008年1月16日

ハマフエフキ

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 ブセナ・ケープ(岬)海中展望塔より。水族館ではありません。ハマフエフキ 画像。
和名:ハマフエフキ
学名:Lethrinus nebulosus
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沖縄 名護 【2008.01.12】


2008年1月 4日

おめでタイ!にも、いろいろいます

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 新しい年がやってきました。新年らしく、おめでたい生き物を取り上げましょう。
 タイ(鯛)は、日本で、縁起が良い生き物の代表ですね。タイと名が付く魚は、とても多いです。単にタイといえば、普通は、マダイ(真鯛)という種を指します。あの、きれいな赤い体色の魚です。普通の人が思い浮かべる「タイ」ですね。
 マダイにそっくりなのに、種が違うタイもいます。キダイ(黄鯛)やチダイ(血鯛)などです。マダイと同じく、赤っぽくて、左右に平たい体型をした魚です。素人には、区別が付けにくいですね。キダイやチダイは、マダイの代わりに、お祝い事に使われることもあります。見た目も味もそんなに変わりませんから、不当ではないでしょう。
 他にも、たくさんの「何とかダイ」がいます。有名なのは、クロダイ、イシダイ、キンメダイ、アコウダイなどですね。フエダイ、ニザダイ、スズメダイ、キンチャクダイなどもいます。これらの「タイ」は、みな同じ仲間でしょうか?
 違います。同じ「タイ」の名が付いても、異なるグループの種が多いです。
 例えば、マダイは、スズキ目タイ科に属します。キダイ、チダイ、クロダイは、同じスズキ目タイ科です。一般的には、これらスズキ目タイ科の種が、「本当のタイ」とされます。
 他のタイは、どうでしょう? イシダイは、スズキ目イシダイ科です。フエダイは、スズキ目フエダイ科に属します。スズメダイとキンチャクダイも、スズキ目のスズメダイ科、キンチャクダイ科に属します。ニザダイも、スズキ目のニザダイ科です。
 スズキ目以外の「タイ」も多いです。例えば、キンメダイは、キンメダイ目キンメダイ科に属します。アコウダイは、カサゴ目フサカサゴ科に属します。
 タイという名は、「平たい」に由来するようです。日本人は、マダイのように、「平たくて、赤っぽい魚」を尊ぶのですね。そのような魚に、みな「~ダイ」という名を付けました。分類に関係なく、タイと名が付く魚は、二百種以上もいるそうです。
 このために、分類学的には、ややこしくなってしまいました。日本人は、「タイ」に愛着があるのでしょう。「幸せになりタイ」願いがこもっているのかも知れません。


 過去の記事でも、「~ダイ」と名が付く魚を取り上げています。また、「○○ダイ科」の魚も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 死滅回遊魚【しめつかいゆうぎょ】とは、どんな魚?(2007/11/05)
 海中の一角獣?テングハギ(2007/07/23) ※テングハギはニザダイ科
 房総では良く釣れる魚の花鯛(ハナダイ)は…(2006/05/01)
 クマノミの親子関係(2005/10/31) ※クマノミはスズメダイ科
 ニモのお父さんはお母さんだった?(2005/10/28)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、タイ科の「タイ」は載っていません。かわりに、キンチャクダイ科、スズメダイ科、ニザダイ科、フエダイ科の魚が掲載されています。
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2007年11月26日

カサゴ(笠子)は、似たもの同士の一族

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 カサゴは、磯釣りの対象になる魚ですね。岩場にいる魚らしく、ごつごつした姿をしています。海中では、海藻の生えた岩にそっくりです。
 じつは、カサゴと呼ばれる魚は、一種ではありません。いくつもの種が含まれます。アヤメカサゴ、フサカサゴ、ユメカサゴ、イズカサゴなどです。ややこしいことに、単に「カサゴ」という種名の魚もいます。おおむね、フサカサゴ科フサカサゴ亜科に属する種が、まとめてカサゴと呼ばれます。
 カサゴの仲間は、どれもよく似ています。種によって、分布する海域や、生息する深度が、少しずつ違います。そうやって、棲み分けているのですね。
 例えば、フサカサゴは、本州中部以南の暖かい海に分布します。普通の「カサゴ」は、もう少し寒い海にもいます。北海道南部以南に分布します。
 棲み分けているとはいえ、カサゴの仲間は、似た種が、同じような場所に棲むことが多いです。しかも、同じ種でも、体色などに幅があります。真っ赤に見えるものと、真っ黒に見えるものとが、まったく同じ種、ということもあります。
 おかげで、カサゴの仲間は、分類が難しいです。「うっかりすると、カサゴに間違うくらい似ている」ために、ウッカリカサゴと名づけられた種がいるくらいです。冗談みたいですが、「ウッカリカサゴ」が正式な種名です。
 「カサゴ一族」が似ているのは、みな、似た生活をするからです。海底の岩礁域で、あまり動きません。エビや小魚などの獲物を、待ち伏せて捕らえます。待ち伏せるのに、目立っては困りますね。だから、「カサゴ一族」は、全員、海底の岩に似ています。
 カサゴの仲間は、食用魚としても知られます。どれも、白身の魚ですね。白身なのは、生態と関係しています。魚の白い筋肉は、瞬発力に優れた筋肉です。「じーっと待ち伏せていて、獲物が近づいたら、すばやく捕らえる」という動きに適しています。
 だいたい、秋から冬にかけてが、カサゴの仲間の旬【しゅん】です。ちょうど、これからの季節ですね。煮つけや鍋物が美味しいです。どうぞ、御賞味下さい。


 過去の記事でも、秋から冬に美味しい魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ハマチはブリの子か?(2007/1/19)
 秋に美味しい鰍【かじか】(2006/11/13) 
 アンコウは釣りの名手(2006/1/27) などです。
 


図鑑↓↓↓↓↓には、カサゴとオニカサゴも掲載されています。
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2007年11月15日

シーラカンスの新種?発見

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 生きている化石のシーラカンスは、話題に事欠きませんね。近年、「インドネシアのスラウェシ島近海で、シーラカンスの新種が見つかった」というニュースがありました。
 それまで、「シーラカンスは、アフリカ南東部のコモロ諸島近海にしかいない」と考えられていました。ラテン語の学名を、ラティメリア・カルムナエLatimeria chalumnaeという種です。インドネシアのシーラカンスは、これとは違う新種だと判断されました。ラティメリア・メナドエンシスLatimeria menadoensisという学名が付いています。
 最近、さらに、第三の生息域が発見されました。東アフリカのタンザニア沖です。ここで、続々とシーラカンスが捕獲されました。漁師さんたちが、普通の魚を捕ろうとしていたのに、シーラカンスが捕れてしまった、といいます。
 はじめ、タンザニアのシーラカンスは、「本来の生息域であるコモロ近海から、流されてきたのでは?」と考えられました。けれども、二〇〇七年に行なわれた調査により、「タンザニア沖に、シーラカンスの生息域がある」と確認されました。なんと、日本の調査隊による成果です。福島県にある水族館「アクアマリンふくしま」の調査隊でした。
 タンザニアのシーラカンスは、第三の種なのでしょうか? これは、まだわかっていません。現在までの調査では、新種の可能性があるようです。
 新種でなくとも、新しい生息域が判明したのは、嬉しいですね。しかし、喜んでばかりはいられません。判明した理由が、問題だからです。なぜ、今になって、タンザニア沖で、シーラカンスが捕れるようになったのでしょうか?
 その理由は、タンザニア沿岸の海で、魚が減ったためです。漁師さんたちは、困ってしまいました。魚を求めて、より沖の海へ行ったのですね。そこが、シーラカンスの生息域でした。漁業資源の枯渇という、深刻な問題が、根底にあります。
 このままでは、シーラカンスの生存も、危うくなりかねません。海全体が健全でないのに、一種だけ無事なことは、あり得ないからです。シーラカンスを含めた魚も、漁師さんたちも、豊かに暮らせる海にしたいですね。


 タンザニア沖シーラカンスのニュースは、以下にあります。
 【科学】生きた化石シーラカンスの謎を追え(Yahoo!ニュース・産経新聞 2007/11/05)
 シーラカンス続々捕獲/タンザニア沖で30匹以上(東奥日報 2007/09/21)


 タンザニア沖で、シーラカンスの撮影に成功した「アクアマリンふくしま」のウェブサイトは、以下にあります。また、東京工業大学、国立科学博物館などでも、シーラカンスの研究が進められています。
 アクアマリンふくしま(日本語トップページ)
 東京工業大学 岡田研究室(右上にシーラカンスのページ入口があります)
 国立科学博物館(トップページ)



 二〇〇七年の11月24日(土)に、シーラカンスのシンポジウムが開かれます。会場は、福島県にある「 いわき明星大学」です。一般の人でも、参加費を払えば、参加できるようです。興味がおありの方は、以下のページを御覧下さい。
 ザ・シーラカンス シーラカンスの謎に迫る!2007(アクアマリンふくしまのサイト内ページ)


 過去の記事でも、シーラカンスを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 えっ シーラカンスを捕まえた?!(2007/5/22)
 シーラカンスの動画撮影に成功! その後は?(2007/1/20)
 シーラカンスはなぜ「生きている化石」か?(2006/6/1)

などです。


2007年11月 8日

琵琶湖で発見された「エンツイ」とは、どんな魚?

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 また、悲しいニュースがありました。「琵琶湖で、新たな外来種の魚が発見された」と報道されましたね。「エンツイ」と呼ばれる魚です。
 「エンツイ」とは、魚の原産地の、中国での名です。日本語の名は、ありません。日本には、本来、分布しないからですね。
 もとの中国語からすれば、「エンツイ」とは、だいぶ「なまった」発音です。「エンツュイ」、「エンツユイ」、「エンチュイ」などとも呼ばれます。
 より正確には、「イェン・ツー・ユイ」という感じに発音します。漢字で書けば、「臙脂魚」です。まれに、成魚が臙脂【えんじ】色になるため、このように名づけられたのでしょう。ラテン語の学名を、Myxocyprinus asiaticusといいます。
 エンツイ改めイェンツーユイは、コイ目に属します。広い意味では、コイの仲間ですね。けれども、コイと違って、コイ科ではありません。コイ目サッカー科に属します。サッカーとは、球技のサッカーsoccerではありませんよ(笑)サッカーsuckerという名の魚がいるのです。主に、北米に分布する魚のグループです。
 イェンツーユイは、中国の長江流域に分布します。サッカー科の中で、唯一、北米以外に分布する種です。なぜ、一種だけこんなに離れているのかは、わかっていません。
 今回見つかったイェンツーユイを、写真で見ると、奇妙な形をしていますね。背中が高く盛り上がっています。そこに、大きな背びれが付いています。これは、幼魚の姿です。成魚は、スマートな形です。普通の魚と変わりません。
 イェンツーユイは、観賞魚として、日本に輸入されています。確かに、幼魚の形は、面白いですね。しかし、成魚が、1mを越えるほど大きくなることを、忘れてはいけません。「それほどの大型魚を飼う」と覚悟ができなければ、飼うべきではありません。
 外来種自身には、罪はありません。いつも、ここのブログに書いているとおりですね。ペットを売る人、買う人、管理する人など、みんなの責任が、問われています。


 琵琶湖で発見された「エンツイ」改め「イェンツーユイ」のニュースは、以下にあります。
 琵琶湖で中国産外来魚を捕獲 「エンツイ」を初確認(京都新聞 2007/11/05)


 「エンツイ」こと「イェンツーユイ」のニュースは、他にも、以下のようなものがあります。レコードチャイナの写真を見ますと、「臙脂魚」(臙脂【えんじ】色の魚)や「美人魚」の名が納得できますね。
 獅子顔の巨大怪魚、出現―四川省ろう中市(レコードチャイナ 2007/05/08)
 安徽:15万尾の「臙脂魚」を長江に放流(livedoorニュース 2007/04/23)
 漁師が長江で未知の魚を捕獲、俗称は「アジア美人魚」―重慶市(レコードチャイナ 2006/12/13)


 過去の記事でも、外来種について取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ワニに見えてもワニじゃない、ガーパイク(2006/09/16)
 オオトカゲは危険生物?(2006/08/22)
 飼う前によく考えましょう、カミツキガメとワニガメ(2006/04/5)
 ミドリガメ(アカミミガメ)から病気がうつるのは本当?(2006/03/13)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、コイ、タナゴ、ドジョウなど、コイ目の魚が十種以上掲載されています。
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2007年11月 5日

死滅回遊魚【しめつかいゆうぎょ】とは、どんな魚?

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 だんだん寒くなってきましたね。季節は、海の中にもめぐります。
 例えば、伊豆の海を見てみましょう。伊豆は、ダイビングスポットとして人気です。おかげで、たくさんの種の魚が、ダイバーに観察されています。
 初夏から初冬にかけて、伊豆では、きれいな魚がたくさん見られます。クマノミ、ハマクマノミ、ツノダシ、タテジマキンチャクダイなどです。これらの多くは、サンゴ礁に棲む魚です。本来、もっと南の海にいるものたちです。
 温かいとはいえ、伊豆の海は、サンゴ礁ができるほどではありません。なぜ、サンゴ礁の魚が、伊豆にいるのでしょうか?
 彼らは、南の海からやってきます。海流に乗ってくるのです。伊豆の場合なら、黒潮ですね。日本の太平洋岸を通る暖流です。
 伊豆の海でも、初夏から初冬にかけては、かなり温かいです。南の海の魚が、普通に暮らせます。ところが、温度が下がってくると、そうはいきません。南海生まれの魚たちは、大部分が、冬に死んでしまいます。春になると、南から、新しい幼魚たちがやってきます。
 このような魚を、死滅回遊魚と呼びます。死滅しては、新たに回遊してくることを、繰り返すからです。死滅回遊魚は、南海の魚とは限りません。けれども、日本近海では、「南から北へ来て、冬に死滅する魚」が、こう呼ばれることが多いです。
 死滅回遊は、無駄なことに見えますね。なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?
 同じ場所では、生きられる数が、限られるからです。すみかが足りないものは、別の場所へ、すみかを求めるしかありません。そうなるのは、たいてい、新たに生まれた幼魚です。彼らは、生きるために旅立ちます。死滅するために、旅するのではありません。
 たまたま、行き着いた先が、生きるのに適さない場所ですと、死滅回遊になってしまいます。でも、中には、生きやすい場所に着くものもいるでしょう。ひょっとして、そこは、思わぬ新天地かも知れません。リスクがあっても、旅立つ利点があります。
 自然は厳しいです。どの生き物も、その中で、精一杯、生きているのでしょう。

 過去の記事でも、サンゴ礁に棲む魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 海中の一角獣【いっかくじゅう】? テングハギ(2007/7/23)
 クマノミの親子関係(2005/10/31)
 ニモのお父さんはお母さんだった?(2005/10/28)   などです。
   


図鑑↓↓↓↓↓には、サンゴ礁の魚として、クマノミ、ハマクマノミ、タテジマキンチャクダイ、ツノダシ、テングハギ、バラフエダイなどが掲載されています。
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2007年9月20日

ヤマメからニジマスが生まれる?

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 ヤマメという魚がいますね。日本の渓流に棲む魚です。食用や釣り対象として、人気がありますね。そのため、養殖もされています。
 一方、ニジマスという魚がいます。ヤマメと同じ、サケ科に属する種です。やはり、川魚として、食卓に上りますね。日本各地で、大々的に養殖されています。
 ニジマスは、もともと、北米に分布する魚でした。食用にするため、日本に移入されました。同じサケ科でも、ヤマメとは違う種です。
 ところが、先日、衝撃的なニュースがありました。人工的に、ヤマメにニジマスを生ませることに成功した、というのです。
 これは、「ヤマメの腹だけを借りて、ニジマスの卵を産ませた」わけではありません。「ヤマメに、ニジマスの卵の元になる細胞を移植した」のです。ヤマメの腹で育っても、細胞は、ヤマメの卵ではなく、ニジマスの卵になりました。
 正確には、移植されたのは、精原細胞【せいげんさいぼう】という細胞です。普通は、精子の元になる細胞です。雄(オス)のヤマメにニジマスの精原細胞を移植すると、ニジマスの精子になり、雌(メス)のヤマメに移植すると、ニジマスの卵になったそうです。
 この実験結果は、いろいろなことを示唆しています。例えば、精子になるはずの細胞でも、環境によっては卵になることがわかりました。また、ヤマメとニジマスでできるならば、同様に近縁な魚同士でも、同じことができるかも知れません。「絶滅しそうな種の細胞を、近縁な別種に移植して、数を増やす」といった可能性も、ありますね。
 このように、生命の発生を操作する研究には、賛否両論があります。けれども、研究を止めることは、得策ではないでしょう。病気を治す方法や、絶滅しそうな生き物を救う方法が、発見される可能性があるからです。
 よく言われるとおり、科学技術そのものには、罪はないと思います。善悪は、使い方次第です。生命を弄【もてあそ】ぶのは、いけませんよね。良い方向へと、研究が発展することを望みます。

 「ヤマメがニジマスを生んだ」ニュースは、以下のページに載っています。
 ニジマスしか生まない代理ヤマメ両親の作出に成功(科学技術振興機構・東京海洋大学)

 過去の記事でも、ヤマメなどのサケ科の魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 同じ種なのに名が違う? 桜鱒(サクラマス)と山女(ヤマメ)(2006/3/20)
 森を育てるサケ(2005/9/13)


図鑑↓↓↓↓↓には、ニジマスもヤマメも掲載されています。
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 国立大学法人東京海洋大学
 独立行政法人科学技術振興機構


2007年9月 6日

ミナミトビハゼ

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和名:ミナミトビハゼ
学名:Periophthalmus argentilineatus

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沖縄 豊見城 【2007.08.25】
 

2007年7月27日

土用の丑【うし】には何を食べる?

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 もうじき、土用の丑の日ですね(2007年は、来週7月30日)。日本では、すっかり「ウナギを食べる日」になっています。この日にウナギを食べる習慣は、江戸時代に定着したようです。
 もともと、「土用の丑の日に、ウの付く物を食べると、夏負けしない」という言い伝えがありました。これに従うなら、ウナギにこだわる必要はありませんね。試しに、食用魚のうちで、ウの付くものを探してみました。
 ウグイという魚がいます。川魚として賞味されます。甘露煮や、鮒鮨【ふなずし】に似た鮨【すし】にされることが多いですね。
 ウグイは、必ずしも淡水にいるとは限りません。一部、海に降るウグイがいます。サケのように、いったん海で暮らしてから、戻ってくる個体がいるのですね。なぜ、海に降るものと、そうでないものがいるのかは、わかっていません。
 川釣りをやる方には、ウグイはお馴染みのはずです。ところが、実際にウグイを釣っているのに、「ウグイなんて魚は知らない」という方がいます。なぜでしょう?
 じつは、ウグイは、とても別名が多い魚です。地方によって、呼び名が違います。有名な別名としては、ハヤ、アカハラ、イダ、マルタなどがあります。釣り人は、魚の名を、こういった地方名で覚えていることが多いです。このために、「実物を知りながら、正式な名前を知らない」ことがあるわけです。
 もう一つ、ややこしいことがあります。ウグイには、他によく似た種があることです。別の川魚と、ウグイが混同されていることが、よくあります。
 ウグイ、オイカワ、カワムツなどの種が、一緒くたにされることが多いですね。地方によっては、これらの種を、すべて同じ名(ハヤなど)で呼ぶこともあります。
 最もややこしいのは、マルタという川魚がいることです。マルタはウグイの近縁種で、外見もそっくりです。おかげで、長らく、ウグイとマルタとは混同されてきました。
 ウグイの旬は、冬といわれます。夏の土用には、ふさわしくない食べ物かも知れません。けれども、機会があれば、食べてみたいですね。日本伝統の食材の一つですから。


 過去の記事で、土用の丑の日にちなみ、ウナギを取り上げています。また、ウグイと同様、海に降るサケやサクラマスも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ウナギの繁殖の謎は解けたか?(2006/7/21)
同じ種なのに名が違う? 桜鱒(サクラマス)と山女(ヤマメ)(2006/3/20)
森を育てるサケ(2005/9/13)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、ウグイが掲載されています。ウグイと混同されやすいオイカワも載っています。ウグイやオイカワの地方名も、たくさん紹介されています。
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2007年7月23日

海中の一角獣【いっかくじゅう】? テングハギ

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 熱帯の海には、色とりどりの魚がいますね。温帯の魚を見慣れた目には、珍しく見えます。サンゴ礁の海には、色だけでなく、形も変わった魚がいますね。
 テングハギは、そんな魚の一種です。顔に突起があります。この突起を、天狗の鼻に見立てたのでしょう。全体の形は、ちょっとカワハギに似ています。
 ややこしいことに、テングカワハギという名の魚もいます。テングカワハギも、サンゴ礁の海に棲みます。テングハギとテングカワハギは、ときどき混同されます。似た点が多いからですね。けれども、両種はまったく別種です。テングハギは、ニザダイ科テングハギ属に属します。テングカワハギは、カワハギ科テングカワハギ属に属します。
 テングハギ属には、他にも、顔に突起がある種がいます。ヒメテングハギ、ツマリテングハギなどです。でも、テングハギ属すべてに、突起があるわけではありません。ミヤコテングハギのように、突起がない種も多いです。
 なぜ、テングハギの顔には、突起があるのでしょうか? この理由はわかっていません。「雄(オス)が雌(メス)に求愛する時に使う」という説があります。しかし、この説では、テングハギの雄にも雌にも突起がある理由が、説明できません。
 突起は、幼魚の頃にはありません。成長とともに、突起が大きくなります。これからすれば、テングハギの突起は、成熟の度合を示すものとは言えそうです。
 テングハギの仲間は、英語名をunicornfishといいます。「一角獣(ユニコーン)魚」という意味ですね。頭に一本の角があるという、伝説の獣にちなんでいます。日本名の「天狗」と共通した雰囲気なのは、面白いですね。どちらも伝説の存在です。
 強そうな外見に反して、テングハギは、おとなしい魚です。海藻を主に食べるようです。このため、モズクの漁場を荒らすといわれることがあります。これには、確定的な証拠はありません。南の海では平凡な魚なのに、はっきりと生態がわかってはいません。
 テングハギは、ダイバーに人気があります。ユーモラスな姿のためですね。サンゴ礁の海でダイビングする機会があったら、実物の彼らを見てみたいです。


 過去の記事でも、サンゴ礁の海に棲む生き物を、いろいろ取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
サンゴ礁の海を守るナマコ(2006/7/22)
クマノミの親子関係(2005/10/31)
ニモのお父さんはお母さんだった?(2005/10/20)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、テングハギが掲載されています。
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2007年6月21日

ハリセンボン






和名:ハリセンボン
学名:Diodon holocanthus
 潮溜まりで優雅に泳ぐハリセンボン。

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沖縄 読谷村 【2007.05.18】


2007年6月12日

希少なサメ(鮫)、メガマウスの撮影に成功




 静岡県から、びっくりニュースが届きました。東伊豆町の沖の海に、メガマウスという巨大なサメが現われました。
 メガマウスは、たいへん珍しいサメです。これまで、世界で三十八例しか見つけられていません。今回が三十九例目です。日本では、十一例目だそうです。
 メガ(=大きい)マウス(=口)という名のとおり、とても大きい口のサメです。体自体も大きいです。今回見つかった個体は、体長4.5mもあったそうです。
 体や口が大きくても、メガマウスは、おとなしいサメです。大きな口を開けて、プランクトンを食べています。こんなに大きいのに、発見例が少ないのは、普段は深海にいるためらしいです。たまたま、浅いところに浮上した時に、目撃されるようです。
 東伊豆町のメガマウスは、定置網に入ったところを発見されました。連絡を受けて、静岡県の下田市にある下田海中水族館の人が、調査に行きました。
 メガマウスは、元気に網の中を泳いでいたそうです。これは非常に珍しいことです。ヒトに発見されるメガマウスは、たいてい弱った状態だからです。
 今回は、元気に泳ぐメガマウスの動画が撮影できました。このような映像が撮れたのは、なんと世界で二例目だそうです。この映像によって、メガマウスの謎が、少しでも解けたら、嬉しいですね。
 定置網のメガマウスは、標識を付けられて、放流されました。こんなに大きいサメを、飼育できる施設がないからです。
 正確に言えば、ないことはありません。けれども、生態のわからない巨大なサメを、長く飼うのは難しいことです。輸送も困難ですね。水族館の人は、「貴重なサメを、下手に死なせてしまうより、野生で暮らさせてあげるほうがいい」と判断したのでしょう。
 日本近海には、比較的、メガマウスが多いようです。初めてメガマウスの雌(メス)が見つかったのは、日本でした。今回のメガマウスも、雌です。放された「彼女」は、今も日本近海を、悠々と泳いでいるでしょうか。


 定置網に入ったメガマウスのニュースは、以下のページにあります。
 「メガマウスザメ撮った 東伊豆沖(静岡新聞)

  過去の記事でも、サメの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 人食いザメより、サメ食い人のほうが多い?(2007/5/31)
 定置網に『ウバザメ』!! 茨城県日立沖(2007/4/25)
 ラブカはなぜ「生きている化石」か?(2007/1/27)
などです。

 下田海中水族館 飼育日誌
 下田海中水族館 トップページ


2007年5月31日

人食いザメより、サメ食い人のほうが多い?【ワシントン条約締結国会議6月3日~15日】




 二〇〇七年の六月三日から、十五日まで、ワシントン条約の会議が行なわれます。場所は、オランダのハーグです。ワシントン条約締結国会議としては、十四回目になります。
 日本も、ワシントン条約の締結国の一つです。今回の会議にも、もちろん出席します。会議では、日本が主導的な立場を取ることを期待したいですね。日本は、たくさんの生き物や、その派生物を輸入しているからです。
 会期中には、多くの議題が議論される予定です。今回は、漁業規制について、多くのことが取り上げられるのでは、といわれます。例えば、今回の会議では、サメの規制が話し合われる予定です。
 普通の人は、「サメの数が減っている」なんて、思いもしないでしょう。普段、「サメを食べている」という意識がある人は、少ないからです。
 世界では、大量のサメが、食用に漁獲されています。日本近海でも、たくさん捕られています。例えば、日本の東北地方では、モウカザメと呼ばれるサメが、よく食べられます。モウカザメという名は方言名で、標準和名はネズミザメというサメです。
 今回の会議で、ネズミザメに近縁なニシネズミザメの取引規制が、議題に上げられています。また、アブラツノザメというサメの規制も、議題に上げられています。
 アブラツノザメも、日本近海で捕られています。そのまま食べたり、練り製品の材料にされたりします。肝油【かんゆ】の原料としても、重要です。世界的に見ると、英国の有名な食べ物、フィッシュ・アンド・チップスの材料にされることが多いです。
 サメといえば、人食いザメを連想する人もいるでしょう。実際には、「サメを食べる人」のほうが、はるかに多いです。このために、獲られ過ぎて、絶滅しそうなサメがいるわけです。サメよりも、ヒトのほうがずっと強いですね。
 私たちは、自分たちが、とても強力な生き物であることを、忘れてはいけないと思います。強力なものは、気づかないうちに、弱いものを虐待しがちです。強力なぶん、私たちは、他の生き物を尊重する義務がある、と考えるべきでしょう。


 以下のページに、今回のワシントン条約会議について、詳しい情報があります。規制が提案されている種の一覧も、載っています。
 第14回ワシントン条約締結国会議(トラフィック・イーストアジア・ジャパン 2007/05/24)
 ワシントン条約附属書改正提案一覧(トラフィック・イーストアジア・ジャパン 2007/05/30)
 ワシントン条約会議にむけ、保全すべき10の生物を発表(WWFジャパン 2007/05/16)


 過去の記事でも、ワシントン条約会議の議題になっている生き物を取り上げています。宝石サンゴと、ヨーロッパウナギです。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 宝石のサンゴはサンゴ礁のサンゴか?(2007/3/5)
 ウナギの繁殖の謎は解けたか?(2006/7/21)



図鑑↓↓↓↓↓には、オグロメジロザメ、ネムリブカなどのサメやウナギや、サンゴの仲間が掲載されています。
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2007年5月27日

ミナミトビハゼ

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和名:ミナミトビハゼ 
学名:Periophthalmus argentilineatus
 ミナミトビハゼの周りにいるのは、オキナワハクセンシオマネキ【学名:Uca lactea perplexa 】です。トビハゼは、愛嬌がありますね。

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沖縄 東村 【2007.05.18】


2007年5月22日

えっ シーラカンスを捕まえた?!



 生きた化石といわれているシーラカンスを、インドネシアの漁師が捕獲したそうです。 驚きのニュースですね。

 そのシーラカンスのニュースは、以下のページにあります。ご覧ください。
 インドネシア沖で漁師がシーラカンスを捕獲(2007/05/21  世界日報)
 

 シーラカンスについての過去の記事は、以下にあります。
 シーラカンスの動画撮影に成功! その後は?(2007/01/20)
 シーラカンス(2006/12/26)
 シーラカンスはなぜ「生きている化石」か?(2006/6/1)

 そのほかのシーラカンスに関するニュースは、以下のページにあります。
 アクアマリンが2度目のシーラカンス撮影(福島放送) (2006/12/23)

2007年4月25日

定置網に『ウバザメ』!!  茨城県日立沖

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 毎日肌寒い日が続きますが、皆さんはお元気でお過ごしですか?
 さて、また珍しい生物が定置網に混獲されたという報道がありました。体長約8.6メートル、体重4.6トンの巨大サメです。『ウバザメ』という『ジンベイザメ』の次に大きくなるサメです。残念ながらその『ウバザメ』は亡くなってしまいましたがアクアワールド茨城県大洗水族館で、骨格標本などにする予定だそうです。
 40年ほど前はたくさんの『ウバザメ』が定置網にかかったそうでうが、最近はあまり見かけなかったそうです。しかもこんな巨大な個体が見つかったのですからびっくりですね。続報を楽しみに待ちましょう。


 『ウバザメ』のニュースは以下の通りです。
 ウバザメ:日立沖に“珍客” 定置網にかかる /茨城(毎日新聞 2007/04/25)
 体長9メートルのウバザメ水揚げ 茨城・日立の漁港に(神戸新聞 2007/04/25)

 アクアワールド茨城県大洗水族館→トップページの最新トピック速報版
 日本最大級ウバザメ混獲についてもご覧ください。

2007年4月21日

深海生物が好きな人、集まれ! 相模湾【さがみわん】の生物展覧会

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 東京・上野の国立科学博物館で、特別展『花』が開かれています。昨日御案内しましたね。(花のことがいろいろわかる、展覧会『『花 FLOWER ~太古の花から青いバラまで~』』) 科学博物館で、もう一つ、とても面白い展覧会が開かれています。
 それは、「相模湾の生物 きのう・きょう・あす」です。神奈川県沿いの海、相模湾の生物を紹介しています。私は観てきました。
 深海生物ファンなら、「相模湾」という名に、聞き覚えがあるはずです。相模湾は、世界でも有数の、深海生物の宝庫ですね。
 この展覧会は、深海生物ファンには必見です。相模湾の深海生物の動画が観られます。一般家庭では望むべくもない大画面で、です。有櫛動物【ゆうしつどうぶつ】のチョウクラゲの仲間が泳ぐ姿や、カニの一種のエゾイバラガニが夫婦(つがい)でいる様子が、写されています。
 チョウクラゲの仲間は、普通の人ではめったに会えない生き物です。蝶(チョウ)という名のとおり、透明な体で、羽ばたくように泳ぎます。優雅なその動きを見ていると、神秘的な気分になります。
 エゾイバラガニのつがいは、なんと、雄(オス)が雌(メス)を持ち運びます。他の雄に、雌を取られないためのようです。大きな雄が、小柄な雌を鋏【はさみ】でつかみ上げる様子は、滑稽【こっけい】で笑ってしまいます。
 他にも、貴重な展示物がたくさんあります。私のお勧めは、クモヒトデの仲間、テヅルモヅルの標本です。樹木のように細かく枝分かれした腕が、よく保存されています。
 もう一つのお勧めは、コトクラゲの標本です。コトクラゲは、日本でこれまでに三例しか報告がない、たいへん珍しい生物です。チョウクラゲと同じ有櫛動物の一種です。
 この展覧会は、地味ですが、マニアにはたまりません(笑) 一見、冴えない標本が、世界的に貴重なものであることが多いです。あまり宣伝されていないためか、会場は空いています。ぜひ、会場で、「深海生物ひとり占め」気分を味わって下さい。


 過去の記事でも、深海生物を取り上げています。また、有櫛動物【ゆうしつどうぶつ】のツノクラゲも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ホタルイカはなぜ光る?(2007/4/12)
 ラブカはなぜ「生きている化石」か?(2007/1/27)
 クラゲと付いてもクラゲでない? ツノクラゲ(2006/7/29)
 

2007年4月10日

魚が消えた!

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 2007年01月22日(月)より01月26日(金)まで、日本の神戸国際会議場で、アメリカ、オーストラリアなどの国際機関が集結し、マグロについての諸問題について考える会合が開かれましたね。この会合のことは以前こちらのブログでもお伝えしました。

 さて、 その後の最新情報をお伝えします。WWFの最新活動情報、ナショナルジオグラフィックの特集で、マグロのことが伝えられています。以下のリンク先を、是非ご覧ください。
 

 EUは地中海クロマグロの自主的な資源の保全を!(2007/04/04 WWFジャパン)
 特集:地球の悲鳴 魚が消えた海『マグロの危機を検証』(ナショナルジオグラフィック 2007/04号 大特集トピック)
 特集:地球の悲鳴 魚が消えた海『マグロをつくる-日本の漁業』(ナショナルジオグラフィック 2007/04号 大特集トピック)
 
 過去の記事もあわせて御覧下さい。
 マグロ(鮪)は温血魚?(2006/10/18)
 日本が消費するまぐろは、(2006/01/10)

 まぐろに関する最新のニュースやトピックなどは、以下のページにあります。
 マグロ類地域漁業管理機関(RFMOs)合同会合の開催のプレスリリース(水産庁) (2006/12/25)
 マグロについて:マグロをめぐる問題(WWFジャパン)

2007年4月 2日

魚と持ちつ持たれつ? イシガイ科の二枚貝たち

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 先日のコラムで、貝に産卵するタナゴの仲間を紹介しましたね。〔貝に卵を産む? 不思議な魚たち〕 今回は、産卵されるほうの貝(産卵母貝)を紹介しましょう。
 前のコラムに書いたとおり、産卵されるのは、イシガイ科の二枚貝です。イシガイ科の貝は、みな淡水に棲みます。日本には、十五種ほどが分布します。有名な種としては、イシガイ、カラスガイ、ドブガイ、マツカサガイなどがいます。
 イシガイ科の種は、どれも、黒っぽくて地味です。外見は、似た種が多いです。普通の人には、種の区別をしにくいですね。淡水の二枚貝は、全部「カラスガイ」だと思う方もいるようです。一般に「カラスガイ」と呼ばれる貝には、正式種名カラスガイ以外の種が、よく混じっています。注意が必要ですね。
 貝の体のどこに、タナゴ類が卵を産むのでしょう? 鰓【えら】です。ヒトでいえば、肺に当たる呼吸器官ですね。そんなところに産卵されて、苦しくないのかと心配になります。毎年、無事に子魚が育つところを見ると、致命的ではないのでしょう。
 じつは、貝のほうは貝のほうで、魚を利用しています。イシガイ科の貝たち自身も、子ども時代に、魚のお世話になっています。
 イシガイ科の子ども(幼生)は、グロキディウム幼生といいます。グロキディウム幼生は、貝類でも、イシガイ科だけに見られる幼生です。この幼生は、オイカワや、ヨシノボリ類などの淡水魚に寄生します。ひれにくっついて、そこから栄養をもらって、暮らします。魚にしてみれば、不愉快でしょう。ヒトにとってのシラミのようなものです。
 以前、イシガイ科のグロキディウム幼生は、タナゴ類に寄生すると思われていました。お互いに、子ども時代を保護し合う関係だと考えられたのです。ところが、違いました。イシガイ科の幼生は、タナゴ類とは全く別種の魚たちに、寄生します。
 タナゴ類が生きるには、イシガイ科の貝が必要です。イシガイ科の貝が生きるには、タナゴ類とは別の魚が必要です。一つの生き物を守るには、他のいろいろな生き物も、守らなければいけないのですね。生態系をまるごと保護する大切さを感じます。


 過去の記事でも、淡水や汽水に棲む二枚貝を取り上げています。また、貝に産卵する魚たちも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 貝に卵を産む? 不思議な魚たち(2007/03/30)
 牡蠣(カキ)はなぜ寒い時期が旬か?(2006/2/4)
  この投稿のほかにも、貝に関するコラム、Q&Aなど盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリーよりどうぞご覧ください。


図鑑↓↓↓↓↓には、
イシガイ、カラスガイ、ドブガイ、マツカサガイが掲載されています。
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2007年3月30日

貝に卵を産む? 不思議な魚たち

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 水ぬるむ春ですね。春が来るのは、地上だけではありません。水の中にもやってきます。
 春の水中では、多くの生き物が、繁殖期を迎えます。日本の淡水では、タナゴの仲間などが、繁殖期になりますね。(秋に繁殖するタナゴ類もいます)
 タナゴとは、コイ目コイ科タナゴ亜科に属する魚たちです。日本には、十六種ほどが分布します。タナゴ亜科の中に、タナゴという種もいます。ややこしいですね。おおむね、フナを小さくしたような姿をしています。日本の淡水魚では、平凡なグループでした。
 『でした』というのは、このグループの多くが、絶滅の危機に瀕しているからです。淡水という環境は、人間の都合により、改変されやすいのですね。このため、タナゴたちのすみかが、奪われています。日本にいる種のうち、八種以上が、環境省のレッドリストに挙がっています。半分以上の種が危ない、ということですね。
 タナゴの仲間が、特に数を減らしたのには、理由があります。彼らの繁殖方法が、特異だからです。彼らは、なんと、水中の二枚貝に、卵を産みつけます。
 日本の淡水には、イシガイ科の二枚貝が棲みます。イシガイ、カラスガイ、ドブガイ、マツカサガイなどです。これらの貝が、タナゴ類の産卵場になります。種によって、好みの貝があるようです。例えば、ミヤコタナゴは、主にマツカサガイに産卵します。
 タナゴの仲間は、なぜ、貝に産卵するのでしょう? おそらく、安全のためです。
 卵は、身を守る術を持ちません。その時期に、貝の殻の中で守ってもらえば、安全ですね。貝にとっては、きっと迷惑でしょう。体内に卵を産まれるのですから。
 この習性のため、タナゴの仲間は、二枚貝がいなければ、繁殖できません。タナゴ類だけを保護しても、意味がないのです。貝が健全に棲める環境でなければ、タナゴたちも棲めません。子どもを育てる家がなかったら、ヒトも困りますよね。魚も同じです。
 前記のとおり、タナゴ類は、多くが保護の対象です。けれども、中には、捕獲や飼育が許可されている種もあります。それらの種を飼う機会があれば、ぜひ、繁殖に挑戦してみて下さい。彼らの不思議な習性は、体験してみる価値があります。


 過去の記事でも、日本に分布する淡水魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 秋に美味しい鰍【かじか】(2006/11/13)
 しゃべるナマズがいる?(2006/8/11)
 などです。この投稿のほかにも、淡水魚や魚に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリーよりどうぞご覧ください。
図鑑↓↓↓↓↓には、
タイリクバラタナゴ、ニッポンバラタナゴ、タナゴ、ミヤコタナゴ、タナゴ類が産卵するイシガイ、カラスガイ、ドブガイ、マツカサガイが掲載されています。
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2007年2月28日

Castle lakeの魚釣り

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 このおじ様は、真っ暗な時間から魚釣りをしていました。

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アメリカ ノース・カルフォルニア【2007.01.19】

2007年2月 2日

新しい名前で出ています――魚類の改名



 先日、日本魚類学会から、「差別語を含む魚の標準和名を改名する」という発表がありましたね。ここのブログでもお伝えしました。差別語を含む生き物の名は、改名すべき?(2007/1/9))
 このたび、その改名がなされたという報道がありました。詳細は以下の通りです。
 差別的語を含む標準和名の改名とお願い(2007/2/01 日本魚類学会)


 結局、32種の魚が改名されました。
 変えられたのは、種名だけではありません。属名や科名など、分類単位の名も、一部が改名されました。やはり、差別語を含む名があったからです。
 改名された魚の、種名などの一覧は、以下のページにあります。
 日本産魚類の差別的標準和名の改名最終勧告(2007/2/01 日本魚類学会)

 今回の改名に当たっては、学会の内外から、多様な反応があったそうです。賛成する意見ばかりではなく、反対する意見も多かったようです。
 日本魚類学会では、内外から寄せられたさまざまな意見を、ウェブサイトで公開しています。このように、公に議論をすることは、とても大切ですね。
 学会員からの意見に対する回答(日本魚類学会)
 会員以外の方から寄せられたご意見等への考え方(日本魚類学会)

鰯(イワシ)の頭も信心から?

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 かつて、日本の節分には、「イワシの頭を戸口に挿す」風習がありました。今では、ほぼ絶滅した風習ですね。今、そんなことをしたら、臭くて近所迷惑といわれるでしょう。
 その臭さこそが、イワシが節分に使われた理由です。昔の日本では、魔除けとして、臭いものが使われることがありました。魔物は悪臭を嫌うと信じられたからです。節分の夜は、魔物が出歩くという俗信があったため、魔除けを戸口に挿しました。
 イワシが魔除けにされたのには、「庶民が手軽に使えるものだから」という理由もあったでしょう。イワシの仲間は、日本の沿岸の海にたくさん棲みます。大量に漁獲されるため、安価でした。庶民の食べ物だったのですね。
 身近なわりに、イワシについては知られていません。じつは、「イワシ」という種の魚はいません。普通、「イワシ」と呼ばれるのは、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの三種です。マイワシとウルメイワシは、ニシン目ニシン科に属します。カタクチイワシは、ニシン目カタクチイワシ科に属します。カタクチイワシだけ遠縁ですね。類縁とは関係なく、外見の似た種が、まとめて「イワシ」と呼ばれました。
 どの種のイワシも、水族館ではめったに見ませんね。それは、イワシの仲間が飼いにくいからです。イワシの体は、ちょっとしたことでも傷つきやすいです。そうなれば、イワシは、すぐ死んでしまいます。
 イワシの仲間は、みな大群を作って暮らします。このために、いっぺんに大量に漁獲できます。彼らが群れを作るのは、弱いからです。
 彼らには、たくさんの敵がいます。マグロの仲間、サメの仲間、イルカ・クジラの仲間などです。海に棲む大型の肉食生物のほとんどは、イワシを食べます。
 海の肉食生物の生活は、イワシが支えているのですね。ヒトだけでなく、他の生き物にとっても、イワシは大切な食料です。もしもイワシがいなくなったら、海の生き物は、壊滅的な打撃を受けるでしょう。人間だけが、独占していい魚ではありません。
 海の恵みを支えると考えれば、イワシを信心するのも、間違いとはいえませんね。


 過去の記事で、イワシについて取り上げたものがあります。以下の記事も御覧下さい。


魚類についての質問です。(2005/9/24)
Clupeidaeについて教えてください。(2005/9/22)
アンチョビーについて調べています。教えてください。(2005/9/10)

2007年2月 1日

マグロについての会議の結果は?

 2007年01月22日(月)~01月26日(金)まで、日本の神戸国際会議場で、アメリカ、オーストラリアなどの国際機関が集結し、マグロの諸問題について考える会合が開かれました。また、1月29日からは、マグロ資源の国際管理機関「大西洋まぐろ類保存国際委員会」(ICCAT)の中間会合が行われていました。
 その結果についての詳細は以下の通りです。
 マグロ類地域漁業管理機関(RFMOs)合同会合の結果についてのプレスリリース(水産庁) (2007/02/01)
 違法漁船廃絶へ連携 神戸マグロ会議が閉幕 (2007/01/27 神戸新聞)
 クロマグロ漁獲枠 日本は3年後23%減 保存国際委が決定 (2007/02/01 北海道新聞)

 マグロについての諸問題については、過去の記事でもお伝えしています。以下の記事も御覧下さい。
 マグロ類地域漁業管理機関(RFMOs)合同会合の開催 (2007/01/23)
 マグロ(鮪)は温血魚?(2006/10/18)
 日本が消費するまぐろは (2006/01/10)

 マグロに関する最新のニュースやトピックなどは、以下のページにあります。
 マグロ資源管理のための国際機関の会合、閉幕 (2007/01/31 WWFジャパン)
 マグロについて:マグロをめぐる問題(WWFジャパン)

2007年1月27日

ラブカはなぜ「生きている化石」か?

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 先日、静岡県の駿河湾で、深海ザメの「ラブカ」が見つかりましたね。沼津市のあわしまマリンパークにより、生きた姿が動画撮影されました。
 以前から、駿河湾にラブカが棲むことは知られていました。駿河湾は、岸近くにもかかわらず、たいへん深い海です。世界有数の、深海魚の宝庫です。
 ラブカは、時おり、サクラエビ漁の網にかかることがあります。サクラエビは、駿河湾の名産品ですね。水深200mほどの深海に棲みます。一緒に網に入ることからすると、サクラエビと同様、ラブカも、浅海と深海とを行き来しているのかも知れません。
 今回のラブカは、漁の網に入ったのではありません。偶然、発見されたようです。
 発見されたのは、西伊豆の海域です。この海域では、深海から、急に上昇する流れが起きやすいです。今回のラブカは、このような流れに巻き込まれたのかも知れません。
 ラブカは、生きている化石と呼ばれます。原始的な特徴を残しているからです。いったい、ラブカのどこが原始的なのでしょうか?
 一番わかりやすいのは、口です。普通のサメは、口が体の下側に付いていますね。けれども、ラブカの口は、体の一番前、先端に付いています。普通の魚みたいですね。サメとしては、これが、原始的な特徴です。
 普通のサメは、なぜ、体の下側に口があるのでしょう? じつは、鼻が発達したためです。普通のサメの鼻は、尖っていますね。あの中には、匂いを感じる細胞が、いっぱい詰まっています。その細胞の場所を確保するために、口は、鼻のそばに位置できなくなりました。結果として、体の下側に追いやられたのですね。
 ラブカが深海魚であることは、原始的であることと、関わりがあります。棲みやすい浅海は、進化したサメたちに奪われてしまいました。ラブカは、棲みにくい深海へ逃げ込んで、生き長らえました。シーラカンスなども、ラブカと同じパターンです。
 原始的なものは、進化したものに追われて、棲みにくい場所に棲むことが多いです。このために、深海には、不思議な生き物がたくさんいるのですね。



 過去の記事でも、深海に棲む生き物を取り上げています。また、ラブカと同じサメの仲間も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 シーラカンスの動画撮影に成功! その後は?(2007/1/20)
 脚があるのに歩かない? サクラエビ(2006/3/27)
 関連記事は以下の通り
 あわしまマリンパーク、珍しい深海ザメの撮影に成功(2007/01/24)
 

2007年1月24日

あわしまマリンパーク、珍しい深海ザメの撮影に成功

 深海にすむ生きた化石といわれる深海ザメの撮影に成功したというニュースが報道されました。
 報道の詳細は以下の通りです。
 あわしまマリンパーク、珍しい深海ザメの撮影に成功【画像】(2007/01/24 ロイター)
 あわしまマリンパーク、珍しい深海ザメの撮影に成功【ニュース本文】(2007/01/24 ロイター)


 撮影が行われた「あわしまマリンパーク」は、以下のページにあります。動画も公開されています。ありがたいですね。
 あわしまマリンパーク【トップページ】
 緊急特集!『生きた化石 深海の鮫ラブカ』(あわしまマリンパーク)


 この深海鮫ラブカと同様に、生きた化石といわれているシーラカンス関する記事は以下のページにあります。
 シーラカンスについての過去の記事は、以下にあります。
 シーラカンスの動画撮影に成功! その後は?(2007/01/20)
 シーラカンス(2006/12/26)
 シーラカンスはなぜ「生きている化石」か?(2006/6/1)

シーラカンスに関するニュースは、以下のページにあります。
 アクアマリンが2度目のシーラカンス撮影(福島放送) (2006/12/23)

2007年1月23日

マグロ類地域漁業管理機関(RFMOs)合同会合の開催

 2007年01月22日(月)より、日本の神戸国際会議場で、アメリカ、オーストラリアなどの国際機関が集結し、マグロについての諸問題を考える会合が開かれています。この会合は01月26日(金)まで、5日間の予定です。

 マグロについては、過去の記事でもお伝えしています。以下の記事も御覧下さい。
 マグロ(鮪)は温血魚?(2006/10/18)
 日本が消費するまぐろは、(2006/01/10)

 マグロに関する最新のニュースやトピックなどは、以下のページにあります。
 マグロ類地域漁業管理機関(RFMOs)合同会合の開催のプレスリリース(水産庁) (2006/12/25)
 マグロ消費海外で拡大、「刺し身」年9万2000トン (2007年01月23日 読売新聞)
 マグロについて:マグロをめぐる問題(WWFジャパン)

2007年1月20日

シーラカンスの動画撮影に成功! その後は?

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 二〇〇六年の五月に、「スラウェシ島(インドネシア)で、日本の調査チームが、シーラカンスの生きている姿を撮影した」というニュースがありましたね。この時、撮影されたシーラカンスはどうなったのでしょうか? 捕獲されたのでしょうか?
 結論を先に書くと、捕獲されていません。この時の調査は、捕獲が目的ではなかったようです。シーラカンスの捕獲は、めったなことでは、許可されません。貴重な魚だからです。自然に暮らす姿を、映像におさめるのが目的だったのでしょう。
 生態を動画撮影したこと自体、たいへんな成果です。生きたシーラカンスの自然な姿は、ほとんど知られていないからです。
 今、この調査の成果を、日本の水族館で見ることができます。場所は、福島県にある、アクアマリンふくしまです。この水族館が、前記の調査を主導しました。ここで、『ザ・シーラカンス』という企画展を開催中です【特別企画展『ザ・シーラカンス』。例の動画も、大画面で見られます。
 シーラカンスの動画は、最近、いくつか撮られています。嬉しいことですね。けれども、生々しい映像のせいか、誤解が広まっているようです。「インドネシアの海でダイビングすれば、シーラカンスに会える」という誤解です。
 ダイビングで、シーラカンスに会うことは、まずありません。シーラカンスは深海魚です。ヒトが泳げる範囲に来るのは、「事故」といっていいです。隕石に当たるくらいの確率だと思って下さい。
 ダイビングで会えなくても、水族館で鮮明な映像が見られるのは、ありがたいですね。アクアマリンふくしまは、二〇〇七年以降も、シーラカンスの調査を続けるそうです。いつか、日本の水族館で、生きたシーラカンスに会えるかも知れません。


 シーラカンスについての過去の記事は、以下にあります。
 シーラカンス(2006/12/26)
 シーラカンスはなぜ「生きている化石」か?(2006/6/1)

 シーラカンスに関するニュースは、以下のページにあります。
 アクアマリンが2度目のシーラカンス撮影(福島放送) (2006/12/23)

2007年1月19日

ハマチはブリの子か?

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 冬の味覚として有名なものに、ブリがありますね。寒鰤【かんぶり】という呼び名があるくらいです。西日本や北陸では、お正月の食材として人気があります。
 最近、魚屋に出回るブリは、養殖ものが多いですね。養殖ブリは、ハマチと呼ばれることがあります。けれども、ハマチとは、本来、養殖ブリを指す名ではありませんでした。
 ブリが出世魚【しゅっせうお】であることは、御存知の方が多いでしょう。出世魚とは、成長段階によって、呼び名が変わる魚のことです。ハマチとは、ブリの成長段階の一つを指す名です。養殖したブリを、「ハマチ」の成長段階で出荷することが多いために、養殖ブリをハマチと呼ぶようになりました。
 ブリの呼び名は、地方により、たいへん差があります。どの成長段階をどの名で呼ぶのか、地方によって違います。昔から、日本各地で、ブリが好まれた証拠ですね。地方色豊かな呼び名は、文化の豊かさを表わします。混乱を招くこともありますが。
 例えば、大阪方面では、ブリの成長段階につれ、ツバス、ハマチ、メジロ、ブリと呼び分けます。成長しきったものが「ブリ」ですね。これが高知方面ですと、モジャコ、ワカナ、ハマチ、メジロ、ブリとなるようです。ブリの中でも特に大きいものを、オオイナと呼ぶこともあるそうです。富山方面では、ツバエソ、フクラギ、ブリ、オオブリなどと呼ばれます。東京方面では、ワカシ、イナダ、ワラサ、ブリですね。
 ブリの他には、スズキやボラなどが出世魚です。どの出世魚も、縁起が良いものとして喜ばれます。お正月や、お祝いの膳に使われます。
 多くの出世魚に共通するのは、沿岸の海に棲むことです。どの成長段階でも沿岸にいて、漁獲できるために、出世魚になったのでしょう。
 ブリも沿岸の魚です。ブリの体型は、マグロのような紡錘【ぼうすい】形ですね。マグロと同様、外洋でも立派に暮らせそうです。でも、ずっと沿岸にいます。沿岸の海のほうが、豊かだからでしょう。彼らは、日本列島に沿って回遊します。おかげで、私たち日本人は、ブリの恵みを受けてきました。日本の海の豊かさに感謝ですね。

2006年12月28日

ドンコという魚

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 ドンコという魚の、画像を探していますが、見つかりません。どうやって探せばいいですか?


 「ドンコ」と呼ばれる魚には、複数の種が入り混じっています。
 日本全国に通用する「標準和名」でドンコと呼ばれる魚と、特定の地方でしか通じない方言名でドンコと呼ばれる魚とが、ごちゃ混ぜになっているのですね。非常にややこしいです。
 ですから、単純に「ドンコ」で画像を探しても、ずばりお探しの魚が見つかる可能性は少ないでしょう。
 以下に「ドンコ」と呼ばれる魚の標準和名を列挙しておきます。参考にしてみて下さい。

●標準和名でドンコと呼ばれるもの:
  ドンコ(ドンコ科)
●方言名でドンコと呼ばれるもの:
  チチブ(ハゼ科)
  カジカ(ハゼ科)
  スジハゼ(ハゼ科)
  ゴクラクハゼ(ハゼ科)
  エゾイソアイナメ(チゴダラ科)
  イタチウオ(アシロ科)

2006年12月26日

シーラカンス

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 シーラカンスの画像が見たいのですが、「シーラカンス」で検索してもなかなか見つかりません。


 シーラカンスという呼び名は、絶滅種をも含めたシーラカンス類全部を呼ぶ通称です。現在生きている特定の種を指すものではありません。
 現在生きているシーラカンスの画像を探すなら、「Latimeria chalumnae ラティメリア・カルムナエ」という学名(国際的に通用する生物名)で探してみるといいでしょう。

学名については以下のページをご覧ください。
学名ってなんですか?(2005/09/30)

2006年11月13日

秋に美味しい鰍【かじか】

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 漢字で「鰍」と書く魚を御存知ですか? カジカと読みます。日本の淡水に棲む魚です。食べると美味しいです。秋から冬にかけてが旬なので、「鰍」だそうです。
 けれども、「カジカなんて食べたことがない」という方が多いでしょうね。そういう方でも、もしかしたら、気づかず食べているかも知れません。
 ゴリという魚を食べたことはありませんか? あるいは、オコゼやヤマノカミという魚を食べたことは? どれも、カジカの別名です。
 カジカは、とても別名が多い魚です。日本の各地で食用にされ、地方ごとに方言名が付けられたためです。おかげで、釣ったり食べたりしているのに、カジカの名を知らない人が多いですね。例えば、北陸の金沢で言う「ごり料理」は、カジカ料理のことです。漢字では、鮴【ごり】と書かれますね。
 ところが、ややこしいことに、ゴリ、オコゼ、ヤマノカミといった名は、他種の魚にも使われます。オコゼやヤマノカミの場合は、正式な種名がオコゼ、正式な種名がヤマノカミという魚がいます。ゴリについては、ハゼ科のマハゼやヨシノボリなどを、そう呼ぶこともあります。どの魚も、カジカとは全くの別種です。
 さらにややこしいことに、カジカと呼ばれる魚は、複数います。むろん、正式な種名をカジカという魚は、一種だけです。それ以外に、よく似た別種を、カジカと呼ぶことがあります。正式種名ヤマノカミ、正式種名アユカケなどの魚が、カジカと呼ばれます。
 カジカやゴリという名だけでは、それが正式には何という種なのか、わかりません。身近な魚でも、こんなふうに混乱している例があるのですね。
 他にも、カジカには、ややこしい問題があります。正式な種名をカジカと呼ばれる魚は、一種ではなく、複数の種に分けるべきだという意見があります。
 カジカの中には、明らかに、生態が違うグループが含まれます。それが種の違いによるのか、そうでないのか、研究者の間でも、意見が分かれています。
 カジカのように、現代科学でも、混乱していることはたくさんあります。でも、だからこそ面白いです。自分の手で混乱を治められるかも、と思えば、ロマンがありますよね。


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インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
には、カジカは掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年10月18日

マグロ(鮪)は温血魚?

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 マグロは、日本で最も人気がある食用魚の一つですね。人気があり過ぎて、乱獲されているようです。このままでは、マグロが食べられなくなるかも知れません。
 それは嫌ですよね。どうすれば、マグロの数と日本の食文化と、両方を守れるでしょうか? まずは、マグロについて知ってみましょう。きっと、解答のヒントがあります。
 マグロというのは、一種の魚ではありません。スズキ目サバ科マグロ属に属する種の総称です。食用にされるのは、クロマグロ、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンナガマグロなどです。
 どの種のマグロでも、形は似ています。見事な紡錘【ぼうすい】形をしていますね。弾丸のような形、といえばおわかりでしょうか。これは、高速で泳ぐための適応です。
 マグロは、一生、高速で海中を泳ぎ続けます。そうしないと死んでしまいます。こうなったのは、マグロが、外洋に棲む魚だからです。
 海中で、最も生き物が多いのは、外洋ではなく、沿岸の海です。沿岸のほうが、食べ物が豊富だからです。沿岸の海に比べれば、外洋は砂漠のようなものです。そこで生きるには、特別な能力が必要ですね。乏しい食べ物を見つけ、確実に得る能力です。
 マグロは肉食魚です。他の魚などを捕食します。外洋で、少ない獲物を見つけるには、広い範囲を泳ぎ回らなければいけません。獲物を追って捕らえるには、高速が必要です。獲物を見逃さないように、目も大きく発達させました。だからマグロはぎょろ目です。
 高性能の泳ぎを維持するのは、大変です。いつでもエンジン全開で、筋肉が動かなければなりません。そのために、マグロは、周囲の水温よりも、体温を高くしています。高い体温を保つ器官として、彼らの体には、奇網【きもう】という組織があります。
 奇網を持つ魚類には、他に、ホホジロザメがいます。肉食魚として有名なサメですね。彼らも、高性能の泳ぎのために、奇網を持ちます。また、マグロに近縁なカツオも、奇網を持ちます。カツオも、高速で泳ぐ魚ですね。
 マグロとホホジロザメとは、遠縁です。が、同じ目的(速く泳ぐ)のために、同じ組織を発達させました。生き物はなんと巧妙なのだろうと、思わずにはいられません。


 2006年10月10日~13日の4日間、【Commission for the Conservation of Southern Bluefin Tuna(みなみまぐろ保存委員会)】の、年次会議が開かれました。
 以下のページなどで、会議の結果が報じられています。また、この会議のニュースもリンクいたしました。
 マグロの個体数を守ることと日本の食文化に関することですから、改めて考える良い機会です。ニュースはリンクが外れる可能性が大きいですが、どうぞ皆様お早めにご参照ください。
 ミナミマグロの漁獲枠が半減?CCSBT会議はじまる(2006年10月6日 WWFトピック)
 みなみまぐろ、日本の過剰漁獲が争点か(2006年10月5日 WWFトピック)
 ミナミマグロ:07年以降の漁獲枠削減 日本は半減(毎日新聞 2006年10月16日)

 過去の記事で、マグロと同じく奇網【きもう】を持つ魚類を紹介しています。以下の記事も御覧下さい。
 カツオ(鰹)は寒がり?(2006/4/28)
 ホオジロザメのことを調べています。(2006/10/03)
 ホオジロザメ(ホホジロザメ)は本当にヒトを食うか?(2005/11/25)

2006年10月 7日

ハコフグとハリセンボンは

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ハコフグとハリセンボンは、神奈川県の三浦半島のどの辺に生息していますか?教えてください!!!!

ある生き物が、どの地域のどの場所に生息しているのか、正確に知るのはとても難しいことです。それだけで、何年もかかる研究材料になるくらいです。
残念ながらこの御質問には答えられませんが、三浦半島の横須賀市にある「横須賀市自然・人文博物館」というところで調べられるかもしれません。ここの博物館は、横須賀市の自然、歴史、三浦半島の自然全般を扱っているからです。
 横須賀市自然・人文博物館」のHPは、以下のとおりです。
 横須賀市自然・人文博物館
ご興味あれば、一度訪ねて展示資料のガイドブックや資料などを調べてみてはいかがでしょうか?

2006年10月 3日

ホオジロザメのことを調べています。

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ホオジロザメのことを調べています。詳しく調べられるサイトを教えてくれませんか?

 ホオジロザメというのは、通称ですね。標準和名は「ホホジロザメ」といいます。
 ホホジロザメは、人食い鮫といわれることが多いですね。けれども、実際には、人を襲うことは稀です。
 ホホジロザメに関しては、以前こちらでも取り上げています。以下の記事を御参照下さい。
 ホオジロザメ(ホホジロザメ)は本当にヒトを食うか?

 また、以下のサイトに詳しく載っています。
 人食いザメ(国立科学博物館 魚類研究室 魚コラムシリーズ)
 サメ図鑑

2006年9月25日

サンマ(秋刀魚)はなぜ秋に捕れる?

 サンマは、日本の秋を代表する味覚ですね。誰もが知っている魚の一種です。秋になると、日本近海でサンマが捕れるようになります。なぜでしょう?
 答えは、「食べごろのサンマが、秋に日本近海を通るから」です。
 サンマは回遊魚です。生涯、同じ海域に留まることをしません。一年中、海の中を移動しています。卵の期間でさえ、海流に乗って移動しているようです。
 日本の近くに来たとしても、卵だったり、幼魚だったりしたのでは、食べごろとは言えませんね。適度に育ったサンマが、日本近海を通るのが、秋なのです。
 平凡な食用魚なのに、サンマの生態は、まだ、よくわかっていません。とても広い海域に分布することはわかっています。北半球の、温帯の太平洋全域に分布するようです。
 こんなに広く分布するのでは、調査するのがたいへんですね。ある一頭のサンマが、どこで生まれて、どこへ移動するのか、追跡するのは至難の技です。
 今のところ、サンマは、太平洋を反時計回りに回遊しているとされます。すべてのサンマが、太平洋全体を、ぐるりと回るのではありません。北西太平洋群、中央太平洋群、東部太平洋群など、いくつかの群れに分かれるようです。群れごとに、一定の海域を回遊すると考えられています。日本近海にいるのは、北西太平洋群です。
 北西太平洋のサンマは、黒潮の流れる海域で産卵します。おおむね西日本近海ですね。幼魚のうちは、この黒潮海域で育ちます。それから、黒潮に乗って北上します。これが春から夏にかけてですね。北の海のほうが餌が多いので、餌を求めて行くのでしょう。
 オホーツク海などの北の海で、サンマはたっぷり餌を食べます。そのために大きく成長します。脂も乗ります。秋になれば、サンマは暖かい海へと戻ります。脂の乗ったサンマが、日本列島に沿う形で南下します。そこを人間がいただくのですね。
 秋のサンマには、ドコサヘキサエン酸(DHA)や、エイコサペンタエン酸(EPA)などが豊富に含まれています。これらは、ヒトの体や脳に良い栄養素として有名ですね。まさに自然の恵みです。秋の食卓には、ぜひサンマを載せましょう。


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インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
には、残念ながら、サンマは載っていませんが50種ほどの日本で見られる魚類が掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年9月16日

ワニに見えてもワニじゃない、ガーパイク

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 近年、外来生物について、騒がれることが多いですね。ガーパイクという魚も、外来生物です。本来は、北米から中米に分布します。日本にはいないはずでした。
 ガーパイクは、ガー、ガーフィッシュとも呼ばれます。ガーフィッシュというと、日本のサヨリやダツといった魚を指すこともあります。紛らわしいので、ここではガーパイクと呼びましょう。ガーパイクは、サヨリやダツの仲間ではありません。
 ガーパイクには、七種ほどが含まれます。どの種も、観賞魚として人気があります。美しいからではありません。生きている化石ともいえる古代魚だからです。
 ガーパイクの仲間は、恐竜と同じ時代に栄えました。その頃の原始的な特徴を、今に残します。わかりやすい特徴としては、鱗【うろこ】があります。彼らの鱗は、網目が体を覆っているように見えます。硬鱗【こうりん】と呼ばれる硬い鱗です。
 ガーパイクは、どの種もみな、口が長く尖っています。この口と、硬鱗のせいで、体を柔軟に曲げることができません。また、口と硬鱗は、彼らをワニに似せて見せます。
 加えて、彼らは大型になります。最小種といわれるショートノーズ・ガーでも、80cmくらいです。最大種のアリゲーター・ガーでは、3mにもなるといいます。
 ワニのような大型魚を、飼いきれなくなる人が多いのでしょう。日本の各地で、こっそり放されたらしいガーパイクが見つかっています。アリゲーター・ガーが多いですね。北海道、埼玉県、滋賀県、大阪府、熊本県などで捕獲例があります。
 前記の二種以外に、スポッテッド・ガー、ロングノーズ・ガーなど、複数の種が、日本に輸入されています。ガーパイクは、一部の種を除けば、熱帯魚ではありません。温帯に棲む魚です。ですから、日本の野外でも生き延びてしまいます。
 日本の池や川に、1mを越すような大型肉食魚が居着いたら、どんなに危険か、おわかりでしょう。ヒトに対してより、在来の野生生物に対して危険です。
 外来生物のペットを、全面的に否定はしません。ただ、予備知識もなく飼う人が、あまりにも多いです。無知なまま生き物を飼うのは、マナー違反ですね。


これまで、ここのブログでは、何種もの外来生物を取り上げています。以下のコラムも御参照下さい。

セアカゴケグモは猛毒グモ?
オオトカゲは危険生物?(2006/8/22)
妖怪の正体見たりウシガエル(2006/8/7)
飼う前によく考えましょう、カミツキガメとワニガメ(2006/4/5)
ミドリガメ(アカミミガメ)から病気がうつるのは本当?(2006/3/13)
など

2006年8月29日

東京湾の魚に関することを調べています

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東京湾の魚を調べているのでしたら、ちょうど最近出版されましたお勧めの本があります。


河野 博【こうの ひろし】監修、東京海洋大学魚類額研究室 編 2006年、『東京湾 魚の自然誌』、平凡社、本体価格2800円


 江戸時代から豊富な海産物を提供してきた東京湾の最新研究データを、様々な方向から紹介しています。単に、食文化だけではなく、魚の生活を通して『現代の東京湾』を探る本です。とても楽しく読める本だと思います。

2006年8月22日

ベタ(闘魚)について知りたいのですが

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 ベタ(闘魚)について知りたいので、飼っている方がいらしたら教えてください。家で飼い始めたベタは、飼ってから2週間後白かった体色が黒っぽくなりました。
 水槽の水は、常に清潔を保ちカルキ抜きもしているので問題は無いと思うのですが、病気でしょうか。
 簡単に飼えると聞いて何も知らずに飼ってしまったので知識がありません。よろしければ教えてください。

ベタは、たいへん丈夫な魚です。熱帯魚の中で、最も飼いやすい種といっていいくらいです。
最低限、温度や水質に気を使ってやれば、金魚と同じくらいの感覚で飼えます。

魚の体が白っぽくなる場合は、病気のことが多いです。けれども、黒っぽくなる病気は、あまりありません。
ベタのオスは、成熟すると非常に美しい色になります。その過程で、一時的に黒っぽくなっているのかも知れませんね。
元気で食欲もあるようなら、とりあえずは大丈夫だと思います。
熱帯魚に関しては、入門者用の飼育指南書が、いくつも出版されています。ちょっと大きい本屋さんに行けば、手に入ります。ぜひ、そういう本を入手して、読んで下さい。
いろいろ知ることは、面白いです。末永く元気に飼ってあげた方が、魚にとっても幸せです。

2006年8月15日

ビーチで写した、魚の名前を

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ニューカレドニアへ旅したときに、ビーチで写した、魚の名前を調べています。マルコバンとイトヒキアジをたして2で割ったような魚なのです。
 もし、思い当たる名前がありましたら、教えていただけませんか?

 魚は、とても種類が多いです。そのうえ、同じ種でも体色などの変異が多いです。実物標本があったとしても、種を同定するのは簡単ではありません。
 まして、写真もなく、言葉だけで種を同定するのは、不可能に近いです。写真があったとしても、同定するのは難しいですね。
 それでも、『ニューカレドニアの海に分布していて、マルコバンとイトヒキアジを足して二で割ったような魚』といいますと、いくつかの種が浮かびます。その魚は、おそらく、マルコバンやイトヒキアジが属するのと同じアジ科の魚でしょう。

 以下に、候補となるアジ科の魚を挙げます。

 標準和名:クボアジ
 学名:Atropus atropus
 全長:30cm
 特徴:イトヒキアジと同様体に横縞がある。背びれと尻びれの棘の一部が長く伸びている。体型はイトヒキアジほど前後に詰まっておらず、マルコバンに似ている。

 標準和名:ウマヅラアジ
 学名:Alectis indicus
 全長:50cm
 特徴:成魚になると全身銀色でマルコバンに似るが、マルコバンより角張った体型をしていて、背びれはマルコバンほど長く伸びない。幼魚のうちは前後に詰まった体型で横縞があり、背びれと尻びれの棘の一部が長く伸びるのでイトヒキアジに似る。

 標準和名:ヨロイアジ
 学名:Carangoides armatus
 全長:25cm
 特徴:体色は銀色。体型はマルコバンに似るが、もっと吻が長い。背びれと尻びれの一部が伸びる。雄は背びれと尻びれの棘の一部も伸びるので、マルコバンと区別しやすい。

 標準和名:リュウキュウヨロイアジ
 学名:Carangoides hedlandensis
 全長:25cm
 特徴:ヨロイアジにそっくりで、海中ではほとんど区別が付かない。

 標準和名:キイヒラアジ
 学名:Carangoides uii
 全長:20cm
 特徴:ヨロイアジにそっくりで、海中では区別が付けにくい。ただし、ヨロイアジの雄のように背びれと尻びれの棘の一部が長く伸びることはない。

 上記の魚ではない可能性も大です。図鑑などで、上記の魚の図と、ニューカレドニアで撮られた写真と、比べてみてはいかがでしょうか。

2006年8月11日

しゃべるナマズがいる?

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 魚は、普通、声を出さない生き物ですね。ところが、釣り上げたり、たもですくったりした魚が、「鳴く」ことがあります。彼らは、本当に、声を出しているのでしょうか?
 魚は、哺乳類や鳥類のように声を出すのではありません。体内の鰾【うきぶくろ】を震わせたり、鰭【ひれ】を体にこすりつけたりして、音を立てます。どんな魚でも、音を出せるわけではありません。特定の種だけが、「鳴く」ことができます。
 有名なのは、ギギとギバチですね。どちらも、日本の淡水に棲むナマズの仲間です。鰭をこすりつけて「鳴く」魚たちです。「鳴き声」は、ギーギーとか、ギュウギュウといった感じに聞こえます。ギギやギバチという種名は、これらの「声」から来ています。
 ギギやギバチは、なぜ「鳴く」のでしょう? おそらく、敵を脅すためです。
 ギギとギバチは、同じナマズ目ギギ科に属します。この仲間には、共通する特徴があります。背鰭【せびれ】と胸鰭【むなびれ】に、鋭い棘【とげ】を持つことです。この棘には毒があり、刺されるとたいへん痛いそうです。
 「鳴く」ことにより、彼らは、「手を出すと危険だぞ」と知らせます。釣った魚が鳴きだしたら、ヒトでもびっくりしますよね。気味悪がって、逃がしてくれるかも知れません。
 ギバチの脅し効果について、面白い説があります。江戸の本所【ほんじょ】七不思議の一つ、「置いてけ堀」の正体は、ギバチだというものです。
 置いてけ堀で魚を捕ると、誰もいないのに「置いてけ」という声がしたそうです。無視しても、声はしつこく付きまといます。結局、魚を置いていくことになります。この謎の声を、ギバチが出すというのですね(ギギは関東に分布しません)。江戸時代の暗い夜は不気味です。その中でなら、ギバチの出す音も、人の声に聞こえた、というわけです。
 個人的には、この説には無理がある気がします。けれども、完全に否定はできません。外国に、talking catfishと呼ばれる「鳴くナマズ」がいるからです。「しゃべるナマズ」という意味ですね。彼らも、ギギやギバチと同様の音を出します。それを「しゃべる」と表現したのは、外国でも、置いてけ堀のような伝説があったのかも知れませんね。

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2006年8月 3日

タイの名前の由来について

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タイの名前の由来について知りたいのですが、教えてくれませんか?

 古代の日本では、タイとは呼ばなかったようですね。平たい魚なので、おひら、平魚、と呼ばれていたようです。
 東京の魚市場では、現在でも、タイ類を平物【ひらもの】と呼ぶそうです。「タイ」の呼び名は、もとは朝鮮半島から移入されたようです。朝鮮半島の言葉がなまって、現在の「タイ」に落ち着いたと見られます。

2006年7月21日

ウナギの繁殖の謎は解けたか?

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 土用の丑の日【2006年は明後日の23日】といえば、ウナギですね。この日にウナギを食べる習慣は、江戸時代に作られました。けれども、「ウナギが夏痩せに効く」とは、奈良時代からいわれています。
 千二百年以上もお馴染みなのに、ウナギは、謎が多い魚です。産卵場所がわからないのは有名ですね。海で生まれるのに、わざわざ川に上る習性は、いまだに最大の謎です。
 日本に野生でいるウナギは、ニホンウナギとオオウナギです。普通、日本でウナギといえば、ニホンウナギを指します。食用にするのは、ニホンウナギのほうです。オオウナギは、食べられるとはいえ、あまり美味しくないそうです。日本の養殖ウナギの中には、ヨーロッパウナギやアメリカウナギもいます。
 ニホンウナギの産卵場所は、長い間謎でした。二十一世紀になって、やっと、産卵場所を絞り込むのに成功しました。日本のはるか南の、マリアナ諸島近海です。
 そんなに遠くから、ウナギの稚魚は、どうやって日本に来るのでしょう? これは、まだ判明していません。おそらく、海流に乗ってくると推測されています。
 それ以上に謎なのが、親ウナギが、どうやってそこまで戻るかです。戻るには、海流に逆らって泳がなければなりません。産卵場所までは何千kmもあります。いくらウナギが丈夫な魚でも、そんなに体力があるものでしょうか?
 このことから、「日本にいるウナギは、本来の生息場所からはぐれたものでは?」という意見があります。本当は別の地域に棲むはずのものが、間違って日本に来てしまった、ということです。その意見によれば、「日本のウナギは、産卵場所へ帰ろうとしても帰れず、子孫を残せないグループ」だそうです。
 産卵場所が絞り込めても、謎は尽きません。日本のウナギに限らず、野生ウナギの産卵場面は、誰も目撃していません。野生ウナギの卵も発見されていません。「ウナギの繁殖の謎を解いた」とは、言えない状況です。
 身近なのに謎だらけのウナギは、自然の神秘の象徴でしょう。見えざる自然の仕組みが、私たちに美味しいウナギを恵んでくれているのですね。

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2006年6月29日

ホンソメワケベラは、他の魚と共生しあっていますよね。

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 共生する生物の勉強をしています。ホンソメワケベラは、他の魚と共生しあっていますよね。そこでホンソメワケベラという魚のことを詳しく知りたいです。教えてください。

 ホンソメワケベラは、他の魚の体を掃除する魚として有名ですね。
 この魚は、ハタなどの大きな魚の体の表面や、鰓や口の中などをつつきます。そこに付いているごみや、寄生虫を食べるためです。
 他の魚にとっては、そうしてもらうと体がきれいになりますね。病気にならずにすみます。ですから、ホンソメワケベラが近づくと、掃除をしてくれと催促します。じっとして、鰓や口を広げるのが、催促のしるしです。
 時には、ホンソメワケベラに掃除をしてもらいたい魚が、列を作って順番を待っていることもあります。微笑ましい光景ですね。
 掃除をする習性から、ホンソメワケベラは「魚の掃除屋さん」・「魚のお医者さん」などと呼ばれます。ホンソメワケベラの英語名のcleaner fishというのも、「掃除をする魚」という意味です。
 ホンソメワケベラの基本的なデータを、以下に示しましょう。

 標準和名:ホンソメワケベラ
 学名:Labroides dimitiatus【ラブロイデス・ディミティアトゥス】
 英語名:cleaner fish【クリーナー・フィッシュ】
 分類:硬骨魚綱スズキ目ベラ亜目ベラ科
 体長(頭の先から尾びれの付け根まで):10cm
 分布:千葉県以南の日本近海、南部太平洋(ハワイなど)、インド洋
 生息域:浅い珊瑚礁のある海に生息します。

 ホンソメワケベラは、小さい頃はメスで、大きくなるとオスになる、という性転換を行ないます。この種に限らず、魚には性転換を行なう種が多いです。ホンソメワケベラが属するベラ科には、特に多く見られます。
 ホンソメワケベラは、一頭のオスが何頭かのメスをひきつれて、ハーレムと呼ばれる群れで暮らします。何かの理由でオスがいなくなると、ハーレム内で最も体の大きいメスが、オスに性転換します。そうして群れが維持されます。
 ホンソメワケベラ以外にも、他の魚を掃除する魚がいます。ホンソメワケベラに近縁なスミツキソメワケベラやソメワケベラなども、他の魚を掃除します。
 ホンソメワケベラがいると、他の魚が健康になりますね。そのために、水族館では、大きな魚と一緒にホンソメワケベラを飼っていることがあります。大きい水族館なら、たいがいいるでしょう。観に行ってみてはいかがでしょうか。

2006年6月 9日

日本を代表する美魚、アユ

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 アユ釣りの季節になりました。釣りの中でも、アユの友釣り【ともづり】は、とても人気がありますね。これは、アユが持つ独特の習性を利用しています。
 成熟したアユは、なわばりを持つ習性があります。彼らは、水中の石をなわばりとして守ります。これは食べ物を守っていることになります。彼らは、石に生えた藻を食べるからです。アユの体に香りがあるのは、藻の香りが移ったものです。
 友釣りでは、おとりのアユを、他のアユのなわばりに泳がせます。アユがおとりを追いかけるところを、針で引っかけて釣ります。
 友釣りはあまりに有名です。そのため、すべてのアユがなわばりを持つと思われがちですね。そうとは限りません。成熟しても、なわばりを持たないアユがたくさんいます。そのようなアユは、群れを作って暮らします。
 アユの外見や暮らし方には、個体差と地域差が激しいです。例えば、体の大きさは、体長10cmほどで成熟するものもいれば、30cmほどにまで成長するものもいます。また例えば、産卵期は、早いものは八月下旬に始まります。遅いものは年を越して、翌年の二月にまで渡ります。こんなに違うものが、同じ種だなんて不思議ですね。
 中でも、南西諸島に分布するものは、本土のものとの差が大きいです。このため、リュウキュウアユという亜種に分けられます。また、琵琶湖には、独特の特徴を持つ「コアユ」と呼ばれるものがいます。コアユは亜種にはされていないようです。
 昔は、地方ごとに特徴を持ったアユが分布していました。ところが、最近はそれが乱れています。環境破壊と、無差別な放流のためです。
 リュウキュウアユの場合、沖縄本島にいたものは、河川改修により絶滅しました。現在、沖縄本島にいるリュウキュウアユは、奄美大島から持ち込まれたものです。
 本土においても、各地土着のアユと、琵琶湖のコアユが交雑してしまいました。無差別にコアユを放流したためです。これは、生き物にとって大切な地域性を失わせることです。
 地域性をなくすのは、人間のためにもなりません。開発や放流には、慎重を期して欲しいですね。

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2006年6月 1日

シーラカンスはなぜ「生きている化石」か?

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 「生きている化石」と呼ばれる生物は、世界中にたくさんいます。なかで最も有名なのは、シーラカンスでしょう。先日、日本の調査隊が、生きている姿を動画撮影したというニュースがありましたね。インドネシアのスラウェシ島沿岸でのことです。
 シーラカンスが「生きている化石」とされるのは、原始的な形質を残しているからです。最もわかりやすいのは、鰭【ひれ】の形でしょう。手足のように見えますね。これは、鰭の付け根にまで骨があるからです。普通の魚は、鰭には骨がありません。
 鰭に骨があっても、そんなに良いことはなさそうです。なぜ、こんな鰭になったのかは不明です。一説では、「浅い水中で有利だからでは」といわれます。骨のある鰭で底を蹴れば、進みやすいですね。
 遠い昔、そのようにして浅い水中にいた魚から、両生類が進化したと考えられています。シーラカンスは、その頃の魚の姿を残しています。
 ただし、シーラカンスの仲間が、両生類の直接の祖先かどうかは、まだわかっていません。シーラカンスの仲間が栄えた当時には、同じような魚類が他にもいたからです。姿が似ている別の魚から、両生類が進化したのかも知れません。
 現在、シーラカンスの仲間は、二種しか見つかっていません。南アフリカ近海に棲むラティメリア・カルムナエ Latimeria chalumnaeと、インドネシア近海に棲むラティメリア・メナドエンシス Latimeria menadoensisです。これらの長たらしい名は、どちらもラテン語の学名です。正式な日本語名は付いていません。シーラカンスというのは通称です。
 二種のラティメリアは、深さ100m~200mほどの海に棲みます。もともとは浅い水中に適応したはずなのに、深海に棲んでいます。後から現われた魚類に追いやられたため、と考えられています。
 シーラカンスは、不器用なタイプなのですね。普通の魚のように、すいすいとは泳げません。すみかを深海へ変えることで、かろうじて生き残ってきたのでしょう。彼らのおかげで、私たちは、生物の歴史の秘密を垣間見ることができます。

2006年5月30日

ナマズ(鯰)は地震を予知するか?

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 先日、インドネシアのジャワ島で、大きな地震がありました。現在わかっているだけで、五千人を越える死者が出たようです。
 このような地震があると、「地震を予知できないのか?」という声が上がりますね。日本には、「ナマズが地震を予知する」という俗信があります。これは本当でしょうか?
 結論を先に書けば、「まだわかっていない」です。日本では、ナマズと地震との関係が、七十年ほども前から研究されているそうです。なのに、なかなか結果が出ません。実際に研究するとなると、難しい問題が山積みだからです。
 ナマズの行動を観察するには、長期間、ナマズを飼育する必要があります。飼育するには、ナマズの体の仕組みや、生態を知らなければなりませんね。野生生物の生態を知るのは、難しいことです。野生での生態を再現できるように飼うのは、もっと難しいことです。
 もし、ナマズが地震を予知するとしたら、なぜ、そんなことができるのでしょう? これは、「電気の異常を感知するからではないか」と推測されています。
 ナマズは電気に敏感です。ナマズの皮膚には、電気を感じる感覚器がたくさんあります。水は電気を通しやすいので、電気に敏感であることは、いろいろと有利です。ナマズは、周囲のちょっとした「電気環境」の違いを知って、食べ物を見つけるようです。この「電気感覚」が、地震の予知に使われるのかも知れません。
 地震の前には、地中で電気的変化が起こります。ナマズにしてみれば、普段と違う「電気環境」になるでしょう。何かがおかしいと感じて、異常行動を起こすかも知れません。
 ここまで書いてきたのは、日本のナマズについてです。全てのナマズの種に、前記のことが当てはまるわけではありません。ナマズ目に属する魚は、世界に二千種以上もいます。そんなに多くの種が、同じ「電気感覚」を持つはずはありませんよね。
 日本だけでも、十種ほどのナマズが分布します。地震研究に使われるのは、日本語で普通に「ナマズ」と呼ばれる種です。お馴染みの長いひげを持つ魚です。
 地震国である日本の「電気環境」は、彼らにとってはどんな感じなのでしょうね。


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には、ナマズ、ビワコオオナマズが載っています。ぜひご利用下さい。

2006年5月27日

ハリセンボンの名前の由来について

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ハリセンボンの名前の由来について知りたいのですが、教えてくれませんか?

 ハリセンボンの名の由来は、見た目どおり「針千本」です。
 実際には、ハリセンボンの針は500本程度だそうです。あの針は、鱗が変化したものだそうです。


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には、ヒトヅラハリセンボンが掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年5月18日

山女(ヤマメ)の名前の由来について

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山女(ヤマメ)の名前の由来について知りたいのですが、教えてくれませんか?

 生き物の名前の由来は、たいてい諸説があります。「これがそうだ」とはっきりわかっているほうが少ないです。ヤマメについても事情は同じです。以下に書くことは、あくまでも一つの説だと考えて下さい。
 ヤマメは、その姿の美しさを女性的とみなして山女、山女魚とした、とのことです。


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2006年5月 1日

房総では良く釣れる魚の花鯛(ハナダイ)は・・・

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 海釣りが趣味で、よく近くの房総へ出かけます。房総では良く釣れる魚の花鯛(ハナダイ)は、真鯛によく似た姿と形をしていて、青い斑点が体にあります。このハナダイには、正式名称は別にあるのでしょうか? またハナダイの特徴や生態などをお教えいただければうれしいです。


 じつは、日本には、あちこちに花鯛【はなだい】と呼ばれる魚がいます。地方により、どの種の魚を指すのかが違います。
 房総で花鯛【はなだい】と呼ばれるのは、標準和名でチダイという魚です。房総では、花鯛釣りは人気があるそうですね。専門にされる方も多いと聞きます。

 チダイの情報は、以下のとおりです。

 標準和名:チダイ
 学名:Evynnis japonica[エヴィンニス・ジャポニカ]
 分類:スズキ目スズキ亜目タイ科
 分布:日本近海では北海道以南の海。朝鮮半島南部、台湾、フィリピン、南シナ海。
 全長:40cmほど

 えらぶたの後ろのふちが血のように赤いことから「血鯛」という。
 大型のマダイは1mを越えるが、チダイはそこまで大きくはならない。水深数十mの沿岸の岩礁や砂礫底にすむ。外見がマダイに似て美しいので、マダイの代用品として用いられる。マダイが産卵して味が落ちた夏に旬を迎える。釣り以外に、はえ縄や刺し網や定置網で漁獲される。食べ方はマダイと同じ。養殖もされている。

2006年4月28日

鰹(カツオ)は寒がり?

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 ホトトギスと並ぶ初夏の風物詩は、カツオですね。毎年、初夏に、計ったように日本近海に現われます。彼らはどこから、どうやって来るのでしょうか?
 カツオは、もともと熱帯の魚です。日本より南の海に棲んでいます。夏が近づくと、その南の海から、日本列島へと暖かい海流が接近します。黒潮と呼ばれる海流ですね。カツオは、黒潮に乗って日本近海へやって来ます。
 では、故郷を離れて、わざわざ日本近海へ来るのはなぜでしょう?
 じつは、熱帯の海は、一般に思われているほど、生き物の数が多くありません。特に、水中を漂うプランクトンの数は、寒い海のほうが多いのです。ですから、プランクトンを食べる小魚も、寒い海のほうがたくさんいます。クジラ類が寒い海に多いのも、これと関係があります。寒い海には、クジラの食べ物であるオキアミや小魚が多いのですね。
 カツオも、小魚を食べ物とします。食べ物が少ないところより、多いところに棲もうとするのは自然ですね。彼らは海流に乗って、食べ物の豊富な海域を目指します。そこがたまたま日本近海だったわけです。
 カツオにとって、日本近海は寒いところでしょう。寒くても、たくさん餌を食べたいカツオたちが、日本近海までやって来ます。寒がり(笑)なので、暖流に乗ってくるわけですね。秋、黒潮が南に後退するにつれて、カツオも南へ戻ってゆきます。
 中には、とても寒がりなカツオ(?)もいるようです。食べ物が少なくても、暖かいところにいたいのでしょうね。日本近海へ来ないで、一年中熱帯にいるカツオも確認されています。旅をするものとしないものが、なぜできるのか、正確なことは不明です。
 食用魚として有名なのに、カツオの生きた姿はほとんど見られませんね。水族館にもあまりいません。飼育が難しい魚だからです。
 もし、生きたカツオを見る機会があれば、腹部をよく見て下さい。カツオの特徴であるはずの、縞【しま】模様がありません。あの模様は、カツオが死んでから現われます。魚類図鑑の写真や絵を見て、「模様がない」とびっくりしないで下さいね。

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2006年4月24日

鯉(コイ)は本当に滝を登るか?

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 端午の節句といえば、鯉幟【こいのぼり】ですね。青空に泳ぐ鯉幟を見るのは、気持ちが良いものです。男の子の健やかな成長を祈るのにふさわしいですよね。
 鯉幟は、「鯉が滝を登って龍になる」伝説にちなんで、作られたようです。昔、男の子は立身出世が望まれました。そういう時代には、「鯉の滝登り伝説」が、良いお手本とされたのでしょう。「龍になる」のは伝説としても、コイが滝を登るのは本当でしょうか?
 じつは、コイにはあまり跳躍力がありません。滝を登るのは無理です。ただ、身の軽い若いコイは、かなりの高さまで跳ねることがあります。
 「滝登り伝説」の発祥地は中国です。中国には、他にも、コイに関する伝説が多くあります。コイの養殖も、中国では二千年以上前から行なわれました。伝説が多いのも、早くから養殖されたのも、古来親しまれた証拠ですね。
 そのわりに、コイは謎が多い魚でもあります。一番の謎は、「原産地がどこかわからない」ことです。
 コイは、古くから食用や観賞用として飼育されました。そのために、早い時代から各地へ移入されました。人為的に分布が広げられたわけです。現在、コイは、世界中の淡水域に分布しています。おかげで、原産地がわからなくなりました。
 コイの原産地は、中央アジアという説が有力です。日本には、中国から伝わったという説が根強くあります。最近では、もともと日本にもいたらしいとわかってきました。
 野生のコイや食用のコイは、黒っぽく、地味ですね。観賞用の錦鯉(ニシキゴイ)とは、別種のようです。しかし、野生のコイも食用のコイもニシキゴイも、種としては同じ「コイ」です。ニシキゴイは、日本人が作った観賞魚の傑作です。
 今も、各地でよくコイが放流されますね。姿が美しいニシキゴイが好まれます。けれども