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2017年6月10日

スッポン

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スッポン  画像
和名:スッポン
学名:Pelodiscus sinensis
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東京 新宿区【2017.5.18】

図鑑↓↓↓↓↓には、スッポンが掲載されています。
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2017年4月13日

ヒトもニワトリも、でき方は同じ?

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 私たちヒトと、他の生物とは、ずいぶん違うように思えますね。哺乳類で、常に二足歩行をし、服を着て生活するものなんて、他にいません。
 けれども、「ヒトの体のでき方」を調べると、他の生物と共通する点が多いことが、わかります。どうやって、「ヒトの体のでき方」を調べるのでしょうか? ヒトの受精卵が、胎児となり、新生児として生まれるまでを、調べればよいのです。
 そもそも、ヒトも、ネズミも、ニワトリも、カエルも、魚も、最初は、たった一個の卵細胞から始まります。受精卵ですね。受精卵から、だんだん体ができてゆくことを、「発生」と呼びます。これを調べるのが、発生生物学です。
 何かを知るには、他のものと比較してみるのが、良い方法です。このため、発生生物学では、さまざまな動物の「発生」を研究します。よく使われる実験動物としては、マウス、ニワトリ、アフリカツメガエル、ゼブラフィッシュ(魚の一種)などがいます。
 驚くべきことに、マウスでも、ニワトリでも、アフリカツメガエルでも、ゼブラフィッシュでも、発生のある一段階では、互いに形がよく似ています。成体になれば、まるで形が違うのに、産まれる前には、区別が付けにくいほど、似た時期があります。
 これは、「発生」という仕組みが、多くの生物で、共通することを示唆します。つまり、これらの生物のでき方は、ヒトのでき方とも、共通するわけです。
 前記の実験動物たちには、それぞれ、実験動物に選ばれた理由があります。まず、飼育技術が確立していることが、大前提です。飼育が困難な動物では、実験どころではありませんからね。そして、発生が観察しやすいことが、重要です。
 これらの点で、例えば、ニワトリは、優れています。何千年も前からヒトに飼われて、飼育技術には、まったく問題がありません。加えて、卵が大きく、観察しやすいです。ニワトリは、発生生物学に、とても重要な貢献をしています。
 東京・上野の国立科学博物館で、発生生物学の展覧会「卵からはじまる形づくり」が開かれています。ニワトリなどを使って、わかりやすく「発生」が解説されています。図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、ニワトリは載っていません。かわりに、日本に分布する野生の鳥が、二百種以上が掲載されています。
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 企画展「卵からはじまる形づくり」の情報は、以下にあります。
卵からはじまる形づくり~発生生物学への誘い~(国立科学博物館の公式サイト内ページ)
 過去の記事でも、国立科学博物館で開催中の展覧会を紹介しています。「卵からはじまる形づくり」と同時期に開催されていますので、時間に余裕がおありでしたら、両方見るのが楽しいかと思います。
始祖鳥やドードーに会える、大英自然史博物館展(2017/3/30)



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2017年3月24日

疑似餌【ぎじえ】を使うヘビがいる?

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 カメやトカゲやヘビなどの爬虫類は、あまり頭が良いようには見えませんね。けれども、実際には、かなり知的な行動をすることがあります。
 例えば、ワニガメというカメがいます。もともとは、北米の固有種ですが、日本にも、外来種として、棲みついています。このカメは、疑似餌を使って、獲物を捕えます。
 ワニガメは、舌の一部が、細長い虫のような形をしています。ワニガメが、水中で口を開けて、この部分をぴくぴくと動かすと、ミミズか何かが動くように見えます。これを、餌かと思って、小魚などが近づきます。そこをぱくり!というわけです。
 これまで、水中で暮らす爬虫類では、何種か、似たことをする種が、確認されています。二〇一七年になって、陸上に棲む爬虫類でも、似た行動が、確認されました。
 それは、パフアダーというヘビの一種です。アフリカに分布するヘビです。クサリヘビ科アフリカアダー属に属します。ヒトが死ぬほどの猛毒を持つヘビです。
 パフアダーは、ワニガメのような、特別な疑似餌器官を持ちません。普通のヘビと同じ、二股に分かれた舌を持つだけです。パフアダーは、この舌を、疑似餌に使います。
 カエルの前で、パフアダーが、この舌を、ゆっくりと動かすのが、観察されました。ヘビがよくやる、ちろちろした舌の動きとは、違います。パフアダーは、カエル類に対して、「このように舌を動かせば、餌と勘違いさせられる」ことを、知っています。
 舌に誘われて、カエルが捕食されてしまう場面が、確認されました。
 驚くべきことに、パフアダーは、別の疑似餌も使います。それは、鳥に対してです。パフアダーは、鳥に対しては、尾を疑似餌にします。尾を虫のように動かして、鳥を誘います。鳥が近づいたところで、がぶり、です。
 獲物の種類を見極めて、疑似餌を使い分けるなんて、かなり知的な戦術と言えますね。尾と舌と、両方をこのように使うヘビは、パフアダー以外には、知られていません。
 パフアダーが、どのように判断して、疑似餌を使い分けるのかは、まだ、わかっていません。研究が進めば、ヘビ類の知的な面が、もっと見えるかも知れませんね。
図鑑↓↓↓↓↓には、
残念ながら、ワニガメも、パフアダーも、載っていません。かわりに、日本に分布するヘビが、十種以上が載っています。
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 過去の記事でも、ヘビの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ニホンマムシと、アメリカのマムシとは、同じ属か?(2016/8/26)
ヘビを食べるヘビがいる?(2015/7/6)
アオダイショウの祖先とは?(2014/6/23)
ウミヘビがいるなら、カワヘビもいる?(2013/8/12)
ヘビは、耳が聞こえないとは、本当か?(2013/6/17)




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2017年3月10日

グリーンアノールは、侵略されるか?

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 近年、世界中で、外来生物が問題になっています。外来生物とは、本来、そこに棲んでいなかった生物が、何らかの要因で、よそからやってきて、棲みついたものです。
 今、問題にされているのは、人間によって運ばれた外来生物です。人間は、あまりにも急激に、世界中に広がる物的・人的交流を発達させました。このネットワークに乗って、あまりにも急激に、大量に、外来生物が発生してしまいました。
 日本で問題にされている外来種の一つに、グリーンアノールがいます。グリーンアノールは、トカゲの一種です。イグアナ科アノールトカゲ属に属します。本来は、米国南東部、メキシコ、キューバ、西インド諸島に分布します。日本には、いませんでした。
 現在、日本国内では、小笠原諸島と、沖縄本島とに入っているのが確認されています。ことに、小笠原諸島では、問題になっています。小笠原諸島の希少な昆虫類などが、グリーンアノールに捕食されて、壊滅的打撃を受けています。
 このために、小笠原諸島では、グリーンアノールの駆除が行なわれています。小笠原諸島のグリーンアノールは、憎まれる存在です。とはいえ、元はといえば、人間が悪いのですね。小笠原諸島へは、ペットとして持ち込まれたと考えられています。
 ところが、グリーンアノールの本来の生息地では、グリーンアノールが、「侵略される側」になっている所があります。米国のフロリダ州のある島です。ブラウンアノールという、別種のトカゲが、キューバから、外来種としてやってきました。
 ブラウンアノールは、イグアナ科ノロプス属に属します。属が違っても、科が同じなので、グリーンアノールと近縁といえます。本来の分布地は、キューバとバハマ諸島です。
 ブラウンアノールは、生態が、グリーンアノールと似ています。食べ物も、同じです。加えて、ブラウンアノールは、グリーンアノールの幼体をも、食べてしまいます。食べ物や、すみかや、幼体を奪われて、グリーンアノールは、危機に陥りました。
 外来種問題の複雑さが、これで、わかりますね。場所が変われば、加害者と被害者とが、容易に入れ替わります。特定の種を叩けば済む問題ではありません。
図鑑↓↓↓↓↓には、
日本に分布するトカゲの仲間が、十種ほどが載っています。
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 過去の記事でも、外来生物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ミナミイシガメの不自然な分布(2015/8/28)
日本のヒキガエルたち(2015/5/11)
かわいくても、害獣? クリハラリス(2014/11/24)
水辺の侵略者、アメリカザリガニ(2014/11/10)
ワニに見えてもワニじゃない、ガーパイク(2006/9/16)




2017年2月14日

春は、花粉と小笠原から?

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 寒い日々が続きますね。でも、春は、もうそんなに遠くありません。今回は、ひと足早く、春を感じるイベントを紹介しましょう。国立科学博物館の、二つの企画展です。
 一つは、「花粉と花粉症の科学」です。せっかくの春でも、花粉症のために憂鬱【ゆううつ】という方も、いらっしゃるでしょう。スギ花粉症は、今や、日本の国民病といわれるほどですね。このために、「花粉」全体の印象が、悪くなってしまいました。
 本来、花粉は、ヒトにとって害になるものではありません。植物にとって、繁殖に必要な、大切なものです。花粉は、ヒトにも役に立っています。じつは、大昔から、ヒトは、花粉を食べています。蜂蜜の中に、花粉が混ざっているからです。
 近年では、花粉は、サプリメントに使われることもあります。花粉は、とても栄養バランスが良く、完全栄養食に近いからです。また、一部の植物の花粉は、薬にも使われます。例えば、ガマの花粉が、火傷に効くことは、昔から知られています。
 企画展の会場では、この他にも、花粉について、いろいろ知ることができます。
 もう一つの企画展は、「小笠原国立公園」です。東京都内にあるにもかかわらず、亜熱帯の島々ですね。真冬でも、春のようです。ここの貴重な自然を、紹介しています。
 小笠原では、ザトウクジラのホエールウォッチングが、著名な観光資源になっていますね。会場では、ザトウクジラの「ひげ」に、触ることができます。ザトウクジラの口の中に生えている「クジラひげ」です。これを使って、クジラは餌を取ります。
 ザトウクジラ以外にも、小笠原には、希少な生き物が、たくさんいます。とりわけ、小さな昆虫や無脊椎動物に、固有種が多いです。固有種にとっては、世界中で小笠原諸島だけが、すみかです。中には、野生で一株しか確認されていない植物もあります。
 固有種だけが、大事なわけではありません。本土と同じ種がいる場合でも、小笠原の個体群が、本土の同種の個体群とは、違う習性を持つことがあります。
 それは、小笠原諸島という、特殊な環境に適応した結果だと考えられます。日本が誇る小笠原の自然は、こういった種も含めて、構成されています。


 企画展「花粉と花粉症の科学」と、「小笠原国立公園」との情報は、以下のページにあります。
花粉と花粉症の科学(国立科学博物館の公式サイト内ページ)
小笠原国立公園(国立科学博物館の公式サイト内ページ) ※注:直接、pdfファイルにつながります。

図鑑↓↓↓↓↓には、日本に分布する植物が、八百種ほど、また、小笠原諸島に分布する動植物も、十種以上
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 過去の記事でも、花粉について取り上げています。また、小笠原の生物についても、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
交流は限定的? 小笠原諸島の鳥たち(2016/5/6)
再来なるか? ニシノシマホウキガニ(2015/7/10)
いろいろと役立ちます、ガマ(蒲)(2012/8/24)
小笠原諸島のトカゲたち(2011/9/26)
ユリの仲間は、チョウと仲良し?(2011/8/5)





2016年9月25日

日本の自然を世界に開いたシーボルト

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 シーボルトの名は、おそらく、ほとんどの方が、聞いたことがあるでしょう。江戸時代に、二度にわたって来日した、ドイツの人ですね。
 当時、ヨーロッパの国で、日本と交易していたのは、オランダだけでした。このため、シーボルトはドイツ人ですが、オランダ商館の一員として、日本に来ました。
 シーボルトには、とても多くの功績があります。その中に、日本の動植物の標本を、大量に収集し、研究したことが挙げられます。シーボルトがいなければ、日本の動植物の研究は、今より、何十年も遅れていたかも知れません。
 そのシーボルトが、実際に集めた動植物の標本を、今、国立科学博物館で、見ることができます。「日本の自然を世界に開いたシーボルト」という企画展の会場に、展示されています。シーボルト没後も、標本は、ヨーロッパで、大切に保管されていました。
 シーボルトの標本は、今でも、動物学や植物学の役に立っています。例えば、現在では絶滅したとされる、ニホンカワウソの標本を、シーボルトは収集しています。ニホンカワウソを研究する手がかりは、もはや、そのような標本しかありません。
 動物や植物に詳しい方なら、ラテン語の学名を調べていて、気がついたことはありませんか? 特に、日本の植物の場合、ラテン語の学名の後ろに、「Siebold【シーボルト】」や、「Siebold & Zuccarini【シーボルト&ツッカリーニ】」と付くものが、多いです。
 例えば、タマアジサイという植物は、ラテン語の学名Hydrangea involucrataの後ろに、Sieboldと付きます。日本のクリ(栗)は、ラテン語の学名Castanea crenataの後ろに、Siebold & Zuccariniと付きます。
 Zuccariniとは、シーボルトと一緒に日本の植物を研究した、ドイツの植物学者ツッカリーニを指します。ラテン語の学名の後ろに、人名が付くのは、その学名を命名した人を示します。シーボルトとツッカリーニが、いかに多くの植物を命名したか、わかります。
 企画展の会場では、最近になって、シーボルトの標本を調べて、新たにわかったことも、紹介されています。没後150年経っても、彼の功績は、輝き続けています。

図鑑↓↓↓↓↓には、シーボルトが研究した日本の動植物が、千八百種ほどが掲載されています。
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 企画展「日本の自然を世界に開いたシーボルト」の情報は、以下のページにあります。
日本の自然を世界に開いたシーボルト(国立科学博物館の公式サイト内ページ)


 過去の記事でも、現在、開催中の、生物に関するイベントを紹介しています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ウルトラ植物博覧会2016(2016/8/17)
格好いい海のハンターたち(2016/7/12)

2016年9月16日

ネコもライオンも、ペットにできる?

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 ネコ(猫)は、人間にとても好かれる生き物ですね。ネコのかわいさは、今さら言うまでもありません。ネコをペットにしている人は、世界中に、おおぜいいます。
 ネコは、哺乳類のうち、食肉目【しょくにくもく】ネコ科に属します。同じ食肉目ネコ科には、ライオンも属します。同じネコ科なら、ライオンもペットになるでしょうか?
 これは、大概の方が否定するでしょう。いくら同じネコ科でも、ライオンは、危険すぎますよね。少なくとも、日本の普通の民家で、ライオンが飼えるとは思えません。
 けれども、これと似たことを、普通の人がやってしまう場合があります。特に、爬虫類などの、ペットとして馴染みが薄い生き物を飼う場合には、注意が必要です。
 例えば、ボールニシキヘビというヘビの一種がいます。このヘビは、とても性質がおとなしいです。毒もありません。もてあますほど大きくもなりません。爬虫類の中で、ペットとして飼うなら、お勧めできる種です。ニシキヘビ科ニシキヘビ属の一種です。
 同じニシキヘビ科ニシキヘビ属に、アミメニシキヘビという種がいます。この種は、世界のヘビの中でも、最大級に大きくなる種です。毒はありませんが、その大きさゆえに、危険です。実際に、ヒトが襲われて、食べられた例が、いくつも報告されています。
 ボールニシキヘビと、アミメニシキヘビとは、とても近縁な種同士です。同じ科で、同じ属ですからね。なのに、その生態も性質も、まるで違います。ボールニシキヘビが飼えたからといって、アミメニシキヘビを飼うのは、無謀すぎます。
 ボールニシキヘビとアミメニシキヘビとの関係は、ネコとライオンとの関係に似ています。普通の人は、ネコをペットにしても、ライオンをペットにしようとは思わないでしょう。しかし、馴染みの薄い動物を飼う場合には、そのような判断がききにくいです。
 いわゆる、エキゾチック・ペットと呼ばれる、変わったペットを飼うことを、否定するつもりはありません。ただし、そういったペットを飼う場合には、イヌやネコを飼う場合以上に、正しい知識と、覚悟が求められます。「○○と近縁種だから、○○と同じ飼い方でいいんだよね」などと、安易な考えを持たないよう、強くお願いいたします。
図鑑↓↓↓↓↓には、日本に分布する動植物が、千八百種ほども掲載されています。
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 過去の記事でも、飼育されることがある生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
も御覧下さい。
ハリネズミは、ネズミじゃない?(2014/8/18)
トカゲモドキの美人コンテスト?(2013/11/11)
カブトムシとクワガタムシ、どちらが長生き?(2013/10/7)
害魚が益魚に? うろこの秘密(2010/3/8)
リスも冬眠する?(2009/12/18)






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2016年8月26日

ニホンマムシと、アメリカのマムシとは、同じ属か?

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 ニホンマムシは、日本でよく知られたヘビですね。何と言っても、毒ヘビとして有名です。このようなヘビなら、わからないことがないほど、研究が進んでいるでしょうか? 
 ところが、わからないことは、まだ、たくさんあります。最近になってから、わかったことも多いです。例えば、ニホンマムシの分類は、十年ほど前に、変わりました。
 ニホンマムシは、クサリヘビ科マムシ属に属する一種です。十年以上前にも、ニホンマムシは、クサリヘビ科マムシ属とされていました。ただし、「マムシ属」の内容が変わっています。ラテン語の学名を見ると、十年以上前と、現在とで、違います。
 二〇一六年現在のマムシ属は、ラテン語の学名を、Gloydiusといいます。十年以上前には、Agkistrodonというのが、ラテン語の学名でした。二〇一六年現在では、Agkistrodonは、「アメリカマムシ属」を指すラテン語の学名になっています。
 昔の「マムシ属」―Agkistrodon―には、アジアに分布する種も、北米や中米に分布する種も、含まれました。何十種も含む、大きな属でした。
 けれども、のちに、アジアに分布する旧マムシ属と、北米・中米に分布する旧マムシ属とでは、属を分けるほどの違いがあると、わかりました。このために、旧マムシ属―Agkistrodon―は、アジアの種と、アメリカ大陸の種とで、分割されました。
 ニホンマムシを含むアジアの種は、新マムシ属―Gloydius―になりました。ヌママムシなどのアメリカ大陸の種は、旧マムシ属―Agkistrodon―に残されました。かわりに、日本語の属名は、新たに、「アメリカマムシ属」とされました。
 現在のアメリカマムシ属には、アメリカ大陸の種しか、含まれません。ほんの数種です。新マムシ属には、十種ほどが含まれます。すべて、アジアの種です。そのうち、日本に分布するのは、ニホンマムシと、ツシママムシだけです。
 旧マムシ属―Agkistrodon―からは、他にも、いくつかの属が分離されました。ヒャッポダ属、セイロンマムシ属などです。どれも、アジアにだけ分布する種を含みます。分離が繰り返されたために、現在のアメリカマムシ属は、小さな属になりました。

図鑑↓↓↓↓↓には、ニホンマムシが掲載されています。
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 過去の記事でも、日本に分布するヘビを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ヘビを食べるヘビがいる?(2015/7/6)
アオダイショウの祖先とは?(2014/6/23)
ウミヘビがいるなら、カワヘビもいる?(2013/8/12)
ヘビは、耳が聞こえないとは、本当か?(2013/6/17)
ヘビは、暗闇でも眼が見える?(2013/3/18)

2016年7月24日

アオダイショウ

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アオダイショウ  画像
和名:アオダイショウ
学名:Elaphe climacophora
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東京 港区【2016.06.11】
図鑑↓↓↓↓↓には、アオダイショウ掲載されています。
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2016年7月15日

南西諸島のカナヘビたち

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 南西諸島は、多くの珍しい生物がいることで、知られますね。けれども、一般に知られるのは、イリオモテヤマネコのような哺乳類か、ヤンバルクイナのような鳥類がほとんどです。もっと小さくて、目立たない生き物にも、注目すべき種がいます。
 今回は、南西諸島の爬虫類を紹介しましょう。トカゲの仲間で、カナヘビ科に属するものたちです。カナヘビという名でも、ヘビではなくて、トカゲです。
 カナヘビ科のトカゲたちは、体型がスマートで、尾が非常に長いです。長い尾だけを見ると、ヘビのように見えるために、カナヘビという名が付いたのでしょう。
 日本に分布するカナヘビ科のうち、最大の種が、南西諸島にいます。サキシマカナヘビという種です。南西諸島でも、ずっと南の八重山諸島(石垣島、西表島、黒島、小浜島)でしか、確認されていません。世界中で、ここにしかいない、日本固有種です。
 サキシマカナヘビは、全長が30cmにも達することがあります。ただし、全長の四分の三くらいは、尾の長さです。全身が緑色をした、美しいトカゲです。
 八重山諸島より北の沖縄諸島、奄美諸島、トカラ列島には、アオカナヘビという種が分布します。サキシマカナヘビより、小さいです。それでも、全長28cmくらいになります。全長の四分の三くらいを尾が占めるのは、サキシマカナヘビと同じです。
 アオカナヘビも、美しい緑色の体色をしています。日本固有種なのも、サキシマカナヘビと同じです。野生なら、分布域が違うために、サキシマカナヘビと区別できます。
 八重山諸島と沖縄諸島の間には、宮古列島があります。ここには、また独自の、ミヤコカナヘビという種が分布します。体型や体色は、アオカナヘビと似ています。体の大きさが、アオカナヘビより、さらに小さいです。全長22cmくらいになります。
 ミヤコカナヘビは、以前、アオカナヘビと同じ種だと思われていました。しかし、似ていても、違う種だとわかりました。一九九六年に、新種として記載されました。
 ミヤコカナヘビも、日本固有種です。興味深いことに、距離的に台湾に近いサキシマカナヘビよりも、ミヤコカナヘビのほうが、台湾や中国のカナヘビに近縁だそうです。
図鑑↓↓↓↓↓には、ニホンカナヘビ掲載されています。
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 過去の記事でも、カナヘビの仲間を取り上げています。また、カナヘビ科以外のトカゲも、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
日本の海トカゲ? ミヤコトカゲ(2014/10/13)
宮古島の生き物の謎(2013/7/1)
北極圏にも、トカゲがいる?(2012/12/7)
日本最大のトカゲとは?(2009/8/14)
ヘビと付くのに蛇じゃない、カナヘビ(2008/4/18)

2016年7月12日

格好いい海のハンターたち

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 国立科学博物館で、「海のハンター展」という展覧会が開かれています。海のハンター、つまり、捕食動物たちを紹介する展覧会です。早速、行ってまいりました。
 最初に、古代の海のハンターたちが紹介されています。ここでは、脊椎動物の顎【あご】の進化について、解説されています。ぜひ、この解説パネルをお読み下さい。私たち脊椎動物にとって、顎の獲得が、いかに画期的なことだったか、わかります。
 古代の次は、現代の海に棲むハンターたちが現われます。深海、極域、外洋、浅海と、四つの生息域ごとに、紹介されています。
 深海には、「これって、本当に魚なの?」と訊きたくなる、奇妙な姿の深海魚がいます。その姿は、暗く、冷たく、食べ物の乏しい深海に適応したものです。奇妙に見えても、その姿は、深海で獲物を捕え、生きるのに、都合が良い姿です。
 極域は、とてつもない寒さが、生き物を苦しめます。そんな中でも、例えばペンギンなどは、氷山の浮かぶ海に潜って、獲物を捕えています。会場では、ペンギンに小型カメラを背負ってもらって、撮影した映像を見ることができます。
 外洋は、高速で泳ぐ魚が多い世界です。外洋には、身を隠すものがないため、敵から逃れるには、速く泳ぐしかありません。そういった獲物を捕えるには、ハンターたちは、もっと速く泳がなければなりません。クロマグロなどが、高速で泳ぐ理由です。
 浅海は、私たちヒトに馴染み深い世界ですね。ここでは、マダイ、サワラ、ヒラメ、アナゴなど、食卓によくのぼる魚たちが、紹介されています。ヒトが食べるこれらの魚たちも、海中では、貪欲なハンターなのですね。
 全体を通して、最も多く展示されているのは、サメ類です。サメ類は、四億年以上も前に、地球に現われました。それ以来、絶滅の危機を乗り越えて、捕食者として進化してきました。このために、海のあらゆる領域で、多様なハンターになっています。
 会場では、サメたちの、ハンターとして研ぎ澄まされた能力が、紹介されています。格好いいです。サメが好きな方にとっては、天国のような展覧会です(笑)
図鑑↓↓↓↓↓には、日本近海に棲むサメ類など、海のハンターが何種も掲載されています。
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 海のハンター展については、以下のページに情報があります。
海のハンター展 公式サイト


 過去の記事でも、現在、開催中の、生物に関する展覧会を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
江戸の博物学(2016/7/2)

2016年4月21日

生き物に学び、くらしに活かす

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 国立科学博物館で、小規模ながら、面白い企画展が開かれています。「生き物に学び、くらしに活かす」です。早速、見に行ってまいりました。
 企画展の内容は、題名のとおりです。厳しい自然界に、見事に適応している生き物たちに学んで、人間の暮らしに活かそうというものです。すでに実用化された技術や、これから実用化されそうな技術が、紹介されています。未来に夢が描けます。
 例えば、競泳用の水着には、サメに学んで作られたものがあります。
 サメは、海の中で、獲物を捕えるために、速く泳がなければなりませんね。なぜ、サメが速く泳げるのか、それには、さまざまな体の仕組みが、関わっています。
 その一つが、皮膚の構造にあります。サメの皮膚は、速く泳ぐために、余計な水の抵抗を減らすようにできています。この皮膚の構造を真似て、競泳用水着が作られました。実際に、余計な水の抵抗を減らして、泳げるようになったそうです。
 また、建物の外壁に使われるタイルで、「汚れのつきにくいタイル」があります。これは、なんと、カタツムリの殻の構造を研究して、作られました。
 カタツムリは、雨の中を這い回ることが多いですね。じめじめした中を行動するのに、カタツムリの殻には、コケもつかず、いつもきれいです。
 その秘密は、殻の微細な構造にありました。カタツムリの殻は、雨に当たると、汚れが流れ落ちやすい構造になっています。この構造を真似て、タイルが作られました。
 もっと身近なところでは、マジックテープ(面ファスナー)があります。マジックテープは、ある植物の構造を真似て作られたことを、御存知でしたか?「ひっつき虫」と呼ばれる植物の果実です。草むらを歩くと、衣服にくっついてくる植物の果実ですね。
 「ひっつき虫」は、一種だけの植物ではありません。たくさんの種があります。マジックテープの開発者は、直接的には、ゴボウの果実を参考にしたといわれます。
 このように、生き物に学んだ技術を活かす学問を、バイオミメティクス(生物模倣)といいます。会場では、楽しいバイオミメティクスの例を、いくつも見ることができます。
図鑑↓↓↓↓↓には、日本の動植物が、千八百種ほど掲載されています。
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 「生き物に学び、くらしに活かす」の情報は、以下のページにあります。
生き物に学び、くらしに活かす(国立科学博物館の公式サイト内ページ)


 過去の記事でも、生き物に関する、現在開催中のイベントを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
江戸から昭和、平成へ、薬草の博物誌(2016/3/8)


2016年4月 3日

ミシシッピーアカミミガメ

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ミシシッピーアカミミガメ 画像
和名:ミシシッピーアカミミガメ 
学名:rachemys scripta elegans
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東京 港区区【2016.03.05】


2016年3月25日

トカゲ科の分類も、変わった?

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 先週、このブログで、トカゲ科トカゲ属の分類が変わった話をしましたね(トカゲ属の分類が、変わった?(2016/3/18))。今回は、それと関連した話をしましょう。トカゲ属が含まれる、トカゲ科の分類についてです。トカゲ科の分類も、最近、大きく変わりました。
 かつて、トカゲ科には、千六百を越える種が含まれていました。ずいぶん大きな科ですね。以前から、「トカゲ科に含まれる種が多過ぎる。雑多な種が入れられ過ぎている」という意見がありました。正しい系統関係を反映した分類ではない、ということです。
 二〇一四年になって、トカゲ科を、九つの科に分ける案が出されました。九つの科の中に、小さくなった新トカゲ科も含まれます。新トカゲ科では、種の数が、二七〇あまりになりました。現在のところ、この案は、おおむね正しいと認められています。
 旧トカゲ科は、新トカゲ科以外に、ヘリグロヒメトカゲ科、イワトカゲ科、マブヤ科などに分割されました。まだ、日本語の科名が付いていない科もあります。
 例えば、日本の南西諸島や対馬に分布する、スベトカゲの仲間(スベトカゲ属)は、新分類では、トカゲ科ではなくなりました。スベトカゲ属が属する科には、まだ、日本語名が付いていません。ラテン語の学名で、Sphenomorphidaeという科に属します。
 また、日本の小笠原諸島に分布するオガサワラトカゲ属や、宮古島に分布するミヤコトカゲ属も、旧トカゲ科から、別の新しい科に移されました。
 オガサワラトカゲ属とミヤコトカゲ属とは、同じ科に属します。この科にも、日本語名がありません。ラテン語の学名で、Eugongylidaeという科です。
 いずれ、Sphenomorphidaeには、「スベトカゲ科」といった、日本語の科名が付くでしょう。Eugongylidaeにも、「オガサワラトカゲ科」か、「ミヤコトカゲ科」といった科名が付くと思います。日本に分布する種が属するのに、日本語名がないのは、不便ですからね。
 しかし、二〇一六年現在でも、スベトカゲ属や、オガサワラトカゲ属、ミヤコトカゲ属を、図鑑やウェブサイトで調べると、「トカゲ科」としている例が多いです。新分類の普及が、間に合っていません。「トカゲ科」の分類には、慎重な扱いが必要です。
図鑑↓↓↓↓↓には、ニホントカゲ、イシガキトカゲなどが掲載されています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-


 過去の記事でも、トカゲの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
トカゲ属の分類が、変わった?(2016/3/18)
大陸からの使者? スベトカゲの仲間たち(2015/4/20)
日本の海トカゲ? ミヤコトカゲ(2014/10/13)
プレートと一致? 日本のトカゲの分布(2013/12/30)
日本に、新種のトカゲあらわる?(2010/4/9)
などです。


2016年3月18日

トカゲ属の学名が、変わった?

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 以前、このブログで、日本のトカゲ属に、新種が加わった話をしましたね(プレートと一致? 日本のトカゲの分布(2013/12/30))。この時、取り上げたのは、トカゲ科トカゲ属に属する種でした。この属の分類について、最近、大きな変動がありました。
 トカゲ科トカゲ属の種は、長年、北半球に、広く分布していると考えられてきました。その分布域は、北アフリカ、西アジア、東アジア、北米、中米、バミューダ諸島です。
 ところが、この属は、一つではなく、複数の属に分けられるべきだという意見が出されました。地域ごとに、違う属に分かれるというのです。研究が進んだ結果、かつての「トカゲ属」は、四つの属に分割されることになりました。
 四つの属のうち、三つには、日本語名が付いていません。日本に分布しない属だからです。残りの一つは、日本で、旧属名を引き継いで、トカゲ属とされました。日本に分布するニホントカゲ、オカダトカゲ、ヒガシニホントカゲは、この新トカゲ属に属します。
 爬虫類に詳しい方なら、かつての「トカゲ属」のラテン語の学名が、Eumecesだったと覚えておられるかも知れませんね。例えば、ニホントカゲの学名にも、Eumecesと付いていました。それが、属の分割により、違う学名になりました。
 今、新トカゲ属の学名は、Plestiodonです。この変更にともない、例えば、ニホントカゲのラテン語の学名は、Plestiodon japonicusとなりました。新トカゲ属は、旧トカゲ属のうち、東アジアと、北米と、バミューダ諸島に分布するものが、分類されました。
 かつての「トカゲ属」の学名Eumecesは、残っています。けれども、それは、もはや、日本語の(新)トカゲ属を指すものではなくなりました。
 現在のEumeces属には、日本語名がありません。旧トカゲ属のうち、北アフリカと西アジアに分布する種が、Eumeces属に入れられました。
 書籍やウェブサイトによっては、ニホントカゲなどのラテン語の学名に、旧属名のEumecesで始まるものが、残っています。このために、日本のトカゲ属の学名は、混乱気味です。このような混乱は、研究が進んでいる証拠だと思って、乗り切るしかありません。

図鑑↓↓↓↓↓には、ニホントカゲ、イシガキトカゲなどが掲載されています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-


 過去の記事でも、日本に分布するトカゲ科について、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
大陸からの使者? スベトカゲの仲間たち(2015/4/20)
日本の海トカゲ? ミヤコトカゲ(2014/10/13)
プレートと一致? 日本のトカゲの分布(2013/12/30)
日本に、新種のトカゲあらわる?(2010/4/9)
日本最大のトカゲとは?(2009/8/14)
などです。


2015年10月23日

ナミヤモリの隠蔽種【いんぺいしゅ】たち

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 以前、このブログで、隠蔽種というものを取り上げましたね(二〇一四年は、サンショウウオの当たり年? その2(2015/9/11))。この時は、日本の両生類の隠蔽種を紹介しました。今回は、日本の爬虫類の隠蔽種を紹介しましょう。
 ミナミヤモリという、ヤモリの一種がいます。このヤモリは、長い間、日本の九州南部と、南西諸島に分布すると考えられてきました。国外では、台湾と、中国南部に分布するとされています。ところが、この分布が、間違いだという意見が、出てきました。
 それは、「ミナミヤモリ」の中に、別の種が紛れ込んでいるために、そのような分布に見えているのだということです。現時点では、「ミナミヤモリ」の中に、四種が隠蔽されていたと考えられています。まだ、完全には、そうと確認されていません。
 「ミナミヤモリ」のうち、奄美大島と、トカラ列島の小宝島に分布するものは、アマミヤモリという新種であることが、認められました。ラテン語の学名も、Gekko vertebralisと付けられました。国際的に、正式に、種として記載されたわけです。
 トカラ列島の宝島に分布する「ミナミヤモリ」は、タカラヤモリという新種になりました。ラテン語の学名は、Gekko shibataiです。こちらも、正式に記載です。
 他の二種の隠蔽種については、まだ、ラテン語の学名が付いていません。正式に、新種として認められていない状態です。ただ、日本語名だけは、付けられています。
 九州の西部と、五島列島などの島々に分布するのは、ニシヤモリだとされています。沖縄本島と、久米島と、伊平屋島に分布するのは、オキナワヤモリとされています。
 これで、国内の「ミナミヤモリ」の分布地は、ほぼ、九州南部と、先島諸島だけが残る形になりました。けれども、このように、次々と隠蔽種が発見される状態では、残る分布地にも、疑問が向けられます。海外の分布地も、どうなるか、わかりません。
 九州南部の「ミナミヤモリ」と、先島諸島の「ミナミヤモリ」との間に、タカラヤモリ、アマミヤモリ、オキナワヤモリがいます。先島諸島の「ミナミヤモリ」も、九州南部の「ミナミヤモリ」とは、別種かも知れません。
図鑑↓↓↓↓↓には、ニホンヤモリ掲載されています。ban_zukan.net.jpg
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 過去の記事でも、ヤモリの仲間を取り上げています。また、隠蔽種についても、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
二〇一四年は、サンショウウオの当たり年? その2(2015/9/11)
日本固有種がいっぱい? ヤモリの仲間たち(2015/5/25)
トカゲモドキの美人コンテスト?(2013/11/11)
小笠原諸島のトカゲたち(2011/9/26)
ホオグロヤモリは、国際派?(2011/5/23)
などです。


2015年8月28日

ミナミイシガメの不自然な分布

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 今回は、日本の淡水域に棲むカメを紹介しましょう。ミナミイシガメという種です。種名のとおり、ニホンイシガメと近縁な種です。同じイシガメ科イシガメ属に属します。分類には異説がありますが、イシガメ科なのは、間違いありません。
 この種は、日本国内で、不思議な分布をしていることで、知られます。北から挙げれば、千葉県、滋賀県、京都府、大阪府、トカラ列島の悪石島【あくせきじま】、沖縄諸島の沖縄本島と久米島、慶良間【けらま】諸島の阿嘉島【あかしま】と座間味島【ざまみじま】、宮古列島の宮古島、八重山諸島の石垣島と西表島と波照間島と与那国島にいます。
 こんなに飛び飛びなのは、明らかに、不自然ですね。もともと、自然にミナミイシガメが分布していたのは、八重山諸島の石垣島、西表島、波照間島、与那国島だけだと推定されています。その他の地域には、人為的に移入されたと考えられています。
 ミナミイシガメは、日本国外にも、広く分布します。中国の南部、台湾、インドシナ半島北部にいます。これらのうち、台湾にいる個体群が、昭和の初期に、近畿地方に移入された記録があります。このため、滋賀県、京都府、大阪府に野生化している個体群は、台湾の個体群に由来すると推定されています。
 千葉県、トカラ列島、沖縄諸島、慶良間諸島、宮古列島にいるミナミイシガメは、八重山諸島の個体群と、亜種レベルで同じだとされます。もともと、八重山にいるミナミイシガメには、ヤエヤマイシガメという亜種名が付いています。このヤエヤマイシガメが、千葉やトカラ列島、沖縄、慶良間などに、移入されたのですね。
 ミナミイシガメが、各地に移入された経緯については、よくわかっていないことが多いです。千葉県やトカラ列島などにいる個体群には、ヤエヤマイシガメばかりでなく、台湾や、中国大陸に由来するものが、混じっているかも知れないといわれます。
 このように、人為的な移入のせいで、ミナミイシガメの本来の分布は、わかりにくくなってしまいました。ニホンイシガメなどの在来種にとっても、これは、災難だったでしょう。ミナミイシガメと、すみかや食べ物を奪い合うことになってしまったからです。

図鑑↓↓↓↓↓には、ミナミイシガメに近縁なニホンイシガメが掲載されています。ban_zukan.net.jpg
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 過去の記事でも、日本のカメを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
クサガメは、外来種か?(2010/12/3)
カメの腹筋? セマルハコガメ(2009/9/28)
貴重な日本の固有種、リュウキュウヤマガメ(2009/2/16)
イシガメが絶滅寸前?(2007/11/19)
スッポン(鼈)の故郷はどこ?(2007/2/23)
などです。


2015年7月 6日

ヘビを食べるヘビがいる?

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 ヘビ(蛇)には、古来、不思議な言い伝えが、いくつもありますね。手足がないのに、自在に動く姿が、不思議がられたのでしょう。純粋に生物学的に見ても、興味深い要素が、いくつもあります。その一つが、「ヘビには、偏食が多い」ことです。
 ヘビは、種によって、食べる物が、厳格に決まっていることが多いです(むろん、例外はあります)。例えば、以前、このブログで取り上げた、イワサキセダカヘビなどは、カタツムリしか食べません(超偏食のヘビ(蛇)? イワサキセダカヘビ(2006/9/24))。
 中には、ヘビを食べるヘビもいます。日本に分布する中では、イワサキワモンベニヘビが、ヘビを食べるヘビだと考えられています。「考えられています」というのは、イワサキワモンベニヘビの生態が、ほとんどわかっていないからです。
 イワサキワモンベニヘビは、ワモンベニヘビという種の中の一亜種です。ワモンベニヘビ全体としては、南アジアに広く分布します。ところが、その中のイワサキワモンベニヘビとなると、日本の石垣島と、西表島にしか、分布しません。とても珍しいヘビです。
 イワサキワモンベニヘビは、極端に個体数が少ないと考えられています。目撃されることが、非常に少ないからです。日本のヘビの中では、キクザトサワヘビや、ダンジョヒバカリに次いで、目撃が難しい(亜)種ではないでしょうか。
 このために、イワサキワモンベニヘビの生態の調査は、進んでいません。わずかな観察例の中に、他種のヘビを食べた報告があります。また、大陸に分布するワモンベニヘビが、トカゲや他種のヘビを食べると、知られています。
 イワサキワモンベニヘビには、イワサキセダカヘビと同じ「イワサキ」が付きますね。これは、同じ人物の名字から、(亜)種名が取られたためです。岩崎卓爾【いわさき たくじ】という人です。彼は、石垣島や西表島を含む八重山諸島の研究に、一生を捧げました。
 大陸のワモンベニヘビと、日本のイワサキワモンベニヘビとでは、興味深い差異が、いくつか見つかっています。台湾に分布する亜種、タイワンワモンベニヘビとも、違いがあります。研究が進めば、もっと面白いことが、わかるかも知れません。

図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、イワサキワモンベニヘビは、載っていません。かわりに、日本に分布するヘビが、十五種ほど掲載されています。ban_zukan.net.jpg
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 過去の記事でも、日本の珍しいヘビを取り上げています。また、偏食のヘビも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ウミヘビがいるなら、カワヘビもいる?(2013/8/12)
日本にも、コブラがいる?(2012/3/12)
美しい偏食ヘビ、リュウキュウアオヘビ(2009/12/14)
毒がないのに毒蛇? ヒバカリ(2007/7/15)
超偏食のヘビ(蛇)? イワサキセダカヘビ(2006/9/24)
などです。



2015年4月20日

大陸からの使者? スベトカゲの仲間たち

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 これまで、このブログでは、不思議な分布の生き物を、いくつも取り上げてきました。非常に近縁な種同士が、飛び離れた場所に分布していたりすることが、あるものです。
 今回も、そのような種を取り上げましょう。スベトカゲの仲間です。
 スベトカゲとは、爬虫類のうち、トカゲ科スベトカゲ属に属するものを指します。日本には、二種のスベトカゲが分布します。サキシマスベトカゲと、ツシマスベトカゲです。
 サキシマスベトカゲは、南西諸島の南端の八重山諸島と、それに次いで南寄りの宮古諸島に分布します。ツシマスベトカゲのほうは、対馬に分布します。なぜ、こんなに飛び離れた分布なのでしょうか? それを解く鍵は、日本国外のスベトカゲ属にあります。
 日本国外のスベトカゲ属の分布を見てみましょう。東アジアの東端地域―日本を含みます―には、三種のスベトカゲ属が分布します。そのうちの二種は、先に挙げたサキシマスベトカゲと、ツシマスベトカゲです。残りの一種が、日本国外に分布します。
 それは、タイワンスベトカゲという種です。台湾に分布します。
 タイワンスベトカゲは、サキシマスベトカゲに、とても似ています。実際、この二種は、極めて近縁だという研究結果が出ています。台湾は、八重山諸島のすぐ近くですから、このことは、何の不思議もありませんね。
 いっぽう、朝鮮半島には、ツシマスベトカゲが分布します。日本の対馬にいるものと、まったく同じ種が、分布するわけです。こちらも、対馬と朝鮮半島との地理的な近さを考えれば、不思議ではありませんね。
 何万年か前、日本列島は、ユーラシア大陸と地続きでした。八重山諸島は、台湾とつながっていました。対馬は、朝鮮半島とつながっていました。この頃に、三種のスベトカゲ属の共通の祖先が、のちに日本列島や朝鮮半島や台湾になる地域にいたのでしょう。
 日本列島が、大陸から分離した後、対馬と、南西諸島の一部にだけ、スベトカゲ属が残りました。他の地域、例えば日本本土には、なぜいないのか、わかっていません。中国の大陸部などには、スベトカゲ属が分布するのに、不思議です。
図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、スベトカゲ属のトカゲは載っていません。かわりに、日本に分布するトカゲ科のトカゲが四種ほど掲載されています。
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 過去の記事でも、不思議な分布をする生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
日本の海トカゲ? ミヤコトカゲ(2014/10/13)
アオダイショウの祖先とは?(2014/6/23)
孤高の存在? アワブキ科の植物たち(2014/6/13)
ウミヘビがいるなら、カワヘビもいる?(2013/8/12)
宮古島の生き物の謎(2013/7/1)
などです。


2015年3月24日

わくわく! 大アマゾン展

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 国立科学博物館で、楽しい展覧会が開かれています。大アマゾン展です。早速、行ってまいりました。アマゾンの動物・植物・菌類に、たっぷり会えます。
 会場の最初のコーナーには、化石がたくさんあります。古生物のコーナーなのですね。ここでの見どころは、大きな翼竜の化石や、保存状態の良い昆虫の化石です。トンボやキリギリスなど、現代の昆虫によく似た姿の化石が、見られます。
 次のコーナーからは、現生の生物たちが、紹介されています。剥製【はくせい】標本と、骨格標本とが多いです。哺乳類のコーナーでは、ぜひ、南米独自の哺乳類グループに、注目して欲しいですね。アリクイ、ナマケモノ、アルマジロたちです。
 アリクイと、ナマケモノと、アルマジロとは、かつて、貧歯目【ひんしもく】という一つのグループに、まとめられていました。現在では、二つの目【もく】に分けられています。アルマジロが被甲目【ひこうもく】、ナマケモノとアリクイとが有毛目【ゆうもうもく】です。被甲目と有毛目とは、南米大陸で独自に進化したと考えられています。
 鳥類のコーナーは、きらびやかです。インコ、ハチドリ、オオハシ、マイコドリ、タイランチョウなど、派手な種の鳥が多いからです。ここでも、南米独自のグループを、見逃さないで欲しいです。ツメバケイ、ジャノメドリ、ラッパチョウなどの鳥たちです。
 爬虫類のコーナーでは、何よりも、巨大なアナコンダに驚きます。長さ5m以上もある大蛇を、目の当たりにできる機会なんて、そうはありません。こんな大きさの生きた大蛇は、ヒトを食べることもできます。会場にあるのは、標本ですから、安心です。
 水生生物のコーナーでは、アマゾンカワイルカと、ガンジスカワイルカとの頭骨を、比較できます。同じように河に棲むイルカなのに、まるで頭骨が違います。
 植物のコーナーでは、水草が特集されています。アマゾン川の水草は、激しい水位の変動に、どのように対応するかという問題を抱えています。中には、驚くべき方法で、対応している種があります。その方法は、会場の解説を読んでみて下さい。
 御家族連れでも、カップルでも、お一人でも、春のお出かけに良い展覧会でしょう。
図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、アマゾン川流域の生物は載っていません。かわりに、日本に分布する生物が、千種以上掲載されています。ban_zukan.net.jpg
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 大アマゾン展の情報は、以下のウェブサイトにあります。
大アマゾン展 公式サイト
 過去の記事でも、南米の動植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
じつは食べられる? カンナ(2014/9/12)
ピーマンとトウガラシとは、同じ? 違う?(2014/8/8)
白鷺だけど、白くない? アマサギ(2014/4/21)
トケイソウの果実が、パッションフルーツ?(2013/8/16)
人を殺せるカエルがいる?(2013/6/3)
などです。


2015年2月 9日

海にも、ワニ(鰐)がいる?

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 海にも、爬虫類が棲むことは、多くの方が、御存知でしょう。ウミヘビや、ウミガメがいますよね。少し詳しい方なら、ガラパゴス諸島に、海に潜るトカゲ、ウミイグアナがいることも、御存知でしょう。では、海に棲むワニは、いるのでしょうか?
 います。ただし、そのワニは、海にだけ、棲むのではありません。内陸の淡水にも、棲むことがあります。主な生息域は、河口や、海の入江です。このことから、その種には、イリエワニという種名がつけられています。大型になるワニです。
 イリエワニは、とても分布域が広いです。インドなどの南アジアから、ベトナムなどの東南アジア、インドネシア、オーストラリアに分布します。こんなに分布を広げたのは、イリエワニが、「海に強い」からだと考えられています。
 イリエワニは、広い海へ出て、長い距離を泳ぎ渡ることができます。このために、海を挟んで、ある程度離れた陸にも、行き着くことができます。
 現在の日本には、野生のワニはいませんね。けれども、南西諸島の西表島や、奄美大島などに、イリエワニとおぼしきワニが、出没したという記録があります。おそらく、東南アジア方面から、海流に乗って、漂着したのでしょう。
 日本に漂着したイリエワニは、子孫を残せませんでした。もし、子孫を残していたら、現在の日本も、野生ワニの分布域となっていたはずです。
 海に強いイリエワニといえども、一生、ずっと海に棲むことは、できません。陸に上がって、休息することが必要です。また、繁殖の際には、陸の土の中に、卵を産みます。
 現在の地球には、一生、ずっと海で暮らすワニは、いません。例えば、ウミヘビには、そういう種がいます。なぜ、ワニには、そういう種がいないのでしょうか?
 化石種では、海に完全に適応したワニが見つかっています。恐竜がいた時代のことです。それらの本当の「海ワニ」たちは、四肢が鰭【ひれ】状になり、尾も、魚の尾鰭のようになっています。過去にいたのに、現在に「海ワニ」がいないのは、不思議ですね。
 イリエワニが、進化を続けたら、いつかまた、「海ワニ」が生まれるかも知れませんね。
図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながらワニは載っていません。かわりに、日本の爬虫類が三十種以上が掲載されています。
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 過去の記事でも、ワニの仲間を取り上げています。また、ワニに似てワニではない生き物も、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ワニやトカゲは、体が固い?(2014/8/25)
ワニに見えてもワニじゃない、ガーパイク(2006/9/16)
ワニはすべてが凶暴か?(2005/9/22)
などです。


2014年10月13日

日本の海トカゲ? ミヤコトカゲ

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 現在、生きているトカゲの中で、最も変わった生態の種は、何でしょうか? いろいろな意見があるでしょうが、ウミイグアナがその一種であることは、多くの人が賛成するところだと思います。海に潜って、海藻を食べるトカゲは、この種だけです。
 ウミイグアナは、世界中で、ガラパゴス諸島にしか、分布しません。他の地域には、海に潜るトカゲはいません。海辺に棲むトカゲですら、珍しいです。
 日本には、その珍しい、海辺に棲むトカゲが分布します。ミヤコトカゲという種です。
 ミヤコトカゲは、南西諸島の中の、宮古諸島(宮古島、伊良部島【いらぶじま】、来間島【くりまじま】など)にしか、分布しません。日本国内では、非常に限られた分布です。
 ところが、国外では、東南アジアや、太平洋の島々に、広く分布します。世界のトカゲの中でも、有数に広い分布域を持つ種といえます。
 ミヤコトカゲの生態は、よくわかっていません。特に、日本のミヤコトカゲは、そうです。フィリピンなど、他の地域の観察によれば、冬眠はせず、一年じゅう活動するようです。暖かい地域に棲むからでしょう。どこの地域でも、海岸の岩場に生息します。
 海岸は、棲むのに楽な所ではありません。水はすぐそばに豊富にあるものの、塩水です。日射しをさえぎるものが少なく、強烈な日射しが照りつけます。こんな所で、ミヤコトカゲは、何を食べて、どうやって生きているのでしょうか?
 彼らは、フナムシや、小型のカニを食べているようです。どちらも、確かに、海岸にはたくさんいますね。他種のトカゲと同じように、昆虫類を食べることも多いようです。
 彼らが岩場にいるのは、日射しをさえぎったり、外敵から隠れたりできる岩があるからです。岩には、彼らがひそめるだけの、適度な隙間がなければいけません。そういう岩があれば、海の波しぶきがかかるほどの所でも、生きてゆくことができます。
 日本のミヤコトカゲは、同種の中で、北限に棲むものたちです。海岸に棲むだけで珍しいのに、その点で、さらに貴重です。北限のミヤコトカゲたちは、どんな生活をしているのでしょうか? それが解明される前に、絶滅しないことを祈ります。
図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、ミヤコトカゲは載っていません。かわりに、日本のトカゲ類が、十種ほど掲載されています。
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 過去の記事でも、日本のトカゲ類を取り上げています。また、宮古島の爬虫類についても、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
プレートと一致? 日本のトカゲの分布(2013/12/30)
トカゲモドキの美人コンテスト?(2013/11/11)
宮古島の生き物の謎(2013/7/1)
北極圏にも、トカゲがいる?(2012/12/7)
小笠原諸島のトカゲたち(2011/9/26)
などです。



2014年9月24日

ホオグロヤモリ

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ホオグロヤモリ 画像
和名:ホオグロヤモリ
学名:Hemidactylus frenatus
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沖縄 嘉手納【2014.09.17】
図鑑↓↓↓↓↓には、ホオグロヤモリは掲載されています。ban_zukan.net.jpgインターネット生物図鑑-zukan.net-



2014年8月26日

知の地層、インターメディアテク

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 夏休みも、そろそろ、終わりですね。宿題が片付かなくて、焦っている方も多いのではないでしょうか?(笑) 今回は、夏休みの自由研究に役立ちそうな博物館を紹介しましょう。インターメディアテクという博物館です。
 ここは、新しい博物館です。開館して、まだ一年しか経ちません。なのに、展示物や、展示の仕方が、古めかしいです。それは、わざとそうしているのですね。ヨーロッパの歴史ある博物館を、イメージしているそうです。
 とはいえ、標本に古い物が多いのは、本当です。ここにあるのは、明治時代から、東京大学によって、集められてきた標本だからです。東京大学の総合研究博物館のコレクションが、ここで公開されています。むろん、最近の新しい標本もあります。
 展示室内では、大型の骨格標本が、目立ちます。クジラ、イルカ、オットセイ、キリン、ウマなどの骨格標本に、見下ろされます。もう少し小さいところでは、イヌ、ネコ、カピバラなどの骨格標本もあります。もっとずっと小さい、モグラ、コウモリ、ハツカネズミなどの骨格標本も、見ることができます。
 哺乳類ばかりでなく、鳥類、爬虫類、両生類、魚類の骨格標本もあります。哺乳類と鳥類と爬虫類については、剥製【はくせい】の標本も、展示されています。
 特に、鳥類の剥製標本は、充実しています。ちょうど今、「アヴェス・ヤポニカエ――日本の鳥」という特別展示が、行なわれています。この企画では、鳥の剥製標本の隣に、同種の鳥の博物画を並べて、展示しています。見比べることができるのですね。
 博物画とは、主に、十九世紀以前の時代に描かれた絵です。動物や、植物や、鉱物といった自然の産物を、可能な限り、事物に即して、正確に描きました。なぜなら、それは、自然を分類し、体系づけるための絵だったからです。科学の芽生えですね。
 日本では、明治時代になってから、本格的に科学が始まりました。でも、江戸時代以前の日本に、科学の芽がなかったわけではありません。会場にある博物画が、それを示しています。日本の科学は、長い時間に積み重ねられた、知の地層の上にあるのですね。
図鑑↓↓↓↓↓には、日本に生息する野生生物が、二千種近くも掲載されています。ban_zukan.net.jpgインターネット生物図鑑-zukan.net-


 インターメディアテクの情報は、以下の公式サイトにあります。
インターメディアテク 公式サイト


 過去の記事でも、夏休みの自由研究に役立つ博物館を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
どうする? どうなる! 外来生物(2014/7/23)
古代から現生へ、哺乳類たち(2014/7/22)
毒毒毒毒毒毒毒毒毒展【もうどくてん】(2014/7/17)
などです。


2014年8月25日

ワニやトカゲは、体が固い?

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 最近は、イヌやネコばかりでなく、変わったペットを飼う方も、増えましたね。イグアナや、フトアゴヒゲトカゲなど、爬虫類を飼う方も多いです。
 例えば、グリーンイグアナを飼う場合、良心的なペットショップで入手したのでしたら、必ず言われることがあります。それは、「将来は大きくなって、場所を取りますよ」ということです。グリーンイグアナは、大きくなると、全長1mを越えます。
 とはいえ、考えてみれば、全長1mといえば、中型犬くらいですよね。イグアナは、イヌほど活発ではありません。「そのぶん、中型犬より、スペースが要らないのでは?」と思う方も、いるでしょう。ところが、実際には、そうではありません。
 成長したグリーンイグアナのケージを用意するならば、大型犬が入れるくらいのケージが必要です。なぜなら、イグアナは、狭い場所で体を丸めたりして、器用に動きまわることができないからです。それは、イグアナの体が固いためです。
 イグアナに限らず、トカゲやワニなどの爬虫類は、哺乳類に比べると、体が固いです(ヘビは、特殊化しているので、例外です)。トカゲは、イヌやネコのように、「体をねじって、完全に後ろを振り向く」ことが、できません。それには、理由があります。
 トカゲやワニの骨格を見ると、前肢と後肢の間、胴体の全部に、肋骨が付いています。イヌやネコの骨格を見ると、胸の部分にだけ、肋骨があります。腹部には、肋骨がありません。このために、腹部がやわらかく曲がり、「体をねじる」動きができるのです。
 腹部に肋骨がないのは、哺乳類の大きな特徴です。ここは、爬虫類と哺乳類とを見分けるうえで、大きなポイントです。私たちヒトの腹部にも、肋骨はありませんね。
 哺乳類は、腹部の肋骨をなくすことで、体の柔軟性や、高い呼吸効率を手に入れました。それらは、体温が気温に左右されない、恒温動物になるために、必要な要素でした。
 爬虫類は、腹部に肋骨を持つことで、腹部の内臓を、しっかり保護しています。その代わり、体が固くて、柔軟に曲げることはできません。道理で、動きが不器用なわけです。爬虫類を飼うなら、その不器用さを受け入れて、飼う必要がありますね。

図鑑↓↓↓↓↓には、日本に分布するトカゲが、十種ほど掲載されています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-


 過去の記事でも、イグアナなどのトカゲの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
キノボリトカゲは、駆除すべき?(2010/12/31)
日本に、新種のトカゲあらわる?(2010/4/9)
エクアドルで、十二の新種を発見(2009/6/18)
ガラパゴスより、ゾウガメとイグアナの報告(2009/1/27)
新種のフィジーイグアナを発見(2008/9/23)
などです。


2014年7月23日

どうする? どうなる! 外来生物

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 最近、ニュースで、外来生物が取り上げられることが多いですね。アライグマ、カミツキガメ、ブラックバス(オオクチバスなどの総称)といった名前を、聞いたことがおありでしょう。これらは、みな、ここ数十年の間に、日本にやってきた外来生物です。
 今、外来生物が問題になっているのは、人間の手によって、急速に、大量に、生物が運ばれるからです。あまりにも急速かつ大量なので、在来の生物たちが、それに対応できません。その結果、自然環境が荒れてしまいます。人間にも、被害が出ます。
 このような外来生物の実態が、よくわかる展覧会が、開かれています。特別展「どうする? どうなる! 外来生物」です。会場は、神奈川県立生命の星・地球博物館です。
 この展覧会では、外来生物の思わぬ害についても、知ることができます。例えば、外来生物は、必ずしも、外国から来たものではないことは、御存知ですか?
 国内であっても、本来の生息地ではない場所にやってきたのなら、それは、外来生物です。北海道の生き物を九州に運んだりしては、ダメということですね。
 会場では、新たな外来生物が、次々に現われている例が、報告されています。例えば、リュウキュウベニイトトンボです。この種は、細長いイトトンボの一種です。
 リュキュウベニイトトンボは、本来、九州南部から南西諸島にかけて分布します。ところが、二〇〇六年に、突然、神奈川県で、この種が確認されました。どこから、どのようにして侵入したのかは、まだ、解明されていません。
 九州北部以北には、リュウキュウベニイトトンボと似た別種の、ベニイトトンボが分布します。ベニイトトンボは、絶滅危惧種です。もし、関東に、リュウキュウベニイトトンボが定着してしまったら、それでなくても少ないベニイトトンボの生息地が、奪われるかも知れません。リュウキュウのほうが、繁殖力が強いため、その可能性は高いです。
 ベニイトトンボとリュウキュウベニイトトンボとは、よく似ています。神奈川県以外の地方でも、「希少なベニイトトンボがいると思って喜んでいたら、リュウキュウベニイトトンボだった」ことが、あるかも知れません。身近な自然の破壊は、恐ろしいですね。
図鑑↓↓↓↓↓には、日本の在来生物が、一〇〇〇種以上掲載されています。ban_zukan.net.jpgインターネット生物図鑑-zukan.net-


 「どうする? どうなる! 外来生物」の情報は、以下のページにあります。
どうする? どうなる! 外来生物(生命の星・地球博物館の公式サイト内ページ)
 過去の記事でも、生き物関係の催しを紹介しています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
毒毒毒毒毒毒毒毒毒展【もうどくてん】(2014/7/17)

2014年7月17日

毒毒毒毒毒毒毒毒毒展【もうどくてん】

 東京、池袋のサンシャイン水族館で、面白い催しをやっています。「毒」という字を九つ並べて、「毒毒毒毒毒毒毒毒毒展」です。これで、【もうどくてん】と読むそうです。
 毒のある生物ばかりを集めて、展示しているのですね。さっそく、行ってみました。
 入ると、すぐに、ハナミノカサゴがいます。毒がある魚です。全身が縞模様で、大きな鰭【ひれ】があり、ゆったりと優雅に泳いでいます。
 ハナミノカサゴが美しいのも、ゆったり泳ぐのも、毒があるからです。派手な模様は、「毒があるぞ」と警告するためです。毒のおかげで、敵に襲われることはまずないので、速く泳ぐ必要がありません。有毒生物に、動きが遅いものが多いのは、このためです。
 会場内で、動かない点では、オニダルマオコゼが、横綱級でしょう。やはり、毒のある魚です。ハナミノカサゴと違って、華やかな外見ではありません。むしろ、ごつごつして、岩のようです。じっとしていると、海底の岩にしか見えません。
 オニダルマオコゼは、他の魚を襲って食べる肉食魚です。自分を岩のように見せるのは、獲物に気づかれないためです。毒があっても、地味な種もいるわけです。
 他に、動きの遅い毒生物としては、スローロリスがいます。これは、サルの一種です。哺乳類ですね。哺乳類で有毒なものは、少ないです。スローロリスは、肘【ひじ】の内側に、毒を出す腺を持ちます。この毒をなめ取って、全身に広げるのだそうです。
 魚類や哺乳類以外にも、たくさんの毒生物を、会場で見ることができます。アカクラゲ、ムラサキハナギンチャク(以上、刺胞【しほう】動物)、タガヤサンミナシ、ヒョウモンダコ(以上、軟体動物)、ラッパウニ、アデヤカキンコ(以上、棘皮【きょくひ】動物)、ベトナムオオムカデ、ゴライアスバードイーター(以上、節足【せっそく】動物)、ジュウジメドクアマガエル(両生類)、アメリカドクトカゲ(爬虫類)などです。
 少ないながら、有毒の植物も、展示されています。伝説的な毒植物、マンドラゴラが見られますよ。実在する植物ですが、日本で見られるのは、珍しいです。
 小規模な展示なので、サンシャイン水族館本体と合わせて見るのが、お勧めです。

図鑑↓↓↓↓↓には、ムラサキハナギンチャク、ヒョウモンダコ、ラッパウニなど日本に棲む有毒生物が掲載されています。ban_zukan.net.jpgインターネット生物図鑑-zukan.net-


 毒毒毒毒毒毒毒毒毒展【もうどくてん】については、以下のサンシャイン水族館のサイトに、案内が載っています。
 また、休日などは、混雑することもあるようです。お出かけ前に、サンシャイン水族館のツイッターを確認すると、混雑状況がわかって、便利です。

毒毒毒毒毒毒毒毒毒展【もうどくてん】~毒を持つ生き物~
サンシャイン水族館のツイッター

2014年6月23日

アオダイショウの祖先とは?

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 日本のヘビの中で、どんな種を御存知ですか? おそらく、多くの方が、アオダイショウの名を挙げるでしょう。日本では、たいへん平凡なヘビの一種ですね。
 アオダイショウは、北は北海道から、南は大隅【おおすみ】諸島にまで分布します。人家の近くでも、よく見られます。古い農家などに、棲みついていることがありますね。
 幸いなことに、アオダイショウは、現在、絶滅の危機には、ありません。けれども、世界的に見れば、珍しい種です。日本にしか、分布しないからです。日本固有種です。
 固有種のアオダイショウは、どんな種から進化したのでしょうか? これについては、大きなヒントがあります。アオダイショウと、とても近縁だと考えられている種が、日本にいるのです。それは、シュウダという種です。
 シュウダは、中国南部、台湾、日本の南西諸島に分布します。シュウダの中には、二つの亜種があります。中国南部、台湾、尖閣諸島に分布するのが、チュウゴクシュウダという亜種です。南西諸島の与那国島に分布するのが、ヨナグニシュウダです。
 アオダイショウとシュウダとには、共通する特徴があります。脅かされたりすると、悪臭のする分泌物を出すことです。これは、もちろん、敵を驚かせて、撃退するために出します。シュウダ(臭蛇)という種名は、この特徴から、付きました。
 この共通する特徴のため、シュウダは、アオダイショウの祖先に、とても近いだろうと考えられています。日本列島と大陸とがつながっていた時代に、大陸からやってきたシュウダが、のちに、日本列島に隔離されて、アオダイショウになったのかも知れません。
 とはいえ、シュウダをアオダイショウの直接の祖先とするには、証拠が足りません。一番の謎は、南西諸島の与那国島より北に、シュウダがいないことでしょう。沖縄本島のように、充分に大きく、海に沈んだことがない島にさえ、シュウダは分布しません。
 いっぽうのアオダイショウは、大隅諸島以北にしか、分布しません。与那国島と大隅諸島の間が、どちらの種もいない、空白地帯です。シュウダがアオダイショウの祖先なら、この空白は、どうしたことでしょう? 謎が解けて欲しいですね。

図鑑↓↓↓↓↓には、アオダイショウが掲載されています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-



 過去の記事でも、日本に分布するヘビを取り上げています。また、ヘビと紛らわしい爬虫類も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 過去の記事でも、薬草として用いられる植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
シロヘビ(白蛇)に会うと、福を授かる?(2013/1/14)
日本にも、コブラがいる?(2012/3/12)
ヘビ? いえ、アシナシトカゲです(2011/11/21)

美しい偏食ヘビ、リュウキュウアオヘビ(2009/12/14)
日本に、大蛇はいるか?(2008/9/26)
などです。



2014年5月29日

ニホントカゲ

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ニホントカゲ 画像
和名:ニホントカゲ
学名:Eumeces latiscutatus
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東京 町田【2014.05.04】

図鑑↓↓↓↓↓には、ニホントカゲは掲載されています。
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2014年3月23日

ホオグロヤモリ

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ホオグロヤモリ   画像
和名:ホオグロヤモリ
学名:Hemidactylus frenatus
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沖縄 嘉手納【2014.03.12】


図鑑↓↓↓↓↓には、ホオグロヤモリが掲載されています。
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2014年2月 8日

パパイヤ

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パパイヤ 画像
和名:パパイヤ
学名:Carica Papaya
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東京 新宿区【2014.01.18】




2014年1月27日

動植物名のオイランは、差別用語か?

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 クサキョウチクトウ(草夾竹桃)という植物を、御存知でしょうか? 多くの方は、聞いたことがない名前だと思います。では、フロックスという名は?
 こちらなら、聞いたことがある方が多いでしょう。フロックスは、世界各国で栽培される園芸植物です。これの正式な日本語名(標準和名)が、クサキョウチクトウなのですね。
 クサキョウチクトウという名前は、長過ぎて、覚えにくいうえに、言いにくいですね。このために、ラテン語の学名から取った、フロックスという名が、普及しました。
 「もっと短くて、覚えやすい日本語名を付ければ良かったのに」と思いますよね。じつは、昔は、そういう名前がありました。オイランソウ(花魁草)という名です。
 オイランソウという名が、使われなくなったのには、理由があります。花魁【おいらん】が、差別的な用語だから、というのです。
 そのわりには、他の植物で、花魁の名が付いた種があります。アザミの一種の、オイランアザミ(花魁薊)です。この種は、改名しようという話を、聞いたことがありません。フロックスと違って、有名でない種のために、大目に見られているのでしょう。
 動物にも、花魁の名が付いた種があります。例えば、魚類には、オイランハゼというハゼの一種がいます。オイランヨウジというヨウジウオの一種もいます。貝類には、オイランカワザンショウという巻貝の一種がいます。
 オイランの名が付く動物には、色や模様が華やかな種が多いです。そこから、花魁が連想されたのでしょう。種名を付けた人にしてみれば、特徴を適確に表わしたかっただけで、差別をするつもりなど、毛頭なかったと思います。この問題は、難しいですね。
 現在の日本では、職業としての花魁は、絶滅しました。ですから、花魁という呼び名で、差別される側の人は、いないわけです。すでに、花魁は、歴史上だけの存在です。
 このような状況では、あまり問題にしても、仕方がないのでは、と思います。やり過ぎると、言葉狩りになってしまいます。もし、改名しろと主張するなら、短くて覚えやすく、特徴を表わした代案を、示す必要があるでしょう。

図鑑↓↓↓↓↓には、日本に分布する動植物が、千種以上が掲載されています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-


 過去の記事でも、動植物の種名に関することを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
深海魚には、長い名前が多い?(2013/1/21)
トゲアリトゲナシトゲトゲの秘密(2011/6/6)
学名と標準和名とは、違う? 同じ?(2009/8/7)

トンビやオケラは、存在しない?生き物の名前の話(2008/4/11)
新しい名前で出ています――魚類の改名(2007/2/2)
などです。



2014年1月23日

キンシャチ

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キンシャチ 画像
和名:キンシャチ 
学名:Echinocactus grusonii Hildm.
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東京 新宿区【2014.01.18】



2013年12月30日

プレートと一致? 日本のトカゲの分布

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 二〇一二年に、日本で、トカゲの新種が発見されました。ヒガシニホントカゲという種です。ほとんど報道されなかったので、まだ、あまり知られていません。
 最近まで、日本の本土には、ニホントカゲという一種が、広く分布すると思われていました。ところが、そうではないことがわかったのです。ニホントカゲから、二つの種が、分離されました。オカダトカゲと、ヒガシニホントカゲとの二種です。
 この二種に、ニホントカゲを加えた三種の分布域が、とても興味深いです。人為的に分布が乱されているところもありますが、基本的には、分布域は重なっていません。
 ニホントカゲが分布するのは、西日本です。おおむね、近畿地方以西にいます。ただし、三重県や和歌山県にいるのは、ヒガシニホントカゲです。
 ヒガシニホントカゲは、東日本に分布します。前記のとおり、三重県や和歌山県にも分布します。琵琶湖あたりを西の境として、ニホントカゲと分布を分けています。
 オカダトカゲは、分布域がとても狭いです。伊豆半島と伊豆諸島にだけ分布します。
 これら三種は、外見がそっくりです。普通の人には、区別が付きません。このために、長い間、同種(ニホントカゲという一種)だと、誤解されてきました。
 三種の分布域を眺めると、不思議なことに気づきます。日本列島の地質学的な境界と、トカゲたちの分布域の境界とが、一致するように見えます。
 例えば、近畿地方で、ニホントカゲとヒガシニホントカゲとの分布を分ける境界は、一部が、中央構造線と一致します。中央構造線とは、関東地方から九州にかけて、日本を横切る巨大な断層です。なぜ、近畿地方でだけ、分布の境界が一致するのでしょうか?
 オカダトカゲの分布は、日本列島における、フィリピン海プレートの位置と一致します。日本の本土では、伊豆半島だけが、フィリピン海プレートの上にあるとされます。
 このような分布の謎は、解けていません。地質学的な境界と、完全に一致するのではない点も、気になりますね。とはいえ、このような分布の仕方は、日本列島の地質学的な成り立ちと、何らかの関係がありそうです。謎が解けるのが、楽しみですね。

図鑑↓↓↓↓↓には、ニホントカゲが掲載されています。
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 過去の記事でも、オカダトカゲや、地質学的な要素と関係がある(ように見える)生き物を取り上げています。また、不思議な分布をしている生き物を、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
フォッサ・マグナ要素の植物とは?(2012/11/2)
コウモリの分布の謎(2012/5/21)
謎多き魚、アカメ(2012/3/5)

日本に、新種のトカゲあらわる?(2010/4/9)
などです。



2013年11月28日

砂漠に生きるものたちの展覧会

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 国立科学博物館へ、行ってまいりました。話題の大恐竜展......も面白いのですが、今回、紹介するのは、別の展覧会です。「砂漠を生き抜く」という小企画展を、見てきました。
 この企画展では、砂漠に生きるヒトと、ヒト以外の動物と、植物とを紹介しています。砂漠は、御存知のとおり、ヒトが生きるには、厳しい環境ですね。とはいえ、現にそこに住む人たちは、おおぜいいます。どうやって、砂漠で生き抜いているのでしょうか?
 砂漠には、砂漠に適応した動物や植物がいます。ヒトは、それらの力を利用して生きています。動植物の力を借りなくては、ヒトは、砂漠で生きることはできません。
 砂漠の動物で、最も有名なのは、ラクダでしょう。企画展の会場には、入口に、大きなヒトコブラクダの剥製【はくせい】標本があります。ヒトコブラクダは、北アフリカから西アジアにかけて、砂漠で使われているラクダの一種です。
 会場では、ヒトコブラクダが、砂漠でどれほど役立つ動物なのか、紹介されています。砂漠と隣接した海でも、ラクダが使われることがあります。「海にラクダ」なんて、想像がつかない組み合わせですね? どのように使われるのかは、ぜひ、会場で見て下さい。
 砂漠の植物で、有名なのは、サボテンでしょう。けれども、この会場には、サボテンは登場しません。サボテンは、南北アメリカ大陸の植物だからです。この企画展で取り上げられるのは、アルジェリア、エジプト、スーダンなどの、北アフリカの国々です。
 北アフリカから西アジアにかけての地域で、砂漠で役立つ植物といえば、何と言ってもナツメヤシです。非常に古くから--五千年以上前から--栽培されています。
 ナツメヤシは、果実も、葉も、繊維も、木材も、すべて人間に役立ちます。ナツメヤシという種名は、「ナツメのような形の果実が実るヤシ」という意味です。主に、この果実が、食用にされます。果実の違いによって、何千もの品種があります。
 会場では、この他にも、何種もの動植物が紹介されています。ハムスター、ガゼル、トゲオアガマ、モロコシ(ソルガム)、メスキートなどです。日本人には、馴染みのない動植物が多いですね。どんな動植物なのか、会場で確かめてみて下さい。

図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、砂漠の生き物は、載っていません。かわりに、日本の動植物が、何百種もが掲載されています。
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 企画展「砂漠を生き抜く」については、以下のページに情報があります。
砂漠を生き抜く --人間・動物・植物の知恵--(国立科学博物館の公式サイト内ページ)

2013年11月11日

トカゲモドキの美人コンテスト?

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 以前、このブログで、トカゲモドキという爬虫類を紹介しましたね(トカゲモドキとはどんな生き物?(2006/12/29))。その時に紹介したとおり、トカゲモドキとは、トカゲの中でも、ヤモリに近いグループです。普通のトカゲと、ヤモリとの中間に当たります。
 トカゲモドキには、いくつか、ヤモリと共通する特徴があります。その特徴の一つが、「尾に栄養をためる」ことです。ラクダのこぶと同じ働きを、尾がするのですね。
 ヤモリの仲間(ヤモリ科の爬虫類)は、すべての種が、尾に栄養をためるわけではありません。ためない種もいます。ためる種は、健康状態が良い時には、尾が太いです。
 トカゲモドキの仲間(トカゲモドキ科の爬虫類)は、ほぼ全種が、尾に栄養をためるようです。トカゲモドキの尾を見て、ころころと太ければ、そのトカゲモドキは、栄養状態が良く、健康である率が高いです。尾がスマートなのは、良い状態ではありません。
 近年、ヒトの世界では、スマートなのが美人とされますね。でも、トカゲモドキの世界では、スマートなのは、栄養が足りない証拠です。美しいとは、されないでしょう。
 トカゲモドキの世界に、美人コンテストがあったなら、ぽっちゃりさんこそが、美人(美トカゲモドキ)とされるでしょう。「尾が太い」は、褒め言葉のはずです。
 トカゲモドキの仲間は、爬虫類好きの人たちに、よく、ペットにされます。ヒョウモントカゲモドキという種が、ペットとして有名です。この種は、ヒョウ(豹)に似た文様が、美しいです。人工繁殖の方法が確立していて、多くの個体が、流通しています。
 ヒョウモントカゲモドキのように、野生個体を捕まえる必要がない種であれば、ペットにしてみるのも、いいと思います。その場合は、尾の太い個体を選びましょう。
 ただし、トカゲモドキの仲間を、むやみに飼うのは、感心しません。この仲間には、絶滅の危機にある種が、多いからです。例えば、日本にいるクロイワトカゲモドキも、そうです。この種は、日本の沖縄や奄美諸島に分布します。捕獲は、禁止されています。
 絶滅しそうな種をペットにするのは、犯罪に等しい行為です。トカゲモドキを身近に置きたければ、ヒョウモントカゲモドキで、充分に面白いです。

図鑑↓↓↓↓↓には、クロイワトカゲモドキが掲載されています。
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 過去の記事でも、トカゲモドキや、ヤモリの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ホオグロヤモリは、国際派?(2011/5/23)
パプア・ニューギニアで、五十以上の新種を発見か?(2009/3/27)
雌(メス)しかいないトカゲがいる?(2007/3/6)
トカゲモドキとはどんな生き物?(2006/12/29)
夏鳥か、冬鳥か? シメ(2010/3/1)
などです。


2013年8月12日

ウミヘビがいるなら、カワヘビもいる?

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 海にもヘビが棲むことは、知られていますね。ウミヘビと呼ばれるヘビがいます。
 では、川などの、淡水に棲むヘビはいるのでしょうか? います。ただし、カワヘビと呼ばれる種は、いません。「○○ミズヘビ」という種名のものが、多いです。
 「○○ミズヘビ」という種は、多くが、ナミヘビ科ミズヘビ属に属します。ナミヘビ科では、他の属―ミズベヘビ属など―にも、「○○ミズヘビ」という種名の種がいます。属が違っても、「淡水に棲む」生態が似るために、このような種名が付きました。
 日本には、「○○ミズヘビ」という種名のヘビは、いません。かといって、淡水に棲むヘビが、いないわけではありません。日本に分布するヘビの中では、唯一、ほぼ完全な淡水性と考えられている種がいます。キクザトサワヘビという種です。
 キクザトサワヘビは、ナミヘビ科サワヘビ属に属します。この属のヘビは、山地の渓流に棲むために、サワ(沢)ヘビと呼ばれるようになりました。キクザトサワヘビも、ほとんどの時間を、沢の水中で過ごすと考えられています。
 日本のヘビの中で、キクザトサワヘビは、最も珍しい種だといわれます。非常に分布が限られているからです。世界じゅうで、日本の南西諸島の久米島にしか、分布しません。世界的に見ても、たいへん珍しい種です。
 ナミヘビ科サワヘビ属のうち、日本に分布するのは、キクザトサワヘビ一種だけです。同じサワヘビ属の種は、中国南部や、東南アジアに分布します。なぜ、キクザトサワヘビだけが、飛び離れて久米島に分布するのかは、わかっていません。
 キクザトサワヘビは、生態も、わかっていないことが多いです。何を食べるのかも、はっきりしません。観察された例では、クメジマサワガニなどの稚ガニを食べるようです。他に、水生昆虫や、カエルの幼生(おたまじゃくし)なども食べると推測されています。
 この種の生態が不明なのは、個体数が少ないことに、大きな原因があります。特異な環境に棲むため、もともと、少なかったと考えられます。加えて、近年では、生息環境の破壊が懸念されています。貴重なヘビを、絶滅させたくはありませんね。
図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、キクザトサワヘビは載っていません。そのかわり、日本のヘビが、十五が掲載されています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-

過去の記事でも、ヘビの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ヘビは、耳が聞こえないとは、本当か?(2013/06/17)
ヘビは、暗闇でも眼が見える?(2013/03/18)
シロヘビ(白蛇)に会うと、福を授かる?(2013/01/14)
日本にも、コブラがいる?(2012/03/12)
美しい偏食ヘビ、リュウキュウアオヘビ(2009/12/14)
などです。
 

2013年7月 1日

宮古島の生き物の謎

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 南西諸島に、毒ヘビのハブがいることは、多くの方が御存知でしょう。でも、すべての島に、ハブがいるわけではありません。いる島と、いない島とがあります。
 例えば、宮古島をはじめとする宮古諸島には、ハブは分布しません。宮古諸島は、沖縄本島を中心とした沖縄諸島と、石垣島や西表島を含む八重山諸島とに挟まれています。
 沖縄諸島には、ハブ―ホンハブとも呼ばれます―が分布します。八重山諸島には、ホンハブに近縁なサキシマハブが分布します。なのに、間にある宮古諸島には、ホンハブも、サキシマハブも、分布しません。なぜでしょうか?
 これは、南西諸島の成り立ちに関係があると考えられています。以前、このブログで、これについて触れましたね(ハブが知る? 南西諸島の成立の秘密(2010/11/5))。
 宮古諸島は、過去に、海に沈んでいたことがあるとされます。海面が、現在より高かった時期が、あったのですね。宮古島などは、全体的に標高が低いため、完全に水没したのではといわれます。その時期に、ハブの仲間が絶滅したのだろうというわけです。
 ところが、この説では、説明できないことがあります。宮古島には、ミヤコカナヘビ、ミヤコヒバァ、ミヤコサワガニなどの生き物が、分布することです。
 ミヤコカナヘビは、ヘビと付いても、ヘビではありません。トカゲの一種です。世界中で、宮古諸島にしか分布しない、固有種です。緑色をした、細長いトカゲです。
 ミヤコヒバァは、ヘビの一種です。ハブの仲間と違って、毒は持ちません。細くて、黒っぽくて、小柄なヘビです。宮古島の固有種です。
 ミヤコサワガニも、やはり、世界中で、宮古島にしかいない種です。陸の淡水域に棲む、サワガニの一種です。前の二種と同じく、自力で海を渡ることは、できません。
 島が水没したことで、(海を渡れない)ハブの仲間が絶滅したのなら、これらの生き物も、絶滅するはずですよね? 実際には、ハブの仲間だけが、いません。
 この謎は、いまだに、解けていません。ハブの仲間と、例えば同じヘビのミヤコヒバァとの運命を分けたのは、何でしょう? 研究成果が、待ち遠しいですね。図鑑↓↓↓↓↓には、ハブ(ホンハブ)やサキシマハブが掲載されています。
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過去の記事でも、南西諸島に分布するヘビを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ハタが、絶滅の危機に?(2012/09/10)ハタが、絶滅の危機に?(2012/09/10)
小笠原諸島のトカゲたち(2011/09/26)
大陸とのつながりを示す? ナミエガエル(2011/06/27)
アンモナイトが生きている?(2011/05/30)
日本の本土にも、ヤマネコがいた?(2011/04/04)
などです。

2013年6月17日

ヘビは、耳が聞こえないとは、本当か?

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 ヘビ(蛇)には、いろいろな言い伝えがありますね。それらの中には、迷信じみたものも、少なくありません。今回は、そのような言い伝えを取り上げてみましょう。
 「ヘビは、耳が聞こえない」といわれることがあります。これは、本当ではありません。ヘビには、ちゃんと耳があり、音を聞くことができます。
 「ヘビは、空中の音は聞こえない。地面の振動だけがわかる」といわれることもあります。確かに、以前は、このように信じられていました。「ヘビは、下顎【したあご】を地面に付けて、その顎でもって、地面の振動を感じとる」と考えられていました。
 けれども、これも、本当ではありません。ヘビは、空中の音も、聞くことができます。
 ヘビには、一見、耳があるようには見えませんね。そのために、このような言い伝えが生まれたのでしょう。ヘビの耳(聴覚器官)は、外から見えないところにあります。
 ヘビの耳は、ヒトのような哺乳類の耳とは、仕組みが違います。耳たぶも、鼓膜【こまく】もありません。頭部に、内耳【ないじ】という、内部器官だけがあります。
 ヒトの耳は、鼓膜が振動することによって、音を感じますね。鼓膜なしに、ヘビは、どうやって音を聞くのでしょうか? 皮膚に当たる音を、聞いています。頭部の皮膚から筋肉へ、筋肉から骨へ、骨から内耳へと、音が伝わります。
 つまり、ヘビは、皮膚で音を聞いています。皮膚は、ヘビの全身を覆っていますね。それなら、ヘビは、頭部だけでなく、全身で音を聞けるのでしょうか?
 これは、あながち、間違いではないかも知れません。「ヘビが音を体で受けると、肺が振動して、音の受信機の役割を果たす」という研究結果があります。ヘビは、肺でも、音を聞いている可能性があるわけです。びっくりですね。
 すべてのヘビが、このように肺を使っているとは、限りません。肺から内耳へと、どうやって音を伝えているのかも、わかっていません。聴覚細胞があるのは、内耳ですから、内耳に音が伝わらなければ、音として知覚することはできません。
 知れば知るほど、ヘビの神秘性は、薄れるどころか、増してゆくようです。図鑑↓↓↓↓↓には、日本に分布するヘビが、十種以上が掲載されています。
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過去の記事でも、ヘビを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ヘビは、暗闇でも眼が見える?(2013/03/18)
シロヘビ(白蛇)に会うと、福を授かる?(2013/01/14)
日本にも、コブラがいる?(2012/03/12)
ウミヘビ(海蛇)は、魚? 爬虫類?(2011/04/18)
ハブが知る? 南西諸島の成立の秘密(2010/11/05)
などです。

2013年5月 9日

ニホンカナヘビ

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日光浴をしていました。ニホンカナヘビ 画像
和名:ニホンカナヘビ
学名:Takydromus tachydromoides
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東京 新宿【2013.04.23】


図鑑↓↓↓↓↓には、ニホンカナヘビが掲載されています。
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2013年3月18日

ヘビは、暗闇でも眼が見える?

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 ヘビは、不気味だと言われることが多い生き物ですね。まるで、超能力を持つかのように言われることもあります。
 例えば、米国には、「ヘビは、獲物に催眠術をかける」という言い伝えがあります。日本の言い回しでも、「ヘビに見込まれたカエルのよう」というのがありますね。
 残念ながら、これらの言い伝えは、本当だとは確認されていません。
 ヘビは、じっと動かずに、獲物を待ち伏せるのが、得意です(ヘビの種にもよります)。単純に、獲物のほうが、ヘビの存在に気づかない場合が多いのでしょう。
 とはいえ、ヒトから見れば、「超能力のように見える」能力を、ヘビが持つこともあります。ピット器官などが、その例です。ヒトが持たない器官です。
 すべてのヘビが、ピット器官を持つわけではありません。クサリヘビ科マムシ亜科、ニシキヘビ科、ボア科ボア亜科に属する種だけが持ちます。
 ピット器官のある場所は、ヘビの顔です。位置は、種によって違います。日本のマムシの場合は、上あごの、眼と鼻の間くらいの位置にあります。小さなくぼみですので、目立ちません。鼻の穴と間違われることもあります。
 ピット器官は、簡単に言えば、「熱センサー」です。赤外線を感知する器官です。
 赤外線は、多くの生物の眼には、見えません。けれども、ピット器官を持つヘビは、赤外線を「見て」います。これには、どんな利益があるのでしょうか?
 周囲より、高い温度を持つもの(熱を出すもの)は、赤外線を出しています。自然界で、熱を出すものと言えば、動物ですね。とりわけ、鳥類や哺乳類は、一年じゅう、体温が高いです。そのような生き物は、ピット器官によって、見つけられやすいです。
 ピット器官のおかげで、ヘビは、暗闇でも、獲物を見つけることができます。暗くても、熱があれば、赤外線が出るからです。夜行性の種には、特に、役立つ器官でしょう。
 暗闇で、獲物に狙いを定められるのは、ヒトにとっては「超能力」ですね。それは、眼で見ているのではなく、ピット器官の能力です。
図鑑↓↓↓↓↓には、ニホンマムシ、ハブ、サキシマハブなどの、ピット器官を持つヘビが掲載されています。
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過去の記事でも、ヘビの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
シロヘビ(白蛇)に会うと、福を授かる?(2013/01/14)
日本にも、コブラがいる?(2012/03/12)
ウミヘビ(海蛇)は、魚? 爬虫類?(2011/04/18)
ハブが知る? 南西諸島の成立の秘密(2010/11/05)
虹色に輝く? タカチホヘビ(2010/06/07)
などです。











2013年1月14日

シロヘビ(白蛇)に会うと、福を授かる?

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 二〇一三年は、巳年ですね。それにちなんで、今回は、ヘビの話をしましょう。
 ヘビは、「姿が気味悪い」といって、多くの人に嫌われます。けれども、一方では、ヘビを「縁起の良いもの」とする考えもありますね。
 少し前まで、日本各地で、ヘビを家の守り神とする信仰がありました。特に、大きな農家などでは、大きなヘビが家に住みつくことを、むしろ歓迎することもありました。米などを食い荒らすネズミを、食べてくれるからです。
 人家によく棲むヘビとして、アオダイショウがあります。アオダイショウは、ネズミが好物です。しかも、毒ヘビではありません。これなら、歓迎されるわけですね。
 アオダイショウの中に、シロヘビと呼ばれるものがいます。名のとおり、体色が白いヘビです。色が違うだけで、種としては、普通のアオダイショウと同じです。
 正確には、シロヘビは、「色が白い」のではなくて、「色素がない」状態です。このように、生まれつき色素がない個体は、ヘビ以外の動物にも現われます。アルビノと呼ばれる個体です。アルビノの個体は、眼の色素もないため、血液の色で、眼が赤いです。
 シロヘビは、今でも、「神さまのお使い」と見なす地方が多いようです。ヘビに限らず、白い動物は、美しく、神々しく見えるからでしょう。
 地方によっては、シロヘビを「弁才天のお使い」とします。これには、複雑な事情があります。もともとの弁才天は、ヘビとのつながりはなかったようです。
 日本の中世になって、弁才天は、宇賀神【うがじん】という神さまと同じだとされるようになります。この宇賀神が、ヘビの姿をした神さまなのです。
 弁才天と、宇賀神とが結びつけられた理由は、わかりません。でも、これにより、ヘビ、中でも、白くて美しいヘビが、弁才天のお使いとされるようになりました。
 アルビノの個体は、野生で生き残るのは難しいです。目立つからですね。私たちが見られるのは、運よく生き残ったものです。そういう意味では、シロヘビは、確かに、縁起が良い生き物です。その福を、分けてもらいたいですね。

図鑑↓↓↓↓↓には、アオダイショウなど、日本に分布するヘビが、一〇種以上が掲載されています。
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 過去の記事でも、ヘビの仲間を取り上げています。また、ヘビと紛らわしい爬虫類も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
日本にも、コブラがいる?(2012/03/12)
ヘビ? いえ、アシナシトカゲです(2011/11/21)
美しい偏食ヘビ、リュウキュウアオヘビ(2009/12/14)
日本の「まだらの紐【ひも】」は、無害です(2009/05/22)
日本に、大蛇はいるか?(2008/09/26)
などです。

2012年12月 7日

北極圏にも、トカゲがいる?

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 爬虫類が寒さに弱いのは、皆さん、御存知でしょう。その証拠に、爬虫類が、一番多く棲むのは、熱帯地方です。熱帯から、温帯、寒帯、と、寒い地方へ行くにつれ、数が少なくなります。北極や南極には、爬虫類なんて、いなさそうですね。
 南極圏には、確かに、爬虫類はいません。ところが、北極圏には、います。もちろん、数は多くありません。ごく限られた種だけが、北極圏に棲みます。
 北極圏に棲む爬虫類で、有名なのは、コモチカナヘビでしょう。ヘビと名がついても、ヘビではありません。トカゲの一種です。ちゃんと脚があります。
 コモチカナヘビは、とても分布域が広い種です。ユーラシア大陸の北部に、広く分布します。北極圏の北ヨーロッパから、島国のイギリスやアイルランド、日本の北海道、ロシアのサハリンにまで、います。世界で、最も分布域が広いトカゲといわれます。
 なぜ、コモチカナヘビは、こんなに分布を広げられたのでしょうか? その秘密は、彼らの繁殖方法にある、と考えられています。
 普通の爬虫類は、卵を産みますね。コモチカナヘビは、卵ではなく、直接、子供を産みます。このために、「子持ち」カナヘビという種名が付きました。
 爬虫類にとって、寒冷地で卵を産むことは、とても不利です。爬虫類は、基本的に、「親が卵を温める」ことができないからです。変温動物だからですね。
 温めなければ、卵は、孵化【ふか】しません。これが温暖な地であれば、トカゲ類の卵は、通常、土の中に産まれます。地熱で温められて、孵化します。
 けれども、寒冷地では、地熱などで温められることが、期待できません。このため、体内で卵を孵化させて、子供の状態で産むようになったのでしょう。
 親のコモチカナヘビは、日光浴をすることで、体温を、高く保っています。
 コモチカナヘビの中でも、一部には、卵を産むものがいます。それは、北極圏のような寒冷地ではなく、温暖な地方に棲むものです。これが、もともとのコモチカナヘビの姿でしょう。寒さに適応して、北極圏にまで進出してしまうなんて、すごいですね。
図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、コモチカナヘビは載っていません。かわりに、コモチカナヘビに近縁なニホンカナヘビが掲載されています。
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過去の記事でも、卵ではなく、子供を産む爬虫類を取り上げています。また、コモチカナヘビと近縁なカナヘビ類を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ヘビと付くのに蛇じゃない、カナヘビ(2008/04/18)
マムシは「出産」する?(2007/08/31)
アオカナヘビの寿命は?(2006/10/10)

などです。

2012年8月 1日

ミシシッピーアカミミガメ

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ミシシッピーアカミミガメ 画像
和名:ミシシッピーアカミミガメ
学名:rachemys scripta elegans
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沖縄 中頭郡【2012.06.02】


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2012年6月 2日

ミシシピーアカミミガメ

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ミシシピーアカミミガメ 画像
和名:ミシシピーアカミミガメ
学名:achemys scripta elegans
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沖縄 豊見城【2012.05.11】


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2012年4月23日

固有生物の宝庫、対馬【つしま】

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 日本の中では、南西諸島や小笠原諸島が、固有生物が多いことで知られますね。他にも、固有生物が多い地域があります。例えば、対馬がそうです。
 対馬といえば、ツシマヤマネコが有名ですね。確かに、ツシマヤマネコは、世界じゅうで、対馬にしかいません。希少な生物です。事実上、対馬の自然を代表する存在です。
 けれども、ツシマヤマネコだけが、対馬の希少な生物ではありません。他にも、たくさんの固有種や、固有亜種がいます。
 固有種の例としては、ツシママムシがいます。ヘビの一種ですね。日本本土にいるマムシと近縁で、姿も似ています。でも、別種です。世界じゅうで、対馬にしかいない固有種です。幸いなことに、個体数は、それほど少なくないと推測されています。
 両生類のツシマアカガエルも、対馬の固有種です。カエルの一種です。興味深いことに、対馬には、よく似た別種のアカガエルもいます。チョウセンヤマアカガエルです。この種は、名のとおり、朝鮮半島に分布します。日本国内では、対馬にしか、分布しません。
 チョウセンヤマアカガエルのように、対馬には、朝鮮半島と共通した生物が多くいます。地理的に近いからですね。日本列島と朝鮮半島との関係を探るうえで、重要です。
 鳥類の場合は、朝鮮半島や、中国大陸と共通した種が、ことに多いです。鳥類は、空を飛べるからでしょう。移動能力が高いのですね。このため、「島に隔離されて、別種に進化する」ことが少ないと考えられます。
 種のレベルでは同じでも、亜種のレベルで違う例が、鳥類では、よく見られます。例えば、ハシブトガラスの亜種のチョウセンハシブトガラスなどです。チョウセンハシブトガラスは、国内では、対馬の固有亜種です。国外では、朝鮮半島に分布します。
 対馬は、渡り鳥の渡来地としても、重要です。大陸と日本とをつなぐ、飛び石のような位置にあるからです。ミヤマホオジロのように、対馬を繁殖地にする渡り鳥もいます。
 南西諸島に比べると、対馬は、その重要性が、認知されているとはいえません。このように、貴重な生物がいるのですから、もっと重視されるべきだと思いますね。
図鑑↓↓↓↓↓には、対馬に分布するツシマヤマネコ、ミヤマホオジロが掲載されています。
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過去の記事でも、対馬の生物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
竜の胆【きも】が薬になる? リンドウ(2011/12/08)※対馬には、大陸と同じ亜種トウリンドウが分布します。
天然記念物なのに、絶滅しそうなのは、なぜ?(2010/02/08)
この木なんの木、ナンジャモンジャの木?(2009/05/29)
冬に黄色くなる? テン(貂)の謎(2008/12/15)
ツシマヤマネコの撮影に成功、対馬の下島【しもじま】にて(2007/05/10)
などです。

2012年3月31日

ミシシッピーアカミミガメ

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ミシシッピーアカミミガメ 画像
和名:ミシシッピーアカミミガメ
学名:rachemys scripta elegans
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左は、アカミミガメに見えない。クサガメでしょうか?。

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東京 新宿【2012.03.15】

図鑑↓↓↓↓↓には、クサガメが掲載されています。
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2012年3月12日

日本にも、コブラがいる?

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 コブラと聞いて、皆さんは、どんなものを思い浮かべますか? 「毒ヘビ」という印象の方が、多いでしょう。それは、正しいです。コブラ科に属するヘビは、ほぼ例外なく、強い毒を持ちます。でも、すべてのコブラ科の種が、危険なわけではありません。
 毒が弱かったり、性格がおとなしかったりすれば、事実上、無害です。コブラ科には、そのような種も、たくさんいます。
 コブラといえば、首の回りを、平たく広げる姿が有名ですね。あれは、威嚇する姿です。あのようにして脅すことで、コブラは、咬まずに敵を撃退しようとします。
 毒ヘビといえども、やたらに咬みつきたいわけではありません。咬まずに済ませられるならば、そうしたいはずです。なぜなら、毒を無駄使いしないためです。
 毒を作るのには、コストがかかります。毒のぶん、多くの物を食べなければなりません。自然界では、それは、大変なことです。
 コブラ科には、首の回りを広げない種もいます。例えば、サンゴヘビ―英語で、coral snake―と呼ばれるグループです。「サンゴ」の名のとおり、彼らは、鮮やかな色彩を持ちます。その色彩が、威嚇になっているのですね。「毒があるぞ」と、警告しています。
 じつは、日本に、このサンゴヘビの仲間がいます。南西諸島に、二種ほど分布します。
 中に、ヒャンという種がいます。面白い種名ですね。冗談みたいな名ですが、正式な日本語名(標準和名)です。奄美大島の方言で、「日照り」という意味だそうです。このヘビが現われると、日照りになるという言い伝えがあるようです。
 ヒャンは、三つの亜種に分かれています。ヒャン以外に、ハイ、クメジマハイという亜種がいます。それぞれ、独特の模様があります。三亜種とも、オレンジの地色で、美しいです。この美しさで、有毒なことを警告しています。
 とはいえ、三亜種とも、おとなしいヘビです。ほとんど害はありません。そもそも、目撃されることが、珍しいと聞きます。このために、生態がわかっていません。知らないうちに、彼らの生活環境を破壊することが、なければいいと思います。
図鑑↓↓↓↓↓には、ヒャンやハイやクメジマハイは載っていません。そのかわり、日本に分布するヘビが、十種以上が掲載されています。
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過去の記事でも、有毒なヘビを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ウミヘビ(海蛇)は、危険な毒蛇か?(2008/08/22)
マムシは「出産」する?(2007/08/31)
ヤマカガシの毒はガマガエル(ヒキガエル)から?(2007/01/31)
ウミヘビ(海蛇)は龍神の使い?(2006/10/30)
ハブはなぜ危険か?(2005/12/02)
などです。

2012年1月31日

カメラマンは鳥!? バイオロギング展

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 東京の上野にある、国立科学博物館に、行ってまいりました。現在、ここでは、「動物目線の行動学 バイオロギング」という企画展が開かれています。
 バイオロギングとは、聞き慣れない言葉ですね。これは、最近、作られた言葉です。バイオbio=生き物、ロギングlogging=記録すること、という意味です。ヒト以外の生き物が、自分の行動を、自ら記録することです。なぜ、そんなことができるんでしょうか?
 もちろん、これには、人間が関わっています。生き物を研究する手段の一つとして、出てきました。具体的な例を挙げてみましょう。
 マユグロアホウドリという鳥がいます。名のとおり、アホウドリの一種の海鳥です。
 マユグロアホウドリには、謎がありました。それは、彼らの食べ物のことです。
 海鳥の彼らは、当然、海の魚などを食べています。これまでの調査で、彼らの食べ物には、深海魚が含まれることがわかっていました。
 ところが、マユグロアホウドリは、深海魚が獲れるほど、深く潜ることはできません。なのに、なぜ、深海魚を得られるのでしょうか?
 この謎を解くために、バイオロギングが使われました。マユグロアホウドリの背中に、小型のカメラを取り付けたのです。このカメラは、自動的に、写真を撮り続けられるようになっていました。つまり、「鳥目線」で見た世界を、写した写真です。
 数日後、カメラが回収されました。撮られた写真を調べると、中に、複数のマユグロアホウドリが、シャチを追って飛んでいる写真がありました。
 これにより、マユグロアホウドリが食べ物を得るのに、シャチを利用しているらしいことが、わかりました。シャチは、深海まで潜ることができます。そこで、深海魚を捕まえます。獲物を食べるのは、海面近くに浮上してからです。
 シャチが、海面近くで食べ散らかした深海魚を、マユグロアホウドリが取ってゆくのだろうと考えられています。バイオロギングのおかげで、初めてわかったことです。バイオロギング展に行くと、このような興味深い例を、いくつも見ることができます。

図鑑↓↓↓↓↓には、バイオロギング展で紹介されているシャチ、マンボウ、カブトガニなどが掲載されています。
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国立科学博物館のバイオロギング展のページ


過去の記事でも、生き物に関する博物館の展示を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
世界のクジラ模型展(2012/1/18)


2011年11月21日

ヘビ? いえ、アシナシトカゲです

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 「爬虫類で、脚のないもの、何だ?」と訊かれたら、何と答えますか? きっと、誰もが、「ヘビ」と答えるでしょう。それは正しいです。けれども、「完全な答え」とは言えません。ヘビ以外にも、脚のない爬虫類が、存在するからです。
 たいていの方は、驚くでしょうね。「爬虫類の中で、脚のないものをヘビと呼ぶ」と思っている方が、ほとんどでしょう。じつは、違います。
 トカゲの仲間にも、脚のないものがいます。それも、一種ではなく、何百種もいます。
 有名なのは、アシナシトカゲの仲間です。アシナシトカゲとは、アシナシトカゲ科に属する種の総称です(分類には、異説もあります)。日本にいる普通のトカゲと、そんなに遠縁ではありません。よく知られるのは、ヨーロッパアシナシトカゲという種です。
 ヒレアシトカゲ科というグループもあります。この仲間も、ぱっと見た限りでは、脚がないように見えます。よく観察すると、退化した後ろ脚が、ひれ状に体に付いています。このために、「ヒレアシ」トカゲと名づけられました。
 ヒレアシトカゲ科は、ヤモリ科に近縁だとされます。「鳴き声を出す」など、ヤモリ科と、共通する特徴があるからです。普通に日本にいるヤモリとも、比較的、近縁です。
 ミミズトカゲというグループもいます。このグループは、厳密には、トカゲでも、ヘビでもありません。ミミズトカゲ亜目【あもく】という名でまとめられています。分類学では、「科」よりも、「亜目」のほうが、上位のグループです。
 互いに近縁でないトカゲのあいだで、なぜ、「脚がない」という共通の特徴が表われるのでしょうか? これについては、わかっていません。
 脚がないトカゲの種は、ほぼ全世界に分布しています。世界的に見れば、珍しくないのですね。ところが、日本には、脚がないトカゲは、一種も分布しません。このために、日本人には、脚がないトカゲは、馴染みがありません。
 なぜ、日本には、脚のないトカゲがいないのでしょうか? これも、わかっていません。もしも日本にいたら、伝説のツチノコのようだったかも知れませんね。

図鑑↓↓↓↓↓には、脚のないトカゲは載っていませんが、日本に分布するトカゲのうち、九種が掲載されています。
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過去の記事でも、トカゲの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ホオグロヤモリは、国際派?(2011/05/23)
キノボリトカゲは、駆除すべき?(2010/12/31)
日本に、新種のトカゲあらわる?(2010/04/09)
日本最大のトカゲとは?(2009/08/14)
コモドオオトカゲは、有毒だった?(2009/05/21)
などです。

2011年9月26日

小笠原諸島のトカゲたち

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 今年、二〇一一年に、日本の小笠原諸島が、世界遺産に登録されましたね。小笠原諸島には、素晴らしい自然環境があるからです。今回は、そこの生き物たちから、二種を紹介しましょう。どちらも、日本国内では、珍しい種の爬虫類です。
 小笠原諸島には、トカゲの仲間が、何種か分布します。有名なのは、オガサワラトカゲと、オガサワラヤモリでしょう。この二種は、名が似ていても、実態は違います。
 オガサワラトカゲのほうは、小笠原の固有亜種だとされます。「亜種」という点に、ご注目下さい。オガサワラトカゲは、ボウトンヘビメトカゲという種の亜種だといわれてきました。ボウトンヘビメトカゲは、太平洋の島々に、広く分布する種です。
 ところが、「オガサワラトカゲは、ボウトンヘビメトカゲとは別種だ」という意見が出てきました。だとすれば、オガサワラトカゲは、小笠原の固有種ということになります。
 いっぽう、オガサワラヤモリのほうは、小笠原の固有種でも、固有亜種でもありません。日本国内では、沖縄諸島や大東諸島にも分布します。世界的には、太平洋やインド洋の島々に、広く分布します。中米や南米にまで、分布を広げています。
 オガサワラヤモリの分布が、こんなに広いのには、理由があります。それは、彼ら(彼女ら)の繁殖方法によります。これについては、以前、ここのブログで取り上げました(雌(メス)しかいないトカゲがいる?(2007/03/06))。
 オガサワラヤモリは、特異な繁殖方法を生かして、今なお、分布を広げ続けています。小笠原でも、世界の他の地域でも、絶滅しそうだという話は、聞きません。
 対して、オガサワラトカゲは、絶滅が危ぶまれています。彼らが独立種だとすれば、そもそも、分布域が、とても狭いです。小笠原諸島が、唯一の分布域です。
 世界遺産になったとはいえ、小笠原は、自然の楽園ではありません。近年は、外来種の問題が大きいです。クマネズミや、グリーンアノールなどの外来種が、在来種を脅かしています。外来種が来た島では、オガサワラトカゲの数が、大きく減ったといわれます。
 世界遺産は、登録して終わりではなく、私たちの手で、守り続けなければなりませんね。


図鑑↓↓↓↓↓には、オガサワラトカゲとオガサワラヤモリが掲載されています。
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過去の記事でも、小笠原諸島の生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
海中のオブジェ? パイプウニ(2007/11/16)
メグロはメジロと仲良し?(2007/11/12)
大洋に生きるオガサワラトカゲ(2007/11/9)
ヤシ? いいえシダの木です。マルハチ(2007/11/02)
雌(メス)しかいないトカゲがいる?(2007/03/06)
などです。

2011年5月23日

ホオグロヤモリは、国際派?

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 生き物の中には、分布が広い種も、狭い種もいます。メディアで話題になるのは、分布が狭い種が多いですね。単純に、珍しいからです。けれども、分布が広い種の生態が面白くないかといえば、もちろん、そんなことはありません。
 今回は、分布が広い種を取り上げてみましょう。ホオグロヤモリです。
 ホオグロヤモリは、爬虫類のヤモリの一種です。有鱗目【ゆうりんもく】ヤモリ科ナキヤモリ属に属します。世界中の熱帯・亜熱帯地域に、広く分布します。日本の南西諸島(徳之島【とくのしま】以南)と、小笠原諸島にも、分布します。
 この種は、昔から、全世界的に分布していたのでしょうか? そうではないといわれます。もとは、熱帯アジアのどこかが故郷だと考えられています。
 原産地がどこかは、わかっていません。分布域が、あまりにも広いためです。
 なぜ、ホオグロヤモリは、世界中の熱帯と亜熱帯に、分布を広げられたのでしょうか? それには、ヒトが関わっていると推定されています。
 人間が、意識して、ホオグロヤモリの分布を広げたわけではないでしょう。家畜ではありませんからね。人間が移住する時、知らないうちに、家財道具などに付いてきたのだろうと考えられています。体が小さいために、気づかれにくいのでしょう。
 日本の南西諸島や、小笠原諸島にいるホオグロヤモリも、ヒトの移住にともなって入ってきたといわれます。いつ、どこから、どのように来たのかは、不明です。
 熱帯・亜熱帯の人家では、ホオグロヤモリは、平凡な生き物です。自然の林より、人家に多く棲みます。彼らは、ヒトには害をなしません。それどころか、人間の役に立ちます。人家の害虫を食べてくれるのです。そのためか、幸運の象徴とみなす地域が多いです。
 人家に棲むおかげで、彼らは、観察しやすい生き物です。仲間同士で鳴き交わしたり、頭や尾を振ったりする行動が見られます。
 東南アジアのホテルなどで見るヤモリは、多くが、ホオグロヤモリです。旅行先で会えたら、幸運の象徴だと思って、観察してみるのも、面白いと思います。
図鑑↓↓↓↓↓には、ホオグロヤモリが掲載されています。
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過去の記事でも、ヤモリの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
パプア・ニューギニアで、五十以上の新種を発見か?(2009/03/27)
大都会のヤモリ(2007/07/07)
雌(メス)しかいないトカゲがいる?(2007/03/06)
家を守る守宮(ヤモリ)(2006/04/10)
などです。

2011年4月27日

シジュウカラ

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シジュウカラ 画像
和名:シジュウカラ
学名:Parus major
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おまけ、ミシシッピーアカミミガメの甲羅干し

※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

東京 新宿区【2011.04.20】

図鑑↓↓↓↓↓には、シジュウカラが掲載されています。
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2011年4月18日

ウミヘビ(海蛇)は、魚? 爬虫類?

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 爬虫類のヘビの仲間には、海に棲むものがいます。ウミヘビですね。爬虫類のうち、有鱗目【ゆうりんもく】ウミヘビ科に属する種を、ウミヘビと総称します。(分類には、異説があります。ウミヘビ科という科を認めない学説もあります)
 ところが、爬虫類の有鱗目ウミヘビ科以外でも、ウミヘビと呼ばれる生き物がいます。魚類の中です。「○○ウミヘビ」という種名の魚が、何十種もいます。
 こちらのウミヘビは、魚類のうち、ウナギ目【もく】ウミヘビ科に属するものの総称です。「ウミヘビ科」という科の名前まで同じとは、ややこしいですね。
 魚類のウミヘビは、外見が、爬虫類のウミヘビに似ます。同じように、細長く、にょろにょろしています。この外見から、「ウミヘビ」と付けられてしまったのでしょう。
 もちろん、魚類と爬虫類とでは、体の作りが違います。魚類のウミヘビと、爬虫類のウミヘビとでは、決定的な違いが、いくつもあります。
 最もわかりやすいのは、呼吸法の違いでしょう。魚類のウミヘビは、鰓【えら】呼吸をします。水中で息ができるのですね。爬虫類のウミヘビは、肺呼吸です。水中では、息ができません。時々、水面に上がって、空気を呼吸しなければなりません。
 爬虫類のウミヘビは、ほぼ、すべての種が有毒だといわれます。つまり、毒ヘビです。けれども、ヒトが手を出さない限り、積極的に咬むことは、ありません。
 対して、魚類のウミヘビは、無毒です。ヒトには、害がありません。
 日本人なら、魚といいますと、「食べられるのかどうか」が、気になりますね(笑) 残念ながら、魚類のウミヘビは、普通、食用にはされません。
 いっぽう、爬虫類のウミヘビは、食べられます。日本の沖縄で、「イラブー」と呼ばれ、食用にされています。イラブーと呼ばれるのは、主に、エラブウミヘビという種です。
 爬虫類のウミヘビは、全世界に、六十種ほどいます。魚類のウミヘビは、三百種以上(!)いるといわれます(そのうち、日本語名が付いた種は、四十種ほどです)。ヘビといえば、爬虫類が本家ですのに、海中では、やはり、魚のほうが優勢ですね。


図鑑↓↓↓↓↓には、爬虫類のウミヘビであるエラブウミヘビが掲載されています。
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過去の記事でも、爬虫類のウミヘビを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ウミヘビ(海蛇)は危険な毒蛇か?(2008/08/22)
ウミヘビ(海蛇)は龍神の使い?(2006/10/30)
などです。

2010年12月31日

キノボリトカゲは、駆除すべき?

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 日本の南西諸島には、貴重な生き物がたくさんいますね。キノボリトカゲは、その一種です。このトカゲの正式な種名は、定まっていません。それについては、以前、このブログで取り上げましたね(イグアナ? いえ、キノボリトカゲです(2008/2/11))。
 南西諸島のキノボリトカゲは、数が減っているといわれます。ところが、日本の別の地域で、キノボリトカゲが発見されました。
 その地域とは、九州の南部です。今のところ、宮崎県と鹿児島県で発見されています。正確な数は、わかりません。一説では、二万頭ともいわれます。
 これは、喜ばしいことでしょうか? 違います。なぜなら、南九州のキノボリトカゲは、人為的に持ち込まれたことがほぼ確実だからです。
 生き物の分布を人為的に変えるのは、褒められることではありません。持ち込まれた生き物は、慣れない環境での生活を強いられるからです。
 もっと深刻なのは、もともと、その地域にいた生き物のほうです。弱い生き物であれば、それまで敵がいなかった環境に、突然、敵(=外来種)ができるかも知れません。あるいは、同じ食べ物をめぐって、外来種と争いになるかも知れません。
 例えば、キノボリトカゲは、昆虫やクモを食べます。南九州の昆虫やクモは、キノボリトカゲという未知の敵に、いきなり対面することになったわけです。ひょっとしたら、このために、絶滅の危機にさらされている昆虫がいるかも知れません。
 皮肉なことに、南西諸島では、キノボリトカゲ自身が、外来種の脅威にさらされています。ジャワマングース、グリーンアノールなどの外来種です。
 ジャワマングースは、哺乳類です。南西諸島で、キノボリトカゲを捕食しています。グリーンアノールは爬虫類です。キノボリトカゲと、ほぼ同じものを食べます。南西諸島では、キノボリトカゲの食べ物が、奪われる形になっています。
 「外来種は、すべて駆除すべき」なら、南九州のキノボリトカゲは、駆除しなければなりませんね。でも、これには、まだ結論が出ていません。難しい問題ですね。

図鑑↓↓↓↓↓には、オキナワキノボリトカゲが掲載されています。
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過去の記事でも、キノボリトカゲを取り上げています。また、外来種の問題も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
イソガニとイワガニ、どっちがどっち?(2009/08/21)
クマノミの危機、タナゴの復活(2009/02/10)
キノボリトカゲ【台湾のキノボリトカゲ/画像】(2008/08/30)
オキナワキノボリトカゲ【画像】(2008/07/23)
大洋に生きるオガサワラトカゲ(2007/11/09)

2010年12月 3日

クサガメは、外来種か?

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 近年、生き物の中で、外来種が問題になっていますね。外来種とは、もともとある土地にいなかったのに、後から入ってきた種のことです。現在ではもっぱら、人間によって持ち込まれた種を指します。
 日本で、身近な外来種としては、アカミミガメがいます。通称、ミドリガメと呼ばれるカメですね。池や川など、淡水域に棲む種です。原産地は、南北のアメリカ大陸です。
 日本の淡水域には、ニホンイシガメ、クサガメ、スッポンなどがもともと棲んでいました。日本の池や川にいるカメといえば、たいていこれら三種のどれかでした。
 これら三種の数は、ここ数十年で激減しました。それと反比例するように、アカミミガメが数を増やしました。ただし、日本の在来種が減ったのは、アカミミガメのせいばかりではありません。環境破壊のほうが大きな問題です。
 今、「ニホンイシガメやクサガメなどの、在来種を守ろう」という動きがあります。
 ところが、「これまで、在来種と思われていた種が、外来種かも知れない」という意見が出てきました。具体的に言えば、クサガメのことです。
 最近の研究によれば、日本のクサガメのミトコンドリアDNAが、韓国のクサガメと近いそうです。また、江戸時代中期以前には、クサガメらしいカメの記録がありません。これらのことから、クサガメは、江戸時代前期ごろに日本に持ち込まれたというのです。
 クサガメと似たニホンイシガメについては、外来種だという意見はありません。この種が日本固有種であることは、間違いなさそうです。
 クサガメが外来種だとすると、困ったことになります。外来種を一律に排除すべきなら、クサガメも、アカミミガメと同じ扱いをすべきでしょう。けれども、現在の日本の「外来生物法」では、明治時代より前の外来種は、規制の対象になっていません。
 クサガメが外来種だとしても、日本の自然に根付いて、すでに百年以上経っています。そのような種まで、規制の対象にすべきでしょうか? これについては、意見が分かれています。みんなで考えるべき問題でしょう。


図鑑↓↓↓↓↓には、クサガメが掲載されています。
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クサガメの外来種問題については、以下のニュースに解説があります。
クサガメは外来種だった! 遺伝子汚染に保護見直しも(産経ニュース、2010/07/31)

過去の記事でも、クサガメなど、日本の淡水域に棲むカメを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
イシガメが絶滅寸前?(2007/11/19)
スッポン(鼈)の故郷はどこ?(2007/02/23)
亀(カメ)は本当に長生きか?(2006/01/02)
などです。

2010年11月 5日

ハブが知る? 南西諸島の成立の秘密

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 ハブは、誰もが名を聞いたことのあるヘビでしょう。有名な毒蛇ですね。日本の南西諸島に分布します。じつは、ハブと呼ばれるヘビには、複数の種がいます。
 ややこしいことに、単に「ハブ」という種名のものもいます。普通にハブという場合には、この種を指すことが多いですね。他の種と区別するため、種名ハブは、ホンハブと呼ばれることもあります。
 種名ハブ(ホンハブ)の他に、トカラハブ、ヒメハブ、サキシマハブが、日本に分布します。南西諸島に近い台湾や中国南部には、タイワンハブが分布します。
 これらの種は、ヒメハブを除いて、クサリヘビ科ハブ属に属します。ヒメハブだけは、クサリヘビ科ヤマハブ属に属します。でも、同じ科ですから、近縁といえます。
 ハブ属や、ヤマハブ属の分布を調べると、面白いことに気づきます。隣り合った島でも、ハブ属やヤマハブ属が分布している島と、そうでない島があるのです。
 こうなった理由は、「南西諸島の成り立ちと、関係がある」と考えられています。
 遠い昔、日本列島は、大陸と地続きでした。もちろん、南西諸島も地続きでした。この時代に、ハブ属やヤマハブ属が、日本に分布を広げました。
 その後、日本列島は、大陸から切り離されます。南西諸島も、点々と島が連なる状態になります。けれども、最初から、現在とまったく同じだったわけではありません。
 陸が海になったり、海が陸になったり、ということが何回か繰り返されました。海に没すれば、陸の生き物は、死に絶えてしまいます。ハブ属もヤマハブ属も、死に絶えたでしょう。彼らには、海を渡れるほどの遊泳力はありません。
 南西諸島の中でも、与論島【よろんとう】、沖永良部島【おきのえらぶじま】、与那国島【よなぐにじま】、波照間島【はてるまじま】などには、ハブ属もヤマハブ属も、分布しません。これらの島は、かつて、海に沈んでいたことがあるとわかります。
 中には、ハブ属がいるのにヤマハブ属がいない島、その逆の島もあります。こうなった謎は、まだ解かれていません。南西諸島の秘密は、ハブが握っているのでしょうか。


図鑑↓↓↓↓↓には、ハブ属のハブ(ホンハブ)とサキシマハブ、および、ヤマハブ属のヒメハブが掲載されています。
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過去の記事でも、ハブ属やヤマハブ属の種を取り上げています。また、日本にいる他の毒蛇も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
マムシは「出産」する?(2007/08/31)
ツチノコの正体? ヒメハブ(2006/08/14)
田んぼによくいるヘビ(蛇)、ヤマカガシ(2006/05/22)
ハブはなぜ危険か?(2005/12/02)
などです。

2010年9月 2日

ミシシッピーアカミミガメ

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和名:ミシシッピーアカミミガメ
学名:rachemys scripta elegans
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沖縄県 糸満 【2010.08.07】

2010年7月13日

ミシシッピーアカミミガメ

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ミシシッピーアカミミガメ 画像
和名:ミシシッピーアカミミガメ
学名:rachemys scripta elegans
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東京都 新宿区 【2010.07.07】

2010年6月 7日

虹色に輝く? タカチホヘビ

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 日本には、普通に思われている以上に多種のヘビがいます。その中には、ほとんど知られない種が少なくありません。普通の人は、なかなかヘビに関心を持ちませんからね。知ってみれば興味深い生き物です。
 タカチホヘビという名を、聞いたことがある人は少ないでしょう。この種は、日本に普通にいるヘビです。本州・四国・九州とその周辺の島々に分布します。北海道や中国大陸にもいるという情報がありますが未確認です。
 日本では普通種なのに、なぜ、知られていないのでしょうか? このヘビが、人目につきにくい生活をしているからです。
 タカチホヘビは、夜行性です。そのうえ、地中にもぐっていることが多いです。これでは、人目につかないわけですね。雨の日には、昼間でも出歩くことがあるそうです。
 彼らは、主に、ミミズを食べます。このために、地中にもぐります。ミミズは、地中にいるものですからね。それ以外に、乾燥を防ぐためにも地中にもぐるようです。
 タカチホヘビの鱗【うろこ】は、普通のヘビと違います。普通のヘビは、鱗が重なり合っています。けれども、タカチホヘビは、そうなっていません。鱗と鱗のあいだが開いて、皮膚が露出しています。このため、乾燥に弱いと考えられています。
 鱗の間隔があいているといっても、普通に見ただけではわかりません。単に、褐色のヘビに見えます。よく観察しないと鱗の違いには気づきません。
 タカチホヘビの体色には、個体差があります。黒っぽく見える個体や黄色っぽく見える個体もいます。中には、虹色に光って見える個体もいます。
 タカチホヘビの鱗は、丸く盛り上がりつやがあります。光の加減によっては、虹色に見えます。特に、頭部が、虹色に光ることが多いです。
 このヘビが、人間に見つかるのは、庭などの石をどけた時や植木鉢を移動した時、土を掘り崩した時が多いです。土中から、突然「虹色のヘビ」が出るかも知れないわけです。日本の内地で、そんなヘビに出会ったら、きっとタカチホヘビでしょう。


図鑑↓↓↓↓↓には、タカチホヘビが載っています。
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過去の記事でも、日本のヘビを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
美しい偏食ヘビ、リュウキュウアオヘビ(2009/12/14)
ウミヘビ(海蛇)は、危険な毒蛇か?(2008/08/22)
春と秋しか行動しない? ジムグリ(2007/09/17)
などです。

2010年4月 9日

日本に、新種のトカゲあらわる?

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 トカゲは、誰でも知っている爬虫類ですね。日本に最も多いトカゲは、ニホントカゲでしょう。都市でも、石垣があればちょろちょろしているのが見られます。日本人にとって、最もトカゲらしいトカゲといえます。
 ニホントカゲ以外にも、日本には何種かのトカゲがいます。その中の一種は、ごく最近になって発見されました。オカダトカゲという種です。
 新種といえば、「人里はなれた山奥か、離島で発見されるもの」と思う方が多いでしょう。ところが、オカダトカゲは人家のすぐ近くで発見されました。分布地では、普通に目撃されるトカゲです。ただ、それが新種だとは気づかれなかったのです。
 オカダトカゲは、ニホントカゲとそっくりです。外見での違いは、鱗【うろこ】の数です。オカダトカゲのほうが、鱗の数が多いです。でも、こんな細かい特徴は、よほどしっかり観察しないとわかりませんね。
 このために、オカダトカゲは、長い間ニホントカゲと混同されていました。「北海道、本州、四国、九州に分布するのは、すべてニホントカゲだ」と思われていたのです。
 オカダトカゲは、最初、伊豆諸島で発見されました。神津島【こうづしま】、三宅島などですね。その後、伊豆半島のトカゲも、オカダトカゲだとわかりました。
 それまで、伊豆半島のものは、ニホントカゲだと思われていました。外見がそっくりですからね。伊豆半島のどこで、オカダトカゲとニホントカゲの分布が分かれるのかは、まだ不明です。少なくとも、南伊豆のものは、オカダトカゲのようです。
 島ではなく、半島なのに違う種が分布するとはどういうことでしょう? この謎も、まだ解けていません。「地質学の問題と関係しているのでは?」といわれます。
 はるかな昔、伊豆半島は、日本の南の島でした。伊豆諸島の島々と同じです。それが、北上して日本列島に衝突しました。地球のプレート活動のためです。
 このような地質学上の歴史とトカゲの分布とは、関係がありそうですね。スケールの大きな謎です。こういう謎解きはわくわくしますね。


図鑑↓↓↓↓↓には、ニホントカゲが載っています。
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過去の記事でも、ニホントカゲなど日本に分布するトカゲを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
日本最大のトカゲとは?(2009/08/14)
イグアナ? いえ、キノボリトカゲです(2008/02/11)
大洋に生きるオガサワラトカゲ(2007/11/09)
トカゲのしっぽ切りは何のため?(2006/09/11)
などです。

2010年3月16日

ミシシッピーアカミミガメ

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ミシシッピーアカミミガメ  画像
和名:ミシシッピーアカミミガメ
学名:rachemys scripta elegans
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東京都 文京区【2010.02.25】

2010年2月 8日

天然記念物なのに、絶滅しそうなのは、なぜ?

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 天然記念物という言葉を聞いたことがおありでしょう。貴重な動物や植物、鉱物が指定されます。有名なものには、ツシマヤマネコ、ヤンバルクイナなどがいます。
 天然記念物に指定されると捕獲・採集などが禁止されます。保護されるわけですね。
 ここで、不思議に思った人はいませんか? 保護されているのなら、なぜ、ツシマヤマネコやヤンバルクイナは「絶滅しそうだ」と騒がれるのでしょうか?
 じつは、日本の「天然記念物」という制度には不備が多いのです。できた時代が、古いためです。もちろん、良いところもありますが。
 天然記念物には、国が指定するものと地方自治体が指定するものとがあります。ここでは、国が指定するものについて説明します。
 天然記念物は「文化財保護法」という法律に基づく制度です。法律の名に、注目して下さい。「文化財」です。「生き物」や「動植物」ではありません。
 「文化財」とは、人間が手を入れたものですね。そもそも、この法律は「人間が手を入れたものを保護する」のが目的です。自然の生き物を保護する目的にはそぐいません。
 この法律ができたのは、一九五〇年です。この法律の前身となる法律が、一九一九年にできています。じつに、大正九年のことです。この頃の古い考えを法律は引きずっています。現在の考えでは「天然」とは言いがたいものが、天然記念物に含まれます。
 例えば、「日本犬」が天然記念物に指定されています。普通にいる柴犬も天然記念物です。捕獲禁止のはずの天然記念物が、飼われているなんてびっくりですね。
 昔は、家畜であろうと野生動物であろうと「生き物」は、一くくりにされたのでしょう。家畜は家畜で、保護するべきだと思います。けれども、野生動物と家畜とを同じ基準で保護するのは無理がありますね。今のままの法律では不自由です。
 法律を変えるのは、大変なことです。国民の同意がなければ、変えてはいけないものでしょう。でも、良い方向へ変えるなら、国民の同意が得られるのではないでしょうか。


図鑑↓↓↓↓↓には、ツシマヤマネコ、ヤンバルクイナなどたくさんの天然記念物が掲載されています。
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 過去の記事で、天然記念物に指定された生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
カメの腹筋? セマルハコガメ(2009/09/28)
貝に卵を産む? 不思議な魚たち(2007/03/30)※国指定の天然記念物のミヤコタナゴを取り上げています。
ヤンバルクイナは絶滅寸前?(2006/10/2)
天然記念物というものはどういうものですか?(2006/03/28)
などです。

2009年12月14日

美しい偏食ヘビ、リュウキュウアオヘビ

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 生き物の食べ物はいろいろですね。ヒトのように「何でも食べるんじゃないか」という種もいれば、頑固に特定のものしか食べない種もいます。
 以前、このブログで、イワサキセダカヘビというヘビの一種を紹介しましたね(超偏食のヘビ(蛇)? イワサキセダカヘビ(2006/09/24))。このヘビは、ほぼカタツムリしか食べません。日本には、他にも似たような偏食のヘビがいます。
 リュウキュウアオヘビがその一種です。この種の食べ物は、ミミズだけといわれます。他の物を食べたという報告を聞いたことがありません。
 リュウキュウアオヘビは、世界のうち、日本の南西諸島だけ(奄美諸島、沖縄諸島など)に分布します。日本の固有種ですね。全身が、やや褐色がかった緑色をしています。日本で有数の美しいヘビでしょう。ただし、体色には個体差があります。
 この種に近縁なヘビが、もう一種日本にいます。サキシマアオヘビです。こちらも、日本の固有種です。南西諸島の中でも、南寄りの八重山諸島と宮古諸島に分布します。体色はほぼ褐色です。よく見ると、少し緑がかっています。
 サキシマアオヘビも、ミミズしか食べないといわれます。正確な食性は不明です。リュウキュウアオヘビ以上に、生態がわかっていないからです。
 リュウキュウアオヘビとサキシマアオヘビは、同じナミヘビ科アオヘビ属に属します。アオヘビ属には他に、タイワンアオヘビなどの種がいます。
 タイワンアオヘビは、台湾、中国南部、ベトナム北部などに分布します。やはり、ミミズしか食べないようです。宝石の翡翠【ひすい】のような、美しい緑のヘビです。
 アオヘビ属には、「ミミズ専食」で「緑っぽい体色」という特徴があるようですね。分布域が、南東アジアの一部に限られるのも特徴です。日本の南西諸島の自然が、熱帯アジアとつながっていることをまざまざと感じます。
 アオヘビ属の種は、今すぐ絶滅しそうではありません。しかし、特定の物しか食べない種は、絶滅するおそれが高いです。そんなことにならないようにしたいですね。


図鑑↓↓↓↓↓には、リュウキュウアオヘビが掲載されています。
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 過去の記事でも、日本の南西諸島に分布するヘビを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
人に化ける蛇(ヘビ)? アカマタ(2007/08/20)
ツチノコの正体? ヒメハブ(2006/08/14)
ハブはなぜ危険か?(2005/12/02)
などです。

2009年11月25日

ミシシッピーアカミミガメ

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ミシシッピーアカミミガメ 画像
和名:ミシシッピーアカミミガメ
学名:rachemys scripta elegans
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東京都 新宿区【2009.11.18】

2009年10月 8日

ウとカメ

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ウミウ、ミシシッピーアカミミガメ 画像
和名:ウミウ 
学名:Phalacrocorax capillatus
和名:ミシシッピーアカミミガメ 
学名:rachemys scripta elegans
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東京都 港区【2009.09.28】

2009年9月30日

楽しい樹洞【じゅどう】の展覧会

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 秋の行楽シーズンですね。たとえ天気が悪くても、楽しめる催しがあります。神奈川県小田原市で開催中の『木の洞【うろ】をのぞいてみたら』も、その一つです。
 これは、生命の星・地球博物館で開催されている特別展です。『樹洞の生きものたち』という副題が付いています。
 樹洞【じゅどう】とは、木に開いた穴のことです。木が病気になったり、動物に掘られたりして開いたものです。木の洞【うろ】とも呼ばれます。
 樹洞には、思われている以上に、たくさんの生き物が棲みます。この展覧会では、その様子を、わかりやすく紹介しています。
 まず、博物館の入口に、大きな材木が置かれています。会場の真ん中にも、大きい材木があります。これは、本物の樹洞そのものを展示しています。
 会場内の材木には、触ることができます。実物の樹洞を、覗【のぞ】きこむこともできます。ぜひ、触って、覗いて、樹洞がどんなものか実感して下さい。
 会場の展示ケースは、なんと、多くの部分が覆われていて見えません(!)少しだけ、ガラスケースが見える部分があります。ちょうど、樹洞を覗くように、展示ケースを覗くためです。樹洞で暮らす生き物を、覗いている気分になれます。
 樹洞を利用する生き物のうち、あまり知られないものも紹介されています。
 例えば、アイフィンガーガエルというカエルです。このカエルは、樹洞にたまった水たまりにしか、産卵しません。幼生(おたまじゃくし)は、みな樹洞で育ちます。
 また、コブナシコブスジコガネという、昆虫の一種がいます。「コブナシ(瘤無し)」なのに「コブスジ(瘤筋)」の「コガネ」ムシという、名前からしておかしいですね。コブスジコガネ科の一種で、瘤【こぶ】がないことから、こんな種名が付きました。
 コブナシコブスジコガネは、つい最近まで、どこに棲むのかわかっていませんでした。じつは、「ある条件の樹洞に棲む」とわかったそうです。その樹洞とは......ぜひ、展覧会へ行って、確かめてみて下さい。

 特別展『木の洞【うろ】をのぞいてみたら』の情報は、以下のページに載っています。
木の洞をのぞいてみたら―樹洞のいきものたち―(生命の星・地球博物館のサイト内)


図鑑↓↓↓↓↓には、リスの仲間、キツツキの仲間など樹洞に棲む生き物が掲載されています。
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2009年9月28日

カメの腹筋? セマルハコガメ

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 カメ(亀)は、誰もが知る動物ですね。何といっても、あの甲羅が特徴です。防御手段として、優れていますよね。
 頭や手足を引っ込めたカメを、見てみましょう。防御体制は完璧、ではありません。よく見ると、隙があります。おなかの甲羅―腹甲【ふっこう】といいます―と、背中の甲羅―背甲【はいこう】といいます―の間が、空いていますよね。ここは軟らかいです。
 これは、どうしても必要な隙間です。この隙間がなければ、カメは、頭や手足を出すことができません。とはいえ、この隙間は、無用心ですね。器用な肉食獣がいたら、ここにうまく食いつくかも知れません。この隙間を、何とかする方法は、ないのでしょうか?
 あります。そういう方法を「発明」したカメの仲間がいます。ハコガメの仲間です。
 ハコガメとは、イシガメ科ハコガメ属に属するカメの総称です。ハコガメには、「腹甲を動かせる」特徴があります。頭や手足を引っ込めたあと、腹甲を動かして、隙間を閉めます。腹甲が、蓋【ふた】になるわけです。まさに「箱亀」です。
 こんな面白いカメは、どこにいるのでしょうか? 日本にも分布します。ただし、南西諸島の、石垣島と西表島にしか、いません。日本の南西端に近いほうですね。
 日本に分布するのは、セマルハコガメという種です。この種は、台湾や、中国大陸にも分布します。日本にいるセマルハコガメと、その他の地域にいるものとは、亜種のレベルで分けられています。日本のものは、ヤエヤマセマルハコガメという亜種です。
 ヤエヤマセマルハコガメは、世界中で、日本にしかいません。貴重な亜種ですね。けれども、もともと、分布地では、平凡なカメだったそうです。あまり強力な敵が、いなかったのでしょう。防御が完璧なためでしょうか。
 状況が変わったのは、人間のせいです。道路で生息地が分断されたり、側溝【そっこう】に落ちて出られなくなったり、ということが増えました。ヒトには、自慢の「蓋ができる甲羅」も通じません。近年、ヤエヤマセマルハコガメは、激減したといわれます。
 長年、生き延びてきた彼らを、私たちの代で、滅ぼしたくありませんね。


図鑑↓↓↓↓↓には、ヤエヤマセマルハコガメが掲載されています。
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 過去の記事でも、カメの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
貴重な日本の固有種、リュウキュウヤマガメ(2009/02/16)
ガラパゴスより、ゾウガメとイグアナの報告(2009/01/27)
絶滅からよみがえる? シャンハイハナスッポン(2008/04/22)
などです。

2009年8月27日

ニホントカゲ【幼体】

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ニホントカゲ幼体。マンホールの上に固まっていた、ちっちゃなニホントカゲをレスキューしました。 ニホントカゲ 画像
和名:ニホントカゲ
学名:Eumeces latiscutatus
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

東京都 港区【2009.08.25】

図鑑↓↓↓↓↓には、ニホントカゲ掲載されています。
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2009年8月20日

地球と宇宙の環境科学展、お知らせ

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 夏休みの催しを、また一つ、見に行ってきました。『消えた生き物の謎と秘密』というものです。『地球と宇宙の環境科学展』という副題が付いています。東京のお台場近くの、日本科学未来館で、開催中です。
 この展覧会は、まず、地球の歴史をざっと振り返ります。その過程で、これまで地球に繁栄した生き物をいくつか紹介しています。
 古いところでは、今から六億年ほども昔の生物が解説されています。エディアカラ生物群と呼ばれる生物たちです。これの少し後に、有名なバージェス動物群が登場します。カンブリア紀(約五億四千五百万年前~約五億五百万年前)最強の動物とされるアノマロカリスが、巨大なロボットになって再現されています。
 その後には、海にしかいなかった生物が陸に上がったことが解説されています。そして、恐竜の登場と絶滅です。恐竜の代表として、ヴェロキラプトルとティラノサウルスのロボットが、迫力ある姿を見せてくれます。触れる化石もあります。
 現代に生きる生物たちも、たくさん紹介されています。アマミノクロウサギやツシマヤマネコの剥製【はくせい】標本があります。これらは、生きた姿を見るのが難しいですね。標本でも見られるのは幸運です。
 会場には、たくさんの解説板があります。すべての解説を読むと、かなり時間がかかります。解説をじっくり読みたい方は、時間に余裕を持って行きましょう。
 また、会場では、映像も多用されています。どれも興味深いので、つい、足を止めてしまいます。でも、これらの映像は、一つ一つが長いです。こちらも、うっかりすると時間が足りなくなります。「解説は苦手、映像だけ見たい」という方も、やはり時間には余裕を持ちましょう。
 個人的には、ヒトが滅ぼした生物の紹介に心を打たれました。「もう、彼らには会えないのか」と思うと、悲しくなります。絶滅鳥のドードーの模型など、よくできているだけに悲劇が際立ちます。「こんな悲劇を繰り返してはいけない」と、考えさせられました。

 展覧会『消えた生き物の謎と秘密』は、以下に公式サイトがあります。
~地球と宇宙の環境科学展~ 消えた生き物の謎と秘密

 過去の記事でも、夏休みのイベントを紹介しています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
写真展、昆虫4億年の旅(2009/07/22)

図鑑↓↓↓↓↓には、日本の生き物が、千八百種以上掲載されています。
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2009年8月14日

日本最大のトカゲとは?

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 世界最大のトカゲといえば、コモドオオトカゲか、ハナブトオオトカゲですね。二種とも、甲乙付けがたい大きさです。どちらも、全長が3mになることがあります。
 この二種は、両方とも、オオトカゲ科のトカゲです。日本には、オオトカゲ科のトカゲは、分布しません。全長が1mを越えるようなトカゲは、いないのですね。では、日本最大のトカゲは、何という種でしょうか?
 それは、キシノウエトカゲだといわれます。世界中のうち、日本の八重山諸島と、宮古諸島にしか分布しません。日本の固有種です。残念ながら、本土では見られません。
 キシノウエトカゲは、全長が40cm近くなることがあります。体型は、胴体が太く、四肢が短く、尾が長いです。普通に見られるニホントカゲを、そのまま大きくした体型ですね。体色も、ニホントカゲに似て、地味です。ただし、幼体の尾は、鮮やかな青です。
 大きくても、ヒトには無害です。昆虫、カエル、他のトカゲなどを捕食します。カニを食べるのも、観察されています。おそらく、日本のトカゲの中では、最強でしょう。
 キシノウエトカゲは、日本の天然記念物に指定されています。ですから、飼ったり、捕獲したり、傷つけたりすることは、禁止です。
 このように、キシノウエトカゲは、保護されています。なのに、数が減っているといわれます。主な原因は、イタチなど、外来種に捕食されていることのようです。
 これまで、キシノウエトカゲに、敵がいなかったわけではありません。西表島では、イリオモテヤマネコが、本種を捕食しています。捕食されながらも、イリオモテヤマネコとは、共存してきました。長い時間をかけて、バランスを取っていたのですね。
 ところが、そこに、外来種が加わりました。イタチや、インドクジャクなどです。イタチは、ネズミ駆除のために、持ち込まれました。クジャクは、観賞用に飼われたものが、逃げ出したようです。どちらも、人間が、無責任に持ち込んだといえます。
 外来種は、各地で、問題を起こしていますね。けれども、誰かの責任を問い詰めても、問題は解決しません。みんなで、解決策を考えるしかないでしょう。


図鑑↓↓↓↓↓には、キシノウエトカゲが掲載されています。また、文中に挙げたニホントカゲ、イタチ、イリオモテヤマネコも載っています。
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 過去の記事でも、トカゲの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
コモドオオトカゲは、有毒だった?(2009/05/21)
ヘビと付くのに蛇じゃない、カナヘビ(2008/04/18)
大洋に生きるオガサワラトカゲ(2007/11/09)
などです。

2009年8月 6日

スッポン

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スズメ 画像
和名:スッポン
学名:Pelodiscus sinensis
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

東京 新宿区 【2009.7.7】
図鑑↓↓↓↓↓には、スッポンが掲載されています。
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2009年6月18日

エクアドルで、十二の新種を発見

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 南米のエクアドルから、新種発見のニュースです。爬虫類、両生類、昆虫の新種と思われるものが、計12種、発見されました。
 この結果は、コンサベーション・インターナショナル(略称CI)という、自然保護団体の調査で、明らかになりました。
 内訳は、爬虫類がトカゲ一種、両生類がサンショウウオとカエル四種、昆虫がキリギリスの仲間を含む七種です。以下に、個別に説明しましょう。
 爬虫類の新種(らしきもの)は、イグアナ科の一種のようです。CIの発表によれば、ラテン語の学名で、Enyaloides属の一種らしい、とのことです。Enyaloides属には、日本語名が付いていません。この仲間は、日本には分布しないからでしょう。
 両生類のサンショウウオの新種は、アメリカサンショウウオ科ネッタイキノボリサンショウウオ属の一種です。ひしゃげたような、面白い顔をしています。
 カエルの新種では、ヤドクガエル科ヤドクガエル属の新種が、見つかっています。小さいけれども、美しい種です。このカエルの仲間には、なんと、「幼生(おたまじゃくし)を背負って運ぶ」という習性があります。その様子の画像が、公開されています。
 昆虫の新種は、キリギリスの仲間が、いくつか画像を公開されています。どれも、バッタ目キリギリス科に属する種のようです。新種というだけでなく、「属」のレベルでも新しい種が、ありそうです。「属」とは、種の一つ上の分類単位です。
 キリギリス科で、Mystron属らしき新種と、Typophyllum属らしき新種が、見つかっています。同じキリギリス科で、新属新種と考えられるものでは、Parangara属に近縁だとされる種が、見つかりました。これらの属には、日本語名はありません。
 Mystron属は、一九九九年に、同じエクアドルで発見されたばかりの属です。Parangara属は、隣国のペルーで、たった一種が発見されていただけでした。以前から、エクアドルに、この属に近縁な未知の種がいるのでは、といわれてきました。
 この地域では、まだまだ、新発見がありそうです。今後の調査が楽しみですね。
 エクアドルの新種のニュースは、以下に載っています。
E・T似のサンショウウオ??エクアドルで新種続々(47NEWS 2009/06/16)
エクアドル奥地の山脈で、科学者が新種の生物を多数発見(コンサベーション・インターナショナル)
エクアドルの新種――ヤドクガエル(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/06/17)


 過去の記事でも、今回、発見された種に近縁なネッタイキノボリサンショウウオや、イグアナなどを、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
コロンビアで、十種の両生類を発見(2009/02/05)
ガラパゴスより、ゾウガメとイグアナの報告(2009/01/27)
新種のフィジーイグアナを発見(2008/09/23)
などです。

2009年5月22日

日本の「まだらの紐【ひも】」は、無害です

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 英国の作家、コナン・ドイルの推理小説に、『まだらの紐』があります。シャーロック・ホームズが活躍する話です。この作品に登場する『まだらの紐』の正体が、謎解きの鍵です。この謎解きを知りたくない人は、この先を読まないで下さい。
 結論を書けば、「まだらの紐」は、毒蛇でした。作品中では、「咬まれると即死する、インドのまだら模様の毒蛇」とされています。これは、架空の毒ヘビです。
 この小説のためか、まだら模様のヘビは、印象が悪いですね。まだらのヘビは、すべて毒ヘビだと思う人も、多いようです。それは誤りです。まだら模様のヘビは、世界中に、何百種もいます。けれども、毒があるのは、一部です。
 日本にも、まだら模様のヘビが、何種か分布します。中に、その名もマダラヘビ属というグループがいます。この属のヘビも、有毒と思われがちです。実際には、無毒です。
 日本のマダラヘビ属には、アカマタ、アカマダラ、シロマダラの三種がいます。どれも、まだら模様の種です。これらのうち、日本の本土で見られるのは、シロマダラです。名のとおり、白黒のまだら模様のヘビです。むろん、毒はありません。
 シロマダラは、「幻のヘビ」と呼ばれることがあります。目撃例が少ないからです。しかし、絶滅寸前かといえば、そういうわけではないようです。
 どういう理由でか、シロマダラは、人目につくことが少ないのですね。夜行性だからではないかといわれます。はっきりした理由は、わかりません。個体数が少ないからというより、生態がわからないために、出会う機会が少ないようです。
 シロマダラは、他のヘビや、トカゲを食べます。わかっている生態は、それくらいです。
 シロマダラに限らず、ヘビには、生態が未解明のものが、多いです。このため、さまざまな迷信があります。前記の『まだらの紐』にも、そんな迷信が出てきます。
 『まだらの紐』には、毒蛇をミルクで餌付けする描写があります。これは、欧米の迷信を踏まえたものです。欧米には、「ウシやヤギの乳を、ヘビが吸う」という迷信があります。日本人には、ぴんと来ない話ですね。文化が変われば、迷信も変わるものです。



図鑑↓↓↓↓↓には、マダラヘビ属のアカマタとシロマダラが掲載されています。
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 過去の記事でも、日本のヘビを取り上げています。シロマダラと同じ、マダラヘビ属のアカマタも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
日本に、大蛇はいるか?(2008/09/26)
春と秋しか行動しない? ジムグリ(2007/09/17)
人に化ける蛇(ヘビ)? アカマタ(2007/08/20)
などです。

2009年5月21日

コモドオオトカゲは、有毒だった?

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 コモドオオトカゲについて、興味深い研究結果が発表されました。このオオトカゲには、毒があるというのです。
 コモドオオトカゲといえば、世界最大級のトカゲとして知られますね。全長が3mに達することもあります。これほど大きくなるのは、コモドオオトカゲ以外ではハナブトオオトカゲだけといわれます。
 コモドオオトカゲは、体が大きいだけに力が強いです。ヤギほどの大きさの哺乳類でも、倒すことができます。こんなに強い生き物が、毒を持つのは珍しいことです。
 ふつう、毒があるのは、体が小さかったり動きが鈍かったりするものです。弱いからこそ、毒を持つのですね。強ければ、毒を持つ必要はありません。逆に言うなら、毒があれば、他の部分を強くしなくても大丈夫です。毒は、弱者の武器といえます。
 現在、生きているものの中では、コモドオオトカゲは、最大の有毒生物かも知れません。なぜ、こんなに強いものが有毒なのでしょうか?
 この理由は、まだ解明されていません。「コモドオオトカゲは、見た目ほど強くないのでは?」という研究結果があります。大きさの割に、顎【あご】の力が弱いようです。咬む力が弱いので、毒に頼っているのかも知れません。
 これまで、「コモドオオトカゲには、毒はない」と信じられてきました。毒を持つトカゲは、ドクトカゲ科の二種(メキシコドクトカゲと、アメリカドクトカゲ)だけと思われてきました。じつは、他にも、多くのトカゲが、毒を持つようです。この分野は、まだ、研究が進んでいません。
 日本のトカゲには、有毒なものはいません。御安心下さい。コモドオオトカゲが属するオオトカゲ科が、毒を持つのではないかと考えられています。
 オオトカゲ科のトカゲは、すべて、熱帯や砂漠地帯に分布します。トカゲの中では、原始的なほうだとされます。トカゲの進化を探るうえで、重要なグループです。今後も、きっと興味深い研究結果が出るでしょう。楽しみですね。
 「コモドオオトカゲに毒」のニュースは、以下のページにあります。
毒で獲物を仕留めるコモドオオトカゲ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/05/19)


図鑑↓↓↓↓↓には、オオトカゲは載っていませんが、日本のトカゲが九種ほど掲載されています。
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 過去の記事でも、オオトカゲの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ナイルオオトカゲ(2008/05/20)
雌(メス)しかいないトカゲがいる?(2007/03/06)
オオトカゲは危険生物?(2006/08/22)
などです。

2009年4月25日

亀と鳥

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和名:ミシシッピーアカミミガメ
学名:Trachemys scripta elegans
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和名:カワウ
学名:Phalacrocorax carbo
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

東京 新宿区  【2009.04.07】



図鑑↓↓↓↓↓には、カワウが掲載されています。
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2009年3月27日

パプア・ニューギニアで、五十以上の新種を発見か?




 またもや、新種発見のニュースです。今度は、パプア・ニューギニアが舞台です。大ざっぱに見積もって、50以上の新種が発見されました。
 新種の数は、まだはっきりしません。調査が途中だからです。
 以下に、新種と思われる生物を挙げましょう。どの種も日本語名はありません。以下に示すアルファベットの種名はすべて、ラテン語の学名です。
 無脊椎動物でハエトリグモの仲間が、何種か発見されています。中には、変わった姿の種もいます。アリ(蟻)にそっくりなのです。Cucudeta zabkaiという種です。
 Cucudeta zabkaiは、新種というだけでなく、新属でもあります。属とは、種より一段階、上の分類グループです。分類グループそのものが、生物学上、知られていなかったということですね。クモの中のハエトリグモ科では、Cucudeta属以外に、Tabuina属とYamangalea属も新たに発見されました。
 両生類では、カエルの仲間が発見されています。アマガエル科のアミメアマガエル属やミナミアマガエル属(アメガエル属)で、新種らしき種が見つかりました。ヒメアマガエル科のOreophryne属(コノマヒメアマガエル属)でも、新種が見つかりました。
 Oreophryne属のカエルは、独特の生態で知られます。卵から、いきなりカエルの姿で産まれます。おたまじゃくしになりません。今回の新種も、そうだと考えられます。
 爬虫類では、ヤモリの新種らしき種が発見されました。ヤモリ科ホソユビヤモリ属の一種です。この種には、鋭い爪があるそうです。ヤモリとしては、珍しい特徴です。普通のヤモリには、鋭い爪のかわりに、指下板【しかばん】という吸盤状のものがあります。
 植物では、Hypserpa calcicolaや、Kairoa endressianaが発見されました。Hypserpaのほうは、ツヅラフジ科Hypserpa属の新種です。つる植物です。Kairoaのほうは、モニミア科Kairoa属に属します。低木になる植物です。
 ここに挙げた種名や分類は、今後、変わる可能性もあります。調査が進めば、新しいことがわかってくるからです。この後の報告が楽しみですね。


 パプア・ニューギニアの新種のニュースは、以下にあります。
パプアニューギニア、アマガエルの新種(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/03/25) ※アミメアマガエル属の新種の画像があります。
パプアニューギニア、クモの新種(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/03/25) ※Orthrus属のハエトリグモの新種の画像があります。
新種生物56種、パプアニューギニアの原生林で発見(AFPBBニュース 2009/03/26) ※Oreophryne属の新種カエルの画像付きです。
新種生物56種、パプアニューギニアの原生林で発見(AFPBBニュース 2009/03/26) ※ホソユビヤモリ属の新種の画像付きです。


 新種の画像をもっと見たい方は、以下のページを御覧下さい。※解説は英語です。
新属新種のハエトリグモTabuina varirata(コンサベーション・インターナショナル)
新属新種のハエトリグモTabuina rufa(コンサベーション・インターナショナル)
Uroballus属の新種のハエトリグモ(コンサベーション・インターナショナル)
新属新種のハエトリグモCucudeta zabkai(コンサベーション・インターナショナル)
新属新種のハエトリグモYamangalea frewana(コンサベーション・インターナショナル)
ミナミアマガエル属(アメガエル属)の新種(コンサベーション・インターナショナル)
ツヅラフジ科の新種の植物Hypserpa calcicola(コンサベーション・インターナショナル)
モニミア科の新種の植物Kairoa endressiana(コンサベーション・インターナショナル)


図鑑↓↓↓↓↓には、動物・植物約1,800種が掲載されています。
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 過去の記事でも、パプア・ニューギニアで発見された新種を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ネットで、知りたいことを上手に知るには? 上級編(2008/07/28)
楽園の鳥の楽園? インドネシアのパプア州とパプア・ニューギニア(2006/02/9)


2009年3月12日

女装するトカゲと、男装するサル




 興味深いニュースが、二つ、飛び込んできました。生き物の性差について、考えさせられるニュースです。一つは爬虫類の話で、もう一つは、哺乳類の話です。
 爬虫類のほうは、トカゲのニュースです。南アフリカに分布するトカゲの一種が、「女装」することがわかりました。若い雄【オス】が、雌【メス】のふりをするのです。
 この種には、日本語名がありません。ラテン語の学名は、Platysaurus broadleyiです。ヨロイトカゲ科ヒラタトカゲ属に属します。「ヒラタトカゲの一種」といえます。
 この種の成熟した雄は、鮮やかな体色になります。たいへん美しいので、ぜひ、ニュースのリンク先の画像を御覧下さい。雌は、地味な薄茶色っぽい体色です。
 このトカゲは、雌を得るために、雄同士で闘争します。闘いでは、未熟な雄より、成熟した雄のほうが有利です。体が大きいからです。下手をすると、未熟な雄は、殺される可能性があります。
 そこで、未熟な雄は、「女装」します。雌と同じ、地味な体色になります。こうすれば、成熟した雄に、雌だと勘違いしてもらえるからです。
 これと似たニュースが、哺乳類についても、ありました。こちらは、サルの一種です。原猿類【げんえんるい】と呼ばれる、原始的なサルの仲間です。
 この種の日本語名は、アカビタイキツネザルです。霊長目【れいちょうもく】キツネザル科キツネザル属に属します。アフリカの東の島国、マダガスカルに分布します。
 アカビタイキツネザルは、若い雌が、雄のふりをします。前記のヒラタトカゲと逆ですね。これは、雄と雌の役割が、逆だからです。
 アカビタイキツネザルでは、雌【メス】同士が、雄をめぐって争います。未熟な雌は、やはり、成熟した雌より不利です。このため、未熟な雌は、雄と同じ体色になります。「男装」するわけです。これで、成熟した雌の攻撃を避けられる、とわかりました。
 生き物の世界には、面白い生態が、たくさんありますね。


 「女装」するトカゲのニュースは、以下にあります。
 攻撃を避けるため「女装」するトカゲ、南アフリカ(AFPBBニュース 2009/03/04)


 「男装」するサルのニュースは、以下にあります。
 "男装"して争いを避けるキツネザルのメス(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース、2008/07/24)
 過去の記事で、雄と雌の体色が極端に違ったり、雄と雌の役割が逆転したりしている生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 キジのお父さんも楽じゃない?(2007/04/16)
 子育てに張り切るお父さん、タマシギ(20060/6/17)
 鴛鴦(オシドリ)は本当におしどり夫婦か?(2006/03/06)などです。

2009年2月16日

貴重な日本の固有種、リュウキュウヤマガメ

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 寒い季節でも、暖かい地方では、生き物の活動が見られますね。今回は、南西諸島の生き物を紹介しましょう。カメ(亀)の一種、リュウキュウヤマガメです。
 カメと言えば、「水中にいるもの」と思う方がいるでしょう。けれども、リュウキュウヤマガメは、陸生です。林の中で暮らします。時には、水に入ることもあります。が、陸にいるほうが、普通です。
 カメの仲間には、このような陸生の種も、多いです。通称で、陸ガメと呼ばれます。
 ややこしいことに、分類学的には、すべての陸ガメが、近縁なわけではありません。陸で暮らすカメと、水中に暮らすカメが、近縁だったりします。
 リュウキュウヤマガメは、ニホンイシガメと、同じ科に属します。ニホンイシガメは、日本の内地にいるカメですね。よく、水中にいます。分布域も、暮らし方も、リュウキュウヤマガメとは違います。なのに、同じ科なのですね。
 リュウキュウヤマガメや、ニホンイシガメが属する科は、イシガメ科といいます。イシガメ科は、バタグールガメ科とも呼ばれます。この科には、人間に身近な種が含まれます。ニホンイシガメや、クサガメなどです。その割に、研究が進んでいません。
 例えば、リュウキュウヤマガメの分類は、一九九〇年代になって、見直されました。それまで、このカメは、スペングラーヤマガメの亜種だとされていました。
 スペングラーヤマガメは、ベトナムなど、東南アジアに分布する種です。リュウキュウヤマガメは、この種の中の一グループだと思われました。それが、違う種だとわかったのですね。昔から知られた種でも、研究が進んでいないと、このようなことがあります。
 リュウキュウヤマガメは、保護されています。けれども、前途が安泰とは、とても言えません。外来種にすみかを奪われたり、交通事故に遭ったりしています。今のところ、保護の対策は、目覚ましい成果を上げていません。
 たぶん、生き物の保護対策には、特効薬は、ないのでしょう。すみかの整備や、食べ物の確保などを、地道に続けるのが、一番の対策だと思います。



図鑑↓↓↓↓↓には、リュウキュウヤマガメが掲載されています。
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 過去の記事でも、カメの仲間を取り上げています。また、南西諸島に分布する他の爬虫類も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 「ひとりぼっちのジョージ」が、独りから脱出?(2008/07/25)
 イグアナ? いえ、キノボリトカゲです(2008/02/11)
 イシガメが絶滅寸前?(2007/11/19)
などです。


2009年2月 3日

がんばれ! ムカシトカゲ




 爬虫類のニュースが、届きました。
 そのニュースは、南半球の国、ニュージーランドからです。世界でニュージーランドにしかいない爬虫類、ムカシトカゲの繁殖に、成功したということです。
 ムカシトカゲは、ムカシトカゲ目【もく】ムカシトカゲ科ムカシトカゲ属に属します。ムカシトカゲ目の起源は、恐竜時代にあります。現在、この目【もく】に属するのは、ムカシトカゲと、ギュンタームカシトカゲの二種だけです。ギュンタームカシトカゲも、ニュージーランドにしかいません。たった二種の「生きている化石」仲間です。
 今回、繁殖したのは、ヘンリーという名の、雄のムカシトカゲです。彼は、これまで、雌に関心を示しませんでした。それが、腫瘍【しゅよう】の手術を受けた後、なぜか心変わりしたようです。このほど、彼の子供が、無事に卵から生まれました。
 驚くのは、ヘンリーの年齢です。なんと、百十一歳だそうです。こんな年齢で、繁殖能力があるのですね。生きている化石の神秘性を感じます。
 111歳で初めて父親に、恐竜時代の生き残りムカシトカゲ(AFPBBニュース 2009/01/28)
 ムカシトカゲ(Wikipediaの解説)



2009年1月27日

ガラパゴスより、ゾウガメとイグアナの報告

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 南米エクアドル領のガラパゴス諸島より、貴重な生き物のニュースがありました。
 一つは、ガラパゴスゾウガメに関するものです。「孤独なジョージ」と呼ばれるガラパゴスゾウガメを覚えていますか? 以前、このブログで報告しましたね【「ひとりぼっちのジョージ」が、独りから脱出?(2008/7/025)】。これの続報です。
 二〇〇八年、ジョージと「お見合い」した雌が、卵を産みました。けれども、卵は、すべて無精卵だったようです。一つも孵化【ふか】しませんでした。
 今回は、残念な結果でした。来年以降に希望をつなぎましょう。
 もう一つは、新種のニュースです。ガラパゴスのイグアナのうち、陸に棲むもので、新種が確認されました。
 ガラパゴスには、海と陸とにそれぞれ別種のイグアナがいます。海に棲むのは、ウミイグアナという一種だけです。陸には、ガラパゴスリクイグアナとサンタフェリクイグアナ(バリントンリクイグアナ)の二種が棲みます。
 それが、第三の「陸のイグアナ」が確認されたのですね。じつは、この種のことは、一九八六年から、存在が知られていました。ただ、新種かどうか、疑問が持たれていました。このたび、イタリアの大学の研究で、新種と確認されました。
 この新種はラテン語の学名を、Conolophus rosadaと付けられました。日本語名は、まだありません。英語ではその体色から、Pink Iguanaと呼ばれています。
 このピンクのイグアナは、とても数が少ないです。生息する場所も、限られます。ガラパゴス諸島の中でも、イサベラ島という島のウォルフ火山にしかいないそうです。
 ガラパゴスでは、どの種のイグアナも、保護されています。とはいえ、今回の新種やサンタフェリクイグアナは、絶滅が心配されています。特に数が少ないためです。
 今回の新種は、ガラパゴスのイグアナの研究に、重要な成果をもたらすかも知れません。ガラパゴスのイグアナが、いつ、現在のような種に分化したのか、大きな手がかりを秘めているからです。そんな貴重な彼らは、将来安泰であって欲しいですね。

 ガラパゴスゾウガメの「ひとりぼっちのジョージ」のニュースは、以下にあります。
 「孤独なジョージ」卵、8個ふ化せず ガラパゴスの雄ゾウガメ(産経ニュース 2008/12/04)
 絶滅危機種の卵ふ化せず ガラパゴスのゾウガメ(産経ニュース 2009/01/23)

 ガラパゴスの陸生イグアナの新種のニュースは、以下にあります。
 新種のピンクイグアナ発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2009/01/05)
 ガラパゴス諸島でピンクの新種イグアナ発見される(AFPBBニュース 2009/01/06)


2008年12月18日

メコン川の流域で、千種以上の新種を発見

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 今年も、たくさんの新種が発見されましたね。ここへ来て再び、大量の新種発見の報告がありました。東南アジアの、メコン川流域からの報告です。
 メコン川の流域とは、国名でいえばミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムです。この地域は、多くの「未確認の種」がいることで知られます。
 過去十年間で、この地域からは少なくとも1068種(!)の新種が報告されたそうです。これまで、いかに調査されなかったかがわかりますね。調査が進むにつれ、さらに多くの新種が発見されるでしょう。
 新種といっても、地元の人には馴染みのある生き物かも知れません。けれども、ただ目撃されているだけでは「新種発見」ではありません。たとえ、捕まえて食べているとしてもそれだけではやはり「新種発見」ではありません。
 新種を発見するには、まず標本を採取することが必要です。次に、その標本を他の標本と比較します。これが膨大な作業になります。「どの標本とも違う」とわかって、やっと「新種発見」です。
 「発見」してもそれを公表しなければ世界の人々に知られませんね。公式には、新種のことを書いた論文が発表された時点で「新種発見」となります。
 この時点で新種には、ラテン語の学名が付けられます。これを「記載された」といいます。学名がない生き物は「記載されていない」状態です。「記載されていない」生き物は、公式には「未確認」の状態といえます。
 今回の「記載された」新種には、
 ハブに近縁なヘビ【学名:Trimeresurus gumprechti
 ショッキングピンクのヤスデ【学名:Desmoxytes purpurosea
 ウーリーコウモリ属のコウモリ【学名:Kerivoula kachinensis
などが含まれます。どの種も生態はよくわかっていません。見つかったばかりだからです。
 メコン川の流域は、開発が激しく進んでいる地域です。発見されて早々に、絶滅の危機にある種も少なくないでしょう。彼らと共存する方法を見出したいですね。


 メコン川流域の新種の画像は、以下のページで見られます。
 大メコンの新種――ピットバイパー(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース、2008/12/15) 
 大メコンの新種――ピンクの毒ヤスデ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース、2008/12/15)
 大メコンの新種――ウーリーコウモリ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース、2008/12/15)
 大メコンの新種――カワリアシダカグモ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース、2008/12/15) 
 大メコンの新種――ウデナガガエル(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース、2008/12/15)
 大メコンの新種――巨大アシダカグモ(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース、2008/12/15)
 


図鑑↓↓↓↓↓には、今回発見されたヘビに近縁なハブや新発見のクモに近縁なアシダカグモが掲載されています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
ぜひご利用下さい。

 過去の記事でも、新種の発見を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ヒヨケザルの新発見、メガネザルの再発見(2008/11/20)
 絶滅種?のシカとカエルが、再発見される(2008/10/14)
 タスマニア沖で、二百以上の新種を発見(2008/10/14)などです。

2008年12月 6日

忙中に「食」と「農」あり、博物館へ

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 師走ですね。誰もが忙しそうです。こんな時だからこそ心を養うことを忘れたくありませんね。そう思って、博物館へ行ってまいりました。
 行ったのは、東京農業大学の付属博物館です。「食と農」の博物館という名です。
 お酒や食べ物が好きな方は、行って損はありません。全国の日本酒の蔵元のうち、多くが東京農大の卒業生が経営するところだそうです。
 ニワトリの資料も充実しています。日本在来品種のニワトリは今では珍しいですね。それらの立派な剥製【はくせい】標本が多くあります。
 死んだ標本が苦手な方は、博物館の隣のバイオリウムがお勧めです。バイオリウムとは、生きた動植物がたくさん見られる温室です。
 ここの目玉は、何といってもキツネザルでしょう。原猿類【げんえんるい】という、原始的なサルの仲間です。ラテン語の学名で、レムールlemurとも呼ばれます。
 生きたレムールが見られるところは、動物園でも、少ないです。ここでは、何十頭ものレムールが、元気に跳ね回るのを見られます。
 爬虫類のマダガスカルヒルヤモリや、ケヅメリクガメも、見られます。ヒルヤモリは、レムールと同じく、アフリカ沖の島国マダガスカルに棲むヤモリです。ケヅメリクガメは、アフリカ大陸の、陸上に棲むカメです。
 植物も、熱帯の珍しい種が、いろいろ見られます。熱帯の中でも、乾燥地の種が多いですね。サボテンや、アロエの仲間などです。バオバブの木もあります。小さいながらも、幹が太い特徴が、よく現われています。
 他に、熱帯魚のベタなどもいます。熱帯魚は、売っていますので、家に連れて帰れます。
 嬉しいことに、ここは、入場無料です。手軽なお出かけに、いかがでしょうか。
 場所がちょっとわかりにくいのが、欠点ですね。住宅街の中に、埋もれるようにあります。入口の、大きなニワトリの置物が、目印になります。
 開館時間は、季節により変わります。博物館のウェブサイトで、お調べ下さい。


 東京農業大学「食と農」の博物館のウェブサイトは、以下にあります。
 東京農業大学「食と農」の博物館



図鑑↓↓↓↓↓には、動物、植物、合わせて1800種以上が掲載されています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net


 過去の記事でも、お出かけにぴったりな博物館を紹介しています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 動物? 植物? 「菌類のふしぎ」がわかる(2008/10/22)
馬肥ゆる秋に、馬の博物館へ(2007/10/6 
などです。


2008年9月26日

日本に、大蛇はいるか?

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 古来、日本には、いくつもの大蛇の伝説があります。中には、「ヒトを呑みこんだ」などという話も、ありますね。そんなに大きなヘビは、日本にいるのでしょうか?
 少なくとも、ヒトを呑むほど大型のヘビは、いません。確認される限りでは、日本本土で最大のヘビは、長さ2mほどです。それは、アオダイショウ(青大将)です。北海道から九州まで、普通にいる種ですね。大蛇と呼ぶには、迫力不足です。
 南西諸島には、もう少し、大きくなるヘビがいます。サキシマスジオです。スジオナメラという種の、一亜種です。日本最大といっても、せいぜい、長さ2.5mまでです。
 普通のアオダイショウの大きさは、1mを越えるくらいです。2mを越えるものは、めったにいません。ヘビを見慣れない人ですと、1mほどの個体でも、ひどく大きく見えます。写真などの証拠がないなら、目撃情報は、当てになりません。
 時おり、ヘビの抜け殻が、「大蛇の証拠」として挙げられます。まれに、「2mを越える長さの抜け殻が見つかった」と、話題になることがあります。
 けれども、抜け殻だけでは、「大蛇」と決められません。抜け殻は、本体のヘビよりも、伸びて大きくなるからです。本体のヘビは、拍子抜けするくらい、小さいものです。
 アオダイショウは、人家の近くに、よく現われます。当然、目撃される機会が、多いです。大きな個体がいれば、人目にとまりやすいでしょう。「大蛇」伝説は、そんなところから、生まれたのではないでしょうか。
 伝統的に、日本の農家では、アオダイショウを大切にします。彼らは、ネズミを好んで食べるからです。英語で、rat snake(ネズミヘビという意味)と呼ばれるほどです。
 人家のネズミは、害獣とされますね。特に、養蚕【ようさん】農家では、ネズミの害は、深刻でした。ネズミが、カイコ(蚕)をかじるからです。アオダイショウは、カイコの守り神とされたのでしょう。家に入ってきても、追い出されたりしませんでした。
 伝説の大蛇と違って、アオダイショウは、ヒトには害を与えません。逆に、役に立ってくれます。昔の農家のようには行かなくても、彼らと共存し続けたいですね。
  


図鑑↓↓↓↓↓には、アオダイショウが掲載されています。
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 過去の記事でも、日本のヘビを取り上げています。また、真の意味で「大蛇」といえる外国のヘビも、とりあげています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 春と秋しか行動しない? ジムグリ(2007/09/17)
 マムシは「出産」する?(2007/08/31)
 人に化ける蛇(ヘビ)? アカマタ(2007/08/20)
 ヘビに呑まれた生き物は、救えるか?(2007/01/30)
 ニシキヘビの危険度は?(2005/09/14)
などです。


2008年9月23日

新種のフィジーイグアナを発見

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 南太平洋のフィジー諸島から、新種発見のニュースです。発見されたのは、トカゲの仲間です。イグアナ科フィジーイグアナ属に属する種です。
 新種は、ラテン語の学名を、Brachylophus bulabulaと付けられました。日本語名は、まだ、付いていません。一部の報道では、「ブラブラ」という名だとされていますね。この「ブラブラ」は、ラテン語の学名のbulabulaを、そのまま読んだものです。
 今回の新種以外に、フィジーイグアナ属には、二種が属します。フィジーシロオビイグアナと、フィジータテガミイグアナです。どちらの種も、フィジー諸島に分布します。フィジーシロオビイグアナだけは、トンガ諸島にも分布します。
 フィジーイグアナ属は、研究が進んでいません。日本語の呼び名も、混乱しています。例えば、フィジー「シロオビ」イグアナは、「ヒロオビ」フィジーイグアナとも呼ばれます。フィジータテガミイグアナは、タテガミフィジーイグアナとも呼ばれます。
 フィジーイグアナ属には、大きな謎があります。「彼らの祖先は、どうやって、南太平洋まで来たのか?」です。一種の祖先から、この属の三種が、分化したようです。
 イグアナ科のトカゲは、大部分が、南北のアメリカ大陸に分布します。フィジーイグアナ属は、分布が、とび離れていますね。8000kmほども離れた地に、どうやって、分布を広げたのでしょうか?
 フィジーイグアナ属の祖先は、「約1300万年前に、フィジー諸島へ来た」と考えられています。今回の新種を調べることで、長年の謎が、解けるかも知れません。「祖先から、どの種が、いつ、分化したのか」は、重要な情報です。謎を解く手がかりになります。
 今回の新種を含めて、フィジーイグアナは、みな、絶滅の危機にあります。ネコ(猫)やマングースに食べられたり、ヤギ(山羊)に食べ物を奪われたりしています。
 ネコもマングースもヤギも、もとは、フィジーにいませんでした。ヒトが持ち込んだのです。フィジーイグアナを絶滅させないためには、ヒトが、何かをしなければなりません。
 フィジーイグアナの保護策が、成功することを祈ります。


 フィジーイグアナの新種のニュースは、以下にあります。
 フィジーで新種イグアナ発見=鮮やかな緑色-米豪チーム(時事通信 2008/9/20)
 フィジーイグアナの新種が発見される―長年の謎に手がかり(USGS 2008/9/18) 【英語の解説です。】


 過去の記事でも、新種の爬虫類を取り上げています。また、イグアナの仲間も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 世界最小のヘビ?を発見(2008/08/06)
 ブラジルで、14もの新種を発見(2008/05/03)
 絶滅からよみがえる? シャンハイハナスッポン(2008/04/22)
などです。



2008年8月30日

キノボリトカゲ

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 キノボリトカゲ。沖縄などにいるオキナワキノボリトカゲと体色や大きさが異なる。台湾固有亜種。キノボリトカゲ 画像
和名:キノボリトカゲ
学名:Japalura polygonata
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

台湾 猫空  【2008.08.12】


図鑑↓↓↓↓↓には、オキナワキノボリトカゲが掲載されています。
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2008年8月29日

孵化【ふか】と羽化【うか】とは、どう違う?

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 夏休みも、終わりですね。宿題に励む方々が、多いでしょう。そこで今回は、生き物の、間違えやすい用語について、解説しますね。
 孵化【ふか】という言葉がありますね。似た言葉で、羽化【うか】というのも、あります。この二つは、よく混同されます。新聞などでも、時おり、間違えています。
 孵化とは、「卵から、子どもが生まれること」です。この言葉は、ほぼ、どんな生き物に対しても、使われます。例えば、以下のようなものです。
 「チョウ(蝶)の卵から、ケムシ(毛虫)が生まれる」、「メダカの卵から、稚魚【ちぎょ】が生まれる」、「カエルの卵から、オタマジャクシが生まれる」、「ニワトリの卵から、雛【ひな】が生まれる」、これらすべてが「孵化」です。羽化ではありません。
 羽化のほうは、主に、昆虫に使われる言葉です。「昆虫が、最後の脱皮をして、成虫になること」を、「羽化」といいます。成虫になると、昆虫は、脱皮しません。
 ところが、ややこしいことが、あります。昆虫は、種によって、成長の仕方に、違いがあるのです。例えば、トンボとチョウとでは、以下のとおり、異なります。
 トンボは、「卵→幼虫(ヤゴ)→成虫」という具合に、成長します。チョウは、「卵→幼虫(イモムシなど)→蛹【さなぎ】→成虫」という具合です。違いますよね?
 トンボには、蛹という段階が、ありません。トンボ以外では、カゲロウや、セミなどが、同じように成長します。蛹の段階がなく、幼虫から、直接、成虫になります。
 蛹から成虫になる場合でも、幼虫から成虫になる場合でも、「羽化」です。つまり、「チョウの蛹から、チョウの成虫が出てくる」ことも、「トンボの幼虫が、脱皮して、成虫になる」ことも、「羽化」と呼びます。孵化ではありません。
 昆虫には、もっと別の成長の仕方をするものも、います。孵化や羽化という段階を、持たない場合も、あります。例えば、「成虫が、卵を産まずに、幼虫を産む」種がいます。これなどは、「孵化」の段階がないわけです。
 生物の用語は、辞書を引いてから使ったほうが、確実ですね。
 


図鑑↓↓↓↓↓には、400種の昆虫が掲載されています。それぞれの種に、成長段階の解説が、付いています。
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 過去の記事でも、孵化【ふか】や、羽化【うか】に関することを、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
●孵化【ふか】に関連する記事
 【魚類】睨みを利かせるお父さん? オヤニラミ(2008/06/13)
 【無脊椎動物】田んぼの生きている化石、カブトエビ(2007/06/08)
 【鳥類】郭公(カッコウ)はずるい鳥か?(2007/05/25)
 【爬虫類】雌(メス)しかいないトカゲがいる?(2007/03/06)
 【両生類】樹上に卵を産むモリアオガエル(2006/07/10)
 【昆虫】子どもの揺籠【ゆりかご】を作る虫、オトシブミ(2006/06/12)
●羽化【うか】に関連する記事【すべて昆虫】
 アブラゼミの羽化直後の観察(2007/07/18)
 とんぼの眼鏡は水色めがね? シオカラトンボ(2007/05/04)
 はかないようでしぶとい? カゲロウ(2006/09/04)
などです。


2008年8月22日

ウミヘビ(海蛇)は、危険な毒蛇か?

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 サンゴ礁の海は、生き物の宝庫ですね。思いがけない生き物も、そのメンバーに入っています。例えば、ウミヘビです。名のとおり、海に棲むヘビですね。
 ウミヘビには、たくさんの種がいます。多くが、熱帯の海に棲みます。日本の沿岸では、南西諸島や小笠原諸島で、見られます。本土のほうでも、見られることがあります。
 「ウミヘビは、毒ヘビだ」と、聞いたことがありませんか? これは、本当です。けれども、安心して下さい。大部分のウミヘビは、おとなしいです。危険はありません。
 ウミヘビの生態は、よくわかっていません。水中に棲むため、観察が難しいのですね。何を食べるのか、不明な種もいます。多くの種は、魚類を食べるようです。
 中には、陸に上がるウミヘビもいます。エラブウミヘビなどが、そうです。エラブウミヘビは、比較的、生態が知られるウミヘビです。若いうちは、縞模様が目立ちます。
 すべてのウミヘビが、上陸するわけではありません。多くの種は、一生、陸に上がりません。繁殖さえ、水中で行ないます。水中に、卵ではなく、子どもを産みます。
 エラブウミヘビは、違います。彼らは、毎日、上陸します。休息する時には、陸に上がるのですね。夜行性のため、昼間、陸で休息します。
 彼らは、産卵の時にも、上陸します。彼らの卵は、水中では、育たないからです。
 ヒロオウミヘビや、アオマダラウミヘビも、エラブウミヘビと似た生活をします。これら三種は、外見も似ています。見た目どおり、互いに、近縁です。どの種も、コブラ科エラブウミヘビ属に属します。(コブラ科ではなく、ウミヘビ科という説もあります)
 エラブウミヘビ属の種は、他のウミヘビとは、違うグループのようです。生活の一部を、陸に依存するからです。「他のウミヘビより、後から海へ入った」と考えられています。ウミヘビの進化を知るために、貴重なグループですね。
 エラブウミヘビ属に限らず、ウミヘビには、黒い縞模様のある種が、多いです。これは、警戒色だとされています。「ぼくらは毒があるぞ。危険だから、近寄らないで」と、周囲に示すわけです。彼らの毒は、身を守るためのものなのですね。



図鑑↓↓↓↓↓には、エラブウミヘビが掲載されています。
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ぜひご利用下さい。


 過去の記事でも、ウミヘビの仲間を取り上げています。また、エラブウミヘビと同じく、南西諸島に分布するヘビも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 人に化ける蛇(ヘビ)? アカマタ(2007/8/20)

 「三すくみ」は嘘だった? 蛇はナメクジも平気(2007/2/15)
 ウミヘビ(海蛇)は龍神の使い?(2006/10/30)
などです。


2008年8月 6日

世界最小のヘビ?を発見




 カリブ海に浮かぶ島国、バルバドスから、興味深いニュースが届きました。「おそらく、世界最小と思われるヘビ(蛇)が、見つかった」というのです。
 そのヘビは、長さが10cmほどしかありません。太さは、細めのスパゲティくらいです。ヘビというより、黒っぽいミミズに見えます。無毒のヘビです。
 このヘビは、これまでに知られない新種です。ラテン語の学名を、Leptotyphlops carlaeと付けられました。日本語名は、付けられていません。ホソメクラヘビ科に属します。
 この新種は、石の下や、土の中に棲むようです。「シロアリの成虫や、幼虫を食べる」と推定されています。ホソメクラヘビ科の種は、みな、そのような生活だからです。
 日本には、ホソメクラヘビ科のヘビは、分布しません。よく似たメクラヘビ科の種が、分布します。ブラーミニメクラヘビという種です。ただし、この種は、近年になってから、日本に来ました。外来種ですね。いつ、どこから来たのかは、わかっていません。
 今回の新種ヘビは、二〇〇六年に、発見されていました。けれども、新種かどうか、確認するのに、時間がかかりました。やっと、二〇〇八年になって、発表できました。
 じつは、この新種の標本らしきものが、以前から、博物館にあったようです。英国のロンドン自然史博物館に一つ、マルティニーク島の博物館に二つです。マルティニーク島は、バルバドスと同じく、カリブ海に浮かぶ島です。フランスの領土です。
 前記のとおり、生物の研究には、時間がかかります。採集されたものの、研究が進んでいない標本が、少なくありません。特に、小さな生物は、そうなりやすいです。研究が、困難だからです。小さいものは、解剖するのも、大変ですよね。
 カリブ海の島々には、同じような小型のヘビが、分布しています。例えば、マルティニーク島には、今回の新種より5mmほど長いだけの種が、分布します。また、セントルシアという島国でも、今回の新種と似た別種が、発見されました。
 これらのヘビは、どの種も、絶滅の危機にあります。人間により、生息地の森林が、切り開かれているからです。貴重なヘビたちを、保護して欲しいですね。


 「世界最小のヘビ」のニュースは、以下にあります。
 世界最小のヘビを発見(ナショナル・ジオグラフィック・ニュース 2008/08/03) 
 長さ10センチ、太さはめんほど??世界最小、新種のヘビ(47ニュース 2008/08/04)
 世界最小のヘビが発見される(BBC News 2008/08/03)  ※英語の解説です。
 スパゲティほど細い、世界最小のヘビ(ロイターUK 2008/08/03)※英語の解説です。



図鑑↓↓↓↓↓には、日本のヘビが、十五種ほど掲載されています。ban_zukan.net.jpg
インターネット生物図鑑-zukan.net-
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 過去の記事でも、いろいろなヘビを取り上げています。今回の新種の食べ物と考えられる、シロアリの記事もあります。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ベトナムで、新種の発見ラッシュ(2007/09/27) 
 春と秋しか行動しない? ジムグリ(2007/09/17)
 迷子のヘビが無事に故郷へ、サキシマバイカダ(2007/06/12) 
 シロアリとアリとは、どう違う?(2007/06/11)
 「三すくみ」は嘘だった? 蛇はナメクジも平気(2007/02/15)
などです。



2008年7月25日

「ひとりぼっちのジョージ」が、独りから脱出?




 ガラパゴス諸島(南米のエクアドルに所属)から、ニュースです。絶滅寸前のガラパゴスゾウガメに、子孫ができるかも知れません。
 ガラパゴスゾウガメは、とても大きなカメ(亀)です。世界中で、ガラパゴス諸島にしかいません。状況は、危機的です。いくつかの島では、ゾウガメは、絶滅しました。
 今回のニュースの主役は、ガラパゴスゾウガメの中の、ピンタゾウガメという亜種です。亜種とは、同種の中でも、違いがある個体群を指します。ピンタゾウガメは、ガラパゴス諸島の、ピンタ島に分布していた亜種です。「亜種ではなく、種のレベルで、他のガラパゴスゾウガメとは違う」という意見もあります。
 現在、確認されているピンタゾウガメは、たった一頭です。英語で、ロンサム・ジョージLonesome Georgeと呼ばれます。「孤独なジョージ」という意味ですね。
 ジョージは、30年以上前から、独りぼっちです。「彼に、お嫁さんを見つけよう」という努力が続けられてきました。けれども、これまでは、うまく行きませんでした。
 理由は、二つあります。一つは、彼以外に、ピンタゾウガメが見つからないことです。もう一つは、ジョージが、雌(メス)に関心を示さないことです。これは、彼が高齢なため、と考えられてきました。彼の年齢は、推定で60歳~90歳です。
 ところが、ニュースによれば、この二つの原因が、解消されたようです。
 まず、2007年の4月に、「ジョージに近縁なカメが、見つかった」と発表されました。純粋なピンタゾウガメではなくとも、ピンタゾウガメの血を引く個体が、見つかったようです。そのような個体と、ジョージをつがいにすることが、計画されています。
 さらに、今回、「ジョージと『お見合い』している雌が、産卵した」と発表されました。ただし、その卵の父親が、ジョージなのかどうかは、未確認です。また、お相手の雌が、ピンタゾウガメの血を引くのかどうか、ニュースでは、言及されていません。
 カメの仲間は、高齢でも、繁殖能力があることが多いです。今回、産まれた卵が、本当に、ジョージの子どもだといいですね。


 孤独なゾウガメ「ひとりぼっちのジョージ」のニュースは、以下にあります。
 ゾウガメの「ロンサム・ジョージ」、40年間の独身生活にピリオド?(AFPBBニュース 2008/07/23)
 絶滅危ぐのガラパゴスゾウガメ「ロンサム・ジョージ」に近縁種見つかる - 米国(AFPBBニュース 2007/05/01)
 40年前から一人ぼっちのゾウガメ、「ロンサム・ジョージ」 - エクアドル(AFPBBニュース 2006/06/28)
  


図鑑↓↓↓↓↓には、残念ながら、ガラパゴスゾウガメは載っていません。そのかわり、日本のカメが9種が掲載されています。
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 過去の記事でも、珍しいカメを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 鼈甲【べっこう】になるだけじゃない、タイマイ(2008/06/20)
 絶滅からよみがえる? シャンハイハナスッポン(2008/04/22)
 イシガメが絶滅寸前?(2007/11/19)
 アオウミガメは、どこが青いか?(2007/05/11)
 世界最大の亀(カメ)はどこにいる?(2006/04/03)
などです。



2008年7月23日

オキナワキノボリトカゲ

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 木登り上手。 オキナワキノボリトカゲ 画像
和名:オキナワキノボリトカゲ
学名:Japalura polygonata
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

沖縄 金武  【2008.07.12】
  


図鑑↓↓↓↓↓には、オキナワキノボリトカゲが掲載されています。
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2008年6月20日

鼈甲【べっこう】になるだけじゃない、タイマイ

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 そろそろ、ウミガメ(海亀)の便りが聞かれる季節です。日本の海岸には、夏、ウミガメが、産卵にやって来ますね。日本では、何種かのウミガメが、産卵します。
 一番多いのは、たぶん、アカウミガメでしょう。けれども、有名なのは、タイマイかも知れません。鼈甲【べっこう】の材料になるからです。鼈甲は、宝飾品になりますね。
 タイマイの甲羅の一部が、鼈甲です。美しい色として、鼈甲色【べっこういろ】という名があるほど、珍重されます。タイマイ以外のカメからは、鼈甲は、できません。
 タイマイの甲羅は、他のカメの甲羅と、構造が違います。大きな鱗【うろこ】状のもの――鱗板【りんばん】といいます――が、何枚も、重なっています。瓦【かわら】のような状態です。重なりの下の方にある鱗板が、鼈甲になります。
 他種のカメは、このような構造ではありません。甲羅の鱗板は、一層です。重なっていません。このため、鼈甲にならないのですね。
 タイマイ(玳瑁)とは、元来、この特殊な甲羅を指す言葉でした。それが、カメの種名になりました。タイマイにとっては、この甲羅が、命取りでした。鼈甲を得るため、たくさん殺されてしまいました。
 現在、タイマイの捕獲は、禁止です。ほぼ、全世界で、です。数が減りすぎたからです。高級品になるものは、乱獲されがちです。捕獲には、厳しい制限が必要でしょう。
 タイマイは、熱帯と亜熱帯の海に棲みます。サンゴ礁の海ですね。日本では、南西諸島と、小笠原諸島の周辺にしかいません。産卵するのも、それらの諸島の海岸だけです。
 タイマイの数が減ったのは、乱獲のためばかりではありません。サンゴ礁の環境破壊も、重大な影響があります。タイマイは、サンゴ礁に、生活を依存しているからです。
 タイマイの主な食べ物は、カイメン(海綿)と呼ばれる動物です。カイメンの中の、限られた種を、好んで食べます。それらの種は、どれも、サンゴ礁にしかいません。サンゴ礁に、カイメンが棲めなくなれば、タイマイの食べ物がなくなります。
 生き物を保護するには、環境をまるごと保護することが、大切ですね。


 過去の記事でも、ウミガメの仲間を取り上げています。また、タイマイが食べるカイメン(海綿)の仲間も、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 カイメン(海綿)とは、どんな生き物?(2007/07/20)
 アオウミガメは、どこが青いか?(2007/05/11)
 浦島太郎が助けたのはアカウミガメ?(2006/07/28)
 世界最大の亀(カメ)はどこにいる?(2006/04/03)(2007/07/23)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、タイマイが載っています。タイマイの食べ物の、カイメン類も掲載されています。
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2008年5月20日

ナイルオオトカゲ

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 ナイルオオトカゲ 画像
和名:ナイルオオトカゲ
学名:Varanus niloticus
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

神奈川県 金沢区  【2008.04.24】


2008年5月 7日

カーペットカメレオン

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 カーペットカメレオン 画像
和名:カーペットカメレオン
学名:Furcifer lateralis
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

神奈川県 金沢区  【2008.04.24】


2008年5月 4日

パンサーカメレオン

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 パンサーカメレオン 画像
和名:パンサーカメレオン
学名:Furcifer pardalis
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

神奈川県 金沢区  【2008.04.24】


2008年5月 3日

ブラジルで、14もの新種を発見

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 またもや、新種発見のニュースです。今度の舞台は、南米のブラジルです。なんと、一挙に、十四種が発見されました。
 種の内訳は、魚類が八種、両生類が一種、爬虫類が三種、鳥類が一種、哺乳類が一種です。うち、いくつかの種を、紹介しましょう。
 爬虫類三種のうちの一種は、脚【あし】がないトカゲです。ピグミーテグー科バキア【Bachia】属の一種、と考えられています。この仲間は、日本には分布しません。
 「脚がないトカゲとは、ヘビ(蛇)ではないのか?」と思う方がいるでしょう。トカゲとヘビの違いは、脚の有無だけではありません。他に、いくつもの違いがあります。
 大きな差の一つは、トカゲには、瞼【まぶた】があることです。ヘビには、瞼がありません。ですから、ヘビは、まばたきをしません。
 今回の新種「脚がないトカゲ」にも、瞼があります。バキア属の特徴として、透明な瞼を持つはずです。このため、バキア属のトカゲは、目を閉じても、見ることができます。
 鳥類の新種は、とても小さなキツツキです。キツツキ科ヒメキツツキ属の一種、とされています。ヒメキツツキの仲間も、日本には分布しません。
 両生類の新種は、一見、ヒキガエルに似ています。英語名を、「角のあるヒキガエルhorned toad」というほどです。けれども、ヒキガエル科ではありません。ユビナガガエル科ツノガエルモドキ属の一種、とされます。ツノガエルモドキも、日本には、分布しません。
 これらの種が発見されたのは、ブラジルのセラードと呼ばれる地域です。ここは、自然の宝庫です。前記の新種以外にも、たくさんの貴重な種がいます。
 例えば、鳥類のスミレコンゴウインコや、クロアイサや、マメシギダチョウ、および、哺乳類のアメリカヌマジカや、ミツオビアルマジロなどです。みな、絶滅の危機にある種です。彼らにとって、セラードは、最後の楽園かも知れません。
 残念ながら、この楽園が、おびやかされています。人間による開発が、進んでいるからです。何とか、この野生の王国を、残したいですね。


 ブラジルの新種のニュースは、以下に載っています。
 ブラジルの草原で、「脚がないトカゲ」などの新種が発見される(コンサベーション・インターナショナル 2008/04/29) ※英語の解説です。
 ブラジルの草原で発見された新種たちの写真(コンサベーション・インターナショナル、2008/04/29) ※英語ですが、写真集ですので、観るだけで楽しめます。


 過去の記事でも、新種の発見を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 両生類は、肺がなくても生きられる?(2008/05/01)
 タンザニアで、新種の哺乳類を発見!(2008/04/16)
 再発見! オキナワトゲネズミ(2008/03/07)
 インドネシアのパプアで、新種の哺乳類を発見(2007/12/19)
 霊長類【れいちょうるい】が絶滅の危機に?(2007/11/01)
 ベトナムで、新種の発見ラッシュ(2007/09/27)
 新種のクシクラゲ? 発見(2007/6/13)
などです。


2008年4月22日

絶滅からよみがえる? シャンハイハナスッポン

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 ベトナムから、嬉しいニュースが届きました。「野生では、絶滅したのでは?」といわれていたカメ(亀)の一種で、野生の個体が発見されました。
 そのカメは、シャンハイハナスッポンという種です。スッポン(鼈)の仲間ですね。スッポン科ハナスッポン属に属します。ラテン語の学名は、Rafetus swinhoeiです。
 確認される限り、シャンハイハナスッポンは、2008年現在で、三頭しかいませんでした。中国に二頭、ベトナムに一頭です。どれも、飼育されています。
 ただし、ベトナムの飼育個体は、新種のRafetus leloii(ラテン語の学名)だ、ともいわれます。Rafetus leloiiという種は、まだ、正式には、認められていません。
 確認個体のうち、雌(メス)は、中国の動物園にいる一頭だけでした。しかも、その個体は、百歳を越えています。これでは、絶滅が確定したようなものですね。
 それが、新たな個体が見つかったのです。場所は、ベトナム北部の沼です。
 シャンハイハナスッポンは、非常に大きくなるカメです。体長は、1mに達し、体重は、100kgを越えることもあります。寿命は、100年を越えます。
 ベトナムには、「国の危機を救ったカメ」の伝説があります。大きな金色のカメだそうです。その伝説のカメは、シャンハイハナスッポン、もしくは、近縁のRafetus leloiiだと、いわれます。ベトナムの人にとって、今回のニュースは、ことに嬉しいでしょう。
 ハナスッポン属のカメは、どの種も、危機にあります。ひどく数が減っています。シャンハナスッポンと別に、Rafetus leloiiという種がいたとしても、絶滅同然です。西アジアでは、メソポタミアハナスッポンが、「野生絶滅したのでは?」といわれています。
 シャンハイハナスッポンについては、現在、緊急の繁殖プロジェクトが、進んでいます。幸いなことに、たった一頭の雌に、繁殖能力がある、とわかりました。百歳の「お婆さん」なのに、驚きですね。この雌に、お婿さんを迎える計画です。
 この計画が、成功するといいですね。でも、野生の個体が増えるのが、理想です。今回見つかった個体は、野生で長生きして、子孫を増やして欲しいですね。


 シャンハイハナスッポンのニュースは、以下にあります。
 伝説の巨大スッポン、ベトナムで米チームが野生の個体を発見(AFPBBニュース 2008/4/19)
 鶴は千年亀は万年と言うけれど絶滅の危機100歳スッポン花婿を急募―湖南省長沙市(レコードチャイナ 2007/05/23)
 一九六八年に捕らえられたシャンハイハナスッポン、または、近縁種のRafetus leloiiの剥製【はくせい】写真があります

 驚いたことに、以前、日本で、シャンハイハナスッポンが見つかったことがあります。食用のスッポンに混じって、輸入されたものが、放たれたようです。奈良県の猿沢池というところです。
 猿沢池の外来カメの詳細  ※直接、pdfファイルにつながります。


 過去の記事で、スッポンなど、淡水に棲むカメを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 イシガメが絶滅寸前?(2007/11/19)
 スッポン(鼈)の故郷はどこ?(2007/02/23)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、スッポンなど、九種のカメが掲載されています。
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2008年4月18日

ヘビと付くのに蛇じゃない、カナヘビ

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 春、爬虫類たちも、冬眠から覚めてきます。中でも、トカゲの仲間は、住宅地でも、見ることがありますね。
 日本でトカゲといえば、「石垣や草陰を、ちょろちょろと這うもの」でしょう。日本の内地で、屋外を「ちょろちょろ這う」トカゲは、大きく二つのグループに分かれます。
 一つは、トカゲ科に属するグループです。トカゲ科は、スキンク科とも呼ばれます。もう一つは、カナヘビ科に属するグループです。
 日本のトカゲ科と、カナヘビ科とは、外見が似ています。どちらも、体が細長く、脚が短いです。区別しやすい点は、「体のつや」です。
 トカゲ科のトカゲは、鱗【うろこ】がすべすべです。体につやがあります。対して、カナヘビ科のトカゲは、鱗がざらざらです。体につやがありません。皮膚の印象が、「つるすべ」ならトカゲ科の種で、「ざらざら」ならカナヘビ科の種、と覚えるとよいです。
 カナヘビ科のほうが、全体的に細長いです。特に、尾が長いです。脚が見えなければ、ヘビと間違えそうです。トカゲの仲間なのに、カナ「ヘビ」と付けられたのは、このためでしょう。「カナ」の意味には、諸説があります。定説はありません。
 日本で、最も平凡なカナヘビ科の種は、ニホンカナヘビでしょう。日本の内地であれば、およそ、どこにでもいます。茶色っぽい、地味なトカゲです。多くの地方では、「カナヘビ」といえば、ニホンカナヘビを指します。
 ややこしいことに、地方によっては、別の種を「カナヘビ」と呼びます。トカゲではなく、ある種のヘビを、「カナヘビ(金蛇)」と呼ぶ地方があります。具体的に、どんなヘビを「カナヘビ」と呼ぶのかは、わかりません。伝承が、統一されていないからです。
 ニホンカナヘビは、目立たない生き物です。外見が地味なうえ、ヒトとは、直接の利害関係がありません。普通の人には、関心を持たれにくいです。
 けれども、ニホンカナヘビは、日本の固有種です。世界的には、珍しいのですね。身近なところの、貴重な自然です。山奥へ行かなくても、自然はあるものですね。


 過去の記事でも、日本のトカゲの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 
 大洋に生きるオガサワラトカゲ(2007/11/09)
 トカゲモドキとはどんな生き物?(2006/12/29)
 トカゲのしっぽ切りは、何のため?(2006/09/11)

などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、ニホンカナヘビが掲載されています。
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2008年2月11日

イグアナ? いえ、キノボリトカゲです

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 近年、爬虫類をペットにする人が、増えていますね。イグアナなど、外国産の種に、人気があるようです。エキゾチックな魅力を感じるからでしょう。
 ところが、日本にも、イグアナにちょっと似たトカゲがいます。キノボリトカゲです。
 キノボリトカゲは、日本の南西諸島と、台湾に分布します。名のとおり、主に樹上に棲みます。日本の本土のトカゲとは、だいぶ外見が違います。
 まず、体色が違います。キノボリトカゲは、明るい緑色であることが、珍しくありません。ただし、体色には、個体差や地域差があります。
 体型も違います。頭が角ばって、大きいです。鱗【うろこ】がざらざらした感じです。体は細いのに、全体的に、ごつごつした印象です。イグアナのように見えるわけですね。
 キノボリトカゲは、イグアナの仲間(イグアナ科)なのでしょうか? 違います。属するのは、キノボリトカゲ科です。キノボリトカゲ科は、アガマ科とも呼ばれます。
 キノボリトカゲ科のトカゲは、ユーラシア、アフリカ、オセアニアに広く分布します。日本に分布するのは、ただ一種、南西諸島のキノボリトカゲだけです。日本の生物相が、ユーラシア大陸とつながっていることが、わかりますね。
 ややこしいことに、日本のキノボリトカゲは、名称に混乱があります。現在のところ、種名としては、「リュウキュウキノボリトカゲ」が正式なようです。が、その他に、「オキナワキノボリトカゲ」という名が、使われることがあります。
 「オキナワ~」は、リュウキュウキノボリトカゲの中の、亜種の一つの名称です。南西諸島のうち、沖縄と奄美諸島に分布する亜種を指します。これが、リュウキュウキノボリトカゲ全体を指すように使われることがあります。そのため、混乱しています。
 リュウキュウキノボリトカゲには、他に、ヨナグニキノボリトカゲ、サキシマキノボリトカゲ、キグチキノボリトカゲという亜種があります。どの亜種も貴重です。
 亜種は、それぞれ、外見や分布域が、少しずつ違います。滅ぼしていい亜種など、ありません。日本の「イグアナもどき」たち全部が、健全でいて欲しいですね。


 過去の記事でも、日本の南西諸島の爬虫類を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 人に化ける蛇(ヘビ)? アカマタ(2007/08/20)
 アオウミガメは、どこが青いか?(2007/05/11)
 トカゲモドキとはどんな生き物?(2006/12/29)
 ツチノコの正体? ヒメハブ(2006/08/14)

などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、オキナワキノボリトカゲが掲載されています。
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2008年2月 7日

タイマイ

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 沖縄美ら海水族館で、飼育されているタイマイ。撮影してたら、寄ってきました。愛嬌がありますね。 タイマイ 画像。
和名:タイマイ
学名:Eretmochelys imbricata
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※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

沖縄  沖縄美ら海水族館  【2008.02.01】



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2007年11月19日

イシガメが絶滅寸前?

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 現在、日本のカメに、危機が迫っています。特に危機的と言われるのが、ニホンイシガメという種です。日本にしかいない、固有種です。池などの淡水域に棲みます。
 ニホンイシガメの危機の原因は、いくつかあります。近年、問題にされるのは、外来種のカメです。外国から来たカメに、生息地を奪われているのですね。
 今、日本の淡水域で、最も数が多いのは、おそらく、アカミミガメです。本来は、南北のアメリカ大陸に、広く分布する種です。日本には、ペットとして持ちこまれました。
 ペットショップなどで、「ミドリガメ」が売られているのを、見たことがありませんか? あの「ミドリガメ」は、アカミミガメの幼体です。「ミドリガメ」は、想像以上に大きくなります。それを持て余し、捨ててしまう人が多いのですね。不心得なことです。
 アカミミガメと、ニホンイシガメは、生息地が重なります。つまり、同じような場所に棲みます。当然、すみかの奪い合いが起こります。
 争いになれば、アカミミガメのほうが有利です。体が大きくなるからです。そのうえ、アカミミガメのほうが、産む卵の数が多いです。ニホンイシガメは、多くても、年に十二個程度しか産卵しません。対して、アカミミガメは、年に三十個以上産卵することも、珍しくないといいます。これでは、ニホンイシガメは、まったく敵いませんね。
 外来種以上に、ニホンイシガメを脅かすものがあります。環境の悪化です。農薬がまかれた水田や、コンクリートで岸が固められた川には、カメは棲めません。
 ここ数十年の間、ニホンイシガメは、環境の悪化に追い詰められていました。そこへ、強力な競合相手が現われたのです。ますます、数が減ってしまいました。
 環境の悪化も、競合相手の登場も、人間のせいですね。なのに、現在のところ、ニホンイシガメがどれくらい危機的なのかも、わかっていません。データがなければ、彼らを救う方法も、うまく考えられません。心ある研究者が、細々と研究している状態です。
 「気づいた時には手遅れ」などという事態は、いやですね。貴重な日本固有種が、絶滅するかも知れません。そうなる前に、対策が取られることを望みます。


 過去の記事でも、カメの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 カメについての質問【夏休み自由研究】(2007/8/22)
 スッポン(鼈)の故郷はどこ?(2007/2/23)
 浦島太郎が助けたのはアカウミガメ?(2006/7/28)  
 飼う前によく考えましょう、カミツキガメとワニガメ(2006/4/5) などです。
  


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2007年11月 9日

大洋に生きるオガサワラトカゲ

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 東洋のガラパゴス、小笠原諸島には、固有種がたくさん分布します。目立たなくても、貴重な生き物が多いのです。中から、今回は、オガサワラトカゲを紹介しましょう。
 オガサワラトカゲは、地味なトカゲです。本土にいるニホントカゲより、小柄で細いです。ニホントカゲよりは、ニホンカナヘビに似ています。でも、ニホンカナヘビとは違う仲間です。ニホントカゲと同じトカゲ科(スキンク科ともいいます)に属します。
 オガサワラトカゲには、変わった特徴があります。彼らは、まばたきをしません。なぜなら、瞼【まぶた】が透明になって、ぴったりと眼を覆っているからです。常に、透明な瞼ごしに、ものを見ているのですね。この特徴は、ヤモリやヘビと同じです。
 普通のトカゲは、まばたきをします。普通の瞼があるからです。なぜ、オガサワラトカゲがこうなったのかは、わかっていません。
 オガサワラトカゲは、ボウトンヘビメトカゲというトカゲの亜種です。ボウトンヘビメトカゲは、大洋の島々に、広く分布する種です。棲む島や、地域ごとに、亜種に分かれています。種を分けるほどでなくても、違いがある、ということですね。「ヘビメ」トカゲという名は、ヘビと同じく、透明な瞼に覆われた眼であることから付きました。
 亜種とはいえ、オガサワラトカゲが貴重なことは、変わりません。彼らの先祖は、流木か何かに乗って、小笠原へ着いたのでしょう。長い年月、仲間と離れて暮らすうちに、独自の亜種になりました。小笠原の彼らが滅びてしまったら、地球上には、オガサワラトカゲという生き物が、いなくなります。
 今、オガサワラトカゲの生息地が、おびやかされています。生息域の破壊や、外来種のためです。特に、外来種の影響が、強く懸念されています。
 小笠原には、グリーンアノールという外来種のトカゲがいます。オガサワラトカゲと同じく、昆虫やクモを食べます。同じところに棲めば、食べ物の奪い合いになりますよね。オガサワラトカゲや、同様に前からいるオガサワラヤモリに、悪影響がありそうです。外来種に負けず、先住の種に、生き残って欲しいですね。

 過去の記事でも、小笠原の生き物を取り上げています。また、トカゲの仲間も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。 
 ヤシ? いいえシダの木です。マルハチ(2007/11/02)
 雌(メス)しかいないトカゲがいる?(2007/3/6)
 トカゲのしっぽ切りは何のため?(2006/9/11)
などです。


図鑑↓↓↓↓↓には、オガサワラトカゲと、同じく小笠原に棲むオガサワラヤモリは掲載されています。
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2007年9月27日

ベトナムで、新種の発見ラッシュ

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 東南アジアのベトナムで、新種の生き物が、相次いで発見されています。つい先日も、ベトナム中部で、十一種もの新種が見つかった、というニュースがありました。
 発見された新種は、爬虫類のヘビが一種、昆虫のチョウが二種、植物が八種だそうです。これらの中には、近縁な種が、日本に分布するものもいます。
 例えば、新種のヘビです。このヘビは、通称「白ひげ」と呼ばれるようです。口の周囲が白いからです。「白ひげ」は、日本のヒバカリというヘビに、とても近縁です。同じナミヘビ科ヒバァ属に属します。「白ひげ」とヒバカリとを、写真で見比べると、横顔が似ています。ヒバカリも、少しですが、口の周囲が白っぽくなっています。
 新種のチョウのうち、一種は、セセリチョウ科に属します。セセリチョウの仲間は、日本にもたくさん分布します。おおむね、小型で、茶色っぽいチョウです。写真で見る限り、新種のチョウも、同じ特徴を持っていますね。ただし、同じセセリチョウでも、日本には、同じ属の種はいないようです。
 新種の植物の中には、何種かのランが含まれています。ラン科の植物は、日本にもたくさんありますね。けれども、ランの仲間は、形態がとても多様です。同じ科なのに、似ても似つかない種が多いです。
 今回、見つかったランの中には、まったく葉がない種があります。葉どころか、葉緑素もありません。全体が、ほぼ真っ白です。これでは、光合成ができませんね。どうやって、エネルギーを得るのでしょう?
 このランは、腐った落ち葉などから、エネルギーを得ます。このような生活の植物を、腐生植物と呼びます。腐生植物は、日本にもあります。ギンリョウソウなどがそうです。ギンリョウソウも、外見がほぼ真っ白です。今回の新種に似ています。でも、ギンリョウソウは、イチヤクソウ科に属します。ラン科の新種とは、遠縁です。
 ベトナムで、新種の発見が多いのは、自然が豊かな証拠でしょう。これほどの豊かさは、末永く維持したいですね。


 ベトナムの新種のニュースは、以下のページに載っています。
 ヘビなど11の新種動植物=ベトナムの森林で発見-WWF(時事通信 2007/09/26)
 新種の動植物、ベトナムで発見される(WWF)※英語です
 ベールをはがされたベトナム、写真ニュース(BBC News) ※英語です。発表された種の画像がいくつか見られます。

 過去の記事で、新種のヘビに近縁なヒバカリを取り上げています。また、近年、アジアで発見された生き物も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 毒がないのに毒蛇? ヒバカリ(2007/7/15)
 新種発見!! 体色が変わるカエル(2007/5/24)
 ボルネオ(カリマンタン)島で、新種の豹(ヒョウ)を発見(2007/3/17)
などです。


図鑑↓↓↓↓↓には、ヒバカリ、セセリチョウ科のチョウ、ラン科の植物、ギンリョウソウが掲載されています。
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2007年9月25日

スイレンと他生物

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 画像左上に、ぼんやりオンブバッタらしき昆虫が写ってますね。
和名:スイレンの一種
学名:Nymphaea spp.
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和名:オンブバッタ
学名:Atractomorpha lata
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和名:ミシシッピーアカミミガメ
学名:Trachemys scripta elegans

※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

東京 新宿 【2007.09.13】
  


図鑑↓↓↓↓↓には、日本土着の『スイレン』であるヒツジグサやハス、オンブバッタが掲載されています。
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2007年9月17日

春と秋しか行動しない? ジムグリ

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 暑さ寒さも彼岸まで、と言いますね。体感的には、この言い伝えは正しいです。秋のお彼岸の後には、暑さが引きますよね。ほっとします。
 ヒト以外の生き物でも、ほっとするものがいます。すべての生き物が、夏に活発になるわけではありません。なかには、夏眠【かみん】する生き物もいます。
 夏眠とは、暑い時期に、ひたすら眠り続けることです。食事や移動など、普段の行動を、一切しません。冬眠の夏版ですね。暑すぎるのも、不利益になるからです。
 日本にも、夏眠する生き物がいます。例えば、ジムグリがそうです。
 ジムグリは、ヘビの一種です。毒ヘビではありません。ヒトには無害です。南西諸島以外の、ほぼ日本全国に分布します。田畑など、人間の身近にも棲みます。
 なぜ、ジムグリは夏眠するのでしょうか? 暑さが苦手だからでしょうか?
 暑さだけが、原因ではありません。他の大きな原因として、食べ物があります。
 ジムグリの主食は、ネズミとモグラです。特に、ネズミの子が好物です。土の中のネズミの巣を襲って、子ネズミを食べます。同じく、土中にいるモグラも、襲って食べます。
 ネズミは、春と秋に繁殖します。つまり、子ネズミは、春と秋にしかいません。ジムグリにとって、冬と夏は等しく「食べ物がない時期」なのですね。このために、冬は冬眠し、夏は夏眠して、エネルギーを節約していると考えられます。
 ジムグリという名は、「地潜り」に由来します。地面に潜ることが多いからです。食べ物が地中にいれば、当然ですね。暑さを避けるために、地中に潜ることもあります。
 南西諸島にジムグリがいないのは、土中に巣を作るネズミが、ほとんどいないからでしょう。南西諸島には、モグラの仲間もいません。これでは、食べ物がありませんね。
 日本国内では、ジムグリは、たいへん平凡なヘビです。けれども、世界的には、そうではありません。ジムグリは、日本固有種です。日本にいるものが絶滅したら、すなわち種の絶滅です。そうなったら、ネズミが大繁殖して、大被害が出るかも知れません。
 平凡な種こそ、大切にすべきですね。ジムグリは、日本の生態系を支える存在です。


 過去の記事で、他のヘビも取り上げています。また、ネズミやモグラも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 マムシは「出産」する?(2007/08/31) 
 人に化ける蛇(ヘビ)? アカマタ(2007/08/20)
 日本はモグラの標本国?(2007/1/26)
 新種発見! トゲネズミ(2006/7/10)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、ジムグリが掲載されています。
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2007年8月31日

マムシは「出産」する?

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 夏休みは終わっても、まだまだ暑いですね。生き物たちの活動も活発です。なかには、ヒトに歓迎されない生き物もいますね。
 そんな生き物の一つに、マムシがいます。日本内地の毒ヘビとして、有名ですね。
 日本のマムシ(ニホンマムシ)に咬まれる被害は、晩夏から秋口にかけてが多いです。なぜなら、この季節のマムシは、よく、日当たりの良いところに来るからです。
 普段のマムシは、夜行性です。昼間、人目に付くところに現われることは、まずありません。けれども、この季節には、雌(メス)のマムシが、日光浴をしに出てきます。そのようなマムシは、おなかに子どもがいます。妊娠中なのですね。
 ヘビ(蛇)の一種にもかかわらず、マムシは、卵を産みません。子どもを産みます。卵胎生【らんたいせい】といって、おなかの中で、卵を孵化【ふか】させてから産みます。
 マムシの雌は、「出産」前に、日光浴をします。この理由は、よくわかっていません。体力を付けるためではないか、といわれています。八月から十月ごろにかけてが、マムシの出産期です。この時期に野山を歩く時は、要注意ですね。
 マムシの出産については、奇怪な言い伝えがあります。「マムシは、子どもを口から産む」というものです。これは、もちろん間違いです。マムシの子は、雌のおなかの総排出口【そうはいしゅつこう】というところから産まれます。
 「口から子どもを産む」と言われたのは、出産期に、マムシに咬まれる被害が多いからでしょう。「マムシが咬むのは、口から産まれる子どもを傷つけないように、雌が毒牙を折ろうとするからだ」というのです。昔の人も、マムシが出産することは知っていました。そこから、こじつけてしまったのでしょう。
 マムシは、本来、おとなしい生き物です。積極的にヒトを襲うことは、ありません。たまたま、ヒトと鉢合わせをした時に、身を守ろうとして、咬みます。
 マムシのような生き物も、自然界には必要です。害獣となるネズミを、食べてくれることもあります。やたらに殺したりせず、うまく避ける方法を見つけたいですね。


 過去の記事でも、日本のヘビを取り上げています。また、マムシに似た植物も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 植物も性転換する? マムシグサ(2007/6/1)
 「三すくみ」は嘘だった? 蛇はナメクジも平気(2007/2/15)
 ヤマカガシの毒はガマガエル(ヒキガエル)から?(2007/1/31)
 ツチノコの正体? ヒメハブ(2006/08/14)
などです。
 


図鑑↓↓↓↓↓には、ニホンマムシが掲載されています。
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2007年8月22日

カメについての質問 【夏休み自由研究】

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 はじめまして、こんにちは。
 貴社のホームページを拝見して、子供の夏休み自由研究の参考にさせていただこうと思っている者です。
 早速ですが アカミミガメのことについて教えてください。
 近所のお店でアカミミガメを購入し、現在3、4年経ち、かな大きなカメになりました。 そこで、夏休みの自由研究に、カメの歯について調べたいと思いつきました。
 しかし、いくら慣れてきたとはいえ、口の中を容易には見ることができません。どやって調べればれば良いかわかりません。何かよいアドバイスはありませんでしょうか?よろしくお願いいたします。



 アカミミガメは、危険なカメではありません。けれども、口の中を見るのは、やはり難しいと思います。
 無理に口を開けさせようとすれば、咬むでしょう。傷口からサルモネラ菌などに感染したら、厄介なことになります。
 要は、夏休みの宿題ができればいいのですよね。ならば、必ずしも、カメの口の中を見る必要はありません。少し発想を変えて、「カメの食性を調べる」ことにしたらどうでしょうか?
 飼っているアカミミガメと、他種のカメとを比べてみるのです。他種のカメは、できれば野生のカメがいいですが、動物園や水族館で飼われているカメでもいいでしょう。食事の様子が観察できればいいわけです。

 これなら、自分で観察することになりますから、「夏休みの自由研究」として、恥ずかしくありませんね。
 全国のカメを飼育している動物園や水族館はたくさんあります。
 お近くの動物園や水族館を調べるには以下のサイトが便利です。
 日本動物園水族館協会 

 
 最近の動物園や水族館は、普通に園内を観るだけでなく、児童・生徒の学習サポートにも力を入れています。
 動物の餌やり体験や、動物の頭骨標本を使い、その動物が何を食べるか考えるプログラムやお泊り体験イベントなどがあるようです。



図鑑↓↓↓↓↓には、アカミミガメは載っていませんが、ニホンイシガメが掲載されています。
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2007年8月20日

人に化ける蛇(ヘビ)? アカマタ

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 昔話の世界では、狐(キツネ)や狸(タヌキ)などの生き物が、人に化けますね。生物学的には、そんなことはあり得ません。けれども、民俗学的には、このような伝承に意味があります。「人に化ける」生き物は、それだけ人間に近しいといえますね。
 中には、思いがけない生き物が「化ける」といわれます。例えば、南西諸島のヘビの一種、アカマタです。沖縄でアカマター、奄美でマッタブと呼ばれるヘビです。
 アカマタには、毒はありません。ただし、気が荒いため、ヒトにも咬みついてきます。咬まれても、痛い以上のことはありません。
 アカマタの体は、赤と黒の縞【しま】模様です。派手なので、毒ヘビと誤解されがちです。日本産のヘビでは、大きくなるほうです。大型の個体では、2mを越えます。
 無毒でも、アカマタは、地元で畏怖されてきたようです。気の荒さ、大きさ、模様の派手さなどのためでしょう。「化ける」という伝承も、畏怖から生まれたと思われます。
 アカマタは、「美男子に化ける」といわれます。その姿で、若い女性をたぶらかすのですね。面白いのは、人をたぶらかす時、「尾で文字を書く」という伝承です。地面に、尾で字を書くというのです。その字を消せば、たぶらかされた人は正気に戻るといいます。
 ヘビの中には、威嚇【いかく】する時、尾を振るものがいます。ガラガラヘビなどがそうですね。しかし、アカマタは、そういう動作をしないようです。むろん、ヘビが「字を書く」わけはありません。なぜ、こんな伝承ができたのでしょうか? 理由は謎です。
 アカマタは、無毒にもかかわらず、ハブより強いといわれます。幼いハブを捕食します。そのため、「ハブ除け」として、大切にされることがあります。でも、いつもハブに勝てるわけではありません。逆に、ハブに食べられることもあるようです。
 同じヘビなのに、恐れたり大切にしたり、と扱いが違うのは、ヒトの勝手な都合ですね。アカマタにしてみれば、一生懸命生きているだけでしょう。
 今も昔も、アカマタは、南西諸島で平凡なヘビです。人々は、身近なアカマタに、「自然に対する畏怖」を重ねたのでしょうか。


 過去の記事でも、南西諸島に分布するヘビを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
「三すくみ」は嘘だった? 蛇はナメクジも平気(2007/2/15)
 超偏食のヘビ(蛇)? イワサキセダカヘビ(2006/9/24)
 ツチノコの正体? ヒメハブ(2006/8/14)
 ハブはなぜ危険か(2005/12/2)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、アカマタが掲載されています。
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2007年7月15日

毒がないのに毒蛇? ヒバカリ

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 田んぼに水が入ると、たくさんの水生昆虫や、カエルなどが現われますね。それらの生き物を食べるものも、現われます。そんな捕食生物の一種が、ヒバカリです。
 ヒバカリは、日本に分布するヘビの一種です。長さは、せいぜい60cmくらいにしかなりません。細くて小さい、かわいいヘビです。性質も温和です。
 ヒバカリの大好物は、カエルのおたまじゃくしです。他に、ミミズやドジョウも食べます。水田に多い生き物ばかりですね。昔から、農地で普通に見られたヘビでした。
 ヒバカリには、毒はありません。ヒトには無害です。なのに、毒ヘビと誤解されてきました。「ヒバカリ」という名は、「咬まれれば、(毒のために)その『日ばかり』の命」という伝承に由来します。なぜ、こんな伝承ができたのかは、わかりません。一説では、追いつめられた時、まるで毒蛇のような、激しい威嚇【いかく】をするからだといいます。
 日本の田んぼでは、ヒバカリは、最も平凡なヘビでしょう。この点で、ヤマカガシと並びます。ただし、一部に、たいへん珍しいヒバカリの仲間がいます。
 それは、ダンジョヒバカリです。ヒバカリの亜種の一つです。世界のうち、日本の男女群島【だんじょぐんとう】の、男島【おしま】にしか分布しません。男女群島は、まるごと「天然保護区域」に指定されています。もちろん無人です。行くことさえ難しい場所です。このため、ダンジョヒバカリは、目撃者すらほとんどいません。幻のヘビです。
 無人島なら、水田はありませんよね。男島には、水田に似た湿地もありません。両生類もいません。ダンジョヒバカリは、どこで、何を食べているのでしょう? 
 彼らは、林の落ち葉の下などに棲むようです。食べ物は、ミミズだと考えられています。
 ダンジョヒバカリは、貴重な亜種として、保護の対策が取られています。けれども、普通のヒバカリも、保護の必要がないとはいえません。彼らは、おたまじゃくしが大量にいる水田に頼って、生きています。そのような水田は、今は多くありません。
 今の日本は、メダカでさえ、絶滅危機になるほどの環境です。「どこにでもいる平凡な生き物」が、じつは貴重なのですね。ヒバカリも、ずっと平凡なヘビでいて欲しいです。


 過去の記事でも、日本にいるヘビ類を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 「三すくみ」は嘘だった? 蛇はナメクジも平気(2007/2/15)
 ヤマカガシの毒はガマガエル(ヒキガエル)から?(2007/1/31)
などです。この他、爬虫類に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。


メインの図鑑↓↓↓↓↓には、
ヒバカリや、ヤマカガシなどの日本のヘビ類が掲載されています。
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2007年7月 7日

大都会のヤモリ

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 このヤモリ、東京の表参道の街路樹にいました。ちょうど、ガを捕食しているところです。
和名:ニホンヤモリ 
学名:Gekko japonicus

※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

東京 南青山 【2007.07.05】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、ニホンヤモリが掲載されています。
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2007年6月12日

迷子のヘビが無事に故郷へ、サキシマバイカダ

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 いやなニュースが多い中に、微笑ましいニュースが飛び込んできました。故郷から迷い出たヘビが、人の手で、故郷へ帰してもらったそうです。
 ニュースの主役になったのは、サキシマバイカダというヘビです。沖縄県の先島【さきしま】諸島にだけ分布します。このために、「サキシマ」バイカダという名が付きました。バイカダのほうは、「梅花蛇」と書きます。模様の美しさを、梅の花にたとえたようです。
 ことの始まりは、二〇〇七年の五月二十五日です。一頭のサキシマバイカダが、羽田空港で、空港職員に発見されました。貨物コンテナに紛れて、来てしまったのですね。那覇【なは】発、羽田行きの貨物コンテナでした。
 サキシマバイカダは、毒ヘビではありません。性質もおとなしいです。万が一、空港から逃げ出していたとしても、ヒトには無害だったでしょう。
 けれども、本来は、亜熱帯に棲むヘビです。日本本土の気候には、適応できません。衰弱する前に、発見されたのは幸いでした。とりあえず、上野動物園に引き取られました。
 上野動物園の人たちは、サキシマバイカダを、沖縄県に返したいと考えました。生き物は、本来の生息地で生きるのが、最も幸せだからです。人々の尽力により、ヘビは、故郷へ帰れることになりました。
 二〇〇七年六月八日、迷子のサキシマバイカダは、沖縄県に帰還しました。沖縄市にある、沖縄こどもの国に引き取られたそうです。珍しいヘビなので、多くの人に見てもらえるよう、飼育施設で暮らすことになりました。
 サキシマバイカダは、バイカダというヘビの亜種です。バイカダは、中国大陸や台湾にも分布します。でも、サキシマバイカダは、先島諸島の宮古島、石垣島、西表島にしか分布しません。世界中で、これらの島にしかいないのです。どんなに貴重なヘビか、わかりますね。個体数が少なすぎるために、生態も、まだわかっていません。
 ヘビにとっては、野生で暮らすのが一番でしょう。しかし、この機会に生態が解明されれば、ヘビの保護に役立つと思います。飼われたヘビは、元気で長生きして欲しいですね。


迷子のサキシマバイカダのニュースは、以下のページにあります。
 羽田空港に沖縄の希少ヘビ ??コンテナから見つかる(47NEWS)
 希少種ヘビさん東京から戻る(沖縄タイムス 2007/06/09)

 上野動物園 公式ページ
 沖縄こどもの国 公式ページ

2007年5月31日

人食いザメより、サメ食い人のほうが多い?【ワシントン条約締結国会議6月3日~15日】




 二〇〇七年の六月三日から、十五日まで、ワシントン条約の会議が行なわれます。場所は、オランダのハーグです。ワシントン条約締結国会議としては、十四回目になります。
 日本も、ワシントン条約の締結国の一つです。今回の会議にも、もちろん出席します。会議では、日本が主導的な立場を取ることを期待したいですね。日本は、たくさんの生き物や、その派生物を輸入しているからです。
 会期中には、多くの議題が議論される予定です。今回は、漁業規制について、多くのことが取り上げられるのでは、といわれます。例えば、今回の会議では、サメの規制が話し合われる予定です。
 普通の人は、「サメの数が減っている」なんて、思いもしないでしょう。普段、「サメを食べている」という意識がある人は、少ないからです。
 世界では、大量のサメが、食用に漁獲されています。日本近海でも、たくさん捕られています。例えば、日本の東北地方では、モウカザメと呼ばれるサメが、よく食べられます。モウカザメという名は方言名で、標準和名はネズミザメというサメです。
 今回の会議で、ネズミザメに近縁なニシネズミザメの取引規制が、議題に上げられています。また、アブラツノザメというサメの規制も、議題に上げられています。
 アブラツノザメも、日本近海で捕られています。そのまま食べたり、練り製品の材料にされたりします。肝油【かんゆ】の原料としても、重要です。世界的に見ると、英国の有名な食べ物、フィッシュ・アンド・チップスの材料にされることが多いです。
 サメといえば、人食いザメを連想する人もいるでしょう。実際には、「サメを食べる人」のほうが、はるかに多いです。このために、獲られ過ぎて、絶滅しそうなサメがいるわけです。サメよりも、ヒトのほうがずっと強いですね。
 私たちは、自分たちが、とても強力な生き物であることを、忘れてはいけないと思います。強力なものは、気づかないうちに、弱いものを虐待しがちです。強力なぶん、私たちは、他の生き物を尊重する義務がある、と考えるべきでしょう。


 以下のページに、今回のワシントン条約会議について、詳しい情報があります。規制が提案されている種の一覧も、載っています。
 第14回ワシントン条約締結国会議(トラフィック・イーストアジア・ジャパン 2007/05/24)
 ワシントン条約附属書改正提案一覧(トラフィック・イーストアジア・ジャパン 2007/05/30)
 ワシントン条約会議にむけ、保全すべき10の生物を発表(WWFジャパン 2007/05/16)


 過去の記事でも、ワシントン条約会議の議題になっている生き物を取り上げています。宝石サンゴと、ヨーロッパウナギです。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 宝石のサンゴはサンゴ礁のサンゴか?(2007/3/5)
 ウナギの繁殖の謎は解けたか?(2006/7/21)



図鑑↓↓↓↓↓には、オグロメジロザメ、ネムリブカなどのサメやウナギや、サンゴの仲間が掲載されています。
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2007年5月11日

アオウミガメは、どこが青いか?



 そろそろ、ウミガメの上陸が、ニュースになる頃ですね。ウミガメは、産卵のために海岸に上がります。近年は、自治体やNPOが、積極的に保護している例も多いですね。
 日本の海岸で産卵するのは、主に、アカウミガメとアオウミガメです。日本の本土で産卵するのは、アカウミガメだけです。アオウミガメは、南西諸島や小笠原諸島で産卵します。ほとんどのウミガメは、アオウミガメのように、熱帯で産卵します。
 アカウミガメ(赤海亀)、アオウミガメ(青海亀)という種名は、いかにも、体色を表わすみたいですね。アカウミガメは、名のとおり、赤っぽく見えることが多いです。けれども、アオウミガメは、さほど青くは見えません。いったい、どこが青いのでしょうか?
 じつは、「青い」のは、アオウミガメの体脂肪の色です。青というより、緑っぽく見えます。そうなるのは、海草を主食にするためです。草の色に染まるのですね。
 アオウミガメは、海草を主食にする唯一のウミガメといわれます。他のウミガメは、動物食です。そのために、他のウミガメの体脂肪は、青(緑)っぽくなりません。
 ウミガメの仲間は、種によって、食べ物が違います。前記のとおり、アオウミガメは植物食です。アカウミガメは、貝類や甲殻類(エビ、カニの仲間)を好みます。タイマイは、海綿(カイメン)類を主食にします。オサガメは、クラゲが主食です。
 昔、島に住む人々にとって、ウミガメは貴重な食べ物でした。なかでも、アオウミガメは珍重されたといいます。草食のカメは、肉が美味しいというのですね。体脂肪の色から名付けられたのも、解体して、食べることが多かったからでしょう。
 今では、世界的に、ウミガメ猟は規制されています。どの種のウミガメも、数が減っているからです。規制をせずに、野生の生き物を、獲れる時代ではありませんね。
 かつて、ウミガメを食べた人たちを、責めることはできません。食料が乏しい時代には、当然のことでした。昔の人を責めても、ウミガメが守れるわけではありませんよね。
 今、すべきなのは、ウミガメの実態を知ることです。よく食べられたアオウミガメでさえ、生態はわかっていません。生態に合わせた保護策を講じたいですね。


 ウミガメに関する最近のニュースは以下のページにあります。ご参照ください。
 元気に帰ってきて 久米島でウミガメ放流 (2007/05/06 琉球新報)
 ウミガメ無残 環境悪化か、死骸4月5匹 (2007/05/01 琉球新報)


 過去の記事で、アオウミガメ以外のウミガメも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 浦島太郎が助けたのはアカウミガメ?(2006/7/28)
 世界最大の亀(カメ)はどこにいる?(2006/4/3)



図鑑↓↓↓↓↓には、アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイ、オサガメが掲載されています。
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2007年3月14日

まむしの子は・・・

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 教えてもらいたいことがあります。まむしは子をどのように体内で宿し、どこから子は出てくるのですか?


マムシは、卵を産む他のヘビと同じように体内で卵を作ります。その卵は産み出される前に体内で孵化して子ヘビになります。
マムシの母親はこれらの子ヘビを産み出します。子ヘビが出てくるのは、他のヘビが卵を産み出すのと同じ総排出孔からです。


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2007年3月 6日

雌(メス)しかいないトカゲがいる?

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 ヒトのような哺乳類は、雄と雌とがそろわないと、子どもができませんね。鳥類も、爬虫類も、両生類もそうです。一つの種の中に、必ず、雄と雌とがいます。
 ところが、爬虫類のごく一部に、雌しかいない種がいます。トカゲの仲間とヘビの仲間で、何種か見つかっています。脊椎動物では、珍しいことです。
 そんな珍しい種は、どこか外国にいそうですね。ところが、日本にもいます。オガサワラヤモリが、その一種です。トカゲの中の、ヤモリ科に属します。
 オガサワラヤモリは、小笠原諸島と、大東諸島(沖縄の東方にある諸島)に分布します。日本では、限られた地域にしかいませんが、海外の分布は広いです。インド、インドネシア、スリランカ、ハワイ諸島など、太平洋とインド洋の熱帯地域には、ほとんどいます。一九七〇年代になってから、沖縄本島や与那国島でも見つかっています。
 雌しかいないのに、オガサワラヤモリは、どうやって繁殖するのでしょう? 雌が、独力で産卵します。その卵からは、ちゃんと子どもが孵化します。子どもはすべて雌です。このような繁殖方法を、単為生殖【たんいせいしょく】といいます。
 すべてのオガサワラヤモリが、単為生殖をするわけではありません。雄のオガサワラヤモリも、存在します。ただし、日本周辺では、雄が見つかっていません。日本のオガサワラヤモリは、雌だけで繁殖するようです。海外では、普通の繁殖をする地域もあります。
 分布を広げるには、雌だけで繁殖できるのは、有利です。雌雄がそろわなくても、子孫を残せるからです。
 例えば、あるヤモリが、流木に乗って島に着いたとしましょう。島に数頭、あるいは一頭しかいなくても、単為生殖ができるなら、ヤモリの子孫はどんどん増えます。オガサワラヤモリは、このようにして、たいへん広い範囲に分布したと考えられています。
 爬虫類の多くの種には、単為生殖をする能力があるようです。普通に繁殖する種でも、まれに、「雌だけで繁殖した」と報告されることがあります。なぜ、どのようにしたら、こんな切り替えができるのでしょう? 生き物の能力は、ヒトの想像を越えますね。

 関連するニュースとして、二〇〇六年の十二月に、「コモドオオトカゲが単為生殖した」というものがありました。以下のページに、ニュースが載っています。 
 世界最大トカゲ、交配せずに産卵・英研究グループが発表(2006/12/26 日経新聞) 


 過去の記事でも、ヤモリの仲間について取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 トカゲモドキとはどんな生き物?(2006/12/29) 
 家を守る守宮(ヤモリ)(2006/4/10) 
などです。この他、爬虫類に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。



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2007年2月23日

スッポン(鼈)の故郷はどこ?

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 立春が過ぎても、寒い日が続きますね。寒い季節には、鍋物を食べたくなります。よくしたもので、寒い時期には、鍋にして美味しいものが旬【しゅん】です。
 スッポンは、その一つですね。日本に分布するカメの一種です。大概の人が、名前を聞いたことはあるでしょう。スッポン料理は、高級料理として知られます。
 生きたスッポンを見たことがある人は、少ないでしょうね。じつは、意外に身近なところにいます。住宅地の池や、水田にも棲みます。クサガメ、イシガメ、アカミミガメなどに混じって、甲羅干し(日光浴)をしていることもあります。
 他のカメに比べて、スッポンを見る機会が少ないのは、用心深いためです。彼らは、物音などに敏感です。陸にいる時、不審な動きを察知すると、すぐに水に入ります。水中にいる時間が長く、姿をはっきり見るのが難しいです。
 スッポンは、水中生活によく適応しています。尖った鼻は、水中から息をするのに便利です。鼻先だけ、水面に出せるからです。しかも、彼らの首は、とても長く伸びます。体を水底に置いたまま、首だけをぬっと伸ばして、息ができます。
 存在感はあるのに、姿が見えないところが、不気味なのでしょう。スッポンには、妖怪じみた言い伝えが多いです。「咬みついたら、雷が鳴るまで離さない」・「甲羅だけで、60cm以上ある大スッポンがいる」などですね。「河童の正体はスッポン」説もあります。年を取った大スッポンは、人を水中に引きずり込むともいわれました。
 河童の正体は別として、これらの言い伝えには、根拠がありません。咬みついたスッポンは、疲れてくれば離します。大きさも、甲羅の長さ35cmほどが限界です。人を襲って食べるスッポンも、存在しません。
 人間のほうこそ、スッポンをたくさん食べています。そのために、スッポンは、昔から養殖されたり放流されたりしてきました。おかげで、本来の分布が、わからなくなっています。例えば、現在、南西諸島にいるものは、人為的に移入されたといわれます。故郷から離されたスッポンこそ、いい迷惑でしょうね。

 過去の記事でも、カメの仲間を扱っています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
浦島太郎が助けたのはアカウミガメ?(2006/7/28)
世界最大の亀(カメ)はどこにいる?(2006/4/03)
亀(カメ)は本当に長生きか?(2006/1/2)
などです。このほかカメや爬虫類に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事はカテゴリーよりどうぞご覧ください。そして・・・

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スッポンをはじめ、九種のカメやその他たくさんの爬虫類が掲載されています。
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2007年2月15日

「三すくみ」は嘘だった? 蛇はナメクジも平気

 以前、ここのブログで、イワサキセダカヘビというヘビの一種を紹介しましたね。( 超偏食のヘビ(蛇)? イワサキセダカヘビ(2006/9/24)
 このヘビに関して、興味深いニュースがありました。餌のカタツムリを食べやすいように、このヘビは、顎【あご】が左右非対称に発達したというのです。
 このニュースは、以下に紹介されています。

 あごの歯、右側が多い=餌のカタツムリに対応-セダカヘビ類で発見・京大と信州大(時事通信 2007/02/14)
 イワサキセダカヘビの下あご【画像】(時事通信 2007/02/14)

 このニュースを聞いて、不思議に思った方がいるのではないでしょうか?
「ヘビとカエルとナメクジは、『三すくみ』で、ヘビはナメクジが苦手なはず。なら、同じ仲間のカタツムリも苦手ではないのか?」と。
 じつは、古来、言い伝えられる「三すくみ」は、俗信に過ぎません。ヘビは、ナメクジもカタツムリも恐れません。
 以前のコラムで紹介したとおり、セダカヘビの仲間は、なんと、カタツムリを専門に食べます。セダカヘビ類以外にも、マイマイヘビ類や、ナメクジクイ類などのヘビが、カタツムリやナメクジを専門に食べます。
 日本には、カタツムリを専門に食べるヘビは、イワサキセダカヘビしかいません。セダカヘビ類は、中国南部やインドネシアなどの東南アジア地域に分布します。マイマイヘビ類は、中南米に分布します。ナメクジクイ類は、アフリカ南部に分布します。
 これらのヘビは、どれも珍しい種です。以下に、写真が載っているサイトを紹介しておきますね。

 ケイツビーマイマイヘビの画像(豪州のキャンベラ大学のサイト)
 ナンアナメクジクイの写真(Ultimate Field Guide)



こちらのメインの図鑑↓↓↓↓↓には、
イワサキセダカヘビが掲載されています。ぜひご利用下さい。
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近所を散歩中にヘビを見かけました

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 近所を散歩中にヘビを見かけました。
 長さは60cmくらい、色は黄土色で左右交互に、四角い斑点がありました。頭の形は三角形で、とぐろを巻いていました。このヘビの名前を教えて下さい。




 おっしゃるだけの情報では、情報量が少なすぎて確定的なことが言えません。似たような模様を持ったヘビは、日本に何種か生息しています。
 もしかすると、アオダイショウの子供(幼生)という可能性が高いと思います。


 アオダイショウは、
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 また、こちらのサイトにはアオダイショウの幼生が掲載されています。ご自分が見られたヘビと見比べてみることをお勧めいたします。
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2007年2月13日

アナコンダは、本当に危険な蛇か?



 先日のマレーシア(体長7.1mの巨大ヘビが犬11匹を丸呑み、マレーシア(007/1/30))のニュースに続き、今度はブラジルから、びっくりニュースがやってきました。大蛇に襲われた孫を、祖父が助けたというニュースです。孫の少年を襲ったのは、アナコンダだと報道されていますね。
 このニュースを聞いて、『アナコンダ』というハリウッド映画を思い出した方が多いでしょう。あの映画の中で、アナコンダは、巨大で危険なヘビだと描写されています。
 アナコンダは、実際に巨大になるヘビです。先日報道されたアミメニシキヘビと、「世界一の大蛇」の座を争います。最大で10mを越えるといわれますが、本当にその大きさになるのかどうかは、怪しいです。
 けれども、体長6mくらいの個体は、普通にいるようです。今回、報道されたアナコンダは、体長5mとされていますね。
 アナコンダが危険なヘビなのは、間違いありません。「最も飼ってはいけないヘビ」の一種です。大型のうえに、気が荒い個体が多いからです。この点でも、アミメニシキヘビと並びますね。
 報道では、アナコンダが、小川で少年を襲ったとされています。これは、アナコンダが水辺に棲むからでしょう。彼らは、一日の多くの時間を、水中で過ごします。水辺に来た動物を、襲って食べます。大型のアナコンダは、ワニさえ食べるそうです。
 「アナコンダとアミメニシキヘビが闘ったら?」と、考える方もいるでしょう。彼らは、野生では出会うことがありません。分布域が違うからです。アナコンダは南米に、アミメニシキヘビは東南アジアに分布します。
 何かの間違いで、出会ったとしたら……水辺なら、アナコンダが勝つでしょう。もちろん、同じくらいの大きさ同士、という条件付きです。
 今回のニュースで、少年が助かったのは、奇跡だと思います。普通、こんな大蛇に巻きつかれてしまったら、どうしようもありません。お祖父さんは、よほどがんばったのでしょうね。家族の愛を感じます。


 アナコンダのニュースは、以下のページにあります。
 ブラジル人男性、危機一髪で孫をヘビから救出(2007/02/12 ロイター)
 ブラジル人男性、危機一髪で孫をヘビから救出【画像】(2007/02/12 ロイター)

2007年1月31日

ヤマカガシの毒はガマガエル(ヒキガエル)から?

 世の中には、毒を持った生き物が、たくさんいますね。なかでも、毒蛇は有名です。
 日本の毒蛇の一種、ヤマカガシについて、興味深いニュースが飛び込んできました。ヤマカガシの毒は、食べたヒキガエルから「流用」したものだというのです。
 

 元の記事は、以下のとおりです。
 「ガマの毒」で身守る=ヤマカガシ、餌から取り込み利用-京大など日米チーム発見(2007/01/30 時事通信)
 「ガマの毒」で身守る=ヤマカガシ、餌から取り込み利用-京大など日米チーム発見【画像】(2007/01/30 時事通信)
 

 じつは、ヤマカガシは、二種の毒を持っています。今回、解明されたのは、そのうちの一種だけです。
 解明されたほうは、ヤマカガシの頚部【けいぶ】、つまり、首にある毒です。ヤマカガシの頚部には、頚腺【けいせん】と呼ばれる器官があります。ここに、毒が溜まっています。頚腺は、ヤマカガシ独特の器官として知られていました。
 もう一つの毒は、口にある毒です。ヤマカガシは、普通の毒ヘビと同じく、口中に毒牙を持っています。毒牙の毒は、咬むことによって、他の生き物に注入されます。


 ヤマカガシは、二種の毒を持つという、たいへんユニークな毒蛇です。このために、今回の報道は、誤解されやすいですね。「毒牙の毒が解明されたのだ」と、思ってしまう人が多いでしょう。
 実際は、違います。頚腺の毒が、ヒキガエルの毒だとわかりました。
 こういう報道に接すると、「生き物って面白いなあ」と、思いますね。


 過去の記事で、ヤマカガシとヒキガエルを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 「月にヒキガエルがいる?(2006/10/21)
 田んぼによくいるヘビ(蛇)、ヤマカガシ(2006/5/22)


図鑑↓↓↓↓↓には、
ヤマカガシ、ニホンヒキガエルが掲載されています。
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2007年1月30日

ヘビに呑まれた生き物は、救えるか?

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 東南アジアのマレーシアから、びっくりニュースが届きましたね。体長が7mほどもあるヘビが、番犬を十一頭も呑み込んだといいます。
 体長7mというのは、大げさかも知れません。けれども、写真で見る限り、3mくらいはありそうです。3mでも、立派な大蛇ですね。
 マレーシアという場所、大きさ、体の模様などからすると、これはアミメニシキヘビだと思われます。アミメニシキヘビは、世界最大のヘビの一種です。大きいばかりでなく、気が荒い個体が多いとされます。イヌどころか、ヒトを呑んだ記録もあります。
 同じ地域には、別種のビルマニシキヘビもいます。ビルマニシキヘビも、体長3mを越える大蛇になります。ですが、報道された写真によれば、ビルマニシキヘビとは模様が違うようです。また、ビルマニシキヘビは、体長6mを越えるほどにはなりません。報道を信じる限りでは、アミメニシキヘビの可能性が高いですね。
 ヘビは、獲物を丸呑みにします。それなら、「すぐに腹から取り出せば、助かるのではないか?」と思いますよね。残念ながら、それは無理です。
 なぜなら、大概のヘビは、呑み込む前に、獲物を窒息させるからです。要するに、絞め殺してから食べます。腹の中で獲物に暴れられて、傷つけられるのを防ぐためです。
 アミメニシキヘビくらいの大蛇になると、締める力が強力です。シカのような大型の獲物でも、締められて骨折するといいます。いったん、大蛇にぐるぐる巻きにされたら、助かる術はないようです。
 今回のニュースで、「ヘビって凶暴」と思った方が多いでしょう。それは、一方的過ぎる見方です。考えてみましょう。人間の女性は、ヘビ皮のバッグなどを喜んで持ちますよね? いわゆる「ヘビ皮」とは、アミメニシキヘビなどのニシキヘビ類の皮です。
 ヒト以外の生き物は、残酷に見えたり、気持ち悪く感じられたりします。でも、その生き物にとって、それは自然な姿です。生きるためにしていることです。ヒステリックな反応は、「理性ある」人間には、ふさわしくありませんね。


 元の記事は、以下のとおりです。
 体長7.1メートルの巨大ヘビが犬11匹を丸飲み、マレーシア(2007/01/26 ロイター)
 体長7.1メートルの巨大ヘビが犬11匹を丸飲み、マレーシア【画像】(2007/01/26 ロイター)


 過去の記事でも、ニシキヘビを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ニシキヘビの危険度は?(2005/9/14)

2006年12月29日

トカゲモドキとはどんな生き物?

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 皆さんは、トカゲモドキという生き物を御存知ですか? おそらく、たいていの方は、聞いたこともないでしょう。そういう名の爬虫類が存在します。
 トカゲモドキとは、「トカゲに似て非なるもの」という意味です。けれども、見た目は、普通のトカゲと変わりません。一体どこが「トカゲもどき」なのでしょうか?
 じつは、トカゲモドキは、トカゲとヤモリの中間の特徴を持ちます。トカゲとヤモリは、近縁ではあるものの、いくつか重要な違いがあります。進化のある段階で、トカゲの系統と、ヤモリの系統とが分かれました。トカゲモドキは、その分かれめの位置にいます。
 トカゲとヤモリの違いの一つは、目です。トカゲには普通のまぶたがあって、まばたきをします。ヤモリはまばたきをしません。まぶたが動かないからです。また、ヤモリの瞳は、明るいところで、針のような細長い形になります。トカゲの瞳は円形です。
 ヤモリの四肢には、指下板【しかばん】というものがあります。簡単に言えば、吸盤の一種です。これのおかげで、ヤモリは、木の枝や家の壁に貼りつくことができます。トカゲには、指下板がありません。ですから、枝や壁に貼りつけません。
 ヤモリには、尾に栄養をたくわえるという特徴もあります。このために、健康なヤモリの尾は、とても太いです。トカゲには、この特徴はありません。すんなり細い尾です。
 トカゲモドキのまぶたは、普通のトカゲと同じです。まばたきをします。指下板を持たないのも、普通のトカゲと同じです。ところが、トカゲモドキの瞳の形は、ヤモリと同じく細くなります。尾に栄養をたくわえることも、ヤモリと同じです。
 この貴重なトカゲモドキの仲間は、日本にも分布します。クロイワトカゲモドキという種です。南西諸島の限られた島にしかいません。分布する島ごとに、五つの亜種に分けられています。それぞれ、クロイワトカゲモドキ、マダラトカゲモドキ、オビトカゲモドキ、イヘヤトカゲモドキ、クメトカゲモドキと呼ばれます。
 環境破壊のため、クロイワトカゲモドキは、絶滅が心配されています。世界のトカゲモドキの中でも、彼らは、島に棲む珍しい種です。絶滅させたら日本の恥でしょう。


 トカゲモドキを知るには、以下のコラムも是非お読み下さい。ヤモリとトカゲについて解説しています。


トカゲのしっぽ切りは何のため?(2006/09/11)
家を守る守宮(ヤモリ)(2006/04/10)
などです。
このほかにも、たくさんの爬虫類に関する投稿がありますので、是非左のカテゴリからご覧ください。


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クロイワトカゲモドキやニホンヤモリ、オキナワキノボリトカゲなどが載っています。
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2006年10月30日

ウミヘビ(海蛇)は龍神の使い?

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 十一月ともなると、冬の季節風が強くなってきます。海が荒れることが増えますね。このために、海岸に、海の生き物が打ち上げられることがあります。
 ウミヘビもその一つです。この季節、日本海側の島根県や、福井県、秋田県などによく上がります。上がるのは、ほとんどがセグロウミヘビという種です。
 普通、ウミヘビの仲間は、熱帯の海に棲みます。日本では、南西諸島近海に、何種かのウミヘビが分布します。九州以北でウミヘビが見られるのは、珍しいことです。
 セグロウミヘビは、異例なことに、北の海にも現われる種です。時には、北海道近海にまでやってきます。世界一、分布域が広いウミヘビです。
 ウミヘビの中で、最も海に適応したのが、セグロウミヘビといわれます。遊泳力が強く、一生を海で過ごします。陸に上がりたくても、上がれない体になっています。
 普通のヘビは、腹に腹板という鱗【うろこ】を持ちます。腹板のおかげで、足がなくても這うことができます。セグロウミヘビは、腹板を持ちません。海では必要ないために、なくしてしまいました。ですから、陸では動けません。
 他のウミヘビには、陸で休息したり、産卵したりするものもいます。セグロウミヘビは、産卵のために上陸する必要がありません。海中で、卵ではなく子どもを産むからです。
 セグロウミヘビは、名のとおり背が黒いです。対照的に、腹はくっきりと黄色いです。海鳥からは、黒い背が海の色に紛れて、見えにくいですね。海中の生物からは、黄色い腹が海面の明るさに紛れ、見えにくいでしょう。うまくできていますね。
 腹側の目立つ黄色は、警戒色だという説もあります。セグロウミヘビは、猛毒を持つ毒ヘビだからです。サメなどに、「毒があるぞ」と警告しているのかも知れません。
 島根県の出雲地方や、新潟県の佐渡島などでは、セグロウミヘビを「竜蛇さま」として祭ることがあります。神々が出雲に集うとされる十一月頃に、ちょうど打ち上げられるからです。昔の人には、竜宮からのお使いのように思われたのでしょう。迷信深い、などと笑うことはできませんね。自然を敬う心があるのは、よいことでしょう。


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には、残念ながら、セグロウミヘビは載っていませんが、ウミヘビの仲間のエラブウミヘビが掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年10月29日

ミドリカメを長く飼っている方教えてください。

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 ミドリカメを長く飼っている方教えて下さい。茶色の涙を流して手・足の、うろこが剥がれてひび割れしてきました。病気でしょうか?


 それは明らかに病気だと思います。早急に手当てしたほうがいいですよ。実際にカメの症状が見られませんので、どんな人でも正しい診断を下すことはできないでしょう。とにかく、近所の動物病院に片っ端から電話して、ミドリガメを診察してくれるところを探し、病院に連れて行ってあげて下さい。
 なお、以下のサイトへ行くと、爬虫類を診察してくれる全国の動物病院の
一覧があります。お近くの病院に、カメを診てくれるか問い合わせしてみましょう。御参考までに。


 山内イグアナ研究所さんのHP

2006年10月10日

アオカナヘビの寿命は、

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アオカナヘビは、寿命は、何年ですか?アオカナヘビは、どこまで、大きくなるんですか?

 野生動物の寿命については、よくわからないことが多いです。
 例えば、自然界にいる場合と、人が飼育した場合とでは、条件がぜんぜん違いますよね。飼育下の寿命が、野生状態にそのまま当てはまるとは限りません。野生動物の一生を観察し続けることは、とても難しいです。
 参考までに、ニホンカナヘビの例を紹介しておきましょう。ニホンカナヘビを飼育している人によれば、飼育下で5~7年は生きているようです。

 アオカナヘビは、ニホンカナヘビより南に分布しています。そのぶん、寒さに弱いです。飼うのでしたら、温度管理をしっかりしないといけませんね。
 アオカナヘビの大きさは、全長20cmくらいになるようです。30cmを越えることはないようです。

 以下に、アオカナヘビに関するHPを紹介しておきます。

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2006年9月24日

超偏食のヘビ(蛇)? イワサキセダカヘビ

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 子どもの頃、食べ物の好き嫌いをした経験のある人は多いでしょう。ヒトは、たくさんの種類の食べ物を、満遍なく食べるように進化してきました。好き嫌いをすると、ヒトは健康が保てません。
 ところが、動物の世界には、「特定の物しか食べない」というものがけっこういます。たいていの場合、これは好き嫌いではありません。特定の物しか食べられないように、体ができています。そうなった理由は、いろいろだと考えられています。
 中には、「よりによって、どうしてこんな物を食べるようになったのだろう?」と思う動物がいます。イワサキセダカヘビは、そんな一種です。
 イワサキセダカヘビは、日本の石垣島と西表島【いりおもてじま】にしかいません。珍しいヘビです。普通のヘビは、カエルやネズミや鳥の卵などを食べますね。イワサキセダカヘビは、そういう物に見向きもしません。彼らの食べ物は、なんとカタツムリです。
 食べ方も変わっています。普通のヘビは、鳥の卵だろうと何だろうと、丸呑みしますよね。けれども、イワサキセダカヘビがカタツムリを食べる時には、丸呑みしません。顎を使って、カタツムリを殻から器用に引き出します。そして中身だけを食べます。
 このヘビは、数が少ないうえに目立ちません。そのため、不明なことが多いです。普段は樹上に棲むようです。たまには、カタツムリ以外のものも食べるようです。不思議なことに、カタツムリに近縁なナメクジは食べないといわれます。
 こんな超偏食のヘビは、イワサキセダカヘビだけでしょうか。じつは、世界には、似た食生活のヘビが何十種もいます。例えば、イワサキセダカヘビと同じセダカヘビ属の仲間は、ナメクジやカタツムリばかりを食べます。他にも、中南米にいるマイマイヘビや、アフリカ南部にいるナメクジクイの仲間は、ナメクジやカタツムリしか食べません。世界各地にこのようなヘビがいるからには、何か有利な点があるのでしょう。
 イワサキセダカヘビは、ヒトには害を与えません。森林でひっそり暮らしています。彼らの生態がわかる前に、絶滅することがないようにしたいですね。

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には、イワサキセダカヘビが掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年9月11日

トカゲのしっぽ切りは何のため?

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 トカゲは、住宅地でも見られる身近な爬虫類ですね。道端や石垣をちょろちょろと走る、あのトカゲです。日本の多くの地域には、ニホントカゲという種が分布します。
 ニホントカゲの近縁種は、日本に八種ほど分布します。どの種も互いに似ていて、区別するのが難しいです。このために、以前は、ニホントカゲが全国的に広く分布すると考えられていました。最近になって、ニホントカゲだと思われていた中に、別の種があることがわかりました。オカダトカゲやオキナワトカゲがそうです。
 トカゲといえば、しっぽ切りが有名ですね。敵に襲われた時、トカゲは、自分の尾を切り離します。切れてしまうのではなくて、自分で切り離しているのですね。これを自切といいます。敵が、切られた尾に気を取られている間に、本体は逃げのびます。
 尾の自切は、トカゲにとって、身を守る重要な手段です。日本のトカゲには、毒や牙などの武器がありません。ひたすらすばやく逃げるだけです。敵が他のものに気を取られてくれれば、逃げ切れる可能性が高いですよね。そのために、切られた後も、尾はぴょろぴょろと動きます。できるだけ敵の気を引けるようにです。
 皆さんの中には、瑠璃色【るりいろ】のような、青い尾のトカゲを見たことがある方がいるでしょう。それは、ニホントカゲか、その近縁種の若い個体です。ニホントカゲの仲間は、若いうち、みな鮮やかな青い尾をしています。
 これは、尾の自切と関係があります。目立つ色なら、敵の目を引く可能性が高いです。派手な色で激しく動く尾があれば、敵は、本体よりもそちらに向かうでしょう。命を救う助けになります。成長途上の弱い個体にとっては、重要なことです。ヒトと違って、単なるおしゃれで派手な格好をしているわけではありません。
 自分の尾を切るなんて、痛くないのかと心配になります。切った尾は再生しますが、それまでは何かと不便でしょう。体の一部を犠牲にするとは、究極の護身法ですね。
 時々、石の上などで、日光浴をするトカゲを見ます。そういう様子はのんきそうに見えます。しかし、究極の護身法を使わざるを得ないほど、実際の生活は厳しいのでしょう。


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には、ニホントカゲや近縁種のイシガキトカゲやキシノウエトカゲが掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年8月22日

オオトカゲは危険生物?

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先日、日本の京都市で、オオトカゲが捕獲される事件がありました。ミズオオトカゲという、東南アジアに分布する種です。成長すれば、全長2mに達することもあります。
 本来、日本にオオトカゲはいません。ペットとして飼われていたものでしょう。野生のオオトカゲは、すべて熱帯や砂漠地帯に分布します。
 オオトカゲは、名のとおり大型のトカゲ類です。分類学的に言えば、爬虫綱【はちゅうこう】有鱗目【ゆうりんもく】オオトカゲ科に属する種が、オオトカゲです。大型のトカゲでも、例えばイグアナは、オオトカゲではありません。イグアナ科です。
 オオトカゲ科には、五十種以上もの種が属します。そのうち、日本には、なんと三十種ほどが入荷されています。想像されるより、爬虫類のペットは人気があるようです。
 日本の報道では、オオトカゲは、一方的に「恐ろしい生き物」とされることが多いですね。そうとは限りません。種数が多いだけに、大きさや生活ぶりはさまざまです。
 例えば、前記のミズオオトカゲは、オオトカゲの中でも大型のほうです。ほとんどのオオトカゲは、もっとずっと小型です。ミズオオトカゲでも、全長2mにはめったになりません。同じくらいになるのは、ハナブトオオトカゲ、コモドオオトカゲなどのごく一部です。トゲオオオトカゲのように、大きくなっても80cmを越えない種もいます。
 ミズオオトカゲは、名のとおり、水に入るのを好みます。けれども、例えばサバンナオオトカゲは、乾燥した環境を好みます。野生のサバンナオオトカゲは、極端な乾燥を避けるため、一年の半分近くを休眠します。ミドリホソオオトカゲのように、樹上性の種も多いです。マングローブオオトカゲなどは、木登りも水浴びも好みます。
 彼らはこんなに多様です。一概に「オオトカゲはこうだ」と言えません。彼らを飼うには、種ごとに、きめ細かな対応が必要です。
 ペットのオオトカゲが、誤って外に出たら、慣れない環境におびえるでしょう。おびえた動物は、どんなものでも攻撃的で、危険になります。彼らをそうさせているのは、人間です。命を預かるのは、大きな責任が伴うことを、忘れてはいけませんね。

過去の記事でも、ペットの爬虫類について取り上げています。以下の記事を御参照下さい。
飼う前によく考えましょう、カミツキガメとワニガメ
大きくてもおとなしいグリーンイグアナ
ワニはすべてが凶暴か?
ニシキヘビの危険度は?

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には、残念ながら、オオトカゲは載っていませんが、10種のトカゲの仲間が掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年8月14日

ツチノコの正体? ヒメハブ

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 沖縄や奄美などの南西諸島で、夏休みを過ごした方はおいでですか?
 南西諸島は、生き物の宝庫ですね。なかで悪名高いのは、ハブです。危険な毒蛇の一種です。普通のハブ以外に、南西諸島には、ヒメハブというヘビがいます。名のとおりハブに近縁です。毒を持つことも同じです。
 けれども、ヒメハブとハブには、ずいぶん違うところがあります。
 第一に、ヒメハブはたいへん温和な性格です。攻撃的なハブとは、対照的です。「ヒメハブからほんの数十cmの距離にいたのに、咬まれなかった」という話を聞くくらいです。ハブでは考えられないことです。おかげで、ヒトがヒメハブに咬まれた例は、とても少ないです。
 第二に、ヒメハブの毒は弱いです。万が一咬まれても、大したことはないといわれます。ヒメハブの毒の効果は、詳しいことがわかっていません。咬まれた例が、あまりにも少ないためです。咬まれないように、用心はするべきですね。
 第三に、ヒメハブはハブよりずっと小さいです。大型のヒメハブでも、せいぜい全長は80cmです。ハブのほうは、全長100cm(1m)を越えるものが普通です。
 ハブの近縁種なのに、ヒメハブは、どうしてこんなにハブと違うのでしょう? この疑問を解く鍵は、ヒメハブの体型にあります。
 ヒメハブは、太くて短いヘビです。このような体型のヘビは、速く動くのが苦手です。そのかわり、待ち伏せが得意です。何時間も、じっと獲物を待ち続けます。積極的に動き回り、獲物に向かってゆくタイプではありません。そのために、攻撃性が発達しなかったのでしょう。ハブとは、生活様式が違うのですね。
 面白いことに、ヒメハブは、伝説のヘビであるツチノコそっくりです。太くて短いところが似ています。「ヒメハブこそツチノコの正体」と主張する方もいますね。
 しかし、この主張には無理があります。ヒメハブは南西諸島にしか棲めません。だのに、ツチノコは内地に出没します。伝説と現実は、安易に結びつけてはいけないでしょう。

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には、ヒメハブとハブは掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年7月28日

浦島太郎が助けたのはアカウミガメ?

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 夏になると、各地の海岸から、海亀の便りが聞かれますね。海亀の雌が、砂浜に上がって産卵するからです。
 海亀は泳ぎが得意です。オールのような形の四肢が、水を掻きやすくなっています。
 そのかわり、海亀は歩くのが苦手です。ですから、普段は陸に上がりません。産卵する雌だけが上陸します。甲羅を背負って歩く様子は、とても苦しそうです。海亀の甲羅は、時に長さ1m以上にもなりますから、さぞかし重いことでしょう。
 日本の海岸で産卵する海亀には、何種かいます。なかで最も身近なのは、アカウミガメでしょう。アカウミガメは、唯一、日本の本州沿岸で産卵するカメだからです。他の海亀は、南西諸島などの熱帯地域でしか産卵しません。これからすると、昔話で浦島太郎が助けたのは、アカウミガメの可能性が高いですね。
 身近にもかかわらず、アカウミガメの生態はあまりわかっていません。広い海では、追跡調査をするのが困難だからです。
 最近の調査では、驚くべきことが判明しました。アカウミガメは、なんと太平洋を横切って回遊するようです。北米やメキシコの海岸と、日本の海岸とを往復します。なぜ、こんなとてつもない大移動をするのか、理由は不明です。
 アカウミガメの産卵地は、日本に集中しています。日本では平凡な海亀でも、世界的にはそうではありません。日本の海岸で産卵できなければ、アカウミガメは絶滅します。
 現在の日本の海岸は、海亀がいやすい場所ではありません。大勢の人が立ち入って、騒がしいですよね。ごみを捨てたり、車を乗り入れたりする人もいます。ごみや車輪のわだちは、生まれた子ガメの脅威になります。小さな子ガメは、ごみやわだちを乗り越えられません。海へ行き着けずに、死んでしまいます。
 昔の人は、浦島太郎の物語を通じて、思いやりの心を伝えました。これを見習うべきでしょう。海はヒトだけのものではありません。夏の海で羽目を外したくなっても、海亀のいる場所くらい、取っておいてあげたいものです。

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には、アカウミガメの他、ウミガメの仲間でアオウミガメ、タイマイが掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年7月13日

クサガメ

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 こんにちは!いかがお過ごしですか? 毎日ものすごい高温多湿ですね。梅雨は明けたのでしょうか・・・




 3枚目の画像はコガメ。

和名:クサガメ
学名:Chinemys reevesii

※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

東京 目黒 【2006.06.28】

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には、クサガメが掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年5月22日

田んぼによくいるヘビ(蛇)、ヤマカガシ

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 気温が高くなると、ヘビなどの爬虫類に遭うことが多くなりますね。人家近くで見られるヘビの一種が、ヤマカガシです。本州以南で、最も平凡なヘビといえます。
 ところが、「ヤマカガシってどんなヘビ?」と訊かれると困ります。体色の変異が激しい種だからです。同じ種なのに、別種のように見えるものが多いのです。個体差だけでなく、地域による差もあります。だいたい、西日本産のほうが黒っぽくて地味です。
 ヤマカガシの大まかな特徴は、以下のとおりです。
・体長はおおむね1m以内。それほど大きくない。
・地の色は深緑色のことが多い。たいてい赤っぽいまだら模様がある。黒と灰色のまだら模様のものや、緑・赤・黄・黒などのカラフルなまだら模様のものもいる。
・水田、川沿いなどの水場に多い。
 水田を泳ぐまだら模様のヘビがいたら、ヤマカガシだと思って間違いありません。
 水場にいる理由は、カエルを好んで食べるからです。水場には、カエルが多いですね。カエルを獲るために、ヤマカガシは器用に泳ぎます。脚がなくても、ヘビは泳げます。
 ヤマカガシは、健全な田んぼにしか棲めません。やたらに農薬が使われない田には、たくさんの虫が棲みつきます。それらの虫を狙って、カエルが棲みつきます。カエルを食べるために、ヤマカガシが来る、というわけです。豊かな自然のお墨付きですね。
 ヤマカガシは、とてもおとなしいヘビです。めったにヒトには咬みつきません。とはいえ、咬まれないように注意しましょう。毒があるからです。
 マムシやハブは、口の前側に毒牙を持っています。咬むと、すぐに毒が注入されます。対して、ヤマカガシは、口の奥に毒牙があります。深くしっかりと咬まれない限り、毒は注入されません。ヤマカガシがヒトを咬むのは、よほどいじめられた時だけです。
 「毒がある」というと、すぐに退治しろとおっしゃる方がいます。それは乱暴すぎる意見です。「事故が起こるから、車をなくせ」というのと同じですね。ヤマカガシのような毒蛇も、自然界では大切な役割を果たしています。


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には、ヤマカガシが掲載されています。ニホンマムシやハブも載っています。ぜひご利用下さい。

2006年4月10日

家を守る守宮(ヤモリ)

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四月から、新生活を始めた方も多いでしょう。新しい生活には慣れましたか? 新居に移る時は、誰でも「ここで良いことがありますように」と願いますよね。
 新居に「家の守り神」が付いていたら、とてもいいと思いませんか? もしかしたら、あなたの家に、小さな守り神が付いているかも知れません。
 その守り神とは、ヤモリです。トカゲに似た爬虫類です。日本の多くの地域には、ニホンヤモリが分布します。
 ヤモリという名は、「家を守る」ことから来ています。ヤモリの仲間は、人家に棲むものが多いのですね。彼らは昆虫が主食なので、人家のハエやゴキブリなどを食べています。害虫を食べて、ヒトの生活を守ってくれる、頼もしい味方です。
 ヤモリの仲間は、垂直な壁や窓ガラスでも歩ける、という特技があります。そんなことができるのは、彼らの足裏に秘密があります。彼らの足裏には、細かいひだのように鱗が生えています。そのひだを、壁やガラスのでこぼこに引っ掛けて歩きます。壁やガラスは、つるつるに見えても、小さなでこぼこがあるものです。
 もともと、彼らは樹上に棲んで、虫を食べていました。足裏の仕組みは、木に登るために発達したのでしょう。今でも、たくさんのヤモリが、樹上に棲んでいます。
 一方で、ニホンヤモリのように、人家に棲む種も多いです。暖かくて、外敵が少ないからです。人家を好む虫たち(主にハエなどの害虫)のために、食べ物にも不自由しません。しかも、彼らの足裏の仕組みは、壁を登るにも都合が良いものでした。
 いつの頃か、ヤモリたちは、人家の快適さに気づいたのでしょう。世界各地で、多くのヤモリたちが、人家に棲むようになりました。
 昔の人は、経験的に、ヤモリが害虫を食べてくれることを知ったのでしょう。どこの地域でも、おおむねヤモリは縁起が良い生き物とされています。ヤモリは鳴くので、「声を聞くと良いことがある」といった言い伝えも多いです。私たちも、昔の人にならって、小さな守り神を大事にしたいですね。



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には、ニホンヤモリ、オガサワラヤモリ、ホオグロヤモリが掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年4月 5日

飼う前によく考えましょう、カミツキガメとワニガメ

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 最近、日本の各地で、思わぬ外来生物が発見されることがありますね。「謎の異様な生物発見!」などと騒がれます。カミツキガメとワニガメも、そういう外来生物です。
 カミツキガメとワニガメは、名のとおり、カメの一種です。カミツキガメは、本来、北米・中米・南米に分布します。ワニガメは北米に分布します。どちらも、川や沼などの淡水に棲みます。日本にはいないはずのカメたちです。
 なぜ、カミツキガメやワニガメは、日本に棲むようになったのでしょう? ペットとして輸入されたのがきっかけです。一般に知られたのは最近ですが、カミツキガメは、三十年以上前からペット用に輸入されています。ワニガメも、輸入の歴史は同じくらいあるようです。両種とも、ペットが逃げたり捨てられたりして、野外で見つかります。
 ペットを飼うことは、良い趣味だと思います。けれども、カミツキガメやワニガメは、普通の人がペットにするには向きません。
 理由の一つは、大きくなることです。カミツキガメは、小さくても甲羅の長さ30cm、体重5kgくらいになります。ワニガメは甲羅の長さ50cmを越え、体重も40kgを越えるほどになります。日本の住宅事情では、こんな生き物を飼うには、人間の生活空間を犠牲にしなければなりませんね。
 理由の二つめは、長生きすることです。カミツキガメは五十年ほど生きるといわれます。ワニガメは、寿命が八十年を越えるとされます。飼うヒトのほうが先に死にそうですね。自分が死んだ後のことまで考えられなければ、飼うのは無責任です。
 理由の三つめは、危険であることです。両種とも、大きいだけに力が強いです。しかも、肉食性で、鋭い顎を持っています。こんな生き物が野に出たら、多くの生き物(ヒトを含みます)に危害があることは、間違いありません。
 カミツキガメやワニガメ自身は、何も悪くありません。一生懸命生きているだけです。肉食であることも、恐ろしげな外見も、自然の中では意味があります。こういう生き物を、何十年も飼い続けられますか? 「はい」と言い切れる人だけが飼って下さい。


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には、残念ながら、カミツキガメとワニガメは載っていませんが、そのかわり{/face_yoka/}、9種のカメが掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年4月 3日

世界最大の亀(カメ)はどこにいる?

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 皆さんは、世界一大きいカメは、どこに棲んでいると思いますか? 「ガラパゴスゾウガメなら、ガラパゴス諸島にいるよ」という答えが返ってきそうですね。
 じつは、ガラパゴスゾウガメは、世界最大のカメではありません。現在のカメで最大なのは「オサガメ」です。海亀【うみがめ】の一種です。
 オサガメは、甲羅の長さが150cm以上にもなります。200cm、つまり2mを越える個体も記録されています。体重は、小柄なものでも100kgをゆうに越えます。
 こんなに大きくなれるのは、オサガメが海で暮らしているからです。海中には浮力がありますよね。ですから、肢【あし】で体を支える必要がありません。ゾウガメがオサガメほど大きくなれないのは、このためです。ゾウガメがこんなに大型化したら、歩けません。陸上で動くには重すぎます。
 海亀の中でも、オサガメはとびきり泳ぎが上手です。高速で泳ぎ、深く潜ります。なんと、水深1000mほどまで潜ることがあるそうです。その能力を生かして、普段は外洋に棲んでいます。そのため、めったに目撃できません。
 唯一、彼らに接近できるのは、産卵の時です。雌のオサガメは、砂浜に上がって産卵します。体の重さゆえ、上陸するのは大変です。体を引きずるようにして、やっと上陸します。産卵地は熱帯に限られています。残念ながら、日本では見られません。
 しかし、オサガメは、意外に日本近海に来ているようです。各地で漁網にかかったり、海岸に漂着したりした報告があります。北海道の知床沖でさえ、たびたび目撃報告があります。寒さに弱いカメとしては、考えられませんね。どうやら、オサガメは特別な発熱器官を持っているらしいのです。
 オサガメの特徴の一つに、「軟らかい甲羅」があります。革のような感触の甲羅です。皮膚に覆われているためです。この甲羅に発熱器官がある、といわれています。
 もし、日本近海でオサガメに会えたら、びっくりですね。普通と違う甲羅は、ネッシーのような怪物を思わせます。未確認動物だ!と騒ぎになるかも知れません。


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には、オサガメが掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年3月13日

ミドリガメ(アカミミガメ)から病気がうつるのは本当?

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 最近、「ミドリガメからヒトに病気がうつって、重症になった」というニュースがありましたね。ミドリガメは、本当に病気の元になるのでしょうか?
 それを知るには、ミドリガメについて知る必要があります。正しい知識を得れば、病気から身を守ることができます。
 まず、ミドリガメという名は正式なものではありません。正式な名はアカミミガメといいます。皆さん御存知のとおり、アカミミガメはもともと日本にはいませんでした。本来は、北米・中米・南米に分布します。
 分布域が広いため、アカミミガメは、地域ごとに亜種に分かれています。亜種とは、種を分けるほどの違いではなく、同じ種の中で少しの違いがあるものです。日本に輸入されるのは、北米に分布するミシシッピーアカミミガメがほとんどです。
 北米のものに限らず、すべてのアカミミガメは、サルモネラ菌という細菌を持っています。サルモネラ菌は、食中毒などの病気の原因になります。これを読んでも、「やっぱりカメは危ないんじゃないか」と、早とちりしないで下さいね。
 サルモネラ菌はどこにでもいます。ヒトは普通に接触しています。サルモネラ菌を絶対に避けたいなら、無菌室で暮らすしかありません。つまり、普通に生活しているぶんには、危険ではない細菌です。
 サルモネラ菌が危険なのは、口から体内に入った場合です。ですから、食事の前に手を洗えば、危険はありません。食事前に手を洗うのなんて、普通ですよね。カメを飼っていても、普通のことをしていれば、病気にはなりません。
 「ペットから病気がうつった」というニュースが流れると、すぐにペットを捨てる人が現われます。これは許しがたいですね。一度預かった命は、たとえ病気を持っていたとしても、最期まで面倒を見るべきです。病気になったからといって、家族を捨てる人はいませんよね。ペットは家族と同じです。
 ちゃんとした飼い方をすれば、ペットと暮らすのはとても楽しいことです。アカミミガメを飼っている方は、ぜひ、彼らとのお付き合いを楽しんで下さい。


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には、残念ながらミドリガメ(アカミミガメ)は掲載されておりませんが、カメの仲間が9種掲載されています。ぜひご利用下さい。

2006年3月 8日

小さい蛇を見ました。

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家の近くの山で、小さい蛇を見ました。マムシに似ていたので図鑑で調べてみると、なんと小さいときのアオダイショウがマムシの色に似ていると書いてありました。ですから、マムシだったのかアオダイシウなのかは分かりマせんでしたが。なぜ「小さいときのアオダイショウがマムシの色に似ている」のでしょうか?身を守るための「保護色」でしょうか?

  アオダイショウの幼体は確かにマムシに似ています。そのため、マムシと間違えられることがよくあります。これがなぜなのか、正確なところはわかりません。おそらく予想されているとおり「保護色の一種」でそうなっているのでしょう。 保護色といっても、「アオダイショウの幼体がマムシを真似ている」というより、「マムシもアオダイショウの幼体も、藪の中などにまぎれやすい体色を追求したら、似たような模様になってしまった」ということではないかと思います。

2006年3月 4日

私はカメを3匹飼っています。

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 はじめまして。こんにちは、私はカメを3匹飼っています。1匹はキバラガメ、残りの2匹はミドリガメです。その3匹は妙に爪が長いのですが、どうしたら良いでしょう。キバラガメが10㎜、ミドリガメが5㎜です。普通に比べるとなんとなく長く感じます。どうしたらいいでしょうか?

 こんにちは。
 3匹とも爪が長いとのことですが、他の同種個体と比較してのことですか? 3匹とも「なんとなく長いなあ」ということですか?
 普通、成熟した個体なら、オスのほうが前足の爪が長くなります。何のためなのかは、私もわかりません。たぶん、交尾の時にメスの甲羅に乗っかる必要があるからでしょう。
 野生の状態と違って、飼育下では爪が減りにくいです。明らかに長すぎるなら、爪切りしたほうがいいでしょう。爪はデリケートな部分ですから、かかりつけの獣医師に相談されるのが一番だと思います。

2006年2月14日

爬虫類についての質問です。

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 爬虫類についての質問です。哺乳類は、その動物が哺乳して子育てをすることから哺乳類と呼ばれると聞きました。では爬虫類はどうして爬虫類と呼ばれるようになったのでしょうか?
 辞書や辞典で爬虫類の『爬』の字にお腹の意味がある、ということは分かりましたが正確な意味はわかりません。爬虫類はどうして爬虫類といわれるようになったのか教えてください。

 「爬虫類」という言葉の語源を知るには、生物分類学の歴史を勉強しなければなりません。これは、詳しくやっていると大変なことになります。ですから、ごくかいつまんだ歴史を説明しましょう。
 昔の人は、昆虫もムカデもクモもトカゲもカエルも、地面を這いずり回るものはみな「虫」と呼んでいました。そのうち生物学が発達してくると、学者たちはこの「虫」類をもっと体系だてて分類しようとしました。 しかし、生理学や解剖学が発達していない時代には、現在のような正確な分類はできませんでした。脚がなくて腹で地を這うヘビの仲間だけが「爬虫類」として「虫」から分けられました。あとは長らく一緒くたにされていました。 「爬虫類」という言葉は、もともと「腹で地を這う虫」であるヘビを指す言葉だったのですね。 その後、昆虫やクモなどの無脊椎動物と、カエルやトカゲなどの脊椎動物とが分けられました。さらに、生涯の一時期を必ず水中で過ごす両生類が分けられました。 様々な紆余曲折があって、ようやくヘビ・トカゲ・カメ・ワニが分類学的に同じ仲間だと認められ、「爬虫類」というグループにまとめられました。

2006年1月 2日

亀(カメ)は本当に長生きか?

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 「鶴は千年、亀は万年」といわれるように、カメは長生きで知られていますね。一万年は大げさにしても、カメがとても長生きなのは本当です。
 一般的に、動物は、大型のものほど長生きです。カメの中でも、体の大きいウミガメやゾウガメが、特に長生きです。ウミガメやゾウガメは、どの種でも、甲羅の長さが五十センチ以上になります。大型の種では一メートルを越えます。
 確認されている限りでは、今、最も長生きしているカメは、オーストラリアの動物園で飼われています。ハリエットという名のガラパゴスゾウガメの雌です。年齢は、二〇〇五年十一月十五日で、百七十五歳になった!そうです。
 ハリエットの生まれ故郷は、南米の沖合にあるガラパゴス諸島です。一八三五年、彼女はそこから動物園に送られました。送ったのは、進化論の提唱者チャールズ・ダーウィンです。鑑定の結果、ハリエットは、一八三〇年の十一月生まれと判明したそうです。
 小型のカメでも、条件が良ければ何十年も生きるようです。日本の水辺に生息するクサガメで、九十年ほど生きた例があります。
 そのカメは、日本の博物学者、南方熊楠【みなかたくまぐす】が飼っていたものでした。大正元年(一九一二年)に南方氏に拾われ、「お花」と名付けられます。お花は主人が亡くなった後も生き続け、二〇〇一年に老衰で死にます。拾われた時にはすでに成体だったので、百歳近くまで生きたのではといわれています。
 クサガメの寿命は、通常は二十五年ほどらしいです。こんなに長生きしたのは、きっと大事に飼われたからでしょう。
 いくら丈夫なカメでも、環境が悪ければ長生きはできません。硬い甲羅を持っていても、ヒトや病気には勝てません。現に、ハリエットの仲間のガラパゴスゾウガメは、ヒトに乱獲されたために絶滅寸前です。お花の仲間のクサガメも、棲める環境が減っています。
 のんびりしたカメたちが、のんびりと生き続けられる環境を残したいですね。そのほうが、人間のためにもなると思います。

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には、クサガメなど9種が掲載されています。どうぞ、ご覧ください。

2005年12月27日

先日ヘビの呼吸のことで伺いましたが、

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先日ヘビの呼吸のことで伺いましたが、知人がヘビのうろこのところにある穴からも呼吸できると教えてくれました。うろこの穴ってどんな仕組みになってるのですか?教えてください。

「へびがうろこにある穴から呼吸できる」というのは、皮膚呼吸のことを指しているのではないでしょうか?ヘビやヒトを含む全ての脊椎動物は、鰓や肺以外に、皮膚でも呼吸しています。脊椎動物の皮膚には目に見えない小さな穴がたくさん開いていて、そこから酸素を取り込んでいます。ですから、皮膚が全く空気に触れないように全身に塗料のようなものを塗ってしまうと、脊椎動物は窒息して死んでしまいます。「ヘビのうろこにある穴」というのは、おそらくこの皮膚呼吸に使われる小さな小さな穴のことでしょう。だとしたら、この穴は小さすぎて残念ながら肉眼では見えません。

その他、ヘビのQ&A記事やコラムへ
●ハブはなぜ危険か?
●へびはどのように息をしているのですか?
●草や木の実をたべる蛇がいるのか?
●ニシキヘビの危険度は?

2005年12月20日

インターネット生物図鑑-zukan.net-では、爬虫類大人気!

インターネット生物図鑑-zukan.net-では、参照数トップ3が爬虫類です。爬虫類は、人気者なのですね。


和名:インドシナウォータードラゴン
学名:Physignathus cocincinus  

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では日本で見られる爬虫類34種が掲載されています。是非ご利用ください。

2005年12月 4日

甲羅の模様が美しいリクガメ(ホシガメ)

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和名:ホシガメ 
学名:Geochelone elegans

 学名の種名が、エレガンス(=elegans)ですよ。優雅という意味ですね。この学名を付けた学者さんも、背甲の美しい模様に魅せられたのですね。学名もきれいなホシガメさんです。

2005年12月 2日

比較的小さなボア科の美しい蛇(ボアコンストリクター)

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和名:ボアコンストリクター 
学名:Boa constrictor

※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

ハブはなぜ危険か?

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ハブは、日本で最も危険な毒ヘビとして知られていますね。その認識は間違いではありません。世界的に見ても、ハブは危険な毒ヘビの類に入ります。
 ハブが危険なのは、毒の強さのためだけではありません。単純に毒の強さを比較すれば、世界には、もっと猛毒を持つヘビがたくさんいます。ハブの危険性は、毒の量が多いことと、人家の近くに棲んでいることと、攻撃的な性格にあります。特にハブを危険にしているのは、その攻撃性です。
 普通のヘビは、ヒトのような大型の動物を恐れます。ヘビのほうが先にヒトを発見すれば逃げだします。こちらから手を出さない限り、攻撃してくることはありません。
 ところがハブは、こちらから手を出さなくても攻撃してきます。大型の動物が相手でも、一定の距離に近づけば無差別に攻撃します。遠くにいるように見えても安心できません。縮めていた体を伸ばして、一瞬のうちに50~60cmの距離を詰めてしまいます。ハブの長い体が、宙を飛んでくるように見えるそうです。
 暗闇でも、ハブは攻撃の的を外しません。特別な赤外線感知器官を持っているからです。その器官で、周囲と温度差があるものを感知できます。ですから、ヒトのように体温が高い動物は、すぐに感知されてしまいます。
 こんなに攻撃的なヘビは、世界的にも少ないです。ハブの悪名が高いのは、毒の強さより、「性格の悪さ」によります。
 こうしてみると、ハブは悪いところだらけに見えますね。けれども、ハブには大切な役割があります。小形動物が増えすぎないように、食べて数を減らすことです。ハブが棲む南西諸島には、ほとんど肉食獣がいません。ハブがいなければ、小形動物が増えすぎて、生態系のバランスが崩れてしまいます。
 「南西諸島に豊かな自然が残っているのは、ハブのおかげだ」と言う人もいます。ハブを恐れるがゆえに、人々はやたらに山を切り開くことをしませんでした。ハブは人間に、「自然に対して謙虚になること」を教えているのかも知れません。

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サキシマハブ 、ハブ 、ヒメハブが掲載されています。是非ご利用ください。

2005年11月27日

なんとも、堂々としてますね(フトアゴヒゲ)


和名:フトアゴヒゲ
学名:Pogona vitticeps
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

2005年11月26日

美しいトカゲ (オキナワキノボリトカゲ)


木登りが上手な美しいトカゲ

和名:オキナワキノボリトカゲ
学名:Japalura polygonata
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2005年11月25日

ス~イスイ (ミシシッピーアカミミガメ)


気持ちよさそうだね。

和名:ミシシッピーアカミミガメ
学名:Trachemys scripta elegans

2005年11月24日

ペットショップでロシアリクガメという

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ペットショップでロシアリクガメというカメを見ました。このロシアリクガメの和名はなんというのでしょうか?教えてください。

このリクガメは「ホルスフィールドリクガメ」といいます。ペットショップでは「ロシアリクガメ」「ヨツユビリクガメ」の名で売られていることもよくあります。生息地域から「ロシア」の名がついたり、指(ツメ)の数から「ヨツユビ」と言う名がついていたりします。

2005年11月16日

危ないよ~(ニホントカゲ)


※画像をクリックすると大きな画像が見られます。


和名:ニホントカゲ
学名:Eumeces latiscutatus

山梨 御坂峠【2002.09.25】

「トカゲの尻尾きり」

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「トカゲの尻尾きり」という表現がありますが、ニホントカゲは本当に危機感があると尻尾を切り離すと聞きます。関東に生息するトカゲは、すべて尻尾を切り離せるのでしょうか?

日本の関東近辺に生息するトカゲの仲間は、ニホントカゲとニホンカナヘビとニホンヤモリだけです。この三種は、どれも尾を自切(じせつ=「トカゲの尻尾きり」をこういう)します。

2005年11月 1日

へびは、どのように息をしているのですか?

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へびは、どのように息をしているのですか?教えてください。

ヘビも人間といっしょで鼻があって肺呼吸をしています

2005年10月18日

日光浴 (グリーンバシリスク)

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和名:グリーンバシリスク
学名:Basiliscus plumifrons

2005年10月17日

大きくてもおとなしいグリーンイグアナ  

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最近、日本各地でイグアナが発見されたと騒がれています。本来、日本にいないはずのトカゲですから、ニュースになりますね。ペットとして飼われていたものでしょう。
 ニュースになる割には、イグアナのことは知られていません。イグアナとはどんなトカゲでしょうか?
 イグアナと呼ばれるトカゲは、一種ではありません。十種以上います。イグアナとは、イグアナ科に属するトカゲの総称です。日本でペットにされるのは、グリーンイグアナが最も多いです。その理由はいくつかあります。
 第一は、人工的に繁殖させやすいからです。たくさん産まれれば、たくさん売ることができますね。
 第二は、草食性だからです。生きた動物を食べさせる必要がありません。餌として生きた動物を用意するのは大変ですよね。野菜や果物を食べさせるのは楽です。
 第三は、大型になって見栄えがするからです。最大で全長180cmほどになります。全長のうち半分ほどは尾です。どうせ飼うなら、格好いいものを飼いたいと思うのは人情でしょう。成体では背中のとげとげ――クレストといいます――も発達して、迫力があります。見た目がいかついため、実物と遭うと恐ろしく感じる人が多いでしょう。
 見た目と違って、グリーンイグアナはおとなしいです。前に書いたとおり、草食性だからです。積極的に他の生き物を襲うことはありません。グリーンイグアナが危険というなら、イヌも危険な生物です。ただ、ヒトにばったり出くわしたりした場合は、暴れることがあります。彼等も驚いて、危害を加えられると思うからです。大きくて力があるため、暴れる姿が凶暴に見えてしまいます。大型生物を扱うには、それなりの配慮が必要です。
 グリーンイグアナは、もともとは中南米に棲みます。日本に連れてきてペットにしたのはヒトです。いったん飼った以上は、最後まで愛情と責任を持つべきですね。

2005年10月 6日

ネズミや、カエルではなくて、

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ネズミや、カエルではなくて、草や木の実をたべる蛇がいるのか教えていただけますでしょうか?

草食性のヘビは存在しません。しかし、魚を食べるヘビや、昆虫などの節足動物を食べるヘビはいます。

2005年9月30日

学名ってなんですか?

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学名ってなんですか?


生物学における学名というのはすべてラテン語で付けられています。これは、国際学会などで生物について語る時、混乱しないようにと取り決められたことです。生物の呼び方は、それぞれの国で違います。みんなが違う呼び方で同じ生物を呼んだら、大混乱ですね。そういうことを防ぐために、「学名はラテン語」という決まりができました。「自然界」やzukan.netで動物を調べると、日本語の動物名の下に、英語のようなもの斜体で書いてありますね。あれが学名です。例えば「アナグマ」なら、「アナグマ」の下に【Meles meles】と書いてあるのが学名です。学名というと方言ではない日本語の名前を指すと思っていらっしゃる方が多いようですが、それは大きな誤解です。「アナグマ」のような日本語名は通常「標準和名」と呼ばれています。

2005年9月22日

ワニはすべてが凶暴か?

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「日本の川や湖にワニが出た」と、ニュースで取り上げられていますね。野生のワニは日本に生息していません。人間に飼われていたワニが、逃げ出したり捨てられたりしたはずです。
 ワニが肉食なのは知られていますね。外見もいかにも凶暴そうです。けれども、すべてのワニがヒトを襲うかといえば、そうではありません。
 ワニは、大きく分けてアリゲーター科、クロコダイル科、ガビアル科に分類されます。気が荒いのはクロコダイル科です。アリゲーター科とガビアル科のワニがヒトを襲うことは少ないです。
 ペットとして一般に売られているのは、アリゲーター科のワニです。ミシシッピーワニ、ヨウスコウワニ、メガネカイマンが大部分を占めます。
 ミシシッピーワニは、アメリカアリゲーターとも呼ばれます。大型のワニで、全長5mに達するものもいます。大型の個体に限っては、ヒトを襲うことがあります。
 ヨウスコウワニは小型で、大きくても全長2mほどにしかなりません。性格はおとなしく、ヒトを襲ったという確実な記録はありません。
 メガネカイマンは、全長3m以下です。小型の割に気が強く、ヒトに向かってくることがあります。大型の個体はやや危険です。
 ワニがヒトを襲うのは、ほとんどの場合、食べるためではありません。ワニのほうもヒトを恐れているからです。ヒトは二本脚で立って歩きますから、ワニを見下ろす格好になります。ワニにとって、ヒトはとても威圧的なのです。近寄ってこられると、自分のほうが襲われるかと勘違いして、先制攻撃することがあります。
 イヌやネコでも、怯えている個体はヒトを咬んだりすることがありますね。ワニも同じです。ヒトのほうが手を出さなければ、まず襲われることはありません。
 積極的にヒトを襲わないとはいえ、ワニは大型の肉食生物です。日本の土地事情を考えれば、個人がやたらに飼うべきではないでしょう。しかも、ワニは長生きです。何十年も飼い続ける覚悟がないならば、決して飼ってはいけません。

※画像は、インターネット図鑑「自然界」「どうぶつずかん」より転載。
 写真「ミシシッピーアリゲーター」
 インターネット図鑑「自然界」「どうぶつずかん」に18種ワニは掲載されています。是非ご利用ください。

2005年9月14日

ニシキヘビの危険度は?

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ここ数日、ニシキヘビがニュースを賑わしていますね。ビルマニシキヘビやボールニシキヘビなど、日本にいないはずの種が、各地で発見されています。これらはもちろん、人間が持ち込んだものですね。ペットとして一部の人々に人気があります。
 ニシキヘビの仲間は大きいです。締める力も強く、大蛇のイメージにぴったりです。こんなものをペットにするなんて、理解しがたいという方は多いでしょう。
 周囲に害がなければ、どのような趣味を持とうと、他人が責めることではありません。ただし、危険な生き物を飼うなら、相当の準備と覚悟が必要です。
 同じニシキヘビの仲間でも、危険度は種によって違います。どの種も毒はありません。主な種を紹介しましょう。
 アミメニシキヘビは、世界最大のヘビの一種です。最長約10mになります。普通は6mくらいです。大きいうえに気が荒い個体が多く、最も危険なニシキヘビといえます。普通の個人が飼うべきではありません。
 ビルマニシキヘビは、インドニシキヘビという種の中の一亜種です。最長約6mになります。普通は3m以下です。危険度はアミメニシキヘビより低いものの、時々、気の荒い個体がいます。飼うにはそれなりの空間と、覚悟が要ります。
 ボールニシキヘビは、ボールパイソンとも呼ばれます。最長約2mにしかなりません。日本のアオダイショウと同じくらいです。性格もおとなしく、ほとんど危険はありません。
 ミドリニシキヘビは、グリーンパイソンとも呼ばれます。最長約2mになります。名のとおり緑の体色が美しく、人気があります。しかし、小型のわりに気が荒いため、うかつに接近してはいけません。
 もしもニシキヘビに出遭ったら、ヘビの眼前に手や顔を出さないようにしましょう。動くものが目に入ると、ヘビが驚いて咬むことがあります。
 多くのニシキヘビは夜行性です。そのため、夜のほうが活発で、危険度が高いです。夜に大蛇を目撃したら、普通の人は手を出さないようにしましょう。また、ペットとして飼った人は、責任を持って飼いましょう。

2005年9月 6日

恐竜は速く走れたか?

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前回のコラムで、「骨さえあれば、死んだ動物がどんな生き方をしていたかがわかる」と書きました。はるか昔に滅んだ恐竜でさえ、例外ではありません。 恐竜には、巨大なものが多いですね。あんなに大きくて重そうなのに、走れたのでしょうか? 結論を先に書けば、走れたものもいました。体を支えて歩くのに精一杯で、走れなかったと考えられているものもいます。
 例えば、草食恐竜のヒプシロフォドンは、ガゼル並みに速く走れたと考えられています。アフリカの草原で、ライオンに追われるシカに似た動物がいますよね? あれがガゼルです。ヒプシロフォドンは、ガゼルと同じように、俊足で敵から逃れていました。 同じ草食恐竜でも、マメンキサウルスは歩くことしかできませんでした。ではどうやって敵から逃れていたかといえば、極端に体を大きくして、襲われないようにしていました。現在のゾウと同じです。ゾウはガゼルほど速く走れません。
けれども、体が大きいために、肉食獣に襲われることはほとんどありません。 速く走れたかどうか、どうやって骨からわかるのでしょうか?ちょっとした骨の見方を知れば、簡単に推測することができます。
 速さを知るには、脚の骨を見ます。膝【ひざ】の位置に注目して下さい。膝より上の部分が腿【もも】です。膝より下の部分が脛【すね】です。腿の骨より脛の骨のほうが長ければ、その動物は足が速かったはずです。ガゼルのように速い動物は、そういう脚の骨になっています。 ゾウのように遅い動物は、腿の骨と脛の骨がほぼ同じ長さです。こういう脚の骨は、あまり速く動くには向いていません。安定した姿勢で歩き続けるのに向いています。 ほんのちょっと見方を知るだけで、骨からいろいろなことがわかります。遠い恐竜時代にも「ガゼル」や「ゾウ」がいたなんて、想像が膨らみますね。

2005年9月 5日

恐竜の食べ物はなぜわかる?

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学校が始まりましたが、皆さんは楽しい夏休みを過ごされたでしょうか? いろいろなイベントに参加された方も多いでしょう。夏休みには、子供たちに大人気の恐竜イベントが開かれることが多いですね。 例えば、愛知県では、恐竜博2005が今も開催中です。これは、愛知万博の関連イベントです。 恐竜博2005のような展覧会へ行くと、恐竜の骨がいっぱい展示されていますね。骨のそばには解説板が付いています。そこには、まるで見てきたかのように、その恐竜が生きていた時の様子が書かれています。 「骨しかないのに、なぜ、生きていた時の様子がわかるんだろう?」と思いませんか? それは、大勢の研究者が、長年にわたって研究を続けてきたおかげです。現在生きている動物の骨と、恐竜の骨とを比べることによって、恐竜がどんなふうに暮らしていたか、おおよそのことがわかります。 動物の骨には、生き方がはっきりと現われます。例えば、イヌの頭の骨を見ると、尖った歯が並んでいます。同じような歯を、オオカミもライオンもトラも持っています。ウシやウマやシカには、そんな歯はありません。 イヌ、オオカミ、ライオン、トラの共通点は何でしょう? ウシやウマやシカにはないことです。肉を食べることですね。 尖った歯は、肉を切り裂きやすい歯です。このことから、尖った歯を持った動物は、肉を食べていたことがわかります。 恐竜の中では、ティラノサウルスやヴェロキラプトルといったものが、尖った歯を持っています。だから、彼らは肉食恐竜だったとわかります。同じように、ウシやシカに似た歯を持っている恐竜は、草食恐竜だったとわかります。 骨からわかることは、まだまだあります。次回に続きを書きましょう。