2005年9月27日
ハギという植物はない?
ハギは、秋の七草の一つとして有名ですね。万葉歌人の山上憶良【やまのうえのおくら】が、秋の七草の第一に挙げています。万葉集で最も多く詠まれている花は、ウメでもサクラでもなく、ハギです。その数、百四十首以上もあります。万葉時代、人々は野山へハギのお花見に行きました。観賞用に庭に植えることも、その頃から行なわれていました。当時は、サクラよりハギが好まれたのですね。このように古くから親しまれたものの、実は、「ハギ」という種名の植物はありません。
ハギとは、マメ科ハギ属ヤマハギ亜属に属する種の総称です。個々の種名としては、ヤマハギ、キハギ、マルバハギなどがあります。万葉集に詠われたのは、ヤマハギだといわれます。ハギの仲間は、日本の山野にたくさん自生しています。
今でも、ハギの仲間は庭に植えられることが多いですね。よく栽培されるのは、ヤマハギのほか、花つきの良いミヤギノハギや、白い花が咲くシロバナハギです。シロバナハギは、ミヤギノハギの色変わり変種です。ミヤギノハギという種名は、宮城県仙台市の宮城野という地名に由来します。ここは昔、ハギの名所でした。それにちなんで、宮城県の県花はミヤギノハギです。ただし、名所だった当時生えていたのは、ミヤギノハギではなく、ヤマハギでした。
ミヤギノハギは、野生種から人工的に作られた種です。いつどこでどのように作られたのか、詳しいことはわかっていません。日本海沿岸に自生するケハギが原種だろうと推測されています。ケハギとミヤギノハギはよく似ているからです。
日本には、何とかハギという名の植物がたくさんあります。マメ科ハギ属ヤマハギ亜属に属さない、本来のハギではない種も多いです。マメ科ヌスビトハギ属のヌスビトハギや、ヒメハギ科ヒメハギ属のヒメハギなどです。 少しでもハギに似たところがあると、「~ハギ」という名が付けられたのでしょう。日本人がハギを好んだ証拠でしょうね。
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にケハギ、ヌスビトハギ、ネコハギ 、ヒメハギ、ミソハギ 、メドハギなどが掲載されています。是非ご利用ください。
松沢千鶴
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