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2005年10月 3日

鈴虫はマツムシ、松虫はスズムシ?

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日本人は、昆虫の声を楽しむことで知られます。コオロギやキリギリスの仲間を、季節感あふれるものとして喜びますね。中でも好まれるのが、スズムシとマツムシです。
 スズムシは、りんりんと鳴く声が鈴のようだからスズムシだといいます。マツムシは、ちんちろりんと鳴く声が松風のようだからマツムシだといいます。
 平安時代あたりには、現在のスズムシを松虫、マツムシを鈴虫と呼んだというのが定説です。昔の人は、りんりんという声を松風に、ちんちろりんという声を鈴に似ていると聞いたのでしょうか。
 この定説には異論があります。昔も今も、スズムシは鈴虫、マツムシは松虫だったというのです。確かに、『源氏物語』の「鈴虫」の巻を読むと、鈴虫は現在のスズムシ、松虫は現在のマツムシとしたほうがふさわしい記述です。
 スズムシもマツムシも、古来同じように好まれるのに、ペットショップなどで売られるのはスズムシばかりですね。なぜでしょう?
 理由は、スズムシのほうが繁殖させやすいからです。
 ペットとして大量に売るには、人工的に繁殖させなければなりません。スズムシは普通の土の中に産卵するため、土さえ入れておけば繁殖させることができます。けれどもマツムシは、ススキなどの草の茎に産卵します。生きた草と一緒に飼うのが難しいために、繁殖させにくいです。
 この習性ゆえ、野生状態でもマツムシのほうが繁殖しにくいです。野生のマツムシはずいぶん減ってしまいました。マツムシが産卵できる草むらが、人間の開発で減ったからです。
 前に書いたとおり、スズムシとマツムシは、平安時代から並んで親しまれました。京都に嵯峨野【さがの】という鳴く虫の名所があったほどです。平安貴族は嵯峨野に出かけて鈴虫や松虫を取り、宮中に奉【たてまつ】りました。千年以上も親しまれた二つの虫の声を、私たちの時代に途絶えさせたくはありませんね。

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コオロギ、マツムシ、スズムシは掲載されています。是非ご利用ください。

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