2005年10月31日
クマノミの親子関係
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カクレクマノミは、映画『ファインディング・ニモ』で有名になりました。この映画では、カクレクマノミのニモのお父さんが、献身的にニモの世話をします。親子の情を感じさせて、微笑ましいですね。
しかし、前回書いたとおり、映画には「正確でないところ」があります。実の親子が一緒に暮らす場面も、その一つです。
カクレクマノミなどのクマノミの仲間が、卵の世話をするのは本当です。これは魚には珍しいことです。普通の魚は、卵を産んだら産みっぱなしで、全く世話をしません。
クマノミの仲間の場合、父親の世話焼きぶりは、映画に描かれたとおりです。自分の食事や休息もろくにせず、卵の世話をし続けます。
やがて、めでたく卵から子魚たちが生まれます。ところが、父親も母親も、子魚には見向きもしません。子の世話は焼かないのです。子のほうも親になついたりしません。さっさと海面近くに浮かび上がってしまいます。子魚は親に頼らずに、しばらく海中を浮遊する生活を送ります。
もし、子魚が生まれた場所に残っていたら、実の親に攻撃されて追い払われるでしょう。卵が孵化した途端、親は自分の子を忘れてしまうようです。
冷たいようですが、こういった行動には意味があると考えられています。生まれた場所を離れることで、クマノミの仲間は分布を広げることができます。
分布が広くなれば、絶滅する可能性が減ります。ある海域の環境が悪くなっても、他の海域は変わらないことがありますよね。狭い範囲にしか分布していないと、そこの環境が悪くなった時、一斉に滅びるおそれがあります。生まれてすぐに親元を離れるのは、生き延びる可能性を増やすためです。
自然界のことを、人間の尺度で計ってはいけません。非情なように見えても、それはそれで正しいのです。映画は映画として楽しみましょう。
ニモ関連コラムは、こちら>>>ニモのお父さんは、お母さんだった
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にクマノミ 、ハマクマノミが掲載されています。是非ご利用ください。
松沢千鶴
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