2005年12月 9日
海中のクリスマスツリー? イバラカンザシゴカイ
十二月、街角にまた家庭に、様々なクリスマスツリーが立っています。暗い季節をきらびやかにしてくれますね。
海の中にも、たくさんのクリスマスツリーが立っています。それらは十二月だけでなく、一年じゅう海中を彩ります。ピンク、橙【だいだい】、コバルトブルー、黄金色に真珠色と、とりどりのツリーが海底から生えています。はて、これらの正体は?
答えは、イバラカンザシゴカイです。ほとんどの方は、初めて聞く名前でしょうね。ゴカイという名にぴんと来た方もいるでしょう。そう、イバラカンザシゴカイは、釣餌にするゴカイの仲間です。細長い体にたくさんの脚が生えた体を持ちます。ミミズの遠い親戚です。専門的には、環形【かんけい】動物というグループに分類されます。
ミミズやゴカイの仲間が、なぜクリスマスツリーなのでしょう? 彼らが鰓冠【さいかん】という器官を持っているからです。イバラカンザシゴカイの鰓冠は円錐形でひらひらしていて、クリスマスツリーに似ています。そのため、英語でChristmas tree worm、クリスマスツリーの虫と呼ばれます。
イバラカンザシゴカイは、普通のミミズやゴカイと違って、自由に歩き回りません。サンゴ礁や石に穴を掘って棲みます。穴に入ったら一生出ません。ですから、彼らのゴカイ型の体を見ることはまずありません。私たちの目につくのは、鰓冠だけです。
彼らは呼吸や食事に鰓冠を使います。穴の入口から鰓冠を伸ばして呼吸し、鰓冠に引っかかった有機物を食べます。その様子が、小さなクリスマスツリーを思わせます。
イバラカンザシゴカイのツリーは、必ず、一頭に二本あります。鰓冠の直径は1cmほどしかありません。にもかかわらず、見れば見るほど細密で美しいツリーです。魅せられて、写真を撮りに行くダイバーが大勢います。
イバラカンザシゴカイは敏感です。怪しい水流や影を感じると、たちまち穴に引っ込んでしまいます。そっと近づくのがこつです。周囲を荒らさないのは言うまでもありません。そうすれば、彼らは美麗なミニチュア・ツリーを伸ばして、歓迎してくれることでしょう。
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にイバラカンザシゴカイは掲載されています。是非ご利用ください。
松沢千鶴
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