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2005年12月19日

松毛虫(マツケムシ)退治の知恵、こも巻きとこも外し

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冬になると、庭園のマツや街道のマツ並木に、藁【わら】が巻きつけられていますね。ちょうど腹巻きをしているように見えます。あれは何のためなのか、御存知でしょうか?
 巻きつけられているのは、「こも」と呼ばれるものです。こもは、害虫退治に使われます。なぜ藁で害虫退治ができるのか、説明しましょう。
 マツの仲間には、マツカレハという害虫が付きます。マツカレハはガの一種で、幼虫がマツの葉を食い荒らします。幼虫はいわゆる毛虫型をしていて、マツケムシと呼ばれます。
 マツケムシは、冬に休眠します。その時には木を降りて、落ち葉の間などに隠れます。翌年の春にまた活動を始め、やがて親のガになります。
 休眠しようとした時、途中にこもがあれば、マツケムシは地面にまで降りません。休むのにちょうどいい場所だと思うのでしょうね。こもにもぐって休眠します。
 翌年、暖かくなる前にこもを外せば、一緒に害虫を取ることができます。外したこもは焼いてしまいます。農薬を使わずに、害虫退治ができるわけです。昔の人から伝えられる知恵です。
 いつ頃こもを巻いて、いつ頃外すのかは、地域やその年の気候によって違います。一般的には、立冬(十一月八日前後)の頃に巻いて、啓蟄【けいちつ】(三月六日前後)の前に外すようです。こもを巻く作業を「こも巻き」、こもを外す作業を「こも外し」、こもを焼くことを「こも焼き」と呼びます。
 じつは、こもには害虫ばかりでなく、害虫を食べるクモなどもたくさんいるそうです。食べ物を狙って入るのですね。一緒に焼かれてしまうのは気の毒です。
 しかし、こもは環境を汚染しません。やたらに薬をかけるより、よほどいいでしょう。農薬を使えば、どんな虫も、もっと広範囲に死んでしまいます。
 最近は、各地で普通にこもが巻かれるようになりました。こんにちでも使える古来の知恵は、他にもありそうです。そういう知恵を発掘すれば、私たちヒトも、もっと暮らしやすい環境を作れるかも知れません。


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に、「松枯れ」の被害にあったアカマツ、クロマツと、
実際に被害を起こす昆虫マツカレハが掲載されています。
是非ご利用ください。


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コメント

Posted by 杉浦哲也 at 2007年01月20日 13:56

 こも巻きも年々少なくなり、今や冬の風物詩として観光用に、美意識として行われているのが普通ですね。
 確かにマツカレハの幼虫などが入り込み、その体液をご馳走になろうし、昆虫吸汁性のヨコズナサシガメもチャッカリ菰の中に潜んでます。
 さて、菰掛けじきですが、今は温暖化の勢でしょうか、立冬前がおおいようですが、本当は白露過ぎころだったのです。秋分から日がつるべ落としのように短くなるので、昆虫の休眠は9月下旬頃に行います。したがって、温暖化と関係なく日長に支配された虫たちの休眠寝床の提供は、やはり9月上中旬が理にかなっているのです。同様に休眠明けが立春近い啓蟄にあるわけです。

Posted by 松沢 千鶴 at 2007年01月21日 21:16

 コメントありがとうございます > 杉浦さん。


 本来のこも巻きは、立冬ではなく、白露のころに行なわれるものだったのですね。勉強になりました。


 最近のこも巻きは、実用というより、観光用になっているとは、私も聞いていました。
 こも巻きだけでなく、雪吊りも、実用でなく観光用にやっているところがあるようです。


 多少、形式的になっても、日本の伝統文化を後世に伝える意味があるならば、やってもいいのではないかと思います。
 もちろん、有害でないことが前提ですね。

Posted by タケ at 2008年06月24日 08:13

はじめまして。
記事参考にさせていただき、トラックバック送信しました。
「虫送り(イモチ送り)」なんかも大切にしたい古来の知恵ですね。

Posted by 松沢千鶴 at 2008年06月24日 18:06

 はじめまして<タケさん。

 コメント、トラックバックありがとうございます。
 日本の大切な伝統文化を、継承していきたいですね。
 また、お立ち寄りください。

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