2006年1月 1日
羽根突き【はねつき】とトンボの関係
羽根突きというお正月の遊びがありますね。長方形の木の板で、鳥の羽毛を付けた球(羽根といいます)を打ち合うものです。最近は、とんと見かけなくなりました。羽根を突くための羽子板【はごいた】だけが、装飾用に売られて有名ですね。
昔の日本人にとって、羽根突きは大切な遊びでした。ただの女の子の遊びではなく、宮中で貴族たちが行なった記録もあります。羽根突きには、疫病【えきびょう】避けの意味があるからです。それは、トンボと関係があります。
羽根突きの羽根には、四枚の羽毛が付いていますね。この形は、トンボを模したものです。羽根が打たれて行き交う様子が、トンボの飛ぶ姿に見立てられました。
すべてのトンボは肉食性です。飛びながら、他の昆虫を襲って食べます。同じく空を飛ぶカやハエは、トンボにとってちょうどいい餌です。カやハエは病気のもとの細菌などを運びますね。それらを食べてくれるトンボは、疫病避けになるわけです。
細菌など知らなかったのに、昔の人の洞察力はあなどれませんね。長年の観察から、「カに刺されると病気になる」ことや、「ハエが多い不潔な環境では病気になる」ことを知ったのでしょう。
医療が発達していない時代、疫病は恐ろしいものでした。病気にかかったら、治すすべはほとんどありません。昔は、疫病で死ぬ人が大勢いました。疫病を防いでくれるトンボは、とてもありがたいものだったでしょう。昔の人は、トンボを模した羽根を突いて、カやハエを脅し、追い払おうとしました。
現代では、トンボは豊かな環境の指標になっています。きれいな水のある場所でなければ、トンボは暮らせません。幼虫時代を水中で過ごすためです。また、他の昆虫がたくさんいるところでないと、生きてゆけません。幼虫も成虫も肉食性で、他の昆虫を食べるからです。残念なことに、そういう環境はどんどん減っています。
トンボは、長い間、疫病から私たちを守ってくれました。恩返しのために、もう少しトンボの棲みやすい環境を用意してあげてもいいでしょう。
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では、トンボ目のアキアカネ、ギンヤンマ、モノサシトンボなど32種
が掲載されています。どうぞ、ご覧ください。
松沢千鶴
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