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2006年1月 6日

不毛の愛に身をやつす? 水仙(スイセン)

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 スイセンは、真冬に咲き匂う花として、日本人に愛されていますね。各地にスイセンの名所があります。有名なのは、福井県の越前海岸・静岡県の爪木崎【つめきざき】・兵庫県の淡路島などです。こういった名所には、毎年何万人もの観光客が訪れます。
 これほど愛されているのに、スイセンは、日本土着の植物ではありません。万葉集や、平安時代の文学には登場しません。鎌倉時代から室町時代くらいに、中国から渡来したようです。スイセンの本当の故郷は、中国のはるか西にある地中海沿岸です。
 はるばるシルクロードを通って、この可憐な花はやってきました。地中海沿岸には、フサザキスイセンというスイセンの一種が分布します。この種は、日本に自生するスイセン(ニホンスイセン)と同じ種です。ニホンスイセンは、本来のフサザキスイセンと少しだけ違うので、フサザキスイセンの中の変種とされています。
 スイセンといえば、ギリシャ神話を思い出す方がいるでしょう。美少年ナルキッソスの物語ですね。ナルキッソスは、どうあっても報われない恋に落ちます。水面に映った自分の姿に恋するのです。彼は自分の姿に見とれて、やつれ果てました。ある日、彼は姿を消します。彼がいた水辺には、一本のスイセンが咲いていたといいます。
 スイセンの仲間には、たくさんの種があります。ナルキッソスが変じたのが、どんなスイセンだったのかはわかりません。一説では、クチベニスイセンといわれます。このスイセンの花は、フサザキスイセンとちょっと違い、口紅のような赤い縁取りがあります。
 しかし、私は、ナルキッソスのスイセンはフサザキスイセンでは?と考えています。なぜなら、フサザキスイセンには種子ができないからです。難しい説明は省きますが、体の仕組み上、そうなっています。あれほど美しく咲く花に、実りがありません。古代ギリシャの人々は、その不毛さをナルキッソスの物語に表わしたのではないでしょうか。
 フサザキスイセンは、球根で殖えます。それなら花を咲かせる必要はありませんよね。でも毎年花は開いて、私たちを楽しませてくれます。もしかすると、彼らは、人間に守ってもらうために、花という「魅力兵器」を使っているのかも知れません。

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には、スイセンが掲載されています。どうぞ、ご覧ください。

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