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2006年1月16日

雁(ガン)の恩返し

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 ガンの仲間は、古来、日本に秋を告げる鳥でした。彼らは遠い北国から、列をなして渡ってきます。昔の子どもたちは、飛ぶガンの列を見て、「さお(形)になれ、かぎ(形)になれ」とはやしました。ガンが登場する和歌や俳句は、枚挙にいとまがありません。
 けれども、農民からは、害鳥として憎まれることもありました。ガンの仲間は草食性で、稲穂を好んで食べます。苦労して収穫を得た人々にすれば、憎みたくなるでしょう。
 今では、あまりガンの害は言われませんね。乱獲と環境破壊のせいで、ガンの数が激減したからです。今、日本でガンの仲間のマガンやヒシクイが見られるのは、宮城県の伊豆沼などのごく一部です。
 しかし、農家の人にとっては、ガンは害鳥というイメージが強いようです。長い間、収穫を横取りされてきましたから、無理もありません。ガンが集中する伊豆沼の付近などでは、いろいろな問題が起こっていると聞きます。
 そんな対立の中に、新しい動きが出てきました。ガンを敵視するのではなく、味方につけようというのです。質の良い収穫のために、わざとガンを呼び寄せる運動です。
 普通の田は、冬に水をなくしますね。稲刈り後、もう一度田に水を入れて、水田にする方法があります。こういう田を、冬期湛水【とうきたんすい】水田、または「ふゆみずたんぼ」といいます。
 冬期湛水水田は、ガンのすみかにぴったりです。ガンは用心深いため、寝る時には、見通しの良い広い水場が必要です。また、ねぐらの近くには、落穂などがたくさんある餌場も必要です。冬期湛水水田は、どちらの条件もばっちり備えています。
 冬期湛水水田には、たくさんのガンが糞をします。その糞は、とても良い肥料になります。加えて、ガンが雑草を食べてくれるので、除草剤を使わなくても済むようになります。つまり、ガンのおかげで、安全で美味しいお米が取れる田ができます。
 食べ物が豊富で、しかも安全なすみかができて、ガンは喜んでいるでしょう。美味しいお米は、ガンの恩返しかも知れません。


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には、ガンの仲間のマガンやヒシクイなどが掲載されています。是非ご利用ください。

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