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2006年1月30日

雪の中でしか暮らせないセッケイカワゲラ

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 昆虫は、ふつう冬には活動しません。寒さに弱いからです。種によって、様々な形で冬に耐えます。活動しなくてもいいように、卵や蛹【さなぎ】になるものが多いですね。幼虫や成虫が土に潜ったり樹皮の陰に隠れたりして、じっと耐えるものも多いです。
 ところが、中には変わった昆虫がいます。なんと、雪の中でなければ活動できないというのです。その名をセッケイカワゲラといいます。
 セッケイカワゲラは、カワゲラという昆虫の仲間です。カワゲラは原始的な昆虫で、広い意味ではトンボに近いものです。トンボと同じように、幼虫の頃は水中に棲みます。成虫になると陸に棲みます。成虫には翅【はね】があり、飛ぶことができます。
 カワゲラの中でも、セッケイカワゲラはとびきりの変わり者です。幼虫の頃は、他のカワゲラと同じように水中に棲みます。春先に生まれた幼虫は、秋まであまり成長しません。秋に急速に成長し、晩秋に成虫になります。多くの昆虫が姿を消す頃ですね。
 成虫のセッケイカワゲラには翅がありません。多くのカワゲラと違い、彼らは飛べません。かわりにせっせと歩きます。氷点下の雪の中を歩くのです。彼らは低温に強く、高温に異常に弱いです。ヒトの手に載せられただけで、暑さで麻痺してしまいます。これでは、雪の中にしか棲めませんね。
 冬を生きた成虫は、春先に卵を産んで死にます。春から夏の間、彼らは幼虫として、涼しい水中にいます。普通の昆虫とまるで逆ですね。
 なぜ、セッケイカワゲラはこんな生活をするのでしょう? 一つの仮説があります。他の昆虫がいない時期に活動すれば、食べ物を独占でき、敵に襲われる確率も低いから、というものです。
 「雪の中に食べ物なんてあるのか?」と思われる方もいるでしょう。意外にあります。小さな昆虫ならば、雪中の細かい樹皮やコケのかけらなどで、充分生きてゆけます。
 それでも、雪中で暮らせる昆虫は少ないです。セッケイカワゲラは珍しい例です。運が良ければ、スキー場で彼らを見ることもあるそうです。


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には、セッケイカワゲラが掲載されています。是非ご利用ください。

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