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2006年2月24日

縄文時代からの御馳走、ハマグリ?

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 桃の節句のお祝いには、ハマグリの料理がよく出されます。最近では、古来の風習がすたれつつあるので、御存知でない方も多いでしょうね。
 なぜ、桃の節句にハマグリなのでしょう? これは、日本独自の風習です。日本で、桃の節句が女の子の祭りとされたことに関係します。
 ハマグリには、二枚の貝殻がありますね。他の二枚貝と違って、ハマグリの殻は、同じ個体のものでないとぴったり合いません。同じ大きさの同じ種の殻であっても、違う個体のもの同士では合わないのです。このため、ハマグリは夫婦和合の象徴とされました。「女の子が良い伴侶とめぐり合って、幸せになるように」という願いを込めて、桃の節句にハマグリ料理が出されます。
 ハマグリは、有史前から日本人に好まれました。縄文時代の貝塚より、たくさんの殻が発見されています。砂浜を掘れば、ハマグリは手軽に採れますよね。鳥獣を獲るより、よほど楽です。縄文人にとって、ハマグリはありがたい御馳走だったでしょう。
 ところが、現在、ハマグリは絶滅寸前です。環境破壊のために、商業的に採取しても、採算が合わないほど減ってしまいました。
 「魚屋にいっぱい売っているじゃないか」と、皆さんはお思いでしょう。じつは、あの「ハマグリ」は、本来のハマグリという種ではありません。チョウセンハマグリという別種です。チョウセンハマグリという種名でも、昔から日本に生息する種です。
 チョウセンハマグリは、波の荒い外洋の浜に棲みます。本来のハマグリは、波の静かな内海の浜に棲みます。内海は、人間によって開発されやすいですね。そのために、ハマグリはすみかを奪われて、激減しました。
 チョウセンハマグリも美味です。縄文以来、食用にされてきました。でも、本来のハマグリも、長い食文化の伝統を担っています。絶滅させてはいけませんね。
 ハマグリがいるのは、内海の環境が豊かな証拠です。外洋と内海と、両方の環境が豊かになってこそ、海の国日本でしょう。ハマグリを復活させたいですね。


<<追記>>
 ハマグリの専門家のbeachmolluscさんより、御指摘がありました。
『現在、日本で広く市販されているのは、国産のチョウセンハマグリではなく、輸入されたシナハマグリという種です』
とのことでした。
 beachmolluscさん、ありがとうございました。【2008/02/23】
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コメント

Posted by beachmollusc at 2008年2月22日 10:32

私の専門分野の話題を見つけましたので、連続して投稿します。

チョウセンハマグリというのは日本の在来種で、ゴイシハマグリと呼ぶ方がよいものですが、貝類図鑑などでは大正時代からずっとこの名称が使われているので、変更は難しいでしょう。この名前のおかげで頻繁に誤解されていますが、中国から朝鮮半島に分布するシナハマグリと混同されます。日本で広く一般に市販されているのは国産のチョウセンハマグリではなくて輸入されたシナハマグリです。

ブログで紹介された切手の絵として出ていたハマグリはチョウセンハマグリではなくてハマグリですね。

Posted by 松沢千鶴 at 2008年2月23日 09:39

御指摘、ありがとうございます > beachmolluscさん。

確かに、種名を間違えておりました。画像の貝は、チョウセンハマグリではなく、シナハマグリでした。修正しておきました。

私はうっかり者でして、間違えることも多いです。
今後も、何かありましたら、御指摘お願いいたします。

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