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2006年3月17日

早春に合戦をするアカガエル

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 二月のうちは、「春は名のみの風の寒さ」ですね。暦は3月の半ばになりましたが、寒い日が続いています。けれども、季節は確実に巡ります。
 日本国内で、雪国でない地域にお住まいの方は、凍っていない水場をのぞいてみて下さい。水中に、黒い斑点があるゼリー状の塊【かたまり】がありませんか?
 それはきっと、アカガエルの仲間の卵嚢【らんのう】です。いちはやく恋の季節を迎えて、産卵したものがいるのですね。卵嚢とは、袋状のものに収まった卵をいいます。保護のために、カエルの卵は、ゼリー状の嚢【のう】=袋に包まれています。
 アカガエルの中で、ニホンアカガエルとヤマアカガエルは、早春に繁殖します。日本内地に分布するカエルでは、春いちばんの繁殖期です。十二月や一月に繁殖するものさえいます。早春どころか真冬ですね。
 寒い季節の繁殖は、カエルにとって大変なことです。寒さで動きが鈍くなるうえに、餌はなかなか見つかりません。凍死の危険もあります。親ガエルだけでなく、せっかく産んだ卵が、水場が凍ったために凍死することもあります。
 なぜ、こんな危険を冒して産卵するのか、理由はわかっていません。
 カエルの繁殖期の様子を、蛙合戦【かわずがっせん】といいます。雄のカエルが雌のカエルを奪い合って、取っ組み合いになるからです。子孫を残せるかどうかの真剣な戦いです。ニホンアカガエルもヤマアカガエルも、早春の水場にたくさん集まって、「合戦」を行ないます。
 ニホンアカガエルとヤマアカガエルは、繁殖期を終えた後、もう一度休眠します。これを春眠といいます。五月頃、春眠から覚めて、田植え期の水田などに現われます。
 水田のカエルは、イネの害虫を食べるので、喜ばれます。しかし、毒性のある農薬や、過剰な水田整備のために、カエルが棲めない水田が多くなりました。
 その状況を打ち破るのが、冬期湛水【とうきたんすい】水田(ふゆみずたんぼ)です。以前、コラムで紹介しましたね(『雁の恩返し』)。農薬を使わず、冬にも水がある田は、アカガエルの良い産卵場所になります。こういう試みが、どんどん広まるといいですね。


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には、ニホンアカガエルやヤマアカガエルなど日本に生息するカエル17種が掲載されています。ぜひご利用ください。

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