図鑑.netブログ- zukan.net -

http://blog.zukan.net/blog/

2006年5月18日

聖母マリアと白百合【しらゆり】の関係

ico_weather_ame.gif


 二〇〇六年の五月二十日から、世界で一斉に公開される映画がありますね。『ダ・ヴィンチ・コード』です。原作の小説は、いわずと知れた世界のベストセラーですね。
 この作品には、キリスト教美術がたくさん登場します。作品にあるとおり、キリスト教美術では、題材すべてに意味があります。例えば、聖母マリアは、白百合と一緒に描かれることが多いですね。白百合は、聖母の清らかさの象徴だからです。
 古来、ヨーロッパで尊ばれたのは、ニワシロユリでした。英語でマドンナ・リリーMadonna lily(聖母のユリ)と呼ばれます。このユリ以外、ヨーロッパには、白百合らしい白百合が自生しません。ユリの種が少ないのです。ですから、白百合=ニワシロユリでした。
 ところが、現在、ニワシロユリはあまり栽培されません。今、世界で最多の白百合は、テッポウユリです。現在では、復活祭などのキリスト教のお祭りで、大量のテッポウユリが使われます。これにちなみ、テッポウユリは英語で、イースター・リリーEaster lily(復活祭のユリ)と呼ばれます。
 驚いたことに、テッポウユリは、日本原産です。日本の花が、本来の「聖母のユリ」を押しのけて、「復活祭のユリ」になるなんて、不思議ですね。
 これは、日本のユリの種が豊富なためです。質も量も、ヨーロッパとは比べものになりません。近世以降、来日したヨーロッパ人は、日本のユリに感嘆しました。そのため、日本のユリはヨーロッパに移入されて、たくさんの園芸品種を生みました。
 中でも、テッポウユリは好まれたのですね。他には、日本特産のヤマユリも、たいへん好まれました。強い芳香と、大輪の白い花が、園芸家を刺激したのでしょう。ヤマユリを元にした園芸品種も多いです。近年人気の「カサブランカ」という品種は、ヤマユリから作られました。お値段も花も雄大な(笑)白百合ですね。
 日本は、ユリの王国と呼ばれます。それほど多様なユリが自生します。ダ・ヴィンチが日本のユリを知っていたら、作品に取り入れたかも知れません。色も形もさまざまなユリを、天才はどんな象徴に使ったでしょうか。


ban_zukan.net.jpg
インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
には、ニワシロユリは載っていませんが、テッポウユリやヤマユリをはじめとした日本のユリが掲載されています。ぜひご利用下さい。

http://blog.zukan.net/blog/2006/05/18-post_598.php
トラックバックhttp://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/692

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL
http://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/692

コメント

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)