
カンガルーは有袋類といわれますよね。哺乳類だと思っていましたが、分からなくなりました。カンガルーはいったい、何類なのでしょうか? 教えてください。
これは、『類』という言葉の意味が曖昧なせいで、混乱していらっしゃるのでしょう。
『類』という言葉は、通俗的に使われる言葉です。生物学の分野では、正式な用語とされていません。分類のどのレベルのものを指して『類』というのか、定まっていないのですね。
例えば、『哺乳類』というのは、分類学上は、正確な呼び方ではありません。
私たちヒトや、カンガルー・イヌ・ウマ・ネズミなどを含めた「毛があって、赤ちゃんに乳を飲ませて育てる動物」は、「哺乳綱【ほにゅうこう】」と呼ばれる分類単位にまとめられます。
「綱【こう】」というのは、かなり大きな分類単位の一つです。「哺乳綱」以外には「鳥綱【ちょうこう】」・「爬虫綱【はちゅうこう】」・「両生綱【りょうせいこう】」などがあります。
それぞれ、一般的に言う「鳥類」「爬虫類」「両生類」のことです。
『有袋類』という言い方も、分類学では、正確な呼び方ではありません。
正式には「有袋目【ゆうたいもく】」といいます。
「目【もく】「は、「綱」の一つ下の分類単位です。「有袋目」は「哺乳綱」の中に含まれる「目」の一つです。
カンガルーの場合は「哺乳綱有袋目」に所属します。
私たちヒトの場合は、「哺乳綱霊長目」に所属します。イヌの場合は「哺乳綱食肉目」に所属します。
わかりやすくするために、たとえ話をしてみましょう。
人の住所を表記する時は、どのようにしますか? 「○○県××市▲▲ ZZ番地」というふうに書きますよね。
「鈴木さん」という方がこの住所にいたとします。「○○県にお住まいの鈴木さん」と呼んでも、「××市にお住まいの鈴木さん」と呼んでも、間違いではありませんね。
「綱」や「目」という分類単位は、住所を表わす「県」や「市」に似ています。「哺乳綱に属するカンガルー」でも、「有袋目に属するカンガルー」でも、間違いではありません。