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2006年6月12日

子どもの揺籠【ゆりかご】を作る虫、オトシブミ

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 ハイキングなどで森へ出かけた時、不思議な葉っぱを見たことがありませんか? まるで巻物のように、くるくるときれいに畳まれた葉です。地面に落ちていることもあれば、今にも落ちそうになりながら枝に付いていることもあります。
 それはきっと、オトシブミという昆虫のしわざです。オトシブミとは、コウチュウ目オトシブミ科に属する昆虫の総称です。カブトムシやコガネムシと同じく、硬い翅【はね】を持った昆虫の仲間です。
 オトシブミは、なぜ、葉を巻くのでしょうか? 自分の子どものためです。
 巻いた葉の中に、彼らは卵を産みます。孵化した幼虫は、周囲の葉を食べて育ちます。巻いた葉は、幼虫の食料と、幼虫を外敵から守る装置と、両方を兼ねます。昆虫を食べる鳥などが来ても、巻いた葉があるだけなら、食べ物とは思わないでしょう。
 これはうまい方法ですよね。このような葉は、オトシブミの揺籠――「ゆりかご」または「ようらん」と読みます――と呼ばれます。言い得て妙ですね。
 オトシブミにとって、葉を巻くのは大変な作業です。小さい昆虫にすれば、木の葉はずいぶん巨大な物でしょう。自分の体より何倍も大きいシートを切って、折りたたむようなものです。しかも、葉には弾力があって丈夫です。オトシブミの母親は、誰の力も借りず、道具も使わず、一頭でそれをやり遂げます。母親の力は偉大ですね。
 オトシブミの仲間は、チョッキリとも呼ばれます。揺籠を作るために、植物の茎や葉柄【ようへい】――葉の柄に当たる部分――を切るからです。あらかじめ切っておくと、葉がしおれて巻きやすくなるのですね。巧妙さにますます感心します。
 けれども、農家の人は感心していられません。オトシブミ(チョッキリ)は害虫です。作物の茎や葉を切るからです。ブドウ、モモ、クリなどの果樹が、よく被害を受けます。
 害虫とはいえ、昔の人は、オトシブミに親しみも持っていました。揺籠を巻物の手紙に見立てて、「落とし文」という名を付けたほどです。風流ですよね。害虫との付き合いにも、できれば、このくらいの心の余裕を持ちたいものです。

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には、ヒメクロオトシブミ、ブドウハマチョッキリなど、オトシブミ科の昆虫は5種掲載されています。ぜひご利用下さい。

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