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2006年7月10日

樹上に卵を産むモリアオガエル

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 カエルなどの両生類が、水中に産卵することは知られていますね。両生類の卵は、乾燥に弱いからです。殻がないために、水の蒸発を防ぐ仕組みがありません。
 ところが、中には、陸に産卵する両生類がいます。モリアオガエルがその一種です。
 モリアオガエルは、樹上に卵の塊【かたまり】を産みます。卵塊は、白い泡に包まれています。この泡が、卵を乾燥から守ります。
 泡は、メスが産卵する時に作ります。産卵前のメスは、体内に水を貯めておきます。産卵時に水を一緒に出して、後肢【うしろあし】でこねると、泡ができます。
 モリアオガエルは、なぜ、樹上に産卵するのでしょう? 敵から卵を守るためと考えられています。ゼリー状の卵は、水中の動物には御馳走に見えるでしょう。木の枝にある泡は、動物の卵には見えません。木に咲いた花のように見えます。
 卵は樹上で安全だとしても、幼生はどうするのでしょうか? モリアオガエルの幼生は、他のカエルと同じく、おたまじゃくしです。樹上では暮らせません。
 モリアオガエルは、必ず、池などの水上に張り出した枝に産卵します。孵化する幼生のためです。おたまじゃくしは、泡から下の水に落ちて、そこで暮らします。
 樹上より、ずっと下にある水面を、どうやって親のカエルは認知するのでしょうか? これは、まだわかっていません。
 モリアオガエルの産卵方法は、とても巧みですね。外敵や乾燥から卵を守り、かつ、幼生が水中へ戻れるように工夫されています。この習性は、昔から珍しがられてきました。モリアオガエルの繁殖地は、各地で保護されています。なかでも、岩手県の大揚沼【おおあげぬま】と福島県の平伏沼【へぶせぬま】は、国の天然記念物に指定されています。
 しかし、ここまでしても、幼生が無事に育つとは限りません。自然界には敵がいっぱいです。例えば、イモリは、樹上から落ちるおたまじゃくしを待ち構えていて、食べてしまいます。おとなのカエルになれるのは、ごく少数です。
 どんな生き物でも、生き残るのは大変です。自然の掟【おきて】は厳しいですね。


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には、モリアオガエルやモリアオガエルの天敵のイモリ(アカハライモリ)
が掲載されています。ぜひご利用下さい。

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