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2006年7月14日

ヨタカは醜い鳥か?

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 宮澤(宮沢)賢治の小説に『よだかの星』というのがありますね。この小説の主人公は、「よだか」という鳥です。小説の中では、とても醜い鳥だと書かれています。そのような「よだか」という鳥は、実在するでしょうか?
 結論から書くと、実在します。小説では「よだか」と書かれていますが、現在は、ヨタカと濁らずに呼ばれます。タカと付いても、タカの仲間ではありません。
 『よだかの星』にあるヨタカの姿や生態は、ほぼ正確です。宮澤賢治は、よく自然を観察する人でした。でなければ、あんなに優れた作品を残せなかったでしょう。
 ヨタカの全身には、茶色っぽい細かい斑点があります。見ようによっては、醜いです。嘴が平たくて、大きく裂けているというのも本当です。嘴が小さいわりに、開いた口が大きいです。いきなり口を開けられると、ぎょっとします。足は小さくて、ほとんど見えません。小説にあるとおり、およそ「歩く」ことをしない鳥です。
 名のとおり、ヨタカは夜に活動します。昼は、木の枝の上などで休んでいます。夜、飛びながら虫を取って食べます。これも小説にあるとおりです。
 ヨタカの特徴は、どれも奇妙に見えますね。普通の鳥とはずいぶん違います。けれども、みな意味があるものです。
 ヨタカの体色が地味なのは、保護色のためです。昼に休んでいる間、敵に襲われたら困りますよね。ですから、木の皮にそっくりな羽の色にして、枝の上でじっとしています。こうすれば、敵に見つかりにくいです。
 大口なのは、飛びながら虫を取るのに都合がいいからです。飛ぶ虫を、吸い込むように食べることができます。虫を取るために、ヨタカはアクロバットのような飛び方をします。これまた、「翼が強くて、飛ぶ時は鷹(タカ)のように見える」と小説にあるとおりです。そのかわりに、歩く必要がないので、足が小さいわけです。
 宮澤賢治は、もちろん、こういった自然の仕組みを理解していたでしょう。一見「醜い」生き物にも、彼は心を寄せました。その想いを、現代にも受け継ぎたいですね。

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には、ヨタカが掲載されています。ぜひご利用下さい。

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