2006年7月17日
銀貨そっくりのギンカクラゲ
蒸し暑い日が続きますね。うっとうしくてたまりません。今回は、うっとうしさを吹き飛ばせるような、美しい生き物を紹介しましょう。
その生き物とは、ギンカクラゲです。クラゲの一種です。クラゲといえば、笠のような形を思い浮かべますよね。ところが、このクラゲの形は、そういう常識を打ち破るものです。名のとおり、銀貨そっくりなのです。
初めて見た人は、たぶん、これが生き物とは信じられないでしょう。青い縁取りがある銀色の硬貨が、海に浮いているとしか思えません。よく見れば、縁取りに触手が付いています。さらによく観察すれば、触手が動くのがわかるでしょう。
「銀貨」の縁取りは、青だけではありません。他の色のこともあります。どんな色でも、透明感と生気があります。宝石とは違う美しさです。人間には作れない美ですね。
ギンカクラゲは、形だけでなく、生態も変わっています。じつは、銀貨型の体は、一個体ではありません。たくさんの個体が集まって、できています。一つ一つの個体は、とても小さいため、肉眼では区別しがたいです。
それぞれの個体は、役割分担をしています。例えば、「銀貨」の部分を作っている個体は、「浮き」の役割を果たしています。「触手」の部分は、餌を取る役割をします。その他に、食べた物を消化する個体や、生殖をする個体がいます。皆で役割分担して、協力して、まるで一個体のように生活しています。
このような状態の生き物を、群体【ぐんたい】と呼びます。
クラゲには、脳も神経もありません。体全体に命令を伝える器官がないのです。なのに、なぜこんなふうに協力できるのか、不思議ですね。この謎は、まだ解明されていません。
ギンカクラゲのような群体のクラゲは、他にもいます。刺すので有名なカツオノエボシや、カツオノエボシと似た名前のカツオノカンムリなどがそうです。
ギンカクラゲも、ヒトを刺すことがあります。触らないほうがいいでしょう。けれども、観るぶんにはとても癒される生き物です。海で会えたら、幸運ですね。
インターネット生物図鑑-zukan.net-
![]()
http://www.zukan.net
には、ギンカクラゲや近縁のカツオノエボシやカツオノカンムリが掲載されています。ぜひご利用下さい。
松沢千鶴
パーマリンクhttp://blog.zukan.net/blog/2006/07/17-post_175.php
トラックバックhttp://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/187
はじめまして。
ふと思い出して、数年ぶりに群体について検索しててここにたどりつきました。
>なのに、なぜこんなふうに協力できるのか、不思議ですね。この謎は、まだ解明されていません。
↑十数年前からずっとこれが知りたかったんです!
他のところには全然書いてなかったんで、疑問は募るばかりでしたが、まだ不明だったんですね。
おかげさまで凄いすっきりしました!ありがとうございます!
upranさん >
初めまして。コメントありがとうございます。
すっきりされたとのこと、良かったです。
生物の世界には、まだまだ謎がいっぱいです。これからの科学の進歩に期待しましょう(^^)