2006年10月 2日
都会派のコオロギ、アオマツムシ(青松虫)
夏の終わりから秋にかけては、鳴くコオロギたちが賑やかですね。日本には、たくさんの種のコオロギが棲んでいます。
緑が少ない住宅地で、思いがけず、コオロギの声を聞いたことがありませんか? リーリーリーと、かなり大きな声が聞かれることがあります。いったいどこで鳴いているのか、不思議ですよね。
それは、きっとアオマツムシというコオロギの一種です。彼らは樹上に棲みます。街路樹があれば、そこで暮らすことができます。都会に強い昆虫ですね。
マツムシと付くものの、アオマツムシは、マツムシとは全く違う種です。体型は、マツムシよりもスマートです。体色は、マツムシが淡褐色なのに対して、アオマツムシは緑っぽいです。鳴き声は、マツムシが有名な「チンチロリン」で、アオマツムシが甲高い「リーリーリー」です。か細いマツムシの声に対し、アオマツムシはうるさい感じの声です。
何よりも、マツムシとアオマツムシとは、生活領域が違います。マツムシは、地面に近い草の上に棲みます。アオマツムシは、前記のように樹上に棲みます。体色の違いは、この生活領域の違いに由来します。マツムシは枯れ草に似た色をしています。アオマツムシは、緑の木の葉に似た色をしています。敵から逃れるために、周囲の環境と色を合わせているのですね。多くの昆虫が、同じ方法を取っています。
和歌や俳句には、鳴く虫を詠んだものが多いですね。けれども、古歌や古句には、アオマツムシは登場しません。もともと日本にいた昆虫ではないからです。明治時代に、外国から日本に入ってきたといわれます。ですから、昔の日本人は、アオマツムシを知りませんでした。頭上からコオロギの声が聞こえるなんて、昔の日本人は驚くでしょうね。
アオマツムシは、近年の日本で、数を増やしました。自然が豊かになったためではありません。逆です。自然環境が破壊されて、在来の昆虫が棲めなくなったところに、アオマツムシが進出したのです。それを考えると、複雑な思いがしますね。虫には罪はありません。アオマツムシの声は、私たちに、環境破壊を警告してくれているのでしょう。
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には、アオマツムシとマツムシが掲載されています。ぜひご利用下さい。
松沢千鶴
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