2006年10月 6日
花が咲かないのに実がなる? イチジク
秋は実りの季節ですね。たくさんの果物が実ります。
イチジクは、秋の果物の一つですね。漢字では無花果と書いて、イチジクと読みます。
こんな奇妙な漢字名が付いたのには、理由があります。イチジクは、「花が無いのに果実ができる」植物だと思われたためです。そんなことが本当にあるのでしょうか?
実際は、イチジクにもちゃんと花が咲きます。ただ、花の付き方が変わっているため、花があるように見えません。ゆえに、花が咲かないと思われました。
イチジクの花は、一見、小さな果実に見えます。青い未熟な果実を割ってみると、中に、小さな花がぎっしり咲いています。イチジクの花は、果実(のように見えるもの)の内側に咲くのですね。これでは、花がないと思われるのも、無理はありません。
イチジクの花に惑わされるのは、ヒトだけではありません。昆虫もそうです。ミツバチなどの普通の昆虫は、イチジクの花を訪れることができません。どこに花があるのか、わからないのでしょうね。
ということは、イチジクは、昆虫に花粉を運んでもらえないことになります。花から花へ花粉が運ばれないと、種子ができません。どうしているのでしょうか?
じつは、イチジクは、専用の花粉の運び手を持っています。イチジクコバチという昆虫です。イチジクは、イチジクコバチがいないと種子を作れません。イチジクコバチは、イチジクがないと子育てができません。イチジクコバチの幼虫は、イチジクの果実内でしか育たないからです。イチジクとイチジクコバチは、互いに欠かせない存在です。
イチジクが属するイチジク属の植物は、みな、専用の花粉の運び手を持ちます。例えば、イヌビワにはイヌビワコバチが、アコウにはアコウコバチがいます。なぜ、こんなに緊密な共生関係ができたのかは、わかっていません。
イチジクは、とても起源が古い栽培植物です。何千年も前から栽培されています。人間が作った植物に、昆虫が適応したのは驚きですね。私たちが思う以上に、生き物には適応力があるのでしょう。
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には、イチジク、イヌビワ、アコウは掲載されています。ぜひご利用下さい。
松沢千鶴
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