2006年10月30日
ウミヘビ(海蛇)は龍神の使い?
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十一月ともなると、冬の季節風が強くなってきます。海が荒れることが増えますね。このために、海岸に、海の生き物が打ち上げられることがあります。
ウミヘビもその一つです。この季節、日本海側の島根県や、福井県、秋田県などによく上がります。上がるのは、ほとんどがセグロウミヘビという種です。
普通、ウミヘビの仲間は、熱帯の海に棲みます。日本では、南西諸島近海に、何種かのウミヘビが分布します。九州以北でウミヘビが見られるのは、珍しいことです。
セグロウミヘビは、異例なことに、北の海にも現われる種です。時には、北海道近海にまでやってきます。世界一、分布域が広いウミヘビです。
ウミヘビの中で、最も海に適応したのが、セグロウミヘビといわれます。遊泳力が強く、一生を海で過ごします。陸に上がりたくても、上がれない体になっています。
普通のヘビは、腹に腹板という鱗【うろこ】を持ちます。腹板のおかげで、足がなくても這うことができます。セグロウミヘビは、腹板を持ちません。海では必要ないために、なくしてしまいました。ですから、陸では動けません。
他のウミヘビには、陸で休息したり、産卵したりするものもいます。セグロウミヘビは、産卵のために上陸する必要がありません。海中で、卵ではなく子どもを産むからです。
セグロウミヘビは、名のとおり背が黒いです。対照的に、腹はくっきりと黄色いです。海鳥からは、黒い背が海の色に紛れて、見えにくいですね。海中の生物からは、黄色い腹が海面の明るさに紛れ、見えにくいでしょう。うまくできていますね。
腹側の目立つ黄色は、警戒色だという説もあります。セグロウミヘビは、猛毒を持つ毒ヘビだからです。サメなどに、「毒があるぞ」と警告しているのかも知れません。
島根県の出雲地方や、新潟県の佐渡島などでは、セグロウミヘビを「竜蛇さま」として祭ることがあります。神々が出雲に集うとされる十一月頃に、ちょうど打ち上げられるからです。昔の人には、竜宮からのお使いのように思われたのでしょう。迷信深い、などと笑うことはできませんね。自然を敬う心があるのは、よいことでしょう。
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には、残念ながら、セグロウミヘビは載っていませんが、ウミヘビの仲間のエラブウミヘビが掲載されています。ぜひご利用下さい。
松沢千鶴
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