2006年11月 3日
カメムシはなぜ臭【くさ】い?
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カメムシという昆虫がいますね。彼らは嫌われ者です。理由は、臭いからです。子どもの頃、つい彼らをいじってしまって、臭い思いをした方は多いでしょう。
カメムシが臭いのは、敵から身を守るためと考えられています。ヒトも、あの臭さは苦手ですよね。他の動物にとっても同じようです。あんなに臭いのでは、食べようという気をなくすでしょう。カメムシは、食べられないように、臭い物質を分泌します。
じつは、カメムシの臭い物質は、他の役割も果たしています。フェロモンの役割です。
フェロモンという言葉は、誤解されがちです。よく「異性を惹きつける魅力」の意味で使われますね。本来は違います。フェロモンとは、生き物が放出する化学物質のことです。同種の他の個体に、いろいろな情報を伝えるものです。
中で有名なのは、同種の異性を惹きつける「性フェロモン」です。これが、前記の意味に転用されたのですね。すべてのフェロモンが性フェロモンなのではありません。他にも、さまざまなフェロモンがあります。同種の仲間に「集まれ」と知らせる「集合フェロモン」や、「敵が来たぞ。分散して逃げろ」と伝える「警報フェロモン」などです。
カメムシの仲間では、臭い物質を、集合フェロモンと警報フェロモンに使う例が知られています。例えば、ホソヘリカメムシは、臭い物質を集合フェロモンに使います。ホオズキカメムシは、臭い物質が警報フェロモンになります。
ナガメという種は、臭い物質を、集合フェロモン・警報フェロモン両方に使います。少量を放出すると集合フェロモンに、大量に放出すると警報フェロモンになります。巧みな使い分けですね。
臭い物質は、敵から逃れる防御物質としてできたのでしょうか? 防御物質が、フェロモンに転用されたのでしょうか? それとも、フェロモンが先にできて、それが防御物質に転用されたのでしょうか? この問題は、解決されていません。
カメムシは、ただの臭い昆虫ではありません。「臭いこと」には、巧妙な仕組みがひそんでいます。自然の仕組みには、いつも驚かされますね。
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には、ホソヘリカメムシ、ホオズキカメムシ、ナガメなど、三十種以上のカメムシが掲載されています。ぜひご利用下さい。
松沢千鶴
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