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2006年11月15日

ミノムシ(蓑虫)は鳴く?

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 ミノムシは、秋の風情を感じさせる昆虫ですね。秋風に吹かれる様子は、いかにも寒さに身を縮めているようです。でも、じつは、秋に限らずほぼ一年中見られます。秋から冬にかけては、他の昆虫の数が少ないので、ミノムシが目立つのでしょう。
 ミノムシは、ミノガというガの仲間です。ミノガにはたくさんの種があります。中でも、オオミノガとチャミノガという種が、ミノムシと呼ばれることが多いです。
 多くのガと同じように、ミノガの幼虫も、イモムシ型をしています。ミノムシをいたずらして、蓑【みの】から出したことがある方なら、御存知でしょう。他のイモムシと同様、ミノムシも植物の葉を食べます。普通のイモムシと違うのは、ミノを作るところですね。彼らは、ミノで敵の目をごまかしています。ミノには、乾燥を防ぐ役割もあります。
 ミノに入っているのは、ミノガの幼虫です。成虫はガの姿をしています。
 ところが、不思議なことに、ガの姿になるのは雄だけです。雌は、成虫になっても翅【はね】がありません。一生イモムシ型で、ミノの中に棲みます。飛べる雄が雌のミノを訪れて、交尾します。なぜこうなのかは、わかっていません。
 「ミノを作る」という習性は、昔から人の興味を引いてきました。平安時代の『枕草子』にも、ミノムシが登場します。『枕草子』などでは、ミノムシが「鬼の子」と呼ばれています。姿が醜いからだそうです。私には、他の虫と比べて、それほど醜いとは思えません。鬼の子とまで呼ぶのは、気の毒ですね。
 また、昔の人は、「ミノムシが鳴く」と信じていました。俳句の秋の季語にも、「蓑虫鳴く」とあります。ミノムシの声は、「ちちよ(父よ)、ちちよ」と聞きなされました。
 実際には、ミノムシには発声器官がないため、鳴きません。どうやら、秋に鳴くコオロギの仲間の声を、ミノムシの声と間違えたようです。
 ミノムシには、真偽が不確かな俗信が多いです。本当の生態は、謎が多いです。身近で、変わった習性を持つ虫だからでしょう。子どもの遊び相手にされることも多いですね。安全に親しめる自然の生き物として、身近にいて欲しいと思います。



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には、チャミノガは掲載されています。ぜひご利用下さい。

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