2006年11月20日
葉隠れの術を使う? ナナフシ
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生き物を見ていると、「何とよくできているのだろう」と感心することが、しばしばあります。周囲の環境にそっくりな生き物など、特にそう思いますね。
ナナフシは、そんな生き物の仲間です。体の形が、木の枝や草の茎にそっくりです。草むらなどでじっとしていると、まるで見分けがつきません。
ナナフシには、たくさんの種があります。昆虫の中のナナフシ目に属するグループです。世界中には、二千種以上もいます。日本には、十八種ほどが分布します。
植物にそっくりでも、よく見れば、他の昆虫と同じ体つきをしています。頭・胸・腹の区別があり、六本の脚が生えています。胴体と脚が極端に細長いため、枝や茎に似て見えるのですね。色も、植物に似た緑や茶色をしています。
ナナフシの仲間は、どの種も、おとなしい植物食昆虫です。一部を除けば、何の武器も持ちません。身を守るために、植物そっくりの姿をしています。これで敵をごまかせるわけです。専門的には、隠蔽的擬態【いんぺいてきぎたい】といいます。
隠蔽的擬態の隠蔽【いんぺい】とは、「隠す」という意味ですね。擬態【ぎたい】とは、「形を真似する」という意味です。つまり、「姿を隠すために、周囲のものの形を真似すること」です。ナナフシのように弱い生き物が、よく使う手です。
ナナフシは、ただ形を似せるだけではありません。動く時はゆっくりと、揺れるように動きます。草木が風に揺れるように見せるためです。自分の脚を、わざと切ることもあります。敵に脚をつかまれても、これなら逃げ切れますね。トカゲの尻尾切りみたいです。脚は再び生えてくるので、大丈夫です。生きるための工夫は、尽きないものですね。
ナナフシの仲間で、擬態を極めるのは、コノハムシでしょう。どこからどう見ても、木の葉そっくりです。名に偽りはありません。虫食いの跡らしき模様まであったりします。残念ながら、コノハムシは日本にはいません。東南アジアに分布します。
日本産ナナフシの擬態も、充分に驚異的です。野外でナナフシを見つけたら、ぜひ、その驚異を楽しんで下さい。ナナフシは、誰もが安心して観察できる昆虫です。
ナナフシが脚を切るのと似た「トカゲの尻尾切り」については、以前の記事でも紹介しています。以下を御参照下さい。
トカゲのしっぽ切りは何のため?(2006/9/11)
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インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
には、エダナナフシ、ナナフシモドキ、ニホントビナナフシは掲載されています。ぜひご利用下さい。
松沢千鶴
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