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2007年1月29日

【とびら】に挿すトベラの木

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 節分の夜、扉にヒイラギを挿すという風習は、よく知られていますね。地方によっては、ヒイラギでなく、トベラという植物を挿します。
 トベラとは、奇妙な響きの名ですね。これは、トビラがなまったものだといわれます。「扉に挿す木」→「扉の木」→トベラ、ということです。
 なぜ、節分にトベラを使うのでしょう? ヒイラギと同様、魔除けになるからだとされます。けれども、トベラには、ヒイラギのような棘【とげ】がありません。いかめしくない植物です。どこが魔除けになるのでしょうか?
 じつは、トベラには、特有の臭気があります。悪臭といってよいものです。枝や葉を切ると、臭います。この悪臭が、魔除けになると考えられたようです。
 火にくべると、トベラは、ひどい悪臭を発します。このことから、遠い昔には、節分にトベラを燃やしたのでは、という説があります。これには、説得力がありますね。切った枝葉は、そんなに臭いません。燃やしたほうが、断然、悪臭がきついです。
 魔除けとは逆に、神さまがトベラを嫌うという伝承もあります。火と竈【かまど】の神さま三宝荒神【さんぼうこうじん】は、燃えると臭いトベラを嫌うといいます。
 トベラは、日本の海岸に自生します。日当たりのいい、明るい海岸に生えます。常緑樹です。葉にはつやがあり、厚いです。潮風に耐えるために、葉が丈夫にできています。
 植物にとって、潮風の吹く海岸地帯は、暮らしにくいところです。トベラは、そこにうまく適応しています。葉の美しさが好まれて、庭木にされることもあります。
 トベラは、花も果実も、なかなか美しいです。観賞用にはいいですね。晩春の頃、白く愛らしい花が咲きます。花には、悪臭でなく芳香があります。果実は、熟すと裂けて、赤く光沢のある中身を見せます。果実の赤い部分は、ねばねばしています。
 果実がねばつくのは、鳥の嘴【くちばし】などに粘りつくため、と考えられます。赤い果実には、鳥も惹かれます。こうして、トベラは種子をばらまき、子孫を広げるのでしょう。ただ美しいのではありません。しっかり、生きる方策を備えています。


 過去の記事でも、節分に関する生き物を取り上げたものがあります。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。

節分に豆(ダイズ)をまくのはなぜ?(2006/1/23)
西洋ヒイラギはクリスマスに、ヒイラギは節分に(2005/12/23)
この他、植物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリーよりどうぞご覧ください。

そして・・・メインの図鑑↓↓↓↓↓には、
トベラが掲載されています。
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