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2007年2月 2日

鰯(イワシ)の頭も信心から?

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 かつて、日本の節分には、「イワシの頭を戸口に挿す」風習がありました。今では、ほぼ絶滅した風習ですね。今、そんなことをしたら、臭くて近所迷惑といわれるでしょう。
 その臭さこそが、イワシが節分に使われた理由です。昔の日本では、魔除けとして、臭いものが使われることがありました。魔物は悪臭を嫌うと信じられたからです。節分の夜は、魔物が出歩くという俗信があったため、魔除けを戸口に挿しました。
 イワシが魔除けにされたのには、「庶民が手軽に使えるものだから」という理由もあったでしょう。イワシの仲間は、日本の沿岸の海にたくさん棲みます。大量に漁獲されるため、安価でした。庶民の食べ物だったのですね。
 身近なわりに、イワシについては知られていません。じつは、「イワシ」という種の魚はいません。普通、「イワシ」と呼ばれるのは、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの三種です。マイワシとウルメイワシは、ニシン目ニシン科に属します。カタクチイワシは、ニシン目カタクチイワシ科に属します。カタクチイワシだけ遠縁ですね。類縁とは関係なく、外見の似た種が、まとめて「イワシ」と呼ばれました。
 どの種のイワシも、水族館ではめったに見ませんね。それは、イワシの仲間が飼いにくいからです。イワシの体は、ちょっとしたことでも傷つきやすいです。そうなれば、イワシは、すぐ死んでしまいます。
 イワシの仲間は、みな大群を作って暮らします。このために、いっぺんに大量に漁獲できます。彼らが群れを作るのは、弱いからです。
 彼らには、たくさんの敵がいます。マグロの仲間、サメの仲間、イルカ・クジラの仲間などです。海に棲む大型の肉食生物のほとんどは、イワシを食べます。
 海の肉食生物の生活は、イワシが支えているのですね。ヒトだけでなく、他の生き物にとっても、イワシは大切な食料です。もしもイワシがいなくなったら、海の生き物は、壊滅的な打撃を受けるでしょう。人間だけが、独占していい魚ではありません。
 海の恵みを支えると考えれば、イワシを信心するのも、間違いとはいえませんね。


 過去の記事で、イワシについて取り上げたものがあります。以下の記事も御覧下さい。


魚類についての質問です。(2005/9/24)
Clupeidaeについて教えてください。(2005/9/22)
アンチョビーについて調べています。教えてください。(2005/9/10)

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