2007年3月 5日
宝石の珊瑚【さんご】はサンゴ礁のサンゴか?
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珊瑚(コーラル)は、真珠(パール)と並んで、海で採れる宝石ですね。どちらも、海の生き物から作られます。海に棲むサンゴから、宝石の珊瑚ができます。
サンゴといえば、誰もが、熱帯のサンゴ礁を思うでしょう。ところが、熱帯のサンゴ礁のサンゴと、宝石になるサンゴとは、別の種です。
宝石になるサンゴは、サンゴ礁を作りません。サンゴ礁を作るのは、熱帯の浅い海にいるサンゴです。宝石になるサンゴは、温帯の海に棲みます。多くは、温帯の深海にいる種です。おおむね、水深200m以上の海に棲むようです。
サンゴ礁のサンゴは、なぜ宝石にならないのでしょう? サンゴの作る「骨」の成分が違うからです。宝石にされるのは、サンゴの「骨」の部分です。
サンゴは、骨のないクラゲの仲間です。けれども、体の中に固い「骨」を作ります。サンゴが樹木のような形になって、体を支えられるのは、「骨」のおかげです。
宝石になるサンゴは、「骨」が緻密【ちみつ】です。「骨」を取り出して磨くと、美しい宝石になります。サンゴ礁のサンゴの「骨」は、それほど緻密ではありません。
現在の日本は、宝石の珊瑚の大産出国です。日本近海に、宝石になるサンゴが多く棲むからです。宝石にされる種としては、アカサンゴ、シロサンゴ、モモイロサンゴが代表的です。高知県や長崎県の深海から、これら三種のサンゴが採れます。
宝石になるサンゴが、日本にあるとわかったのは、十九世紀、江戸時代の後期です。それまで、宝石の珊瑚は、すべて輸入ものでした。それらの珊瑚の原産地は、はるかヨーロッパです。宝石の珊瑚は、ほとんどが、ベニサンゴという種から作られていました。ベニサンゴは、地中海にいる種です。宝石になるサンゴには珍しく、浅い海に棲みます。
宝石の珊瑚がこれだけ普及したのに、元になるサンゴの生態は、わかっていません。深海に棲むため、観察が困難なのです。研究が進まず、養殖もできません。今は、貴重な天然のサンゴを採って、宝石にしています。このままでは、絶滅の危機です。
宝石として利用するなら、生き物としてのサンゴを、守ってあげるべきでしょう。
先日のサンゴのニュースや過去の記事で、サンゴ礁を作るサンゴを取り上げています。また、サンゴと同じく海の宝石を作る真珠貝も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
宝石サンゴのニュース(2007/03/03)
真珠貝【しんじゅがい】の秘密(2006/06/16)
サンゴ礁と台風の関係(2005/09/02)
このほか、さまざまな生物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。
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アオサンゴ、ハナヤサイサンゴなどのサンゴが掲載されています。
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松沢千鶴
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