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2007年3月 7日

木に付いた卵の正体は?

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 少しずつ、春が忍び寄っています。でも、野外の景色は寒々しいですね。森には枯れ木ばかりです。生き物なんて、いなさそうです。
 けれども、よく観察すれば、生き物はいます。枯れ木の枝や、木の皮の割れ目などを見てみましょう。ウズラの卵を小さくしたようなものが、ありませんか?
 それは、本当に、小さな鳥の卵のようです。形は卵形で、大きさは1cmほどです。白地に黒っぽい模様があります。これは、何かの卵なのでしょうか?
 答えは、違います。卵ではありません。イラガという、ガの仲間の繭【まゆ】です。
 繭とは、蛹【さなぎ】などをくるんで保護するものです。イラガの仲間は、越冬のため繭にこもります。繭の中では、前蛹【ぜんよう】という、蛹の前の段階になっています。春、前蛹から蛹になり、夏に成虫になって、繭から出てゆきます。
 イラガの仲間には、いくつもの種がいます。イラガ、アオイラガ、ナシイラガなどです。多くのイラガ類が、人家の近くで見られます。幼虫が、梨(ナシ)、栗(クリ)、柿(カキ)などの果樹に付くからです。どの種も似ているため、区別するのは難しいです。
 イラガ類の幼虫(イラムシ)は、害虫として嫌われます。多くの果樹の葉を、食い荒らすからです。直接、ヒトにも害を及ぼします。毒の棘があるためです。イラムシは、見るからに危なそうな、棘だらけの毛虫です。触ると、とても痛いです。
 「こんな害虫なら、滅ぼしてしまえ」と思いますか? それは、ちょっと乱暴すぎる意見ですね。確かに、庭などに大発生されるのは困ります。しかし、イラガの仲間が、ヒトの役に立つこともあります。
 イラガ類の前蛹は、良い釣り餌になります。特に、タナゴ釣りには絶好です。釣り餌としては、玉虫(タマムシ)と呼ばれます。輝く甲虫のタマムシとは、別種です。
 イラガ類の繭には、「スズメノショウベンタゴ」という通称があります。面白い名ですね。きっと、昔の人も、イラガ類が害虫なのは知っていたでしょう。それでもなお、こんな名を付けるとは、生き物への親しみと、ユーモア精神を感じます。


過去の記事で、イラガに関連する生き物を扱っています。イラガの別名と関係するタマムシ、イラガが食べるクリなどです。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
甘栗【あまぐり】はクリではない?(2006/11/6)
玉虫色【たまむしいろ】とはどんな色?(2006/9/1)
 
この他、昆虫や植物などさまざまな生物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。
そして・・・
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ナシイラガや別種の昆虫であるタマムシ、魚類のタナゴ、植物のヤマナシ(山梨)、クリ、カキノキ(柿の木)など、日本で見られるたくさんの生物が掲載されています。
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