2007年4月 1日
人魚のミイラが実在する?
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今日はエイプリル・フール、嘘をついてもいい日ですね。これにちなんで、今回は「嘘のような本当の話」をお届けしましょう。
人魚といえば、現代の普通の人は、架空の存在だと思いますよね。ところが、「人魚のミイラ」と呼ばれるものが、いくつも実在します。私も見たことがあります。
伝説のとおり、ミイラは、上半身がヒトで、下半身が魚の形をしています。正直なところ、美しいとは言いがたいです。アンデルセンの『人魚姫』とは大違いです。
ミイラは、むろん、偽物【にせもの】です。人魚の形を模して、人が作ったものです。多くは、サルの体と魚の体をつないでいます。江戸時代ころに、日本でよく作られました。昔の日本でも、西洋と同じく、人魚がいると信じられたようです。
なぜ、こんなものが作られたのでしょうか? 見世物【みせもの】にするためです。
江戸時代の日本は、見世物が盛んでした。平和が続いたので、娯楽が発達したのですね。人魚のミイラ以外に、鬼の首や、河童の手といったものが、見世物にされました。もちろん、すべて偽物です。人々の好奇心を刺激するために、作られました。
これらの見世物が、なんと、外国の博物館に収蔵されています。オランダのライデン博物館です。江戸時代、来日したヨーロッパ人が、国に持ち帰ったものです。
見世物を持ち帰った人々は、日本に人魚が実在すると思ったのでしょうか? そうではありません。彼らは、それらが作り物であることを、ちゃんと知っていました。日本の「見世物文化」を紹介するために、持ち帰ったのです。日本という国を、まるごと知ろうとする姿勢が感じられますね。当時のヨーロッパでは、日本は未知の国でした。
人魚のミイラは、日本以外の国でも作られました。他の国でも、「見世物」にあたいする娯楽があったからです。どういうわけか、人魚の存在は、世界各地で信じられていました。このために、各国で、「にせ人魚」が作られました。
「にせ人魚」を見世物にした昔の人を、笑うことはできません。それは、当時なりの、知的好奇心の現われです。未知のものを探究する心は、なくしたくありませんね。
過去の記事でも、人魚のような、ちょっと不思議な話を取り上げています。「妖怪だと思われていたものが、普通の生き物だった」といったことです。よろしければ、以下の記事もご覧下さい。
ヨシとアシは同じもの?(2006/9/8)
しゃべるナマズがいる?(2006/8/11)(2006/2/20)
妖怪の正体見たりウシガエル(牛蛙)(2006/8/7)
などです。
このほか、さまざまな生物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。
昨年(2006年)のエイプリル・フール記事もあります。よろしければ、こちらもお楽しみ下さい。
偽造の元祖? ピルトダウン人(2006/4/1)
松沢千鶴
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