2007年5月 7日
鳥の餌台や巣箱は、いつ設置するのがいい?
五月十日から十六日は、愛鳥週間です。昔は、この期間に、「鳥の巣箱かけ」などのイベントが、よく行なわれました。近年では、見られませんね。なぜでしょう?
じつは、この時期の「巣箱かけ」は、鳥のためになりません。逆に、鳥にとって迷惑になります。鳥の生態を無視しているからです。人々が、それに気づいたのですね。
多くの鳥にとって、愛鳥週間の頃が、繁殖期です。すでに巣を作り、雛【ひな】を育てている最中です。この頃に巣箱を設置されても、使える時期を過ぎています。
「来年、使えるからいいじゃないか」と思う方もいるでしょうね。けれども、それでは済まない問題があります。繁殖期の鳥は、とても神経質だということです。
どんな動物でもそうですが、繁殖期のものは、警戒心が強くなります。子どもを守るためですね。巣の近くに、突然、見慣れないものが出現したら、どんな鳥でも警戒します。悪くすると、「この巣は危険だ」と判断して、雛ごと、巣を捨ててしまいます。
親切のつもりで巣箱をかけても、仇になりかねませんね。鳥の繁殖期――おおむね、春から夏――に、巣箱をかけるのはやめましょう。適した時期は、秋から冬にかけてです。
似たことが、「鳥の餌台の設置」でも起こります。餌台も、設置するのに適した時期と、そうでない時期があります。
餌台に来る鳥は、夏よりも、冬のほうが圧倒的に多いです。冬のほうが、食べ物が乏しいからです。普段、山にいる鳥でも、人里で食べ物を探すことが多くなります。
野生の生き物に食べ物を与えるのは、本来は、好ましくありません。野生で生きる力を、奪いかねないからです。
でも、最近は、野生生物の食べ物が減っています。人間の活動のためです。ささやかな罪滅ぼしとして、野鳥の餌台を置くくらいは、許されると思います。
「罪滅ぼし」が、相手の迷惑になってはいけませんね。野生で生きる力を奪わないよう、配慮が必要です。食べ物が乏しい期間だけ、餌台を置くのは、理にかなっているでしょう。餌台も、晩秋から早春に、設置しておくのがいいですね。
昨年(二〇〇六年)の愛鳥週間の記事や画像は、アーカイブ【2006年5月】よりご覧ください。
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松沢千鶴
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