図鑑.netブログ- zukan.net -

http://blog.zukan.net/blog/

2007年5月25日

郭公(カッコウ)はずるい鳥か?

ico_weather_ame.gif


 カッコウのさえずりを、聞いたことがありますか? 日本の多くの地方では、ちょうど今ごろから聞かれるようになります。どんなに鳥に詳しくない人が聞いても、あの声は、「カッコウ」だとわかりますよね。
 声が親しまれても、別の面では、カッコウは評判が悪いです。托卵【たくらん】という習性のためです。カッコウ科の鳥は、多くの種が、この習性を持ちます。
 托卵とは、「自分で自分の卵を育てず、他の生き物に托して、育てさせること」です。カッコウの場合は、他種の鳥に托卵します。オオヨシキリ、モズ、オナガなどです。
 托卵は、相手の親に無断で行ないます。「親鳥の留守を見計らう→巣に侵入→卵を一つ取り去る→自分の卵を一つ産む→飛び去る」という手順です。カッコウは、わずか10秒ほどで、これだけのことをやり遂げます。妨害される前に、済ませるわけですね。
 托された卵は、養い親の卵に、模様や大きさが似ています。そのうえ、数も合っています。養い親が、托卵に気づきにくいようにできています。
 カッコウの雛【ひな】は、養い親の雛より、早く孵化【ふか】します。驚くのはここからです。生まれたてのカッコウの雛は、養い親の卵を、全部、巣から押し出してしまいます。まだ目も見えないのに、そういうことをする能力があります。
 一羽だけになれば、その分、多く餌がもらえます。カッコウの雛は、たらふく食べて、養い親より大きいほどになります。この時点で、養い親が、「うちの子じゃない」と気づきそうですよね。でも、気づかれないようです。なぜなのかは、わかっていません。
 托卵される側が、全く、無防備なわけではありません。巣の近くで親カッコウを見つけると、攻撃することがあります。托卵に気づいて、カッコウの卵を捨てることもあります。托卵する側とされる側とで、熾烈【しれつ】な駆け引きがあります。
 このような駆け引きのため、托卵は、成功するとは限りません。確実に子を残すには、たくさん托卵しなければならないでしょう。すきを見計らう労力も必要です。ずるく見えても、楽なばかりではないのが、野生生活ですね。


 過去の記事で、カッコウに近縁なホトトギスを取り上げています。また、カッコウの托卵相手のモズも、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 田植えを促【うなが】す? ホトトギス(2006/5/3) 
 モズはなぜ秋にさえずる?(2005/9/19)  
などです。このほかたくさんの鳥類に関するコラム、Q&A、画像があります。各カテゴリーよりご覧ください。


ban_zukan.net.jpg
インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
には、カッコウをはじめ、ホトトギスなどが、掲載されています。ぜひご利用下さい。


http://blog.zukan.net/blog/2007/05/25-525.php
トラックバックhttp://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/898

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL
http://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/898
» 『憧れの鳥か、妖怪か? アカショウビン』

 日本の多くのバードウォッチャーが、「ひと目見たい」と、憧【あこが】れる鳥が...

図鑑.netブログ | 2008年10月 6日 10:44

コメント

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)