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2007年5月31日

サルパとは、どんな生き物?




 サルパという生き物の名を、聞いたことがありますか? 大部分の人は、聞いたことがないでしょう。一般には、まるで馴染みがない生き物です。
 サルパは、海に棲みます。魚ではありません。硬い骨がない、無脊椎動物です。けれども、「骨ができる一歩手前にいる生き物」と言うことができます。
 分類学的に言えば、サルパは、脊索動物門【せきさくどうぶつもん】というグループに入ります。脊索動物には、魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類も含まれます。広い意味では、ヒトも魚もサルパも、同じグループの生き物です。
 同じ脊索動物門でも、ヒトとサルパは縁が遠いです。ヒトは、脊索動物門の脊椎動物亜門【せきついどうぶつあもん】に属します。サルパは、脊索動物門の尾索動物亜門【びさくどうぶつあもん】に属します。サルパと同じ尾索動物には、食用になるホヤが属します。
 サルパの外見は、クラゲにそっくりです。体はほぼ透明で、海中を漂うように泳ぎます。近縁なホヤには、全然似ていません。しかし、サルパとホヤには、共通した特徴があります。どちらも、幼生の頃に、尾索【びさく】という器官を持ちます。
 尾索は、脊索【せきさく】の一種です。尾の支えになるものです。尾索があるおかげで、尾を力強く振って、泳ぐことができます。尾索は、ヒトや魚が持つ脊椎の原型ではないかと考えられています。だから、「骨ができる一歩手前の生き物」なのですね。
 一頭のサルパは、大きくても、せいぜい十数cmです。ところが、サルパ類には、多数の個体がつながるという特徴があります。何十頭もつながって、数mにもなることがあります。時おり、このようなサルパが、海中でダイバーを驚かせます。
 サルパは、いつも多数がつながっているわけではありません。一生のうち、一頭でいる時期と、多数がつながる時期とがあります。つながったサルパは、一頭の個体が、どんどん分身を生み出したものです。クローン同士がつながっている、といえますね。
 オオサルパ、トガリサルパなど、サルパには多くの種があります。どれも、まだ研究が進んでいません。私たちの遠い「親戚」は、どんな生活をしているのでしょうね。


 最近、サルパに関するニュースがありました。これは珍しいことです。サルパの仲間は、普通、ヒトの生活にあまり関係しないからです。ニュースは、以下のページにあります。
 敦賀2号出力を降下 海生物で目詰まり 正体はプランクトン(福井新聞 2007/05/29)
 敦賀原発:クラゲより手強いプランクトン「トガリサルパ」が侵入、出力降下 /福井(毎日新聞 2007/05/30)


 過去の記事で、サルパと同じ尾索動物【びさくどうぶつ】のホヤを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 原始的に見えても魚に近い? ホヤ(海鞘)(2006/8/28)



図鑑↓↓↓↓↓には、オオサルパや近縁のヒカリボヤの一種が掲載されています。
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