2007年06月30日
2007年06月29日
茅の輪【ちのわ】くぐりの「茅」とは、どんな植物?
六月の終わり頃、神社で、奇妙なものを見たことがありませんか? 藁【わら】のようなもので作られた、大きな輪です。人がくぐれるようになっています。
これは、「茅の輪」と呼ばれるものです。チガヤという植物を、束ねて作ったものです。「茅【ち】」というのは、チガヤの古名です。だから「茅の輪」と呼ばれます。
茅の輪は、古来、魔除けに使われました。これをくぐると、病気にならないなどといわれます。「茅の輪くぐり」と呼ばれる儀式です。
昔、日本の宮廷では、六月最後の日と、十二月最後の日に、魔除けの儀式が行なわれました。それが、各地の神社でも行なわれるようになります。十二月の魔除けは、多くの地域で忘れられました。六月の儀式(夏越【なごし】の祓【はらえ】)だけが、残っています。
では、チガヤとは、どういう植物でしょうか? なぜ、茅の輪に使われるのでしょう?
チガヤは、イネ科に属します。イネやススキなど、他のイネ科植物と同じく、細長い葉をしています。ススキに似た、白い穂を出します。けれども、ススキのように広がった感じにはなりません。イヌやネコの尾のように、一本にまとまっています。
近年まで、チガヤは、日本人に身近な植物でした。川の土手や原っぱに、群生していました。昔の人は、ふわふわの穂を取って、火口【ほくち】にしたといいます。火口とは、火打石から火を移すのに使うものです。他に、茅葺【かやぶき】屋根の材料にされたり、漢方薬の原料にされたりしました。
しかし、チガヤが魔除けにされた理由は、わかっていません。屋根の建材や、漢方薬に使われる植物なら、他にもたくさんありますよね。なぜ、チガヤなのでしょう?
ヒントは、チガヤの穂にありそうです。チガヤと同じイネ科には、同じように、ふわふわした穂を持つ種が多いです。ススキ(薄)や、オギ(荻)や、マコモ(真菰)などです。こういった種は、よく神事に使われますね。十五夜のススキが有名です。
どうやら、昔の日本人は、「ふわふわした穂は、神霊を招く」と信じていたようです。茅の輪は、きっと、チガヤのその力にあやかろうとしたものでしょう。
過去の記事で、チガヤと同じイネ科のススキも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
人間とは持ちつ持たれつのススキ(2006/10/1)
図鑑↓↓↓↓↓には、チガヤが掲載されています。また、同じイネ科のススキも載っています。
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2007年06月28日
エセックス
虫が島を壊す? ナナツバコツブムシ
広島県から、たいへん興味深いニュースが届きました。ある生き物のために、一つの島が崩壊しかけています。ホボロ島という無人島のお話です。
島を壊しているのは、なんと、体長1cmほどしかない虫です。日本語名を、ナナツバコツブムシという種です。ラテン語の学名を、【Sphaeroma sieboldii】といいます。
虫といっても、ナナツバコツブムシは、昆虫ではありません。ダンゴムシやワラジムシと、同じ仲間です。専門的にいえば、節足動物門【せっそくどうぶつもん】軟甲綱【なんこうこう】等脚目【とうきゃくもく】というグループに属します。昆虫は、同じ節足動物門の中でも、昆虫綱【こんちゅうこう】という別のグループです。
ダンゴムシや、ワラジムシは御存知ですか? 石の下や、落ち葉の下にいる虫です。ワラジムシは、草鞋【わらじ】に似た形をしています。平たい楕円形【だえんけい】ですね。ダンゴムシは、ワラジムシに似た形ですが、もっと丸っこいです。つつくと、団子【だんご】のように丸くなります。それで、ダンゴムシという名が付きました。
ナナツバコツブムシは、等脚目のうちの、コツブムシ科に属します。外見は、ダンゴムシにそっくりです。ダンゴムシと同じく、おとなしい生き物です。ヒトに害を与えることはありません。そんな虫が、なぜ、島を崩壊させるのでしょうか?
それは、ナナツバコツブムシが、岩に巣穴を掘るせいです。小さな虫でも、膨大な数が集まれば、岩を壊すほどになるのですね。支えを失った島は、崩壊する一方です。
ナナツバコツブムシをはじめ、ワラジムシやダンゴムシの仲間(等脚目)は、ほとんど生態が知られていません。けれども、彼らは、土壌生物として、重要な存在です。彼らがいるおかげで、健全な土が生まれます。
健全な土がなければ、植物が育ちませんね。植物が育たないなら、動物も育ちません。等脚目は、生き物の生活を根もとで支えています。縁の下の力持ちですね。
こんなニュースでもなければ、等脚目の生き物が、注目されることはなかったでしょう。これを機会に、彼らの生態に、光が当たればいいと思います。
ナナツバコツブムシのニュースは、以下のページに載っています。
無人島:虫が大繁殖、消滅の危機 瀬戸内海(2007/06/26)
『島がなくなる-ナナツバコツブムシ、生物浸食作用-』(広島大学 )
“島がなくなる”―安芸津町ホボロ島の生物侵食作用―(東広島市自然研究会)
虫侵食で島消滅の危機/広島の瀬戸内海(四国新聞 2007/05/02)
です。
図鑑↓↓↓↓↓には、ナナツバコツブムシに近縁なオカダンゴムシ、フナムシ、ワラジムシが掲載されています。
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2007年06月27日
アオスジアゲハ
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和名:アオスジアゲハ
学名:Graphium sarpedon nipponum
BR>※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 浦添 【2007.06.09】
図鑑↓↓↓↓↓には、アオスジアゲハが掲載されています。
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2007年06月26日
ベニシオマネキ
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和名:ベニシオマネキ
学名:Uca chlorophthalma crassipes
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 東村 【2007.05.18】
図鑑↓↓↓↓↓には、ベニシオマネキの仲間ハクセンシオマネキは掲載されています。
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2007年06月25日
不細工なんて言わないで、キクガシラコウモリ(菊頭蝙蝠)
「コウモリが超音波を出す」ことは、よく知られていますね。暗い中で飛ぶためです。コウモリは、超音波の鳴き声を出して、周囲の様子を探ります。何か物があれば、鳴き声は跳ね返ってきます。この声を聞き分けて、周囲の様子を知るわけです。
このようなやり方を、エコーロケーションといいます。エコーロケーションは、イルカやクジラも行ないます。濁った水中で、周囲の様子を知るためです。
すべてのコウモリが、超音波を出すわけではありません。例えば、オオコウモリと呼ばれる種のほとんどは、超音波を出しません。彼らは、目で周囲の様子を知ります。
オオコウモリの仲間は、日本には少ないです。日本のコウモリの多くは、超音波を出します。エコーロケーションをするわけですね。どんな超音波を出すか、また、どのように超音波を使うかは、種によって違います。
日本で最も平凡なコウモリの一種、キクガシラコウモリを見てみましょう。手もとに図鑑などがあれば、彼らの顔を御覧下さい。異様な顔に、びっくりするでしょう。
キクガシラコウモリは、鼻がとても大きいです。形も複雑です。他のキクガシラコウモリ科の種(コキクガシラコウモリなど)も、同じです。これは、鼻から鳴き声を出すためです。ヒトで言えば、鼻歌のようなものでしょうか。
キクガシラコウモリの「鼻歌」は、超音波です。この超音波を使って、エコーロケーションをします。キクガシラコウモリ科のコウモリは、みなそうです。
他の科のコウモリたちは、口から超音波を出します。ですから、キクガシラコウモリ科のようには、鼻は発達していません。鼻からでも口からでも、エコーロケーションするのは同じです。なぜ、こんな違いができたのかは、わかっていません。
コウモリは、なぜ、超音波でエコーロケーションするのでしょうか? 普通の音でも良さそうですよね。理由の一つは、「餌の虫を見つけやすいように」だと考えられています。超音波は、昆虫のように、小さな物を発見するのに向いています。日本のコウモリが、ほとんど昆虫食なのを考えると、納得できますね。
過去の記事でも、コウモリを取り上げています。また、別の空飛ぶ哺乳類(正確には、滑空する哺乳類)も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
モモンガとムササビはどう違う?(2006/12/15)
人間の役に立つコウモリ(2006/8/18)
こうもりは、変温動物ですか?(2005/11/3)
メインの図鑑↓↓↓↓↓には、
キクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリなど、十種以上のコウモリが掲載されています。
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2007年06月24日
ディンティベス
2007年06月23日
2007年06月22日
アジサイの果実はどこにある?
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アジサイは、日本の梅雨を彩る花ですね。「七変化」という別名のとおり、色とりどりです。美しく色づくのは、花弁(花びら)に見えますが、そうではありません。蕚【がく】という部分です。
アジサイの花は、誰もが知っていますね。では、アジサイの果実を御存知ですか?
じつは、アジサイには、果実がみのりません。アジサイの花は、雄しべも雌しべも退化しているためです。あれだけたくさんの花が咲くのに、実を結びません。
アジサイは、人の手で、挿し木で殖やされます。人間に作られた園芸植物だからです。
では、野生のアジサイは、どうしているのでしょう? 園芸用のアジサイの元になったのは、どんな植物でしょうか?
アジサイの原種は、ガクアジサイという種です。この種は、日本の野山に生えます。ガクアジサイには、ちゃんと果実がみのります。
ガクアジサイの花は、アジサイに似ています。多くの花が、まとまって咲きます。けれども、明らかに違うところがあります。ガクアジサイの花には、形が違うものが混じっています。蕚がある花と、ない花です。蕚がない花は、見た目があまり美しくありません。
蕚があるガクアジサイの花には、雄しべも雌しべもありません。栽培されるアジサイと同じですね。蕚がない花には、雄しべと雌しべがあります。こちらの花が、実を結びます。
ガクアジサイの花は、なぜ、こんなふうになっているのでしょうか? 効率良く虫を呼んで、花粉を運んでもらうため、と考えられています。
蕚がある花は、美しく咲いて、虫を惹きつけます。蕚がない花は、花粉を出すことに徹して、果実を作ります。花の間で、分業しているのですね。蕚があるガクアジサイの花のように、美しいだけで実を結ばない花のことを、装飾花【そうしょくか】といいます。
アジサイは、いわば、装飾花ばかりが咲くガクアジサイです。見た目が美しいために、人間によって、そうされました。このため、アジサイは、人に頼らないと繁殖できません。
そう思うと、アジサイの花は、なんだか物悲しく見えますね。
過去の記事でも、アジサイの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
花祭りの甘茶は、お茶の木からできる?(2007/4/5)
メインの図鑑↓↓↓↓↓には、
ガクアジサイ、タマアジサイ、ツルアジサイなど、アジサイ属の植物が掲載されています。
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2007年06月21日
ハリセンボン
腸内細菌が進化の決め手? マルカメムシ
カメムシは、世界中にたくさんいる昆虫の仲間です。臭いことで有名ですね。
臭いだけでなく、別の理由で、カメムシは害虫とされることがあります。農作物を食い荒らすからです。
すべてのカメムシが、農作物の害虫なのではありません。カメムシには、肉食性の種と、草食性の種がいます。肉食性の種は、もちろん、農作物など食べません。草食性の種の中に、農業の害虫がいます。残念ながら、そのような「害虫」の種は、数多いです。
マルカメムシは、害虫とされるカメムシの一種です。主に、ダイズ(大豆)とアズキ(小豆)を食い荒らします。畑の作物以外では、クズ、ノダフジ、ヤマハギなどの、マメ科植物に付きます。元来は、野山で、これらの植物を食べていたのでしょう。
ダイズもアズキも、日本原産の植物ではありません。千年以上も昔に、日本に導入されました。日本のマルカメムシは、それまで、ダイズやアズキを知らなかったわけです。どうやって、それらを食べるようになったのでしょうか?
これまでは、「マルカメムシの遺伝子が変化することで、新しい植物に対応できるようになった」と考えられていました。ところが、つい先日、「そうではない」という研究結果が発表されました。「変化したのは、マルカメムシの腸内にいる細菌」だというのです。
ヒトの腸内にも、細菌がいますね。ビフィズス菌などが有名です。ビフィズス菌は、ヒトの腸内環境を整えて、ヒトを健康にしてくれますね。同じように、マルカメムシの腸内にも、細菌がいます。細菌のおかげで、マルカメムシも、健康でいられます。この細菌が変化したことで、マルカメムシは、新しい植物を食べられるようになりました。
マルカメムシの腸内細菌は、親から子へと受け渡されます。どうやって受け渡すのでしょう? なんと、親が、細菌入りのカプセルを、卵と一緒に産みつけます。子どもは、そのカプセルを食べて、細菌を取り入れます。これは、マルカメムシ類独特のやり方です。
マルカメムシは、日本で、とても平凡なカメムシです。なのに、こんな大きな秘密が隠されていました。ぜひ、以下のページで、詳しい研究結果を御覧下さい。
マルカメムシと腸内細菌のニュースは、以下のページに載っています。
害虫化の要因は腸内細菌 産総研、マルカメムシで発見(フジサンケイ ビジネスアイ 2007/06/14)
産総研、豆類の害虫は遺伝子ではなく腸内共生細菌によって決まることを発見(日本経済新聞社 2007/06/14)
共生細菌による昆虫の害虫化の発見(産業技術研究所 2007/06/13)
図鑑↓↓↓↓↓には、マルカメムシや他のカメムシ30数種が掲載されています。
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2007年06月20日
宝石サンゴは取引規制 【ワシントン条約締結国会議】
先日お伝えしました、ワシントン条約締結国会議が6月15日に閉幕しました。
このブログでも宝石サンゴのことは取り上げましたね。今回の会議で、宝石サンゴは規制取引の対象に決定されました。
ニュースは、以下の通りです。
宝石サンゴに取引規制=来年末めど-ワシントン条約会議で決定(時事通信 2007/06/13)
このブログ内のワシントン条約締結国会議や宝石サンゴのページは以下にあります。
人食いザメより、サメ食い人のほうが多い【ワシントン条約締結国会議6月3日~15日】?(2007/05/31)
宝石の珊瑚【さんご】はサンゴ礁のサンゴか?(2007/03/05)
ノグチゲラが危ない?!
沖縄から、「ジャワマングースがノグチゲラを捕食している」というニュースがありました。
ちょうど先日、問題のジャワマングースの写真をこちらのブログでも取り上げましたね。
ニュースは、以下の通りです。
マングースがノグチゲラ捕食/国頭で昨年12月初確認 (沖縄タイムス 2007/06/13)
ジャワマングースの画像は以下のページにあります。
ジャワマングース(2007/06/14)
ラベンダー ドリーム
2007年06月19日
フェア プレイ
ダブルデライト
2007年06月18日
トノサマバッタの飛蝗【ひこう】発生?
関西国際空港から、気になるニュースが届きました。関空の2期島で、トノサマバッタが大発生しているそうです。
空港で昆虫が大発生すると、見た目が悪いだけでは済みません。パイロットの視界が悪くなれば、事故につながりますね。事故防止のため、関空の社員が、バッタの駆除に乗りだしました。
昆虫の中でも、トノサマバッタの大発生は、特別な問題をはらみます。じつは、普通のトノサマバッタと、群れで暮らすトノサマバッタとは、別種のように性質が違います。
群れで暮らすと、トノサマバッタは凶暴になります(!) このようなトノサマバッタを、群生相【ぐんせいそう】と呼びます。普通のトノサマバッタは、単独相と呼ばれます。
群生相のトノサマバッタは、翅【はね】が長くなります。全体的にスマートになり、飛翔能力が増します。食べ物を求めて、長い距離を飛べるようになるのですね。
トノサマバッタは、草を食べる昆虫です。そういう昆虫が、大群をなして押し寄せたら、どうなるでしょう?
彼らの食欲は猛烈です。野山の草木のみならず、田畑の作物も食べ尽くされます。しかも、群生相のトノサマバッタは、どんどん移動します。飛翔能力が高いからです。バッタたちが死ぬまで、被害が拡大するわけです。甚大な被害になりますね。
群生相のトノサマバッタは、古来、飛蝗【ひこう】と呼ばれました。特に中国大陸で、たいへん恐れられた災害でした。飛蝗のために、飢饉【ききん】が起こり、それが時の政権を揺るがしたこともあったといいます。「蝗」という字は、「(災害に無策な)皇帝を倒す」ことから、「虫へんに皇」という説があるほどです。(異説もあります)
トノサマバッタが群生相になるのは、「食べ物が限られた状況を、打破するため」といわれます。移動能力を高めて、生き残ろうというわけです。自然環境が危機的だからこそ、飛蝗になるのですね。関空のトノサマバッタが、飛蝗になるほど追い詰められていないことを祈ります。
関西国際空港のトノサマバッタのニュースは、以下のページにあります。
関空、異常発生のバッタ駆除開始 2期島で数百万匹(朝日新聞 2007/06/13)
関空2期島にバッタが大量発生、駆除作戦(読売新聞 2007/06/13)
図鑑↓↓↓↓↓には、トノサマバッタが掲載されています。
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カタツムリの殻は右巻き?左巻き?
梅雨時の生き物といえば、カタツムリが有名ですね。アジサイの葉に載る姿など、親しまれています。殻があるおかげで、ナメクジよりも、ずっと優遇されますね。
ところで、カタツムリの殻は、右巻きでしょうか、左巻きでしょうか? ここでは、殻を上から見て、時計回りに巻くのを右巻き、反時計回りに巻くのを左巻きとします。
答えは、「両方ある」です。ただし、全体的に見れば、右巻きのほうが圧倒的に多いです。
カタツムリは、たいへん種数が多い生き物です。日本だけでも、何百種も分布します。その多くが、右巻きの種です。左巻きの種は少数派です。日本には、ヒダリマキマイマイなどがいます。まれに、右巻きの個体と左巻きの個体とが、共存する種もいます。
右巻きが圧倒的に多いのは、カタツムリだけではありません。巻貝の仲間は、全体的にそうです。海水や淡水に棲む巻貝も、同じなのですね。なぜ、こうなったのかは、わかっていません。生物学上の大きな謎です。
右巻きが多いのは、そのほうが有利なことがあるからでしょう。では、少数の左巻きがいる理由は、何でしょうか? 左巻きのほうが、有利になる場合があるのでしょう。
一つには、敵との関係があると考えられています。左巻きの貝は、敵に食べられることが少ないのです。巻きの向きが違うだけなのに、なぜ、そうなるのでしょうか?
理由は、カタツムリを食べる敵の「口の構造」にあります。カタツムリの敵は、口の構造が特殊なことが多いです。この特殊さが、殻の巻きに関係しています。
例えば、カタツムリ食のヘビ、イワサキセダカヘビがそうです。このヘビは、顎【あご】の形が左右で違います。右巻きの殻から、カタツムリの体を引き出しやすいようになっています。ほとんどのカタツムリが右巻きなので、こうなったのでしょう。カタツムリ食の昆虫マイマイカブリにも、似た顎の構造が見られます。
最近の研究により、イワサキセダカヘビは、左巻きのカタツムリを敬遠することがわかりました。食べにくいからです。カタツムリにしてみれば、巻きの向きが違うために、命拾いするわけですね。少数派には、ちゃんと意味があるのでした。
過去の記事でも、カタツムリに関連する生き物を取り上げています。また、生き物の「右巻き、左巻き」に関する記事もあります。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
藤(フジ)のつるは右巻き?左巻き?(2007/04/20)
「三すくみ」は嘘だった? 蛇はナメクジも平気(2007/2/15)
日本の陰の昆虫王者? マイマイカブリ(2006/8/5)
などです。
メインの図鑑↓↓↓↓↓には、
ヒダリマキマイマイなどのカタツムリの仲間が掲載されています。
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2007年06月17日
カジノキとブラシノキ
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和名:カジノキ
学名:Broussonetia papyrifera (L.) L'Hér. ex Vent.
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和名:ブラシノキ
学名:Callistemon speciosus
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京 新宿 【2007.05.24】
図鑑↓↓↓↓↓には、カジノキが掲載されています。
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2007年06月16日
ローゼンシュタット ツバイブリュッケン
2007年06月15日
育児には父親も参加、オオゴキブリ
今年も、父の日がやってきますね。二〇〇七年は、六月十七日が父の日です。
ヒトの世界では、父親は、重要ですね。多くの場合、父親がいないと、子育てが困難です。けれども、ヒト以外の生き物の世界では、事情が違います。
父親が育児に関わる動物は、たいへん少ないです。父親どころか、母親さえ育児をしないものが、普通です。例えば、昆虫のチョウは、卵を産みっぱなしにしますよね。
ところが、中に、両親がそろって育児をする昆虫がいます。どんな昆虫だと思いますか? なんと、ゴキブリの仲間です。ゴキブリ目オオゴキブリ科に属するグループです。
オオゴキブリ科のゴキブリは、人家には棲みません。ヒトにはまったく無害です。人家の害虫のゴキブリと、一緒にしたら気の毒です。彼らは森林に棲みます。
オオゴキブリは、朽木を食べます。すみかも朽木の中です。両親と子どもたちと一緒に、朽木に穴を掘って棲みます。「夫婦と子ども」という、人間の核家族と同じ状態で、暮らすわけですね。オオゴキブリの両親は、力を合わせて、子どもたちを保護します。森林には、ムカデなど、子どもたちの敵がたくさんいるからです。
ヒト以外の生き物を、やたらに擬人化するのはいけません。でも、家族で助け合うオオゴキブリは、とても人間的に感じられます。微笑ましいですね。
ゴキブリの中でも、オオゴキブリの仲間は、原始的なほうだと考えられています。彼らは確かにゴキブリ目ですが、シロアリ目との関係が深いようです。
シロアリは、木を食べながら、木の中に棲みます。女王アリと王アリという「夫婦」が、一緒に暮らします。このあたり、オオゴキブリと同じですね。違うのは、シロアリの「家族」がものすごく大きくなることと、「夫婦」が直接育児をしないことです。
オオゴキブリの「家族」が大きく発展すれば、シロアリの群れになるでしょう。オオゴキブリは、シロアリ進化の鍵を握ります。
とはいえ、オオゴキブリは、シロアリのような害虫でもありません。「核家族」で、ひっそり暮らします。彼らが、家族で仲良く暮らせる森林を、残したいですね。
過去の記事でも、「父親が育児をする生き物」を取り上げています。また、オオゴキブリ以外のゴキブリも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
子育てに張り切るお父さん、タマシギ(2006/6/17)
「ドイツのゴキブリ」とは、どんな虫?(2006/5/24)
コオイムシの雄は子煩悩【こぼんのう】?(2006/5/5)
などです。この他、昆虫に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。
メインの図鑑↓↓↓↓↓には、
オオゴキブリが掲載されています。
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2007年06月14日
2007年06月13日
新種のクシクラゲ? 発見
深海魚のメガマウスに続き、再び深海生物のニュースです。沖縄本島の近くの深海で、新種らしき生き物が発見されました。
発見されたのは、クシクラゲと呼ばれる生き物です。クラゲと付いても、クシクラゲは、普通のクラゲとは違います。
普通のクラゲ(アンドンクラゲ、カツオノエボシ、ミズクラゲなど)は、刺胞動物【しほうどうぶつ】というグループに属します。対して、クシクラゲは、有櫛動物【ゆうしつどうぶつ】というグループに属します。
クシクラゲは、櫛板【しつばん】という、櫛【くし】に似た器官を持ちます。このために、有櫛動物=クシクラゲと呼ばれます。刺胞動物のクラゲには、櫛板がありません。
普通のクラゲ(刺胞動物のクラゲ)とクシクラゲは、そっくりに見えますね。そのため、昔は、学者の間でも、同じグループだと思われていました。けれども、研究が進むにつれ、まったく違う生き物だとわかってきました。
普通のクラゲとクシクラゲとは、ヒトと魚類以上に、類縁が遠いです。譬えて言えば、ヒトと昆虫くらい違うでしょう。専門的には、門【もん】という分類レベルで違います。
今回、発見されたものと同じように、深海に棲むクシクラゲがいます。コトクラゲという種です。映像を見る限り、今回の「新種」とコトクラゲとは、全然似ていません。でも、同じ有櫛動物です。深海にいて、海底にくっついて生活するところも、同じです。コトクラゲも、相模湾【さがみわん】などの、日本の近海にいることが確認されています。
偶然ですが、つい先日、神奈川県にある新江ノ島水族館が、コトクラゲの採集に成功しました。ちょうど、この六月に、鹿児島湾で、深海生物の調査をしていたのですね。その調査で、採集されました。
深海生物の調査は、とても難しいです。それでも、少しずつ、いろいろなことが解明されています。現場の研究者の方々が、がんばってくれるおかげですね。日本では、海洋研究開発機構(JAMSTEC)という機関が、主に深海の調査を行なっています。
「新種」のクシクラゲのニュースは、以下のページにあります。
新種?の深海生物を発見=沖縄の南、水深7000メートルで-無人機「かいこう」(時事通信 2007/06/12)
新種クラゲ?深海7000m無人カメラに映った謎の生物【映像】(ANN news 2007/06/12)
クシクラゲの一種、コトクラゲを採集した新江ノ島水族館の航海・採集日誌は、以下にあります。
2007/06/08 鹿児島湾野間岬沖(8) 最終調査「珍しい」とは
新江ノ島水族館 トップページ
海洋研究開発機構(JAMSTEC)トップページ
過去の記事でも、クシクラゲ=有櫛動物【ゆうしつどうぶつ】を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
深海生物が好きな人、集まれ! 相模湾【さがみわん】の生物展覧会(2007/4/21)【生物展覧会 相模湾の生物 きのう・きょう・あすは『2007年6月17日』まで】
セイヨウミツバチ
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和名:セイヨウミツバチ
学名:Apis mellifera
和名:ネズミモチ
学名:Ligustrum japonicum Thunb.
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京 新宿 【2007.05.24】
図鑑↓↓↓↓↓には、セイヨウミツバチ、ネズミモチが掲載されています。
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2007年06月12日
エリーナ
希少なサメ(鮫)、メガマウスの撮影に成功
静岡県から、びっくりニュースが届きました。東伊豆町の沖の海に、メガマウスという巨大なサメが現われました。
メガマウスは、たいへん珍しいサメです。これまで、世界で三十八例しか見つけられていません。今回が三十九例目です。日本では、十一例目だそうです。
メガ(=大きい)マウス(=口)という名のとおり、とても大きい口のサメです。体自体も大きいです。今回見つかった個体は、体長4.5mもあったそうです。
体や口が大きくても、メガマウスは、おとなしいサメです。大きな口を開けて、プランクトンを食べています。こんなに大きいのに、発見例が少ないのは、普段は深海にいるためらしいです。たまたま、浅いところに浮上した時に、目撃されるようです。
東伊豆町のメガマウスは、定置網に入ったところを発見されました。連絡を受けて、静岡県の下田市にある下田海中水族館の人が、調査に行きました。
メガマウスは、元気に網の中を泳いでいたそうです。これは非常に珍しいことです。ヒトに発見されるメガマウスは、たいてい弱った状態だからです。
今回は、元気に泳ぐメガマウスの動画が撮影できました。このような映像が撮れたのは、なんと世界で二例目だそうです。この映像によって、メガマウスの謎が、少しでも解けたら、嬉しいですね。
定置網のメガマウスは、標識を付けられて、放流されました。こんなに大きいサメを、飼育できる施設がないからです。
正確に言えば、ないことはありません。けれども、生態のわからない巨大なサメを、長く飼うのは難しいことです。輸送も困難ですね。水族館の人は、「貴重なサメを、下手に死なせてしまうより、野生で暮らさせてあげるほうがいい」と判断したのでしょう。
日本近海には、比較的、メガマウスが多いようです。初めてメガマウスの雌(メス)が見つかったのは、日本でした。今回のメガマウスも、雌です。放された「彼女」は、今も日本近海を、悠々と泳いでいるでしょうか。
定置網に入ったメガマウスのニュースは、以下のページにあります。
「メガマウスザメ撮った 東伊豆沖(静岡新聞)
過去の記事でも、サメの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
人食いザメより、サメ食い人のほうが多い?(2007/5/31)
定置網に『ウバザメ』!! 茨城県日立沖(2007/4/25)
ラブカはなぜ「生きている化石」か?(2007/1/27)<