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2007年6月 1日

植物も性転換する? マムシグサ




 山歩きをしている時、ヘビ(蛇)を見つけて、ぎょっとしたことがありませんか? 藪【やぶ】の中に、鎌首【かまくび】をもたげたヘビを、目撃することがあります。
 もしかしたら、それは、ヘビではないかも知れません。日本には、どういうわけか、ヘビに似た植物もあります。その名も、マムシグサという種です。
 マムシグサの花は、花らしく見えません。細長くて、縞【しま】模様があります。ヘビが鎌首をもたげたように、茎の途中からぬっと出ます。
 花の色も、あまり花らしくありません。紫や緑をしています。花色は、地域によって違います。マムシグサは、地域変異がとても多いのです。おかげで、分類がややこしいことになっています。学界でも、分類が混乱している植物です。
 研究者によっては、マムシグサという種の中に、いくつかの亜種があるといいます。ムラサキマムシグサ、カントウマムシグサ、オオマムシグサ、コウライテンナンショウなどです。これらは、亜種でなくて、別種だという意見もあります。別種どころか、マムシグサは、亜種に分ける必要もない、という研究者もいます。
 こんな変わった花でも、昆虫がやってきます。花は、花粉の運び手を、呼んでいるのですね。どんな昆虫が来るかといえば、なんと、ハエの仲間です。模様なのか、匂いなのか、マムシグサの花には、ハエを惹きつける「何か」があります。
 他にも、マムシグサには、変わった特徴があります。性転換をすることです。
 植物の中には、雄(オス)株と雌(メス)株が、別々の種がありますね。マムシグサもそうです。不思議なのは、同じ一つの株が、雄になったり雌になったりすることです。
 マムシグサの場合、小さな株は雄です。栄養状態が良くて、大きくなると、雌になります。栄養状態が悪化して、株が小さくなると、雄に戻ることがあります。
 いろいろな点で、マムシグサは変わりものですね。これらの性質は、厳しい自然で生き抜くうちに、身についたのでしょう。植物なりの生活の知恵、といえますね。


 過去の記事で、マムシグサと同じサトイモ科(といわれる)植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ハンゲとハンゲショウの関係(2006/7/1)
 端午の節句に欠かせない菖蒲(ショウブ)(2006/4/21)

などです。この他、植物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。


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マムシグサと、近縁なヒガンマムシグサが掲載されています。
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