2007年6月 8日
田んぼの生きている化石、カブトエビ
「生きている化石」というと、いかめしい感じがしますね。山奥や深海など、人里から遠い場所にいそうです。実際には、身近な場所にも、「生きている化石」がいます。
カブトエビは、そんな「生きている化石」の仲間です。彼らの主なすみかは、水田です。
カブトエビと、カブトガニは、名前が似ていますね。ややこしいことに、姿も似ています。けれども、両者は、全然違います。共に「生きている化石」なのは、偶然です。
カブトエビは、普通のエビやカニと同じ甲殻類【こうかくるい】です。でも、エビやカニよりは、ミジンコに近いです。詳しく言えば、ホウネンエビという生き物と近縁です。ホウネンエビについても、以前、書きましたね(豊作の妖精ホウネンエビ(2006/5/15)下のリンク参照)
対して、カブトガニは、甲殻類ではありません。エビやカニよりも、クモやサソリに近縁です。カブトエビと違い、水田などの淡水には棲みません。海に棲みます。
カブトエビの生活は、ホウネンエビと似ています。水田などの淡水に、ある日、忽然と現われます。しばらく、水中で活動していたと思うと、また忽然といなくなります。卵を産んで、死に絶えるからです。寿命は、一ヶ月ほどしかありません。
彼らの卵は、土中で、乾燥や寒さに耐えます。水に遭うと、一斉に孵化【ふか】します。このために、忽然と現われるのですね。
彼らが「生きている化石」と呼ばれるのは、大昔から、形態が変わっていないからです。
約三億年も前の地層から、カブトエビの仲間の化石が見つかっています。恐竜が現われるよりも、前の時代です。その頃から、あまり変化していません。
日本には、三種のカブトエビが分布します。アジアカブトエビ、アメリカカブトエビ、ヨーロッパカブトエビです。三種とも、日本土着ではありません。明治時代以降に、外国から入りました。いつ、どこから、どうやって来たのか、経緯は謎です。
三種の原産地は、それぞれ別のところです。まったく別個に、日本に来たようです。どの種がどこに分布しているのか、正確にはわかっていません。もしかしたら、皆さんのお近くにも、「生きている化石」が、いるかも知れませんね。
過去の記事で、カブトガニやホウネンエビについて取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
豊作の妖精ホウネンエビ(2006/5/15)
生きている化石は背泳ぎ上手、カブトガニ(2005/11/23)
などです。この他、サソリなどについても取り上げています。無脊椎動物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。
メインの図鑑↓↓↓↓↓には、
カブトエビ(アメリカカブトエビ)が掲載されています。
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松沢千鶴
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