2007年6月28日
虫が島を壊す? ナナツバコツブムシ
広島県から、たいへん興味深いニュースが届きました。ある生き物のために、一つの島が崩壊しかけています。ホボロ島という無人島のお話です。
島を壊しているのは、なんと、体長1cmほどしかない虫です。日本語名を、ナナツバコツブムシという種です。ラテン語の学名を、【Sphaeroma sieboldii】といいます。
虫といっても、ナナツバコツブムシは、昆虫ではありません。ダンゴムシやワラジムシと、同じ仲間です。専門的にいえば、節足動物門【せっそくどうぶつもん】軟甲綱【なんこうこう】等脚目【とうきゃくもく】というグループに属します。昆虫は、同じ節足動物門の中でも、昆虫綱【こんちゅうこう】という別のグループです。
ダンゴムシや、ワラジムシは御存知ですか? 石の下や、落ち葉の下にいる虫です。ワラジムシは、草鞋【わらじ】に似た形をしています。平たい楕円形【だえんけい】ですね。ダンゴムシは、ワラジムシに似た形ですが、もっと丸っこいです。つつくと、団子【だんご】のように丸くなります。それで、ダンゴムシという名が付きました。
ナナツバコツブムシは、等脚目のうちの、コツブムシ科に属します。外見は、ダンゴムシにそっくりです。ダンゴムシと同じく、おとなしい生き物です。ヒトに害を与えることはありません。そんな虫が、なぜ、島を崩壊させるのでしょうか?
それは、ナナツバコツブムシが、岩に巣穴を掘るせいです。小さな虫でも、膨大な数が集まれば、岩を壊すほどになるのですね。支えを失った島は、崩壊する一方です。
ナナツバコツブムシをはじめ、ワラジムシやダンゴムシの仲間(等脚目)は、ほとんど生態が知られていません。けれども、彼らは、土壌生物として、重要な存在です。彼らがいるおかげで、健全な土が生まれます。
健全な土がなければ、植物が育ちませんね。植物が育たないなら、動物も育ちません。等脚目は、生き物の生活を根もとで支えています。縁の下の力持ちですね。
こんなニュースでもなければ、等脚目の生き物が、注目されることはなかったでしょう。これを機会に、彼らの生態に、光が当たればいいと思います。
ナナツバコツブムシのニュースは、以下のページに載っています。
無人島:虫が大繁殖、消滅の危機 瀬戸内海(2007/06/26)
『島がなくなる-ナナツバコツブムシ、生物浸食作用-』(広島大学 )
“島がなくなる”―安芸津町ホボロ島の生物侵食作用―(東広島市自然研究会)
虫侵食で島消滅の危機/広島の瀬戸内海(四国新聞 2007/05/02)
です。
図鑑↓↓↓↓↓には、ナナツバコツブムシに近縁なオカダンゴムシ、フナムシ、ワラジムシが掲載されています。
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ぜひご利用下さい。
松沢千鶴
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