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2007年6月29日

茅の輪【ちのわ】くぐりの「茅」とは、どんな植物?

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 六月の終わり頃、神社で、奇妙なものを見たことがありませんか? 藁【わら】のようなもので作られた、大きな輪です。人がくぐれるようになっています。
 これは、「茅の輪」と呼ばれるものです。チガヤという植物を、束ねて作ったものです。「茅【ち】」というのは、チガヤの古名です。だから「茅の輪」と呼ばれます。
 茅の輪は、古来、魔除けに使われました。これをくぐると、病気にならないなどといわれます。「茅の輪くぐり」と呼ばれる儀式です。
 昔、日本の宮廷では、六月最後の日と、十二月最後の日に、魔除けの儀式が行なわれました。それが、各地の神社でも行なわれるようになります。十二月の魔除けは、多くの地域で忘れられました。六月の儀式(夏越【なごし】の祓【はらえ】)だけが、残っています。
 では、チガヤとは、どういう植物でしょうか? なぜ、茅の輪に使われるのでしょう?
 チガヤは、イネ科に属します。イネやススキなど、他のイネ科植物と同じく、細長い葉をしています。ススキに似た、白い穂を出します。けれども、ススキのように広がった感じにはなりません。イヌやネコの尾のように、一本にまとまっています。
 近年まで、チガヤは、日本人に身近な植物でした。川の土手や原っぱに、群生していました。昔の人は、ふわふわの穂を取って、火口【ほくち】にしたといいます。火口とは、火打石から火を移すのに使うものです。他に、茅葺【かやぶき】屋根の材料にされたり、漢方薬の原料にされたりしました。
 しかし、チガヤが魔除けにされた理由は、わかっていません。屋根の建材や、漢方薬に使われる植物なら、他にもたくさんありますよね。なぜ、チガヤなのでしょう?
 ヒントは、チガヤの穂にありそうです。チガヤと同じイネ科には、同じように、ふわふわした穂を持つ種が多いです。ススキ(薄)や、オギ(荻)や、マコモ(真菰)などです。こういった種は、よく神事に使われますね。十五夜のススキが有名です。
 どうやら、昔の日本人は、「ふわふわした穂は、神霊を招く」と信じていたようです。茅の輪は、きっと、チガヤのその力にあやかろうとしたものでしょう。


 過去の記事で、チガヤと同じイネ科のススキも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
人間とは持ちつ持たれつのススキ(2006/10/1)



 図鑑↓↓↓↓↓には、チガヤが掲載されています。また、同じイネ科のススキも載っています。
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