2007年7月 6日
七夕の短冊は、カジノキの葉だった?
七夕といえば、笹飾りですね。笹に付いた色とりどりの短冊は、美しいものです。けれども、「笹に短冊」という七夕飾りが生まれたのは、さほど古くはありません。
昔は、カジノキ(梶の木)の葉に和歌などを書いたものを、飾りにしていました。遅くも鎌倉時代には、この風習がありました。それが「笹に短冊」になったのは、江戸時代です。地方により、カジノキの葉を使う風習は、最近まであったようです。
今では、カジノキは、あまり馴染みがない植物でしょう。クワ科に属する樹木です。クワの葉に似て、切れ込みが多い形の葉をしています。大きめの葉ですから、三十一文字(短歌の文字数)くらいなら、書けそうですね。
七夕飾り以外に、カジノキは、重要な役に立ちます。和紙の原料になるのです。
和紙の原料としては、コウゾ(楮)とミツマタ(三椏)が有名ですね。カジノキは、コウゾに近縁です。ほとんど同種といえるくらいです。外見も似ています。カジノキと、ヒメコウゾという種が交雑してできたのが、コウゾだといわれます。
カジノキが、七夕飾りに使われた理由は、はっきりしません。紙の原料になることと、無縁ではないでしょう。神道で神さまに捧げる御幣【ごへい】には、ひらひらした紙が付いていますね。紙垂【しで】というものです。昔、紙は、神聖なものでした。紙の原料になる植物も、神聖視されたのでしょう。
カジノキからは、布も作られます。太布【たふ】と呼ばれる布です。「紙に布に」と、たいへん有用な植物だったのですね。神聖視されたのは、当然かも知れません。
残念ながら、太布を作る技術は、絶滅寸前です。今では、徳島県の那賀町【なかちょう】のみに残っています。伝統をつなげる努力がされています。
興味深いことに、日本以外の国でも、カジノキから布が作られます。トンガやサモアなどの太平洋諸国です。国により、呼び名は違いますが、一般にタパと呼ばれる布です。
太平洋諸島において、タパは神聖なものです。日本と共通するものを感じますね。カジノキは、太平洋諸島と日本の文化をつなぐものかも知れません。
過去の記事でも、七夕に関係する生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ササ(笹)とタケ(竹)はどう違う?(2006/6/26)
カササギ(鵲)は天の川の橋渡し?(2006/6/19)
図鑑↓↓↓↓↓には、カジノキが掲載されています。>また、同じように紙を作るミツマタも載っています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-
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ぜひご利用下さい。
松沢千鶴
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