図鑑.netブログ- zukan.net -

http://blog.zukan.net/blog/

2007年7月15日

毒がないのに毒蛇? ヒバカリ

ico_weather_ame.gif


 田んぼに水が入ると、たくさんの水生昆虫や、カエルなどが現われますね。それらの生き物を食べるものも、現われます。そんな捕食生物の一種が、ヒバカリです。
 ヒバカリは、日本に分布するヘビの一種です。長さは、せいぜい60cmくらいにしかなりません。細くて小さい、かわいいヘビです。性質も温和です。
 ヒバカリの大好物は、カエルのおたまじゃくしです。他に、ミミズやドジョウも食べます。水田に多い生き物ばかりですね。昔から、農地で普通に見られたヘビでした。
 ヒバカリには、毒はありません。ヒトには無害です。なのに、毒ヘビと誤解されてきました。「ヒバカリ」という名は、「咬まれれば、(毒のために)その『日ばかり』の命」という伝承に由来します。なぜ、こんな伝承ができたのかは、わかりません。一説では、追いつめられた時、まるで毒蛇のような、激しい威嚇【いかく】をするからだといいます。
 日本の田んぼでは、ヒバカリは、最も平凡なヘビでしょう。この点で、ヤマカガシと並びます。ただし、一部に、たいへん珍しいヒバカリの仲間がいます。
 それは、ダンジョヒバカリです。ヒバカリの亜種の一つです。世界のうち、日本の男女群島【だんじょぐんとう】の、男島【おしま】にしか分布しません。男女群島は、まるごと「天然保護区域」に指定されています。もちろん無人です。行くことさえ難しい場所です。このため、ダンジョヒバカリは、目撃者すらほとんどいません。幻のヘビです。
 無人島なら、水田はありませんよね。男島には、水田に似た湿地もありません。両生類もいません。ダンジョヒバカリは、どこで、何を食べているのでしょう? 
 彼らは、林の落ち葉の下などに棲むようです。食べ物は、ミミズだと考えられています。
 ダンジョヒバカリは、貴重な亜種として、保護の対策が取られています。けれども、普通のヒバカリも、保護の必要がないとはいえません。彼らは、おたまじゃくしが大量にいる水田に頼って、生きています。そのような水田は、今は多くありません。
 今の日本は、メダカでさえ、絶滅危機になるほどの環境です。「どこにでもいる平凡な生き物」が、じつは貴重なのですね。ヒバカリも、ずっと平凡なヘビでいて欲しいです。


 過去の記事でも、日本にいるヘビ類を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 「三すくみ」は嘘だった? 蛇はナメクジも平気(2007/2/15)
 ヤマカガシの毒はガマガエル(ヒキガエル)から?(2007/1/31)
などです。この他、爬虫類に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。


メインの図鑑↓↓↓↓↓には、
ヒバカリや、ヤマカガシなどの日本のヘビ類が掲載されています。
ban_zukan.net.jpg
インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
ぜひご利用下さい。


http://blog.zukan.net/blog/2007/07/15-528.php
トラックバックhttp://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/928

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL
http://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/928

コメント

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)