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2007年8月31日

マムシは「出産」する?

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 夏休みは終わっても、まだまだ暑いですね。生き物たちの活動も活発です。なかには、ヒトに歓迎されない生き物もいますね。
 そんな生き物の一つに、マムシがいます。日本内地の毒ヘビとして、有名ですね。
 日本のマムシ(ニホンマムシ)に咬まれる被害は、晩夏から秋口にかけてが多いです。なぜなら、この季節のマムシは、よく、日当たりの良いところに来るからです。
 普段のマムシは、夜行性です。昼間、人目に付くところに現われることは、まずありません。けれども、この季節には、雌(メス)のマムシが、日光浴をしに出てきます。そのようなマムシは、おなかに子どもがいます。妊娠中なのですね。
 ヘビ(蛇)の一種にもかかわらず、マムシは、卵を産みません。子どもを産みます。卵胎生【らんたいせい】といって、おなかの中で、卵を孵化【ふか】させてから産みます。
 マムシの雌は、「出産」前に、日光浴をします。この理由は、よくわかっていません。体力を付けるためではないか、といわれています。八月から十月ごろにかけてが、マムシの出産期です。この時期に野山を歩く時は、要注意ですね。
 マムシの出産については、奇怪な言い伝えがあります。「マムシは、子どもを口から産む」というものです。これは、もちろん間違いです。マムシの子は、雌のおなかの総排出口【そうはいしゅつこう】というところから産まれます。
 「口から子どもを産む」と言われたのは、出産期に、マムシに咬まれる被害が多いからでしょう。「マムシが咬むのは、口から産まれる子どもを傷つけないように、雌が毒牙を折ろうとするからだ」というのです。昔の人も、マムシが出産することは知っていました。そこから、こじつけてしまったのでしょう。
 マムシは、本来、おとなしい生き物です。積極的にヒトを襲うことは、ありません。たまたま、ヒトと鉢合わせをした時に、身を守ろうとして、咬みます。
 マムシのような生き物も、自然界には必要です。害獣となるネズミを、食べてくれることもあります。やたらに殺したりせず、うまく避ける方法を見つけたいですね。


 過去の記事でも、日本のヘビを取り上げています。また、マムシに似た植物も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 植物も性転換する? マムシグサ(2007/6/1)
 「三すくみ」は嘘だった? 蛇はナメクジも平気(2007/2/15)
 ヤマカガシの毒はガマガエル(ヒキガエル)から?(2007/1/31)
 ツチノコの正体? ヒメハブ(2006/08/14)
などです。
 


図鑑↓↓↓↓↓には、ニホンマムシが掲載されています。
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2007年8月30日

シオヤトンボ

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和名:シオヤトンボ
学名:Orthetrum japonicum japonicum


※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

沖縄 うるま市 【2007.07.27】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、シオヤトンボが掲載されています。
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2007年8月29日

ツユクサの青は、染めものに使える?

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 ツユクサ(露草)は、人家のそばでも見られる草です。道端や、ちょっとした空き地にも、生えていますね。小さな花の青色が、鮮やかです。
 この青の美しさに、昔の人も目を止めたようです。『万葉集』に、「鴨頭草【つきくさ】に衣【ころも】色どり摺【す】らめども移ろふ色といふが苦しさ」と歌われています。鴨頭草とは、ツユクサの古名です。「ツユクサの色を衣に摺りこみたいけれども、その色はすぐに消えてしまうから、どうしようと迷って苦しい」という意味ですね。ツユクサの色に、恋人の心をかけています。「移り気なあなたの求愛は、受けにくい」というわけです。
 歌のとおり、ツユクサの色は、布などに染めても、すぐに落ちてしまいます。これは、コンメリニンという青色色素のせいです。コンメリニンは、水に溶ける性質があります。
 ところが、「色落ちしやすいこと」を、逆手に取った使い方があります。染めものの下描きに使うのです。伝統的に、京友禅【きょうゆうぜん】の模様の下描きは、ツユクサの花の色で行なわれます。本染めをした後、水で洗えば、下描きはきれいに消えます。
 友禅【ゆうぜん】染めに使うのは、普通のツユクサではありません。ツユクサの変種のオオボウシバナ(大帽子花)です。普通のツユクサと同種ですが、花が大きい変種です。そのために、染料がたくさん取れます。主に、滋賀県の草津市で栽培されます。
 現代では、友禅染めでも、ツユクサの使用は減りました。化学染料が開発されたからです。オオボウシバナの需要は、とても少なくなりました。今では、「伝統を維持する」ために、細々と栽培されている状態です。
 ツユクサの色(コンメリニン)は、実験に使うには、面白いですね。まず、ツユクサの花を集めて、絞り汁を作ります。その汁で、紙や布に字を書いたり、模様を描いたりしてみましょう。青い字や模様になりますね。でも、水で洗うと、たちまち消えてしまいます。
 ツユクサと、他の植物とで、染めもの比べをするのも面白そうです。同じ青い花でも、同じように染まるでしょうか? 水で洗ったら落ちるでしょうか?
 夏休みの自由研究を、じつはまだやっていない方、最後のチャンスですね(笑)



図鑑↓↓↓↓↓には、ツユクサが掲載されています。
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2007年8月28日

ホヤは脊索【せきさく】動物? 原索【げんさく】動物?

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 ネットや本で、生き物について調べると、困ったことにあいませんか? 同じ種なのに、分類が違うことなど、よくありますね。
 例えば、ホヤ(海鞘)という生き物がそうです。海の生き物ですね。北海道や東北地方では、食用にされます。植物のように見えますが、動物です。
 ウェブサイトや本により、ホヤは、分類が違います。脊索動物【せきさくどうぶつ】と書いてあるものと、原索動物【げんさくどうぶつ】と書いてあるものとがあります。どちらが正しいのでしょうか?
 最近の考えでは、脊索動物のほうが主流です。原索動物とは、少し昔に使われていた名前です。研究が進んだために、ホヤの仲間は、分類グループの名が変わりました。
 ホヤと近縁な生き物には、サルパ、ヒカリボヤ、ナメクジウオなどがいます。これらの生き物も、昔は、みな一緒に、原索動物とされていました。最近では、みな脊索動物とされています。ホヤ、サルパ、ヒカリボヤは、脊索動物門【せきさくどうぶつもん】の尾索動物亜門【びさくどうぶつあもん】に属します。ナメクジウオは、脊索動物門の頭索動物亜門【とうさくどうぶつあもん】に属します。
 私たちヒトは、脊索動物門の脊椎動物亜門【せきついどうぶつあもん】に属します。広く見れば、ヒトは、ホヤやサルパやナメクジウオと、同じ分類グループなわけですね。
 ホヤやサルパやナメクジウオが、ヒトを含む脊椎動物【せきついどうぶつ】と近縁なことは、だいぶ前からわかっていました。けれども、昔は、「脊椎動物と、脊椎骨がないホヤなどの間には、大きな隔たりがある」とされていました。そのため、ホヤやサルパやナメクジウオは、脊椎動物とは別の「原索動物」に入れられていたのです。
 近年の研究により、「『原索動物』は、脊椎動物から分けるほどのまとまりはない」とわかってきました。それで、同じ脊索動物とされるようになりました。
 生物学の世界では、こういうことがよくあります。一般の人にとっては、ややこしいですね。でも、研究が進むのは、世界中の学者さんが、懸命に働いている証拠です。


 過去の記事でも、ホヤの仲間の脊索動物【せきさくどうぶつ】を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 サルパとは、どんな生き物?(2007/5/31)
 原始的に見えても魚に近い? ホヤ(海鞘)(2006/8/28)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、マボヤ、アカボヤ、オオサルパ、ヒカリボヤ、ナメクジウオなどの脊索動物が掲載されています。
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2007年8月27日

シギ(鴫)の嘴【くちばし】は、なぜいろいろある?

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 夏休みも、いよいよ終わりですね。なのに、まだ「夏休みの自由研究」をやっていない人はいませんか? そういう人のために、「すぐできる自由研究」の案を出してみましょう。
 皆さんのお近くに、干潟【ひがた】はありませんか? 海辺で、潮が引くと、広い砂浜や泥浜が現われる場所です。もしあれば、運がいいです。今の季節に干潟へ行けば、たくさんの水鳥を観察できます。観察日記が書けますよね。
 八月の終わりは、渡り鳥が活発な季節です。特に、旅鳥【たびどり】といわれる渡り鳥が、よく見られます。旅鳥は、基本的に、春と秋にしか見られません。夏の繁殖地と、冬の避寒地とを往復する途中に、休息しに来るのですね。
 どういうわけか、干潟に棲む鳥には、旅鳥が多いです。シギの仲間などがそうです。逆に言えば、旅鳥の多くを占めるシギの仲間が、干潟に棲むのを好みます。
 シギの仲間には、たくさんの種があります。しかも、似た種が多いです。ほとんどの種が、「白地に茶色の細かい斑紋」という模様です。これでは、区別が付きませんね。どうしたらいいでしょう?
 一つのコツは、体の大きさを見ることです。もう一つのコツは、嘴の形を見ることです。シギの仲間は、この二つを見ることで、大まかな種の区別ができます。厳密な種の区別は、素人には難しいので、詳しい人と一緒に観察するといいでしょう。
 種がわからなくても、嘴の形がわかれば、面白い観察ができます。嘴の形によって、餌の取り方や、食べ方が違うからです。
 例えば、ソリハシシギは、上にそった長い嘴を持ちます。チュウシャクシギは、下に曲がった長い嘴を持ちます。キョウジョシギは、短くてほぼまっすぐな嘴を持ちます。こんなに違うのに、同じ餌の取り方が、できるはずがありません。観察してみましょう。
 シギの仲間に、いろいろな嘴があるのには、理由があります。餌の取り方や食べ方が違えば、好みの獲物が違ってきます。同じ干潟に棲んでいても、餌の奪い合いになりません。たくさんの鳥が共存できるわけです。素晴らしい自然の仕組みですね。


 過去の記事でも、シギの仲間の写真などを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 アオアシシギ(2007/5/16)
 ハマシギ(2007/5/16)
 アメリカダイシャクシギ(2007/5/15)
 セイタカシギシギ(2007/5/13)
 イソシギ(2006/10/25)
 遠いところから来たのかな?(キアシシギ)(2006/3/1)
 美味しそうなものあった?(オオソリハシシギ)(2006/1/25)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、ソリハシシギ、チュウシャクシギ、キョウジョシギなど、十種以上のシギが掲載されています。
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2007年8月26日

オカトラノオ

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和名:オカトラノオ
学名:Lysimachia clethroides Duby

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長野 蓼科 【2007.08.04】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、オカトラノオが掲載されています。
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2007年8月25日

天空の富士2

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千葉上空 【2007.08.13】
 


2007年8月24日

クラゲは刺胞【しほう】動物? 腔腸【こうちょう】動物?

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 夏休みの終わりが近づいてきました。焦って宿題を始める頃ですね。私の子ども時代も、そうでした(笑) 最近は、宿題について、ネットで調べる人も多いでしょう。
 ネットで情報を探していると、矛盾した情報にあうことがありますね。同じ種の生き物が、違う分類をされている場合などです。よくある例に、クラゲの分類があります。
 クラゲの分類は、本やウェブサイトにより違います。刺胞動物となっているものと、腔腸動物となっているものとがあります。どちらが正しいのでしょうか?
 答えは、刺胞動物のほうです。腔腸動物とは、古い分類グループの名前です。
 刺胞動物には、クラゲ以外に、イソギンチャクや、サンゴなども属します。彼らの共通点は、刺胞という器官を持つことです。刺胞とは、小さな槍【やり】のようなものです。これで獲物を捕らえたり、敵から身を守ったりします。
 昔の腔腸動物というグループには、刺胞動物以外の生き物も、入れられていました。有櫛【ゆうしつ】動物というグループの生き物です。有櫛動物は、クシクラゲとも呼ばれます。髪をとかす櫛【くし】に似た器官(櫛板【しつばん】)があるためです。
 クシ「クラゲ」という名のとおり、以前は、刺胞動物のクラゲと、有櫛動物のクシクラゲは、区別されていませんでした。同じ分類グループだと思われていたのです。
 ところが、研究が進むにつれ、普通のクラゲとクシクラゲとは、まったく違う生き物だとわかってきました。そのため、刺胞動物と、有櫛動物とに分けられました。腔腸動物という分類グループは、解体されたわけです。
 クシクラゲには、刺胞がありません。これが、刺胞動物のクラゲとの、決定的な違いです。もう一つ、大きな違いとして、クシクラゲには櫛板があります。刺胞動物には、櫛板がありません。クシクラゲは、櫛板を泳ぐのに使います。
 生物学は、どんどん進歩しています。ここに挙げたように、昔は正しいとされたことが、今では正しくないとされることが、いくらでもあります。科学は、絶対的な教えではありません。常に変化するものです。調べものをする時には、注意が必要ですね。


 過去の記事でも、刺胞動物のクラゲや、有櫛動物のクシクラゲを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 新種のクシクラゲ? 発見(2007/6/13)
 鰹(カツオ)を連れてくるクラゲがいる?(2007/5/14)
 クラゲと付いてもクラゲでない? ツノクラゲ(2006/7/29)
 いそぎんちゃくって(2006/7/27)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、刺胞動物のクラゲと、有櫛動物のクシクラゲが、何種も掲載されています。
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ミズクラゲ(刺胞動物)、ツノクラゲ(有櫛動物)などです。ぜひご利用下さい。


2007年8月23日

ノシメトンボ

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和名:ノシメトンボ
学名:Sympetrum infuscatum

※画像をクリックすると大きな画像が見られます。

長野 蓼科 【2007.08.04】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、ノシメトンボが掲載されています。
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2007年8月22日

カメについての質問 【夏休み自由研究】

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 はじめまして、こんにちは。
 貴社のホームページを拝見して、子供の夏休み自由研究の参考にさせていただこうと思っている者です。
 早速ですが アカミミガメのことについて教えてください。
 近所のお店でアカミミガメを購入し、現在3、4年経ち、かな大きなカメになりました。 そこで、夏休みの自由研究に、カメの歯について調べたいと思いつきました。
 しかし、いくら慣れてきたとはいえ、口の中を容易には見ることができません。どやって調べればれば良いかわかりません。何かよいアドバイスはありませんでしょうか?よろしくお願いいたします。



 アカミミガメは、危険なカメではありません。けれども、口の中を見るのは、やはり難しいと思います。
 無理に口を開けさせようとすれば、咬むでしょう。傷口からサルモネラ菌などに感染したら、厄介なことになります。
 要は、夏休みの宿題ができればいいのですよね。ならば、必ずしも、カメの口の中を見る必要はありません。少し発想を変えて、「カメの食性を調べる」ことにしたらどうでしょうか?
 飼っているアカミミガメと、他種のカメとを比べてみるのです。他種のカメは、できれば野生のカメがいいですが、動物園や水族館で飼われているカメでもいいでしょう。食事の様子が観察できればいいわけです。

 これなら、自分で観察することになりますから、「夏休みの自由研究」として、恥ずかしくありませんね。
 全国のカメを飼育している動物園や水族館はたくさんあります。
 お近くの動物園や水族館を調べるには以下のサイトが便利です。
 日本動物園水族館協会 

 
 最近の動物園や水族館は、普通に園内を観るだけでなく、児童・生徒の学習サポートにも力を入れています。
 動物の餌やり体験や、動物の頭骨標本を使い、その動物が何を食べるか考えるプログラムやお泊り体験イベントなどがあるようです。



図鑑↓↓↓↓↓には、アカミミガメは載っていませんが、ニホンイシガメが掲載されています。
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2007年8月21日

リョウブ






和名:リョウブ
学名:Clethra barbinervis Siebold & Zucc.

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東京 新宿 【2007.07.20】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、リョウブが掲載されています。
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スイレン

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和名:スイレンの一種
学名:Nymphaea spp.


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沖縄 うるま市 【2007.07.27】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、日本土着の『スイレン』であるヒツジグサやハスが掲載されています。
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2007年8月20日

人に化ける蛇(ヘビ)? アカマタ

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 昔話の世界では、狐(キツネ)や狸(タヌキ)などの生き物が、人に化けますね。生物学的には、そんなことはあり得ません。けれども、民俗学的には、このような伝承に意味があります。「人に化ける」生き物は、それだけ人間に近しいといえますね。
 中には、思いがけない生き物が「化ける」といわれます。例えば、南西諸島のヘビの一種、アカマタです。沖縄でアカマター、奄美でマッタブと呼ばれるヘビです。
 アカマタには、毒はありません。ただし、気が荒いため、ヒトにも咬みついてきます。咬まれても、痛い以上のことはありません。
 アカマタの体は、赤と黒の縞【しま】模様です。派手なので、毒ヘビと誤解されがちです。日本産のヘビでは、大きくなるほうです。大型の個体では、2mを越えます。
 無毒でも、アカマタは、地元で畏怖されてきたようです。気の荒さ、大きさ、模様の派手さなどのためでしょう。「化ける」という伝承も、畏怖から生まれたと思われます。
 アカマタは、「美男子に化ける」といわれます。その姿で、若い女性をたぶらかすのですね。面白いのは、人をたぶらかす時、「尾で文字を書く」という伝承です。地面に、尾で字を書くというのです。その字を消せば、たぶらかされた人は正気に戻るといいます。
 ヘビの中には、威嚇【いかく】する時、尾を振るものがいます。ガラガラヘビなどがそうですね。しかし、アカマタは、そういう動作をしないようです。むろん、ヘビが「字を書く」わけはありません。なぜ、こんな伝承ができたのでしょうか? 理由は謎です。
 アカマタは、無毒にもかかわらず、ハブより強いといわれます。幼いハブを捕食します。そのため、「ハブ除け」として、大切にされることがあります。でも、いつもハブに勝てるわけではありません。逆に、ハブに食べられることもあるようです。
 同じヘビなのに、恐れたり大切にしたり、と扱いが違うのは、ヒトの勝手な都合ですね。アカマタにしてみれば、一生懸命生きているだけでしょう。
 今も昔も、アカマタは、南西諸島で平凡なヘビです。人々は、身近なアカマタに、「自然に対する畏怖」を重ねたのでしょうか。


 過去の記事でも、南西諸島に分布するヘビを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
「三すくみ」は嘘だった? 蛇はナメクジも平気(2007/2/15)
 超偏食のヘビ(蛇)? イワサキセダカヘビ(2006/9/24)
 ツチノコの正体? ヒメハブ(2006/8/14)
 ハブはなぜ危険か(2005/12/2)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、アカマタが掲載されています。
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2007年8月19日

ヤマハハコ

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和名 ヤマハハコ
学名:Anaphalis margaritacea (L.) Benth. & Hook.f.

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長野 蓼科 【2007.08.04】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、ヤマハハコが掲載されています。
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2007年8月18日

クマバチ

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和名:クマバチ
学名:Xylocopa appendiculata circumvolans


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東京 新宿 【2007.07.20】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、クマバチが掲載されています。
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2007年8月17日

キュウリは、なぜ「胡瓜」と書く?

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 キュウリは、夏に美味しい野菜ですね。漬物に、サラダに、お寿司の河童【かっぱ】巻きに、と大活躍です。日本の料理に欠かせませんね。
 ところが、キュウリは、日本土着の野菜ではありません。古い時代に、大陸から導入されました。だから、漢字で「胡瓜」と書きます。「胡」とは、「異民族」という意味を持つ漢字です。「異民族から導入された瓜【うり】」という意味でしょう。
 日本にキュウリが入ったのは、奈良時代と考えられています。平城京の跡地から、キュウリらしき種子が発見されています。昔から、日本人は、今のようにキュウリを食べていたのでしょうか? どうやら、そうではありません。
 今、普通に食べているキュウリは、未熟な果実です。農家の方は御存知でしょう。江戸時代の中期くらいまでは、未熟果ではなく、完熟した果実を食べていたようです。
 キュウリの完熟果は、未熟果とは違って見えます。とても太く、大きいです。色も黄色くなります。ものによっては、メロンのような網【あみ】模様が出ます。メロンも瓜の仲間(ウリ科)ですから、似ているのですね。
 世界的には、今でも、完熟キュウリを食べる地方が多くあります。日本人は、なぜ、未熟なキュウリを食べるようになったのでしょう? この理由は不明です。
 キュウリの生まれ故郷は、どこでしょうか? ヒマラヤ山麓と推測されています。国で言えば、ネパールですね。そこから、ミャンマーやタイを経由して、中国の雲南省に入ったようです。雲南省から先は、どのようにして日本まで来たのか、わかっていません。
 ヒマラヤには、キュウリにとても近縁な種があります。ラテン語の学名を、Cucumis hardwickii【ククミス・ハルドウィッキイ】という種です。日本語名は付いていません。この種は、栽培種のキュウリと交配して、種子を作ることができます。
 ただし、この種は、「キュウリの野生種」ではありません。近縁ではあるものの、キュウリの直接の祖先ではないようです。本当のキュウリの祖先は、まだ謎です。
 身近なキュウリが、こんなに謎だらけなんて、びっくりですね。


 過去の記事でも、いろいろな野菜を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 日本のダイコン(大根)は世界一(2007/1/15)
 菜の花(ナノハナ)は何の花?(2006/4/7)
 青いパパイヤ(2006/3/11)
 節分に豆(ダイズ)をまくのはなぜ?(2006/1/23)

などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、キュウリが掲載されています。
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2007年8月16日

オキナワチョウトンボ

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和名:オキナワチョウトンボ
学名:Rhyothemis variegata imperatrix


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沖縄 うるま市 【2007.07.27】

2007年8月15日

精霊【しょうりょう】バッタとは、どんなバッタ?

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 八月は、日本の多くの地方で、お盆の行事がありますね。お盆は、精霊会【しょうりょうえ】とも呼ばれます。精霊【しょうりょう】とは、先祖の霊のことですね。
 この精霊【しょうりょう】という言葉が、名に付く昆虫がいます。精霊トンボ、精霊バッタなどです。精霊トンボは、以前、このコラムで取り上げましたね(精霊トンボとはどんなトンボ?(2006/8/12))。今回は、ショウリョウ(精霊)バッタを取り上げましょう。
 ショウリョウバッタは、日本で普通に見られるバッタです。お盆の頃に姿が目立つことから、この名が付いたようです(他の説もあります)。
 お盆の頃は、昆虫の活動が盛んです。多種のバッタが見られます。なぜ、ショウリョウバッタが、特に「精霊」の名を付けられたのでしょうか? 以下は、私の考えです。
 一つは、ショウリョウバッタが、とても大きいからでしょう。日本で最大級のバッタです。お盆の頃に、大きな成体になります。大きければ、当然、目立ちますよね。
 ただし、ショウリョウバッタは、雌(メス)と雄(オス)とで、ずいぶん大きさが違います。雌のほうが圧倒的に大きいです。「日本最大級のバッタ」なのは、雌だけです。
 このように、雌が雄より大きいバッタは多いです。オンブバッタ、ショウリョウバッタモドキ、トノサマバッタなどもそうです。中でも、オンブバッタとショウリョウバッタモドキは、ショウリョウバッタと姿が似ています。そのため、混同されやすいです。
 「精霊」のもう一つの理由は、ショウリョウバッタが、墓地に多いからでしょう。墓地は、安定した草原ではありませんね。しょっちゅう草が刈られます。ショウリョウバッタは、そのような環境を好みます。お盆にお墓参りした時、出会う確率が高いわけですね。
 ショウリョウバッタには、コメツキ(米搗き)バッタという別名があります。「米搗きバッタのようにお辞儀する」などと、譬えに使われますね。これは、後ろ脚をつかむと、お辞儀のように体を折り曲げることから来ています。その仕草を、「米を搗【つ】く」と見立てました。きっと、昔の子供が、ショウリョウバッタを捕まえて遊んだのでしょう。
 「精霊」や「米搗き」という名には、バッタに寄せる親しみが感じられますね。


 過去の記事でも、日本の行事に関係する昆虫を取り上げています。また、バッタ類に近縁なキリギリスや、ケラ(オケラ)も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 シミは本を食べる?(2006/10/27
 精霊トンボとはどんなトンボ?(2006/8/12)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、ショウリョウバッタや他のバッタ10数種が掲載されています。
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2007年8月14日

ノアザミ

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和名:ハナアブ 【下】
学名:Eristalis tenax
和名:クマバチ 【上】
学名:Xylocopa appendiculata circumvolans
和名:ノアザミ
学名:Cirsium japonicum Fisch. ex DC.

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長野 蓼科 【2007.08.04】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、ハナアブ、クマバチ、ノアザミが掲載されています。
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2007年8月13日

お菊虫の正体は、ジャコウアゲハ?

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 『皿屋敷【さらやしき】』という伝説を御存知でしょうか? 日本各地に伝わる怪談です。お菊という名の女中が、いびり殺される、という悲惨な話です。死後、お菊は化けて出て、恨みを晴らします。この伝説に、お菊虫【きくむし】という虫が登場します。
 お菊虫は、お菊の死後に現われた虫です。まるで、人が後ろ手に縛られたような格好だったそうです。「いびり殺されたお菊の姿に似ている」と、恐れられました。
 お菊虫の伝説は、江戸時代に生まれました。現在では、その正体が、ほぼ解明されています。チョウ(蝶)の一種、ジャコウアゲハの蛹【さなぎ】だといわれます。
 なぜ、ジャコウアゲハの蛹が、「お菊虫」とされたのでしょうか?
 第一に、形ですね。ジャコウアゲハは、家の壁や木の枝などで、蛹になります。胸部を糸で支えています。その形は、「縄で後ろ手に縛られた人」に、見えなくもありません。
 第二に、色です。ジャコウアゲハ以外にも、「縛られ形」の蛹になるチョウがいます。なのに、ジャコウアゲハが「お菊虫」にされたのは、色が変わっているからです。
 普通、昆虫の蛹は、緑や茶色をしています。植物に紛れるように、です。ところが、ジャコウアゲハの蛹には、肌色っぽいものが多いです。敵の目をあざむく必要がないからです。彼らは毒を持つため、食べられません。触るだけなら、無害です。
 肌色なら、いかにも「縛られた人」ですね。ただし、すべてのジャコウアゲハの蛹が、肌色っぽいのではありません。個体差があります。
 第三に、ジャコウアゲハが、突発的に大発生することがあるためでしょう。奇怪な伝説がある土地に、見慣れない虫が、突然、大発生したら? しかも、その虫が、奇妙な形をしていたら? 「伝説と関係がある」と思われても、不思議ではありませんね。
 ジャコウアゲハは、南方系のアゲハチョウの仲間です。おそらく、江戸時代の日本には、今ほど多くいなかったでしょう。当時の日本は、今より寒かったからです。
 江戸時代の人にとって、ジャコウアゲハは、「見慣れない、奇怪な虫」だったのでしょう。伝説も、調べてみると面白いですね。生き物の生態が表われていることがあります。


 過去の記事でも、日本の伝説に登場する生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ヨシとアシは同じもの?(2006/9/8)
 精霊【しょうりょう】トンボとはどんなトンボ?(2006/8/12)
 しゃべるナマズがいる?(2006/8/11)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、ジャコウアゲハやヨシ(アシ)、ウスバキトンボ(ショウリョウトンボ)が掲載されています。
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2007年8月12日

イチモンジセセリ

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和名:イチモンジセセリ
学名:Parnara guttata guttata


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東京 新宿 【2007.07.20】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、イチモンジセセリが掲載されています。
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2007年8月11日

棘だけでは足りない? ウニの防御作戦

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 ウニは、日本人に馴染みがある生き物ですね。日本では、たくさんのウニが食用にされます。あんなに棘だらけの生き物の、どこを食べているのでしょうか?
 食用になる部分は、卵巣【らんそう】または精巣【せいそう】です。卵巣は卵ができる部分で、精巣は精子ができる部分ですね。雌(メス)のウニに卵巣があり、雄(オス)のウニに精巣があります。ウニにも、雌雄の区別があるのですね。
 ここで、ウニの体の仕組みを見てみましょう。といっても、種によって、体の仕組みが少しずつ違います。代表として、ムラサキウニに登場してもらいましょう。普通に食用にされる種だからです。大ざっぱには、他のウニの体も同じです。
 ウニの体は、見てのとおり棘だらけです。棘の奥に、殻に包まれた体があります。殻は、たいてい、上下に少しつぶれた球形をしていて、硬いです。卵巣または精巣は、殻の内側すぐのところに、へばりつくようにあります。腸などの他の内臓も、殻の中にあります。
 ウニの口は、体の下側の真ん中にあります。この口で、海藻を食べます。植物食のウニは、身を守るために、棘があるのですね。肛門は、殻のてっぺんにあります。
 ウニの体は、動きにくそうに見えますね。けれども、実際のウニは、よく動きます。棘の間に、管足【かんそく】という小さな「足」があって、これを器用に動かします。
 管足という言葉に、ぴんと来た方もいるでしょうか? ヒトデやナマコにも、同じ管足という器官があります。これからわかるとおり、ウニは、ヒトデやナマコと同じ棘皮動物【きょくひどうぶつ】に属します。
 棘があるのに、ほとんどのウニは、岩陰や岩穴に隠れたり、砂に潜ったりします。敵から逃れるためですね。バフンウニやタコノマクラのように、体に海藻や小石などを載せる種もいます。こうすれば、海底の石やごみのように見えるわけです。バフンウニやタコノマクラは、棘が短い種なので、このような技が有効なのでしょう。
 こんなに防御に励んでも、バフンウニなどは、ヒトに食べられてしまいます。美味しい体を持ったばかりに、災難ですね。ウニの最大の敵は、日本人かも知れません。


 過去の記事で、ウニと同じ棘皮動物のヒトデやナマコを取り上げています。ウニの一種、タコノマクラの、珍しい写真も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 神津島からのレポート(2007/07/30)【タコノマクラ他画像】
 貝と付いても貝じゃない? モミジガイ(2007/4/27)
 食用ナマコはどんなナマコか?(2007/1/22)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、ムラサキウニ、キタムラサキウニ、バフンウニ、タコノマクラなど、十種のウニが掲載されています。
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2007年8月10日

ホタルブクロ





和名:ホタルブクロ【画像 変種ヤマホタルブクロ】
学名:Campanula punctata Lam.

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長野 蓼科 【2007.08.04】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、ホタルブクロが掲載されています。
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妖怪が空を飛ぶ? ムササビ

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 日本の森に、ムササビという哺乳類がいますね。リスの仲間です。普通のリスと同じように、樹上に棲みます。木の葉や果実などを食べる、おとなしい動物です。
 古語で、ムササビを、野衾【のぶすま】、夜衾【よぶすま】、モマ、晩鳥【ばんどり】などと呼びます。これらの名は、妖怪の名として言い伝えられてきました。
 妖怪の野衾は、夜、空を飛ぶものだといいます。木の実を食べたり、火を食べたりするといわれます。人や獣を襲って、生き血を吸うという伝承まであります。「火を食べる」・「生き血を吸う」などというのは、もちろん、ただの伝説です。
 野衾=ムササビが妖怪にされたのは、彼らの生態のためでしょう。夜行性であること、森の中に棲むこと、長い距離を滑空【かっくう】すること、などが、ムササビの生態の特徴です。これらの特徴のため、ヒトは、ムササビを観察するのが難しいのですね。
 昔の人は、今の人よりも、自然を身近に感じていたでしょう。それでも、ムササビは、「森にいる、よくわからない生き物」でした。電灯のない時代、夜に樹上で動き回り、滑空までするものを、はっきり見ることなど不可能です。ヒトは、見えないものに恐怖を感じます。恐怖のあまり、ムササビは妖怪にされたのでしょう。
 ムササビの生きた姿を見るのは、現代でも難しいです。けれども、今の日本では、あちこちの自然保護団体などが、ムササビ観察会を開いています。ありがたいですね。このような催しに参加すれば、夜の森でも、安心してムササビを観察できます。観察会に参加したい方は、ネットで検索してみて下さい。夏休みのお楽しみになりそうですね。
 実際に見た人によれば、ムササビが滑空する姿は、「座布団のよう」だそうです。前脚と後ろ脚の間に、膜を張った姿が、四角い座布団に見えるのですね。この膜を使って、ムササビは滑空します。羽ばたいて飛ぶのではありません。コウモリとは違います。
 昔の人の観察力は、侮れません。でも、昔からの言い伝えが、常に正しいとは限りません。昔の人は、ムササビが無害だと知ることができませんでした。現代の私たちは、それを知っています。科学技術の発達と、自然保護とが、両立できる証拠ですね。


 過去の記事で、ムササビとモモンガの違いについて取り上げています。また、ムササビ以外にも、日本の伝説に登場する生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 モモンガとムササビはどう違う?(2006/12/15)
 ツチノコの正体? ヒメハブ(2006/8/14)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、ムササビやヒメハブが掲載されています。
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2007年8月 9日

ホタルブクロにはホタルが入るか?




 夏、山道でよく見かける花に、ホタルブクロ(蛍袋)がありますね。名のとおり、ホタル(蛍)が入りそうな、ぷっくりした花です。その愛らしさのために、栽培されることも多いですね。ホタルブクロには、本当にホタルが入るのでしょうか? 
 自然にホタルが入ることは、まずありません。昔、ヒトの子どもが、この花にホタルを入れて、遊んだようです。このことから、名付けられたのでしょう。
 この花の形には、ちゃんと意味があります。提灯【ちょうちん】みたいな花の形は、ある特定のグループの昆虫だけに、蜜をあげるためです。
 ホタルブクロは、花の一番奥に蜜があります。しかも、蜜がある場所は、雄しべの付け根に囲まれています。ですから、蜜を食べられるのは、花の奥まで潜り込むことができて、かつ、雄しべを掻き分ける力があるものです。それは、どんな昆虫でしょうか?
 例えば、チョウ(蝶)はどうでしょう? 翅【はね】が邪魔になるために、ホタルブクロの花には潜り込めませんね。アリ(蟻)はどうでしょうか? 雄しべを掻き分ける力がないために、ホタルブクロの花に行っても無駄足です。
 ホタルブクロが歓迎するのは、マルハナバチの仲間です。マルハナバチの仲間は、花に潜り込む能力が高いです。雄しべを掻き分けるだけの力もあります。ホタルブクロは、蜜を与える「お客さん」を選んでいるのですね。
 なぜ、「お客さん」を選ぶのかといえば、より効率良く花粉を運んでもらうためです。
 植物の花は、ただで昆虫に蜜をあげるのではありません。見返りに、花粉を運んでもらいます。ある種の植物が、あるグループの昆虫を優遇すれば、その昆虫たちは、同種の花をたくさん訪れてくれるでしょう。効率良く花粉を運んでもらえますね。
 ホタルブクロは、「お客さん」として、マルハナバチの仲間を選びました。他の昆虫に蜜を取られないということは、マルハナバチの仲間を優遇していることになります。
 今のところ、ホタルブクロとマルハナバチの仲間は、良い関係を築いています。ヒトが自然のバランスを崩さなければ、この関係は、長く続くのではないでしょうか。


 過去の記事に、ホタルブクロの「お客さん」であるマルハナバチの写真があります。また、ホタルについても取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 コマルハナバチ(2006/7/3)
 ホタル(蛍)はなぜ光る?(2006/5/26)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、ホタルブクロや昆虫のトラマルハナバチやゲンジボタル、ヘイケボタルが掲載されています。
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夏休みの宿題の参考に、東京大学へ? 東大総合研究博物館

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 八月も半ばにさしかかろうとしています。学生の皆さん、宿題は進んでいますか? 今回は、宿題の参考になりそうな場所を紹介しましょう。
 そこは、東京大学の、本郷キャンパスの中にあります。東京大学総合研究博物館です。現在、ここで、二つの展覧会が開かれています。
 一つは、「Systema Naturae ―標本は語る」展です。この展覧会には、たくさんの動物・植物・鉱物の実物標本が、出品されています。TVや図鑑でしか見たことがないものを、実際に観察できますよ。
 例えば、水族館でジャンプしているイルカは、皆さんお馴染みでしょう。けれども、イルカの骨格がどうなっているかは、わかりませんよね。この展覧会では、本物のイルカの全身骨格を見られます。イルカの隣には、他の哺乳類の骨格もあります。ですから、違う種同士で、骨格を比べることができます。イルカの骨格と、他の哺乳類の骨格とで、後ろ半分を見比べて下さい。イルカの後脚が、完全に退化しているのが、わかるでしょう。
 貝類のコーナーなどは、見ているだけで楽しいです。貝殻には、美しいものが多いですからね。形だけでなく、名前も美しい貝があります。テンシノツバサ、ペガサスノツバサなどです。これら二種は、二枚貝です。二枚を広げて並べると、確かに、翼のように見えます。ぜひ、御自身の目で、「天使の翼」や「ペガサスの翼」を御覧下さい。
 もう一つの展覧会は、「遺丘と女神 ―メソポタミア原始農村の黎明」展です。こちらは、西アジアの考古学に関する展覧会です。一部、植物の栽培化や、動物の家畜化を、扱っているコーナーがあります。
 こちらでお勧めなのは、約九千五百年前の、ネコの遺体ですね。今のところ、人に飼われたネコとして、最古のものです。これまで、飼い猫にこんなに古い歴史があるとは、誰も思っていませんでした。飼い猫の研究上、画期的なネコです。
 総合研究博物館は、8/10(金)~8/14(火)と、毎週月曜日が休館日です。今回の展示では、入館無料です。休館日にお気をつけて、お越し下さい。


 東京大学総合研究博物館の展覧会については、以下に案内があります。
 東大総合研究博物館 
 「Systema Naturae ―標本は語る」展
 「遺丘と女神 ―メソポタミア原始農村の黎明」展


 過去の記事でも、夏休みのイベントを取り上げています。ネットでの調べものに役立つ記事も載せています。
 また、展覧会に関連して、先祖返りしたイルカや、飼い猫の祖先に関する記事も載せています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 楽しい夏休み企画、大昆虫帝国(2007/7/17) 
 ネットの上手な活用法(ネットで、知りたいことを上手に知るには? その1~その6)
 イエネコ(家猫)の祖先はリビアヤマネコ?(2007/7/2)
 「腹びれのあるイルカ」はどうなった?(2007/2/6)



図鑑↓↓↓↓↓には、動物・植物約1800種が掲載されています。
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2007年8月 8日

キュート! 【ヤギ】

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 コヤギ。親に寄り添いながら、カメラに向かって笑いかけてくれました。
和名:ヤギ 【家畜種】
学名:Capra aegagrus


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沖縄 うるま市 【2007.07.27】

2007年8月 7日

スイレン





和名:スイレンの一種
学名:Nymphaea spp.


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東京 新宿 【2007.07.20】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、日本土着の『スイレン』であるヒツジグサやハスが掲載されています。
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ヤブミョウガ

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和名:ヤブミョウガ
学名:Pollia japonica Thunb.

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東京 新宿 【2007.07.20】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、ヤブミョウガが掲載されています。
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2007年8月 6日

淡水にもクラゲがいる?

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 夏は、生き物の活動が盛んですね。時々、思わぬ生き物が現われて、ニュースになることもあります。マミズクラゲは、そんなニュースのタネになる生き物です。
 よく知られたミズクラゲと、マミズクラゲは名が似ていますね。同じクラゲの仲間(刺胞動物【しほうどうぶつ】)でも、全く違う種です。ミズクラゲは海にいますね。マミズクラゲは、名のとおり、淡水に棲みます。池や湖など、流れのないところに多いです。
 マミズクラゲがニュースになるのは、突然、大発生することがあるからです。それまで、まったくいなかった場所に、急にわらわらとクラゲが現われたら、びっくりしますよね。マミズクラゲは、そういう発生の仕方をすることが、時々あります。
 このクラゲの発生には、謎が多いです。ある年に大発生したのに、翌年、同じ場所に、一匹も現われないことが、よくあります。かと思えば、何年も経った後、また突然現われたりします。時には、熱帯魚などを飼う水槽の中に、いきなり発生します。
 マミズクラゲは、なぜ、こんな発生の仕方をするのでしょうか? 研究者の方々の努力により、少しずつ、その秘密がわかってきました。
 マミズクラゲがクラゲの形でいるのは、一生のうちの、ほんのわずかな期間だけです。大部分の期間は、ポリプという形で過ごします。ポリプについては、以前、このブログで取り上げた「イラモ」のコラムをお読み下さい。ただし、マミズクラゲは、イラモと近縁ではありません。イラモと違い(マミズクラゲは)、刺胞動物門【しほうどうぶつもん】のうちの、ヒドロ虫綱【ひどろちゅうこう】に属します。イラモは鉢虫綱【はちむしこう】ですね。
 マミズクラゲのポリプは、直径1mmくらいしかありません。これでは、池などにいても、気づかれませんよね。このポリプから、クラゲが生まれます。クラゲは、直径2cmほどにまで成長します。ヒトには、突然現われたように見えるわけです。
 マミズクラゲは、刺しません。ヒトには無害です。もし見つけたら、夏休みの観察にぴったりですね。まだわかっていないことが多いので、素人でも、何かを発見できるチャンスがあります。運良く出会えたら、飼育に挑戦してみると、面白そうですね。


 マミズクラゲについては、たいへん詳しく解説しているウェブサイトがあります。主宰の方は、マミズクラゲ発生地の調査をしてらっしゃるようです。マミズクラゲを見つけたら、ぜひ、以下のウェブサイトの方に連絡してあげて下さい。
まみずくらげ


 このブログの過去の記事で、マミズクラゲと同じ刺胞動物【しほうどうぶつ】のクラゲを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 海藻【かいそう】? いいえ、イラモはクラゲです (2007/07/16)
 鰹(カツオ)を連れてくるクラゲがいる?(2007/5/14)
 電気クラゲとはどんなクラゲ?(2006/8/1)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、マミズクラゲやオワンクラゲ、カギノテクラゲ、などが掲載されています。
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2007年8月 5日

ムクゲ

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和名:ムクゲ
学名:Hibiscus syriacusL.

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東京 新宿 【2007.07.20】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、ムクゲが掲載されています。
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2007年8月 4日

オオスカシバ

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和名:オオスカシバ
学名:Cephonodes hylas

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東京 新宿 【2007.07.20】
 

2007年8月 3日

オオルリは瑠璃色【るりいろ】じゃない?

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 鳥の仲間には、姿や鳴き声が美しいものが多いですね。面白いことに、姿が美しい鳥は、鳴き声がきれいでないことが多いです。逆に、鳴き声が美しい鳥は、姿が地味なことが多いです。けれども、なかには、「天に二物を与えられている」ものもいます。
 日本の野鳥では、オオルリが、そんな一種です。日本では、春に来て、秋に去る夏鳥です。名のとおり、オオルリの雄(オス)は、みごとな瑠璃色をしています。さえずる声も美しいです。ウグイス、コマドリと並んで、日本三鳴鳥の一種とされます。
 オオルリの雌(メス)は、雄とはまったく姿が違います。オリーブ色といっていい、地味な体色です。
 鳥では、このように、雄と雌の色が違うことが、よくありますね。さえずるのも、大概は雄だけです。こういった差は、雄が雌に求愛するために生まれたと考えられています。姿や鳴き声が美しい雄は、雌にモテやすいのですね。「ぼくは健康だよ」と、雌にアピールしやすいからでしょう。
 どういうわけか、オオルリの場合は、雌もさえずります。この理由は、わかっていません。雌雄で、姿がこれだけ違うのに、さえずりは同じなんて、不思議ですね。
 オオルリの雄は、誰がどう見ても、瑠璃色でしょう。ところが、オオルリの羽には、青い色素がありません。なら、どうしてオオルリの雄は、青く輝くのでしょうか?
 オオルリが青く見えるのは、構造色という仕組みのためです。オオルリの羽は、とても細かく、複雑な構造をしています。電子顕微鏡で見ないと、わからないほど微細なものです。この構造により、青い光だけが散乱して、ヒトの目に見えます。
 他にも、構造色を持つ鳥がいます。カワセミや、ルリビタキがそうです。カワセミやルリビタキの瑠璃色も、色素の色ではありません。光の散乱による、幻の色です。
 幻の色であっても、オオルリは美しいですね。古来、その姿と声を、人に愛でられてきました。それは良いことですが、そのために、密猟されることがあります。野鳥が一番美しいのは、籠【かご】の中ではなく、野にいる時でしょう。


 過去の記事で、オオルリと並ぶ三鳴鳥の一種、ウグイスを取り上げています。また、オオルリと同じく雄が美しいキジなども取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 キジのお父さんも楽じゃない?(2007/4/16)
 梅にウグイス? いえメジロです(2007/3/12)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、オオルリや、コラムに出てきたカワセミ、ルリビタキ、ウグイス、コマドリが掲載されています。
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2007年8月 2日

Sunset





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沖縄 読谷村 【2007.06.29】


サルスベリ

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和名:サルスベリ
学名:Lagerstroemia indica L.


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東京 新宿 【2007.07.20】
 


図鑑↓↓↓↓↓には、サルスベリが掲載されています。
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2007年8月 1日

ジャガーについて

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 ジャガーについて、いくつか質問があります。教えていただけませんか?
 1.ジャガーは、いつ頃から地球に生息していますか?
 これについては、はっきりしたことは、わかっていません。一万年くらい前には、すでに、今と同じジャガーがいたようです。

 2.ネコ科では3番目の大きさで、最強と言われているそうですが、本当ですか?
 大きさについては、事実のようです。
「ようです」というのは、生き物の大きさには、個体差があるからです。
 例えば、ヒョウの大型の個体と、ジャガーの小型の個体を比べれば、ヒョウのほうが大きい、ということがあり得ます。平均すれば、ネコ科では、トラ、ライオンに次いで三番目に大きいと言えるでしょう。
 
 最強かどうかについては、おそらく、誰もわからないでしょう。「強さ」を計る方法がないからです。
 あるジャガーと、あるライオンとを戦わせて、ジャガーが勝ったとしましょう。だからといって、「すべてのジャガーが、すべてのライオンより強い」かどうかは、わかりませんよね? たまたま、強いジャガーが、弱いライオンに当たったのかも知れません。
 たくさんのジャガーと、たくさんのライオンとを戦わせれば、だいたいのところはわかるでしょう。でも、ただ「強さ」を知るためだけに、そんなことをするのは、残酷ですね。ジャガーもライオンも、ひどく傷つけることになるからです。戦いがもとで、死んでしまうかも知れません。こんな実験は、誰もやりたがらないでしょう。
 というわけで、「強さ」は、調べようがありません。

 3.ジャガーの歯の本数は、何本ですか? また、一噛みで獲物を死に至らしめると言うのは本当ですか?
 ジャガーの歯の本数は、28~30本だと思われます。ネコ科の歯の本数が、みなそうだからです。
 「一噛みで獲物を死に至らしめる」については、「そういうこともある」というのが、答えです。
 ジャガーに限らず、肉食動物は、なるべく時間をかけずに、獲物を倒そうとします。時間がかかると、獲物に逃げられてしまう確率が、高いからです。時間がかかると、疲れてしまう、ということもあります。
 ですから、肉食動物は、その時、一番手間がかからない方法で、獲物を倒そうとします。噛みつくのが一番早そうなら、そうするでしょう。前脚で殴るのが早そうなら、そうするはずです。
 観察記録によれば、ジャガーは、「前脚で殴って獲物を倒す」ことも、多いようです。もちろん、「噛みついて倒した」という記録もあります。どちらの方法でも、ほぼ一撃で、獲物を倒すことができるようです。
 ジャガーが優れた肉食獣だといっても、いつも、狩りに成功するわけではありません。失敗することもあります。「すべてのジャガーが、常に、一撃で獲物を倒せるわけではない」ことを、忘れないで下さい。