2007年8月10日
妖怪が空を飛ぶ? ムササビ
日本の森に、ムササビという哺乳類がいますね。リスの仲間です。普通のリスと同じように、樹上に棲みます。木の葉や果実などを食べる、おとなしい動物です。
古語で、ムササビを、野衾【のぶすま】、夜衾【よぶすま】、モマ、晩鳥【ばんどり】などと呼びます。これらの名は、妖怪の名として言い伝えられてきました。
妖怪の野衾は、夜、空を飛ぶものだといいます。木の実を食べたり、火を食べたりするといわれます。人や獣を襲って、生き血を吸うという伝承まであります。「火を食べる」・「生き血を吸う」などというのは、もちろん、ただの伝説です。
野衾=ムササビが妖怪にされたのは、彼らの生態のためでしょう。夜行性であること、森の中に棲むこと、長い距離を滑空【かっくう】すること、などが、ムササビの生態の特徴です。これらの特徴のため、ヒトは、ムササビを観察するのが難しいのですね。
昔の人は、今の人よりも、自然を身近に感じていたでしょう。それでも、ムササビは、「森にいる、よくわからない生き物」でした。電灯のない時代、夜に樹上で動き回り、滑空までするものを、はっきり見ることなど不可能です。ヒトは、見えないものに恐怖を感じます。恐怖のあまり、ムササビは妖怪にされたのでしょう。
ムササビの生きた姿を見るのは、現代でも難しいです。けれども、今の日本では、あちこちの自然保護団体などが、ムササビ観察会を開いています。ありがたいですね。このような催しに参加すれば、夜の森でも、安心してムササビを観察できます。観察会に参加したい方は、ネットで検索してみて下さい。夏休みのお楽しみになりそうですね。
実際に見た人によれば、ムササビが滑空する姿は、「座布団のよう」だそうです。前脚と後ろ脚の間に、膜を張った姿が、四角い座布団に見えるのですね。この膜を使って、ムササビは滑空します。羽ばたいて飛ぶのではありません。コウモリとは違います。
昔の人の観察力は、侮れません。でも、昔からの言い伝えが、常に正しいとは限りません。昔の人は、ムササビが無害だと知ることができませんでした。現代の私たちは、それを知っています。科学技術の発達と、自然保護とが、両立できる証拠ですね。
過去の記事で、ムササビとモモンガの違いについて取り上げています。また、ムササビ以外にも、日本の伝説に登場する生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
モモンガとムササビはどう違う?(2006/12/15)
ツチノコの正体? ヒメハブ(2006/8/14)
などです。
図鑑↓↓↓↓↓には、ムササビやヒメハブが掲載されています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
ぜひご利用下さい。
松沢千鶴
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