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2007年9月20日

ヤマメからニジマスが生まれる?

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 ヤマメという魚がいますね。日本の渓流に棲む魚です。食用や釣り対象として、人気がありますね。そのため、養殖もされています。
 一方、ニジマスという魚がいます。ヤマメと同じ、サケ科に属する種です。やはり、川魚として、食卓に上りますね。日本各地で、大々的に養殖されています。
 ニジマスは、もともと、北米に分布する魚でした。食用にするため、日本に移入されました。同じサケ科でも、ヤマメとは違う種です。
 ところが、先日、衝撃的なニュースがありました。人工的に、ヤマメにニジマスを生ませることに成功した、というのです。
 これは、「ヤマメの腹だけを借りて、ニジマスの卵を産ませた」わけではありません。「ヤマメに、ニジマスの卵の元になる細胞を移植した」のです。ヤマメの腹で育っても、細胞は、ヤマメの卵ではなく、ニジマスの卵になりました。
 正確には、移植されたのは、精原細胞【せいげんさいぼう】という細胞です。普通は、精子の元になる細胞です。雄(オス)のヤマメにニジマスの精原細胞を移植すると、ニジマスの精子になり、雌(メス)のヤマメに移植すると、ニジマスの卵になったそうです。
 この実験結果は、いろいろなことを示唆しています。例えば、精子になるはずの細胞でも、環境によっては卵になることがわかりました。また、ヤマメとニジマスでできるならば、同様に近縁な魚同士でも、同じことができるかも知れません。「絶滅しそうな種の細胞を、近縁な別種に移植して、数を増やす」といった可能性も、ありますね。
 このように、生命の発生を操作する研究には、賛否両論があります。けれども、研究を止めることは、得策ではないでしょう。病気を治す方法や、絶滅しそうな生き物を救う方法が、発見される可能性があるからです。
 よく言われるとおり、科学技術そのものには、罪はないと思います。善悪は、使い方次第です。生命を弄【もてあそ】ぶのは、いけませんよね。良い方向へと、研究が発展することを望みます。

 「ヤマメがニジマスを生んだ」ニュースは、以下のページに載っています。
 ニジマスしか生まない代理ヤマメ両親の作出に成功(科学技術振興機構・東京海洋大学)

 過去の記事でも、ヤマメなどのサケ科の魚を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 同じ種なのに名が違う? 桜鱒(サクラマス)と山女(ヤマメ)(2006/3/20)
 森を育てるサケ(2005/9/13)


図鑑↓↓↓↓↓には、ニジマスもヤマメも掲載されています。
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ぜひご利用下さい。

 国立大学法人東京海洋大学
 独立行政法人科学技術振興機構


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