2007年9月26日
世界一賢いオウム?が死亡
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二〇〇七年の九月に、ある鳥が死亡したというニュースが、世界を駆け巡りました。アレックスAlexという名の、雄(オス)のオウムです。
なぜ、オウムの死亡が、ニュースになったのでしょう? アレックスが、ある学者の研究に協力していたからです。オウムの「ものまね」の能力が、研究に生かされていました。
アレックスと「共同研究」をしていたのは、アイリーン・ペッパーバーグIrene Pepperbergという女性科学者です。専門は、心理学(認知科学)だそうです。研究の舞台は、米国のマサチューセッツ州にあるブランダイス大学Brandeis Universityでした。
ペッパーバーグ博士の研究により、オウムの言語能力が、それまでの推測以上だとわかりました。何羽かのオウムの中でも、アレックスは、特に優れた成績だったようです。
例えば、アレックスは、「緑」や「青」や「オレンジ」が、「色というもののグループ」であることを、理解していたそうです。なんと、「言葉のグループ分け」ができるのですね。ですから、「同じ」・「違う」という概念もあったようです。また、一つの単語だけでなく、複数の単語を並べて、「僕は~したい」といった「文」を作ることもできたそうです。
ここまで来れば、オウムとヒトとが「会話する」ことも、夢ではありませんね。まさに天才オウムです。童話の『ドリトル先生』の世界です。
アレックスは、ヨウムという種のオウムでした。紛らわしい種名ですね。漢字で書けば、ヨウム=「洋鵡」です。オウムは「鸚鵡」ですね。ヨウムは、ものまねが得意な種です。
ペッパーバーグ博士が、ヨウムを「共同研究者」に選んだ理由は、「ものまねが得意」だけではありません。「より多くの人々に、鳥類の知能の高さを知ってもらいたい」という理由もありました。なぜなら、人間は、知能の高い動物に愛着を持つからです。
例えば、イルカは、知能が高いとされますね。おかげで、保護活動が盛んです。本当は、知能の高さで命を差別するなんて、おかしなことです。でも、それが現実です。
博士は、あえて刺激的な研究をすることで、鳥類にも、目を向けて欲しい、と願ったのでしょう。絶滅の危機にある鳥は、多いです。博士の思いを受け止めたいですね。
オウムのアレックスに関するニュースは、以下のページにあります。
「知能は5歳児並み」世界一賢いオウム、アレックス死去(国際ニュース 2007/09/13)
ゼロの概念を習得した「天才」オウム(Wired News 2005/07/20)
アレックスに関しては、邦訳された研究書があります。お値段の張る専門書ですが、興味のある方は、読んでみてはいかがでしょうか。
I.M.ペッパーバーグ著、渡辺 茂・山崎由美子・遠藤清香 訳、2003年、『アレックス・スタディ―オウムは人間の言葉を理解するか―』、共立出版
読書の秋ですので、名作童話の『ドリトル先生』シリーズも紹介しておきますね。このシリーズには、ポリネシアという名のオウムが登場します。アレックスをほうふつとさせる「会話のできるオウム」です。
ヒュー・ロフティング作・絵、井伏 鱒二【いぶせ ますじ】訳、『ドリトル先生物語全集』、岩波書店
松沢千鶴
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