2007年10月 5日
ホトトギスは鳥? それとも植物?
ホトトギスといえば、たいていの人は、鳥を思い浮かべるでしょう。初夏の風物詩の鳥ですね。ところが、全く同じ「ホトトギス」という名の植物もあります。
植物のホトトギスは、秋に花が咲きます。ですから、秋の季語になっています。一見、鳥のホトトギスと、共通点はありません。なぜ、同じ名が付いたのでしょうか?
それは、ホトトギスの花の模様に由来します。この花には、紫色の細かい斑点があります。この模様が、鳥のホトトギスの胸にある模様と似ている、といいます。
似た模様の生き物は、他にもたくさんいそうです。なぜ、その中から、鳥のホトトギスを選んだのでしょうか? きっと、風流な人が名づけたのでしょう。ホトトギスの花は、日本人の「風流」に合うようです。茶道で、茶席の花として、よく使われます。
ところ変われば、花の感じ方も違います。英語では、植物のホトトギスを、toad lilyと呼びます。「ヒキガエルのユリ」という意味ですね。同じ模様なのに、鳥にたとえるのと、ヒキガエルにたとえるのでは、ずいぶん印象が違います。
漢字で書けば、植物のホトトギスと、鳥のホトトギスを区別できます。植物のホトトギスは、「杜鵑草」や「時鳥草」と書きます。鳥のホトトギスには、「草」が付きません。「不如帰」・「杜鵑」・「時鳥」・「子規」など、多くの漢字名があります。
野草のホトトギスの仲間は、日本に十種以上も分布します。そのほとんどが、日本固有種です。日本は、世界のホトトギスの分布中心地です。園芸用に、栽培されることもありますね。最近では、外国でも、園芸植物として、知られてきたようです。
ホトトギスの花は、面白い形をしています。真ん中から、棒のように突き出ているものがありますね。先端が、三つに分かれています。これが雌【め】しべです。その周囲に、雄【お】しべがあります。花粉がくっつきやすいように、雌しべからは、べたつく液が分泌されます。奇妙に見えても、花は、役目を果たせるようにできているのですね。
近年、野生のホトトギスの仲間を、根こそぎ持ち去る人がいます。そんな行為は、「風流」ではありませんね。日本の誇る固有種は、日本の野山に置くべきでしょう。
過去の記事で、鳥のホトトギスや、野草のヤマジノホトトギスの写真を取り上げています。また、別グループの生き物なのに、同じ名が付いた例として、「ミミズク」も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
昆虫にも「ミミズク」がいる?(2007/7/9)
フクロウとミミズクは、どう違う?(2007/7/2)
田植えを促【うなが】す? ホトトギス(2006/5/3)
野草のホトトギス(2005/12/18)
図鑑↓↓↓↓↓には、植物のホトトギスと、ヤマホトトギスが掲載されています。鳥のホトトギスも載っています。
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松沢千鶴
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