2007年10月19日
カツオブシムシは文化財の敵?
文化の秋ですね。博物館などで、文化財を見学される方も多いでしょう。
文化財の保存には、手間がかかります。湿気やカビや害虫など、敵がいっぱいだからです。文化財の害虫として有名なのが、カツオブシムシです。
カツオブシムシとは、変わった名ですね。漢字では、鰹節虫と書きます。幼虫が、鰹節【かつおぶし】などに付く害虫なので、この名が付きました。一種ではなく、たくさんの種があります。昆虫の中の、甲虫目【こうちゅうもく】カツオブシムシ科に属します。カブトムシやコガネムシの仲間ですね。
カブトムシと同じく、カツオブシムシの成虫は、硬い体を持ちます。けれども、非常に小さいです。成虫の大きさは、おおむね5mmほどしかありません。
カツオブシムシの中で、最もひどい害をもたらすのは、ヒメマルカツオブシムシでしょう。この種の成虫は、ヒトに無害です。野外で、花の蜜や花粉を食べています。
問題なのは、幼虫です。成虫とは、まったく生活が違います。主に人家に棲みます。
この幼虫は、およそ、何でも食べます。動物質も、植物質も、選びません。鰹節や煮干しなどの食品、毛織物や絹製品などの衣類、動物の剥製【はくせい】や植物の種子などの標本類まで、食い荒らします。美術館や博物館で、最も警戒される昆虫の一種でしょう。一般の民家でも、よく害を受けます。
ところが、カツオブシムシの中には、益虫になるものもいます。ハラジロカツオブシムシという種です。博物館で、動物の骨格標本を作る時に、活躍します。
スズメのような小動物の場合、骨格標本を作るのは、難しいですね。人手では、細かい骨まで取り出せません。そこで、ハラジロカツオブシムシの出番です。大まかに肉を取ったら、あとは彼らの幼虫に任せます。狭い隙間まで潜りこんで、きれいに肉を食べてくれる、というわけです。小さな博物館職員ですね。
害虫や益虫というのは、ヒトの勝手な見方です。同じカツオブシムシが、ヒトに害を与え、益ももたらします。自然界は、それでバランスが取れるのでしょう。
過去の記事でも、人家の害虫を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
シロアリとアリとは、どう違う?(2007/6/11)
シミは本を食べる?(2006/10/27)
「ドイツのゴキブリ」とは、どんな虫?(2006/5/24)
などです。
図鑑↓↓↓↓↓には、ヒメマルカツオブシムシ、シロオビマルカツオブシムシが掲載されています。
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インターネット生物図鑑-zukan.net-
http://www.zukan.net
ぜひご利用下さい。
松沢千鶴
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