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2007年11月26日

植物? いえ動物です。ウミシダ(海羊歯)




 海中には、陸では見られない生き物が、たくさんいますね。陸の生き物にそっくりでも、まったく類縁が遠い生き物も、多いです。ウミシダは、そんな生き物の一つです。
 シダ(羊歯)という名のとおり、ウミシダは、陸上植物のシダにそっくりです。けれども、ウミシダは、植物ではありません。動物です。棘皮動物【きょくひどうぶつ】というグループに分類されます。ヒトデやウニやナマコが属するグループです。
 植物のシダには、切れ込みが多くて、長い葉が付いていますね。ウミシダには、この葉に似た部分があります。ウミシダのこの部分は、葉ではなく、腕です。この腕で、食べ物を取ります。腕を広げて、海中の細かい有機物を捕らえ、食べます。
 ウミシダには、葉に似た部分だけでなく、根に似た部分もあります。巻枝という部分です。普段は、巻枝で、海底の岩や、サンゴなどにしがみついています。
 しがみつきっぱなしではありません。ウミシダは、移動できます。すべての種が、巻枝を動かして、歩きます。種によっては、腕を振り動かして、泳ぐこともできます。
 同種のウミシダでも、個体により、色や模様の差が激しいです。このため、種を同定するのが困難です。例として、ニッポンウミシダを挙げてみましょう。日本近海に多い種です。この種の色は、赤紫が多いです。が、黄色っぽかったり、真っ黒に近かったりするものもいます。外見だけで、ウミシダの種を決めるのは、ほぼ不可能です。
 ウミシダは、棘皮動物の中でも、原始的なグループです。ウミシダの直接の祖先は、ウミユリ(海百合)という棘皮動物です。ウミユリは、五億年ほども昔に、地球上に現われました。ウミユリの原始的な性質を受け継いだのが、ウミシダです。生きている化石といえますね。生物進化の謎の一部を、ウミシダが握っているかも知れません。
 ウミシダは、注目されることが少ない生き物です。けれども、近年では、前記の理由などから、注目されつつあります。飼育技術なども、少しずつ進んできました。
 先日、東京大学の臨海実験所が、ウミシダの継続飼育に成功しました。世界初の成果です。遅れていた研究が、これで進みそうです。今後の報告が楽しみですね。


 ウミシダの継続飼育のニュースは、以下のページに載っています。また、飼育に成功した東大臨海実験所のサイトもあります。
 海藻みたいでも脳がある動物=「ニッポンウミシダ」を継続飼育-東大臨海実験所(時事ドットコム)2007/11/24)
 東京大学三崎臨海実験所


 過去の記事でも、ウミシダの仲間の棘皮動物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 海中のオブジェ? パイプウニ(2007/11/16)
 棘だけでは足りない? ウニの防御作戦(2007/08/11)
 貝と付いても貝じゃない? モミジガイ(2007/04/27)
 食用ナマコはどんなナマコか?(2007/01/22)
 サンゴ礁の海を守るナマコ(2006/07/22)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、ニッポンウミシダが掲載されています。
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ぜひご利用下さい。

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