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2008年2月15日

ハハコグサは、母子草ではない?

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 寒い寒いと言いながら、もうじき桃の節句です。春を呼ぶ伝統行事ですね。
 伝統行事には、地方ごとに、さまざまな風習があります。桃の節句に、「草餅【くさもち】を食べる」地方がありますね。このために、桃の節句は、草餅の節句とも呼ばれます。
 草餅は、普通、ヨモギ(蓬)という草を入れて、作られます。けれども、昔は違ったようです。草餅は、ハハコグサで作られました。
 ハハコグサは、ヨモギと同じキク科に属します。食用や薬用にされるのも、ヨモギと同じです。春の七草の一種としても、有名ですね。春の七草の中に、御形【ごぎょう、または、おぎょう】というのがあります。これが、ハハコグサだといわれます。
 漢字では、ハハコグサは、母子草と書かれます。面白いことに、チチコグサ(父子草)という植物もあります。ハハコグサに似ていて、近縁ですが、別種です。ハハコグサより花が小さいため、チチコグサとなったようです。「色気がない」ということでしょう。
 ところが、ハハコグサを「母子草」とするのは、間違いだという説があります。ハハコグサという名は、「ほうこぐさ」がなまったものだから、というのです。実際、古語では、「ほうこぐさ」と呼ばれる例が多いです。「ほうこ」の語源は不明です。
 「ほうこぐさ」は、いつしか、ハハコグサと呼ばれるようになりました。やがて、「母子草」という漢字が当てられました。チチコグサの名は、その後に生まれたのでしょう。
 「ほうこぐさ」と呼ばれた時代から、ハハコグサは、食用・薬用にされました。ヨモギの草餅を、蓬餅【よもぎもち】と呼ぶのに対し、ハハコグサの草餅は、母子餅【ははこもち】と呼ばれました。
 今では、母子餅は、ほとんど作られませんね。その理由は、「母子」という名にあります。「母子を食べる」のは、縁起が悪いとされたようです。ただの語呂合わせですね。
 ハハコグサは、全体に、白い綿毛があります。そのために、白く、柔らかく、優しげに見えます。「母子草」という名が、ふさわしいですね。桃の節句は、子どもの健やかな成長を祈るものですから、「母子餅」はぴったりだと思います。


 過去の記事でも、桃の節句(草餅の節句)にまつわる生き物を取り上げています。また、ハハコグサ以外の春の七草も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 七草ナズナは、ぺんぺん草(2008/01/07)
 謎の「カブラ・ライン」とは?(2007/10/29)
 三月三日は草餅【くさもち】の節句?(2007/03/02)
 花も実もある魔除けの木、モモ(2006/03/03)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、ハハコグサとチチコグサが掲載されています。
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