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2008年5月 5日

柏餅【かしわもち】は、なぜカシワで作られる?

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 今日は端午【たんご】の節句ですね。このような伝統行事には、独特の食べ物が、付きものです。端午の節句では、柏餅が有名ですね。
 柏餅は、カシワの葉に包まれています。なぜ、カシワの葉なのでしょうか? 理由は、いくつかあると考えられています。
 一つには、「カシワの葉が大きいから」です。
 古代、陶器などの器が発達する前は、植物の葉を、食器にしていました。カシワの大きな葉は、重宝されたでしょう。物を載せたり、包んだりしやすいですからね。柏餅には、古来の食器の伝統が、息づいています。
 そもそも、「カシワ」という名が、「食物」に関わる名です。語源には、諸説があります。「炊葉【かしきは】=飯を炊【かし】ぎ盛る葉」説、「食敷葉【けしきは】=食物の下に敷く葉」説などです。カシワは、食器に使われる葉の代表でした。
 もう一つの理由は、カシワが、おめでたい木だとされたからです。
 カシワは、落葉樹です。秋になると、葉が枯れます。けれども、枯れ葉は落ちません。冬中、木に付いたままです。翌年の春、若芽が出る頃になって、落ちます。ユズリハと同じですね。「古い葉が、新しい葉を見守って、譲る」ように見えます。これが、縁起が良いとされます。節句に使うのですから、「縁起の良いものを」ということでしょう。
 漢字では、カシワは「柏」と書きますね。ところが、中国で「柏」と書くと、別の種を指します。日本語で、コノテガシワという樹木のことです。
 コノテガシワとカシワとは、遠縁です。コノテガシワはヒノキ科で、カシワはブナ科です。外見も、似ていません。おそらく、文献だけ読んだ人が、取り違えたのでしょう。
 カシワは、コノテガシワより、コナラやミズナラに近縁です。コナラやミズナラとは、外見も似ています。みな、大きくて、縁【ふち】がぎざぎざした葉を持ちます。野生でも、コナラやミズナラと、カシワとの雑種ができることがあります。
 せっかくのおめでたい葉です。柏餅の葉の香りを、じっくり楽しみましょう。


 過去の記事でも、端午の節句にかかわる生き物を取り上げています。また、カシワと同じく古い葉が残るユズリハも、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 五月五日は、あやめの節句?(2007/04/30)
 端午の節句に欠かせない菖蒲(ショウブ)(2006/04/21)
 新年の神さまはユズリハに乗ってくる?(2007/01/05)
などです。



図鑑↓↓↓↓↓には、カシワ、コノテガシワ、カシワに近縁なコナラやミズナラが掲載されています。
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