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2008年8月 6日

実盛虫【さねもりむし】の正体は、ウンカ?

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 夏は、昆虫が元気ですね。害虫による被害も、大きくなります。
 日本の各地に、害虫を、怨霊【おんりょう】や、妖怪とみなす伝承があります。昔は、それだけ、被害が深刻だったのでしょう。農薬など、ありませんでしたからね。
 中に、実盛虫という伝承があります。平家物語に登場する武将、斎藤実盛【さいとうさねもり】が、虫に化したというものです。虫になった理由には、諸説があります。
 この虫は、烏帽子【えぼし】をかぶった武士の姿に似るそうです。これは、ウンカの類だといわれます。横から見ると、ウンカは、烏帽子の形に見えなくもありません。
 ウンカとは、カメムシ目ヨコバイ亜目に属する昆虫の仲間です。とてもたくさんの種がいます。どの種も、植物の汁を吸います。吸われた植物は、弱ったり、枯れたりします。
 伝承によれば、実盛虫は、イネ(稲)に怨みを持つといいます。そのために、イネを食い荒らすのだそうです。昔の人は、どんなウンカを、この妖怪と見たのでしょうか?
 これは、トビイロウンカの可能性が高いです。このウンカは、イネの汁を吸います。
 トビイロウンカは、もともと、日本には、いませんでした。原産地は、アジアの熱帯地域のようです。寒さに弱いため、日本では、冬を越せません。
 では、どうやって、日本に棲むのでしょう? 彼らは、夏ごとに、海外から来ます。気流に乗って、飛んできます。5mmほどしかない昆虫なのに、驚きですね。
 毎年、トビイロウンカが、日本に来るとは、限りません。日本で、ほとんど見られない年もあります。どういう条件の時、彼らが来るのかは、まだ、わかっていません。
 昔の人にとって、トビイロウンカは、悪夢のようなものだったでしょう。見慣れない虫が、突然、田に大発生するのです。妖怪だと思われるのは、無理もありません。
 トビイロウンカが、斎藤実盛と結びつけられた理由は、謎です。どうやら、「さねもり」と似た言葉で、イネに関係するものがあったようです。一説では、「さのぼり」(=田の神さまを送る行事)だといいます。それがなまって、「さねもり」になり、「実盛虫」と、こじつけられたようです。斎藤実盛にとっては、迷惑なことでしょうね。 


図鑑↓↓↓↓↓には、トビイロウンカが掲載されています。
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 過去の記事でも、妖怪と思われた昆虫などを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 イネクロカメムシは福田【ふくだ】の虫?(2007/10/08)
 精霊【しょうりょう】バッタとは、どんなバッタ?(2007/08/15)
 お菊虫の正体は、ジャコウアゲハ?(2007/08/13)
 ジョロウグモの理【ことわり】(2006/10/19)
 精霊【しょうりょう】トンボとはどんなトンボ?(2006/08/12)
などです。


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